『私は貝になりたい』

中島みゆきと松田聖子がCMしているのを観た。
まあ、中島みゆきをトーテムとしているオイラの贔屓目もあるとしても、聖子よりみゆきの方が若く溌剌としていると思う。

前の情報であるが、マイクル・クライトンが先日亡くなったとのとこ。
原作は読んだ事無いのだが、映画になったものは結構観ている。
最新科学に裏打ちされた原作だったのは、映画を観ればわかる。
まだ若いのに...。
ご冥福をお祈りいたします。

金曜日夜から日曜昼間まで会社。
集中的してできて割とはかどりはしたが、全体的にまだ進行は遅い。
特に今週からオカネになる仕事がはるのでそちらへ力を出さねばならぬ。
家で素材作成と、今迄集めていた素材で使わないものを削除する。
この手の事に未練がましくないのがイイところだと自画自賛(笑)

三連休の最終日の今日、ジムに。
家での素材作業があるのでごく軽めに終わらせる。
30分のランニング・マシンと軽めの筋トレ。
92.75キログラム。
会社に泊まり込んでいるときはほとんど食べなくても平気で、実際食べてなかったのだが体重減にはならなかったようだ(笑)

『銀魂』のエンディング・テーマredballoonの"雪のツバサ"のCD購入。
イイ。
iTunesで購入できればいいのだが、曲がないのでは仕方ない。

突然、中島みゆきの"やまねこ"が聴きたくなってアルバムをiPodに入れる。
20年ほど前の曲なのにまるで古びていない。全体が切れ味の鋭いエッヂのような作品ばかりであった。


『私は貝になりたい』
日曜日MOVIXさいたまにて。
面白かった。DVD購入決定。
今年の『ぐるりのこと。』『おくりびと』『ハッピーフライト』同様に赤字大きな文字で"傑作"と書いてもよかったのだが、それを思いとどまったのには理由がある。
まず良かったのがこの映画が映像で語ろうとする監督の意志が感じられたからだ。
『私は貝になりたい』は何度か映像化されている。
オイラはフランキー堺版のモノクロを最後のシーンだけTVで観た覚えがある。
そして更に所ジョージが主演したTVドラマも観ていて、これもなかなか良かったと思っている。
特に処刑を宣告されるシーンで立ち眩んで倒れるシーンの所ジョージの演技はすばらしく、これは今回好演した中居も及ばなかった部分ではあった。
脚本は大御所、橋本忍の作。
何度も映像化されているのはその物語が万人受けし、ヒットする事が約束されているようなものだからだ。
ある意味だれもが知っているクラッシック音楽を指揮するようなものであろう。
指揮者がヘボであっても曲の主軸を曲げなければそこそこ聴いていられる。
逆に主軸を意図的に曲げたいと思っていてもそれが出来ないのがクラッシックなのだと思う。
この映画の監督である福澤はこの映画を脚本通り撮りつつ、映像表現によってより監督の作家性を加味した。
演技や台詞の演出だけではなく、むしろ映像的な美を追求した作品になっていた。
全編を通じ仲間由紀恵がより美しく描写されていたのは言うに及ばず、他にには、
●CGによる空襲やB29の描写がCGっぽくなくリアル。
●TVドラマ出身とは思えないリアル指向の照明。暗くはあるがものが見えないほどの暗さはなくメリハリがありシャープな印象。
●房江が子供を連れて巣鴨プリズン(観ながら、いまそこはサンシャイン60になっているんだなと思った)に豊松に会いにくるシーン。接見の部屋で房江の姿を見せずに子供の話し声だけで近づいてくる事を表現する演出。
●巣鴨プリズンの内部の描写のすばらしさ。たぶん映画的な嘘はついている筈だが見応えのあるセットデザイン。映像的な工夫てんこ盛り。
●窓から壁にさしこむサーチライト。
●雪景色、紅葉、そして豊松と房江が最後に行き着いた切り立った断崖のような海の描写。それらが魅力的に描写されている。
●監督の人間性の最低さ(ある意味褒め言葉なのだが(笑))で作られた『ダンサー・イン・ザ・ダーク』の絞首刑シーンには迫力では及ばないものの、十分衝撃的な絞首刑シーン。
●絞首刑シーンで、手に握られた家族の写真を最後に見ようとして、その寸前で顔に覆面をかぶせられる。たしか最後に見る事はできなかったような気がする。その写真の家族の顔を指でなぞる演出。
まだまだ色々あるのだが、圧巻はクライマックスで豊松が遺書を書き始めるくだり。暗闇で瞳にキャッチライトが鋭く光り、それが台詞以上にその状況の内面を語っている。
このような映像を切り口としているのは他には岩井俊二ぐらいで、比較的日本では珍しいタイプの監督ではないかと思っている。
冒頭、この映画を極端に褒める事をしなかったのは、この監督の真価というものは次作で分かるのではないかと思うからだ。
今回、物語的には借り物であるのは間違いないわけだが、(オリジナル作品が成立しにくい状況であるのは分かっているが)だからこそ物語を含めてオリジナルの作品を手がけてもらいたいと思ってるのだ。
今回の映像を素直に捉えれば、サイコ・サスペンスなんて上手く成立しそうではなのか。
『セヴン』のような作品が日本で作られるかもしれないと期待したりするのである。

