『誰も守ってくれない』

いやはや。先週前半はほぼ年に一度のお約束になりつつある風邪で伏せっておりました。
先週のジムでボクシング終わった後がダルかったので「ああ、今日は張り切りすぎたのだな」などと呑気に思っていたら(笑)。
三日間会社休んじゃいましたよ(笑)。風邪の自覚がまったくなかった(笑)。
今回はとにかく熱と関節痛。先週の月曜日など、う〜う〜唸って寝てました。
一時はインフルエンザを疑われましたが、それは血液検査でシロ。
週一でもジムに通って抵抗力がついたかなと思ったら、んなことは全然なかった(笑)。
ところで、オイラは風邪をひくと必ず喉が痛くなるのだが、今回はそれがない。
医者に言わせれば喉は相当に赤かったらしい。
医者は「わからん」と言っていたが、年始から付けている磁気ネックレスがなにか作用してるのではないか?と思ったりしている。


『大東京トイボックス 3』
結構待望のコミックの一つ。
今回はキャラクターが対峙するカットが印象深かった。
その中でもラストページ近くでの天川と仙水がお互いの胸ぐらを掴みあっている横からのカットが凄みのある構図とともに印象深かった。
そうだ。この2人の物語なんだよな、この漫画は。


『おくりびと』
米アカデミー賞の外国語映画部門にノミネート。
取れたら快挙だけど、取って欲しいけど。
多分無理だろうな。


先週は割とTVを観ていた。

『相棒』
つまらなくないのに馴染めないのは杉下のせいだ。
詳しい経緯はわからんが警察組織に絶望しているくせに動きすぎる。
この手の主役が"探偵"であるとか"なんでも屋"であるとかの肩書きになっているのは、会社や社会の中にあってもある程度自由に動ける存在であるというのを印象づけるためだ。このドラマのように主人公が"特命係"というわけのわからない所にいるのも同じ事だ。
劇場版はまあ面白かったわけだが、物語の骨子は実は古い。
続けて観る事もないであろう。

『キイナ』
菅野美穂はいいし、その恋人が塚地武雅という設定は面白い。
ただイマイチ引き込まれなかった。

『帰ってきたウルトラマン』
23時ぐらいにTOKYO MXでやっていたのを観る。
結構懐かしい(笑)
宇宙人が少年にバケてテレパシーで話すシーンが、顔がトメの静止画で、その眼が原色の青で点滅するという演出。
笑っちゃうかと思ったらこれが結構不気味な効果を出していた。
昔はこんな番組がつくれたんだな。当時は普通だと思っていたけど。すごく丁寧に手間かけて作られていたんだと思った。

『銭ゲバ』
松山ケンイチ主演でのTVドラマ。
先週の土曜日で二回目。
学生の時に全巻をコンビニで立ち読みした(笑)。
今から40年近く前の漫画が今日迄読み継がれている。
「カネで買えないものはない」
などと豪語していたデブがいたが、そんな上っ面な言葉を吐くならこの漫画を読んでからにしろと言いたい。
時代の閉塞感を松山ケンイチの瞳が見ている。
これは継続して観るつもりである。


で、本日日曜日。ジムに。
筋肉トレとストレッチとボクシング。
病み上がりながら最後迄身体は動いてくれた。
92.65キログラム。
風邪で体重が落ちたのかな(笑)。



『誰も守ってくれない』
土曜日、109シネマズ菖蒲で。
「背筋が凍るなぁ、オイ」
この映画で気に入らないのは一つ。
タイトル垢抜けなさだけ(笑)。
それ以外は傑作だ。
以前オイラは日本で『レオン』のような物語を成立させるにはどうしたら?と妄想を弄んでいたことがあった。
中年男と少女という組み合わせはどうにも倒錯を生みやすい。
結局20代後半の女性と小学校6年生ぐらいの男の子というペアならいけるかなと思った事があった。
が、ある意味この映画、日本で『レオン』でやっていた中年男と少女という枠組みをぬけぬけとやって成立させていた。
「背筋が凍るなぁ、オイ」
設定次第でちゃんと説得力をもった枠組みになる。
別に監督は『レオン』をやりたかったわけではなかろうが。
この『レオン』のプロットの魅力はセックスを伴わないラブロマンスという所にあるのだと思う。
『カリオストロの城』だってそうだ。
このプロットが多くの人を魅了する。
守るべきものを誰もが納得出来る理由で守り始めた時に、物語は次第に光を増していく。
閑話休題。
作品のテーマは殺人事件の被害者と加害者家族についての話である。
オイラはこの映画に死刑廃止の是非の問題も結びつけられるなと思って観ていた。
漫画の『PS -羅生門』のどの巻か失念したが、以前殺人事件をおこした男が刑務所から帰ってきて家族を持ち平穏に笑顔で暮らしているというのがあった。
なるほどこの男は罪を恥、立派に更正したのだと言える。
しかしその男の手にかかった被害者の家族はそれを見てどう思うか?
劇中いみじくも柳葉敏郎が言う
「鬼畜のような男の所為ですべてをなくした。犯人はいつか街に帰ってくるがウチの子は帰ってこない」
被害者遺族にしてみれば理不尽であっても加害者の家族にも償わせたいと思うのは当然なことだろう。
この辺りはどう考えてもいくら考えても答えは見いだせない。
なぜなら、この問題は論理ではなく感情的な部分でしかないからだ。
殺人<に限らず犯罪全てと言っていいかもしれない>というものは被害者とその家族にのみ不幸がが降り掛かる指向性のようなものではなく、犯人を中心として同心円に<加害者の家族親族を含めて>不幸が広がっていくのではないか。
感情に折り合いをつけなければ社会は機能しない。多くの人が『マッドマックス』や『北斗の拳』のような世界を望むのなら別だが。
この映画はそれについての答えを出していない。というか出せるはずがない。
ただ被害者の家族だけでなく加害者の家族も崩壊するという事実を突きつけている。

