『WALL・E』

本日火曜日は年末のお使いを少々。
オイラが唯一お歳暮送っている所にブツを届ける。
まあ、行きつけのカメラ店だが(笑)。


たぶん今年最後の映画と思われる。
『WALL・E』。
月曜日MOVIXさいたまにて。
今年のベストでございましょう(笑)。
いや、笑い事ではなくマジに。
まず誰もいなくなったニューヨーク?のヴィジュアルに圧倒された。
CGで空気感というものを表現しようとした時の答えの欠片が見え隠れ。そして景観そのものがリアルである以上に美しく作られているのを見て目眩にも似た絶望を味わったよおぢさんは(笑)。
分かってはいたがピクサーと自分がやっていることなど、ダイヤモンドと砂利、プロ野球とリトルリーグ、ビル・ゲイツとパソコン少年ぐらいの差があるもんだと(笑)
......
いやいや。オイラも努力してるんだから結構いい勝負だと思いたい、大ピクサーと(笑)。
比べて見ても若干品質が落ちるだけ。日本製が中国製になる程度でシロートさんには分かるまい(サイバラ)(笑)。

全編を通してヴィジュアルにまったく隙がない。
アメリカの他の制作会社が3Dアニメーションをピクサーに対抗しつつ作っていはいるが圧倒的に真似出来ないタッチが存在するのだと思われる。
数で言ったらピクサーは年1本しか作っていないのに他のアニメーション作品に負けた事がないのだから...たしか(笑)。

700年、ウォーリーはひとり(あえて"ひとり"と言うが)ぼっちでガラクタを集めてキューブにし、それを積み上げてビルにしていく。
自分で自分のメンテナンスをし、何百年か前までいたであろうウォーリーの仲間も力つきたように動かなくなっている。
人間がいなくなった世界であっても物質文明の象徴のような高層ビルを建てていくところに、人間の業というものが感じられる。
作っているのはウォーリーだけど、そのウォーリーを作ったのは他ならぬ人間だからね。
このひとりぼっちで延々と働き続けるロボットというのは、キューブリックの作ろうとしていた『A.I.』(断じてスピルバーグのではない)のプロットのようで、それだけでもオイラのツボで泣けてるくる話なのである。

ウォーリーも大変魅力的なのだが、やはりオイラはイヴがいい。
命令に忠実で、まったく容赦なく銃を撃ったり、男(ウォーリー)に" 媚び"ない(ロボットが"媚び"を売るなんてないわけだがw)態度がすばらしく素敵。
このイヴの性格の造形など主演女優賞ものではないか。まじに。
イヴって誰かに似てるなと思っていた。
『攻殻』の少佐...ではなく...って思いついたのが『もののけ姫』のサンと『未来世紀ブラジル』のヒロインのジルだった。
これ我ながらイイセンいってるような気がする。
物語の終盤ピカピカだったイヴが薄汚れていくのもよい。
ウォーリーは最初から汚れていいたわけだが、汚れていく事で"自我"を獲得していってるのではないか。
この映画にはシェイク・ハンド、手を握る、或は手を握りたいという衝動によって生み出されるものを肯定的に描いている。
それが何か、というのはこの作品でもいくつか提示されている。
ただ、どーでもいいことだが、オイラなんか人間が手を繋ぐ事を思い出した瞬間にまた同じ事を繰り返すんだろうなと思ったりする(笑)
そんなことなら手を握ることなどせずに、ブクブク太って宇宙船の中で朽ち果てていった方が地球の為かもしれんなと思ったりした(笑)
そう考えると、詳しくは説明されていなかったと思うが、あの宇宙船の極秘事項で地球に戻るなという命令も、単に命令そのものが古くて現状にそぐわないという以上に、人類がまた地球に戻る事によって起こるであろう災厄を見越していたとも勘ぐれる。
閑話休題(それはともかくw)。
『2001年宇宙の旅』をパロディーにしているのも微笑ましい。
消化器の噴射をアポジモーターの代わりにして宇宙空間を飛び回る。
土星の輪っかを触って、それがキラキラと流れてい。
ああ、オイラはSF映画を観てるんだなとしみじみ思わされた。
あの宇宙船の船長も立派だ。
全ての登場人物が後半になるにしたがって、ちょっとづつ成長する。

