『チェンジリング』『BLOOD+』

「◯◯くん(オレの名前)は今でも戦っている眼をしていますね」
と、とある年長者に言われた。
「いや〜、そんな事ないっすよ。勘弁してくださいよ。ワタシなんてヒツジの皮を被ったヤギっていわれてるんですから。メェェ〜(笑)」
「......」
一瞬で凍り付く周囲。こういう時、アドリブがきかないオイラは更に墓穴を掘る(笑)
「いや〜、チンチンも皮、被ってますが(笑)」
「......」
取り返しのつかない状況ってのはこういう状態なわけだな(笑)
うはははは(笑)


なんとなく思い出した言葉。
"鏖殺(みなごろし)の雄叫びをあげ戦いの犬を野にはなて"-W.シェイクスピア。
押井と藤原カムイの『犬狼伝説』の冒頭にあった一文。
好きな言葉だったのだが今まで忘れていた。


土曜日、会社でMaya自主トレ。
本格的にモデリングの練習をするのにちょっと大きめのフィギュアを買おうかと真剣に悩み中。


日曜日、ジムに。筋トレとボクシング。92.75キログラム。帰り、インストラクターが雑誌に載っているとのことで立ち読みしにコンビニに。


おお。情熱大陸で秋本治か。観なくちゃ。


『BLOOD+』
iPodで全部観終わり。
面白かった。
だがやはり、彼らが喋る言語の問題は結構致命的な設定ミスのようにも思われる。
なぜなら、血が繋がらなくとも愛情という思い込みだけで人は家族になれるのか?というテーマがあるからだと思う。
大きく言えば人種や性別、身体的な特徴も関係なく血縁のような関係を築く事ができるのか?ということで、それには例えば英語を喋っているであろうデヴィッドと流暢に英語が喋れるとは思えないカイがなぜコミュニケーションがとれるのか。
字幕にする、片言でしゃべらせるetc...
コミュニケーションの多くを言葉や文字に依拠している以上、どうやって意志の伝達をしているのかというのを納得のいくかたちで提示するべきであったと思う。
ハジが最後に
「ナンクルナイサ」
という台詞が実によかったと思うので、言葉の問題は丁寧にやってもらいたかった。
それから最終回のエンディングが前半の元ちとせの"語り継ぐこと"で絶妙にシメているというのならOpも"青空のナミダ"に戻してもらいたかった。
あの『ギアス』でも歌ってた最悪なチームが担当したOp。
気のせいかOpアニメーションもなげやりな感じの作りに思えたりして(笑)
"雷音"というタイトルはカッコいいのに(笑)
ラストで小夜の眠る場所にきたカイがハジが来たのを知ってキョロキョロと落ち着き無く動くのがわざとらしい(笑)
まぁ、そうは言っても全体的には大満足の出来。
ハジがすごくカッコよかった。
果てし無い流れの果てまで小夜を待ち続けるハジ。
カッコいいじゃないか。


『チェンジリング』
土曜日、109シネマズ菖蒲。
イーストウッドの映画。
このジジイがこんなになると誰が予想していたろうか。
すくなくとも1992年の『許されざる者』を監督しオスカーの作品賞と監督賞を受賞するまで世間的な評価はアメリカ人の中でも高くなかったと思う。
それは1990年公開の『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』でイーストウッドは揶揄の対象になっていたと思われるから。
揶揄でないにしても、今のイーストウッドに対し『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』のような扱いはできまい。
御歳80歳。老人がこれほどまでにハードで丁寧な映画を作る事ができるという事実は尊敬に値する。
その作品からイーストウッドが監督することを老害などと言う者はおるまい。
歳を重ねてこれほどまでに粘りのある作品をつくる事ができる。
かなり特異な例になるのかもしれん。
処刑前の犯人に会いにやってきて、最終的に面会室から犯人が連れ出されてしまうシーンがあるのだが、それをカメラは連れ出された方から見ている。
つまりコリンズ婦人が檻の中にいるように撮っているのだ。
コリンズ婦人が息子に父親がいない理由を告げるのも実に自然でくどくなく、そして端的な表現。
演出の奥深さが垣間見れる。
1928年の街並や空間をつくり出す力といい、俳優を的確にキャスティングする力といい、ずば抜けていると言わざるをえまい。
淡々と進みながらまったく飽きさせず時間を感じさせない。
なんといってもライティングがいい。
オーソドックス風を装いつつ、濃い影と飛び上がった光をつくり出したタッチがたまらなくいい。
キャストはアンジェリーナ・ジョリーがすごく良かったけど、犯人の甥のサンフォードをやった子役?がかなりすばらしかった。
こういうところに俳優をちゃんと見ているイーストウッドの慧眼を感じる。
内容については語るのはヤボなので。
ただオイラは男で子供もいないのでピンとこないのだが、女性の自分の子供に対する執着というものは男には、オイラには絶対理解できないのかもしれないと思ったりした。
まさに血を分けた者、血の繋がりを間違いなく感じる事ができているのだろう。
アンジーの演技を観て、北朝鮮に子供を拉致された親御さんの心情がより鮮明に分かったような気がした。
憎むべき犯人もそうだが、自分達を守ってくれる筈の国家がまるで機能してくれない苛立。
こんなじゃ心がどんどん疲弊していくよな。
この映画、アカデミー作品賞はノミネートされてないけど、次作の『グランドトリノ』が候補にあがってるから、さらにそっちの方がいいのかな。