全体を見ても定番の物語の強さとでもいうのか、破綻無く良い作品に仕上がっている。
例によって井筒某(またどうせ観ないで批判してるのだろう。オイラはこの監督の思想指向的に近くはあると思っているのだが、いかんせんアホ、なのだ(笑))やおすぎなんかは週刊誌で本作を批判してましたっけね(笑)
まあ批判は自由ですがね。

演技は中居も健闘しているが、もう今一歩いければと大きな御世話をいいたくなる。まだ驚きの演技を驚いた顔で演じている部分があったりするのが惜しい。そうは言っても全体としては実に上手い役者である。

同じスマップの木村拓哉と共演した六平直政が出ていた。この人映画やTVドラマにひっぱりだこだね。作品に軸に関わるようなキーとなるバイプレーヤーとして魅力があるからね。
六平が新兵訓練で中居を「このアイドル。このアイドルめ」とケリをいれてるシーンが微笑ましい(笑)

何度も言うが個々の役者の演技力をこの映画の映像演出がそこあげしていると言える。台詞や演技だけを演出するのが監督ではない。それらを含めてどう見えるか、というのを演出するのが監督なんだと思う。

この映画のタイトルにもなっている「貝になりたい」という言葉の意味の深さを思い知った。
愛してやまない妻子のところに帰るという願いではなく、人間であったということこそが豊松にとっての悲劇であったという結論。
家族としての絆、人間としての英知なるものは、理不尽な死の前にはまったく魅力のあるものではないのかもしれない。
この作品は最後の最後で修復が不可能なほどの絶望感を観る者に与えているのだと思う。

私にとって極東国際軍事裁判、いわゆる東京裁判というものは裁かれた者達よりも、そこで裁かれなかった多くの者のを出したものだという意味で理解している。
それは友人を含めた他人が出兵するのは人ごとで喜びながらも、いざ自分に赤紙がくると絶望の縁に陥る。
戦中は兵隊を軍神などと言っておきながら、戦後は豊松の助命嘆願の署名に嫌悪する態度(これはアメリカでベトナム戦争帰りの兵隊に対する冷遇にも似ている)。
豊松が処刑されるのなら、生き残った多くの日本人も生きる資格があったのか。
軍人でも潔く自決した者はいい。
裁判を姑息に回避して生き残り国会議員になった者がどれだけいるか。
そしてその周辺で暗躍し金を儲けた奴だっている。
それがこのみっともない日本を作り出した。

その端くれである私も相当に恥ずかしい日本人であるとい事を今後とも自覚していきたい。
by 16mm | 2008-11-24 21:04 | 映画・Blu-ray・DVDの感想など。 | Trackback | Comments(6)
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Commented by chata at 2008-11-24 22:13 x
σ(゚∀゚もジョージ主演のやつが印象的であります。
なかなか良いですか中井版も。どうすっかな…

あのCMは松田聖子不要だと思うンです(´・∀・`)
Commented by 16mm at 2008-11-24 22:52
■re:chataさん
くっくっくw
『ワタシは具になりたい』(笑)こういうのはchataさん上手いなあ(笑)

で、件の『具』ですが、正直オススメっす。
Commented by chata at 2008-11-24 23:14 x
すんません、『具』は今日の昼タモさんが中井に言ってたんですぅ~w
Commented by 16mm at 2008-11-24 23:40
■re:chataさん
そう言えば、徹子の部屋に中井が出てて、徹子にそそのかされてチュと半端に伸びた髪の毛を晒しておりましたですよ(笑)
Commented by chata at 2008-11-29 19:14 x
おそらく購入済みとは思われますが、3月のライオン2巻出てますね。付録欲しさにヤングアニマルも買っちまいました(・∀・)

今巻もやっぱりボド…いや二階堂クンに持ってかれたカンジ(笑)
Commented by 16mm at 2008-11-30 09:22
■re:chataさん
情報ありがとうございます。
フッフッフ。ぬかりはなくってよw
二階堂クンがでると物語に加速がつきますやね。
最後のキリマヤくんの絶叫がすばらしい。

実はchataさんに情報流そうと思っていたのですが、ヤングアニマルに衝撃的なニュースが(笑)
カミヤマ×ウミノ。
内容わからんがすげえ期待。



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