ほぼ全てをロケーション撮影しているようで、池袋の見覚えのある場所が多数出てきてオイラにはなかなか楽しかった(笑)
夜の街中でカーチェイスをやっていたが、よくがんばったと思う。
今の日本の撮影事情を考えれば非常によくやったと思える。
『西部警察』のように郊外の湾岸あたりでカーチェイスという風にお茶を濁さない(笑)
映像に関しては本当に努力や試行錯誤の跡が見て取れて言いにくいが、アメリカ映画に比べて圧倒的に引き画が少ないと思った。
その分俳優のアップ・カットで繋げているわけだが、引き画で情報量を増やしたカットというのも欲しい所だった。
アメリカなんかだとその背景もVFXで作ってしまうのだが。

公開日の土曜日の夜に『誰も守ってくれない』の前日譚ともいえる『誰も守れない』がTVで放送されていた。
なるほど。劇場で出てきた設定とちゃんと繋がっている。
勝浦が三島に
「シャブ漬けにすんぞ」
という台詞は、ははははは(笑)、シャレになってなかったわけね(笑)
TV版も脚本は君塚良一。
「ここでカウンセリングですか?」
「酔った方が上手よ」
すばらしい台詞だ。
君塚良一脚本には色気がある。
「背筋が凍るなぁ、オイ」
TV版には森田芳光がクリニックのボス役で口が曲がって出てきてたっけ(笑)
驚くべきは山本圭。ちょうど同じ時間帯のウラで『銭ゲバ』にも出演していた(笑)

君塚の監督作品に触れたのは今回が初めてだが、監督の手腕としてもすばらしい。
もう冒頭のリベラの"あなたがいるから"がかかってくるところからそのセンス脱帽である。
エンジェル・ヴォイスとも言うべき透明感のあるリベラの歌とスローモーションで映像を繋げつつ殺伐とした喧噪をも演出している。
スコセッシの『グッドフェローズ』の殺戮シーンに"レイラ"のコーダの部分がかかったのを聴いた時と同じぐらい感動した。
オイラも早速CD買っちまったが、良い歌良い曲であるのは間違いないが、あの映像とマッチしたときが最高だった気がする。
人物設定で勝浦に手の震えを設定したのも秀逸である。
勝浦役の佐藤浩市は言うまでもなく安定した演技をしいた。
松田龍平が非常に良かった。
石投げられるのを打ち返すつもりで言うが(笑)、はっきりいって親父よりも演技は出来てると思う。
なにより普通と狂気とちゃんと行き来できるのがいい。
木村佳乃はこの映画の母性を担っているのだがハマっていた。
柳葉敏郎も良い役者になった。
名前はわからんが加害者の妹の彼氏の役者。
声が高くて女みたいなのだがこれも明らかに監督の狙いであろう。

この映画で醜悪なものに描かれているネットの書き込み。
自分も末席でブログなんぞを書いているが、ネットの力というものを過大評価して描いてマスコミの醜悪さへの矛先をにぶらせようとしてるんじゃないかと邪推する。
社会的な影響力はどう考えてもマスコミの方が大きいと思う。だからこそ責任というものを自覚するべきだと思う。

加害者家族の夫婦を離婚させ、母親の姓を名乗らせて再び婚姻する。裁判所がこれら一連の作業を流れるように行う。
加害者の妹をホテルからTVカメラで盗撮してネットに流していた者達。勝浦がホテルの室内にしかけてあったパソコンを乱暴に扱った事に逆ギレして襲ってくる。
一歩間違えば喜劇のようなシチュエーションをちゃんとシリアスに踏み留めている。

タイトルがどうにも気に入らなかったが、長いけど、TV版と劇場版のタイトルを併せた方が座りがいいのではないだろうか。
『誰も守れない誰も守ってくれない』
......
どちらにしてもタイトルがイマイチなんだよね(笑)
でも映画は素晴らしかった。
DVD購入決定である。

日本映画、どんどん良くなってる。
一部だけどね(笑)
by 16mm | 2009-01-25 20:06 | 映画・DVDの感想など。 | Comments(4)
Commented by chata at 2009-01-25 21:22 x
『誰も守~』テレビを観ると映画を観たくなるので我慢?しますた。
風邪から復活もめでたうゴザイマス。一方オラは病人として生きてまふ。

「銭ズラ~」この台詞を日常生活で使おうと決めました。んふ。
Commented by 16mm at 2009-01-25 21:27
■re:chataさん
ありゃ、風邪ひきましたか?
本当にタチが悪いようなのでご自愛のほど。

ウチの母親はマツケンの傷跡を見て
「なんか傷の位置が先週と微妙に違うような」(笑)
などと言ってはいけない部分をツッコンでました(笑)。
Commented by chata at 2009-01-25 21:32 x
ママ・・・w

痣の少女の行方を見守りたいと思ひます>『銭ゲバ』
Commented by 16mm at 2009-01-25 21:40
■re:chataさん
このドラマ観てマツケンが好きになりました。
取りあえず最後迄付合うつもりです。


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