『ウォッチメン』と『ザ・バンク -堕ちた巨像-』って映画が楽しみだな。
『ワルキューレ』も楽しみ。"ワルキューレ"ってドイツ語での発音って"ヴァルキリー"になるみたいね。


明日は米アカデミー賞だな。字幕版の再放送を録画しとくとしよう。


今週は色々買うよ。
『スカイ・クロラ』DVD。『ぐるりのこと』DVD。
『岳』『プルートゥ』のコミックス。
あとは...まだあったような気がするが、買う時に思い出すであろう(笑)
by 16mm | 2009-02-22 19:58 | 映画・DVDの感想など。 | Trackback | Comments(6)
Commented by chata at 2009-02-22 22:35 x
>メェェ〜(笑)
まねしよっとw

『ぐるりのこと』ジャパンアカデミー賞・主演女優賞もめでとうございます。
今週の『銭ゲバ』は、原作を超えたと思いますた。ミムラすごw
買うときに思い出すのは、明日発売の『ヴィンランド』新刊ですなw
Commented by 16mm at 2009-02-22 22:46
■re:chataさん
いまchataさんトコいって、ヴィンランド情報知ったとこ。
買います(笑)
『銭ゲバ』観なくなっちまったぁ。
やはり続けて観とくべきだったなあ。

作品賞に『ぐるり』と『具になりたい』がノミネートすらされてないのが腹立たしい(笑)
観てないけど『クライマーズ・ハイ』なんかが入ってるのがもっと腹立たしい。原田なんかが撮ったのが良いわけないと信じているオレ(笑)
Commented by chata at 2009-02-25 17:48 x
一応情報として↓
ttp://item.rakuten.co.jp/projectcore/4525296021424/
かなりお安くなっております。モデリングの練習のお供にw
Commented by 16mm at 2009-02-25 23:44
■re:chataさん
情報ありがとうございます。
ティーチャのスカイリィかぁ...。魅力だなあ。
値段も手頃ですね。
なんとか近日中に時間をみつけて実際に売ってる所にいってみて大きさを見てみようかと思ってます。
値段もきになりますけど、できれば出来る限り大きくてディティールの細かいものを一つ欲しいなと。飛行機でもヒトガタでもいいと思ってます。
高くついてもちょっと真剣に投資してみようと(笑)
ハラくくろうかと。

Commented by chata at 2009-02-26 22:23 x
『スカイ・クロラ』『ぐるり』レンタルしてきますた(&リッピングw)。
リリーフランキー、今までエロいことを話すだけのオッサンと思っててゴメンナサイw
しかし『ぐるり』でも加瀬が出てたとわ。お前どんだけ法廷が好きなのかとw
Commented by 16mm at 2009-02-27 00:07
■re:chataさん
ををを。
『ぐるり』ご覧になりましたか。
リリーフランキー、あれは素では無く台本どおりの演技だと言い張ってますが(笑)
どちらにしても非常に自然と役にとけ込んでいたのはすごいなと思いました。

「たべた」
といった加瀬(笑)。
しかも弁護しているのが光石研(笑)
『それでもボクは...』コンビですな(笑)

オイラはどちらもDVD買いましたがまだ観てませ〜ん。

来月は『アイアンマン』かな。


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