主要登場人物の2人がほとんど言葉を発せず大雑把な表情と仕草だけなのに、おそろしく饒舌で豊かな表現をしている。
何万という言葉を駆使しても分かりあえない事もある。
言葉というものがいかにコミュニケーションの手段として脆弱であるか。
言葉がない、足りないという前提があれば、人はもっと相手の表情を見て分かりあおうとするかもしれん。
それは言葉のコミュニケーションよりは具体性はないかもしれないが、結びつきの深い関係を築く事ができるかもしれん、と思ったりした。

つーわけで、『WALL・E』今年の洋画のベストに決定(笑)
by 16mm | 2008-12-31 00:02 | 映画・Blu-ray・DVDの感想など。 | Trackback | Comments(4)
トラックバックURL : http://rts3.exblog.jp/tb/10468150
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
Commented by JunBo at 2008-12-31 06:01 x
ふぉっ! (゜□゜)

“オトコ”というものは
やはりツンツンで時折見せるか弱さだったり優しさだったりの
小悪魔的なのに ヤられてしまうんぢゃろか(´・з・`)
常時優しいと 優しいのが目立たないもねー
(´・з・`) (´・з・`) (´・з・`)
((私が常時優しいわけではないけどw
オトコ目線では イヴ。
オンナ目線では一途なウォーリーにハマってしまうのかしらん

目は口ほどにものをイヴ。もとい言うよね。
ふたりとも目の表情がすてきだ★
来年は レンタルでびゅーして いろんなピクサー作品観ようっと♪
Commented by 16mm at 2008-12-31 09:46
■re:JunBo丼
前半と後半のイヴの性格付けの落差にやられたところはありますな(笑)
特に肩(?)を上下させて笑うイヴってよく出来てるなと。
オイラからするとアメリカ人って台詞と口の動きのシンクロを病的な迄に気にする民族だなと思っていて、あの『トランスフォーマー』でさえわざわざ口を作って台詞を喋らせてました。
『WALL・E』は台詞はカタコト以下だし(笑)口自体がなかったりするので、これは結構冒険的なデザインだったのかなと思ったりしてます。
『仮面ライダー』シリーズや所謂"戦隊"モノに慣れ親しんでいる日本人としては、台詞イコール口を動かすという事に頓着しないので割と自然に入っていけたのかな、と。
Commented by chata at 2008-12-31 10:47 x
ぁぅ。

昨日重い処理中にコメントしたら、やはり反映されていなかったので再コメをば(;・∀・)

表現といえば、ラストのイヴを忘れちまったウォーリー。
アレはぞっとするほどすげぇなと。

イヴがスリープ中に録画してた映像は泣きそうになった(つ∀T)

来年は船長のようにあきらめず前向きに生きたいと思いまつw
Commented by 16mm at 2008-12-31 11:37
■re:chataさん
再コメ、お手数おかけしました。

そーなんだよね。ラストはそれまでのウォーリーとイヴの役割が逆転してましたね。あのシーンでイヴがウォーリーの想いと同じぐらいの感情を持っているんだとだめ押ししてるんですよね。それまでのウォーリーのイヴに対する感情が大きすぎて、2人の間のバランスが微妙だったから。ラストのイヴのロボットらしからぬ取り乱し方。あのシーンがあったからより以上にイヴに感情移入できたのだと思う。

やっぱりピクサーはすげえや。
事実上の10割打者が何人もいるんだから、どこも太刀打ちできなさそう。
当然彼らがインスパイヤしてるといわれているジブリもかなわないだろう。
ピクサーは末期のディズニーを反面教師にし、ジブリはディズニーの躓いた石に向かって全力疾走してる感じですね。


<< 大晦日 『ワールド・オブ・ライズ』『K... >>