『機動警察パトレイバー the Movie』『機動戦士ガンダムUC episode 3』

伊集院静は言った。
「<前略>私は日本のこの危険な原発の体制を生んだのは国民だと思っている。長期間、選挙で自民党に政権を与え続け、東電の体質を見過ごしてきたのは誰あろう自分たちなのだ。ゆえに今後、私は世界一放射能に汚染された国土に生きる覚悟をしよう<後略>」  FRIDAY 4/22 抜粋

西原理恵子は言った。
「一生福島のほうれん草食う。酒は東北の酒しか飲まん」 週刊新潮 4/14

尊敬し、私淑している彼等がそう言ったのだ。
もう怖いものはないね。
オイラも覚悟を決めてブレずにいこうと思う。


3月28日にスタジオジブリの新作アニメーションの記者会見があり、その席上に宮崎駿も出席していた。
この震災についての宮崎がどんな事を言うのか?
オイラも非情に関心を持っていた。
たしか29日の日テレの朝の番組のその模様が放映。
災害に対し奮闘している自衛隊員や作業員を誇らしと思う、というコメントとその後に目頭を拭う仕草が写っていた。
観ているこっちが呆気にとられるほどの呆気ない放映であった。
しかし、実は宮崎はその時5分以上語っていたということをPodcastで知った。
曰く(以下荒っぽく抜粋)

「<前略>私たちの島は、繰り返し繰り返し地震と火山と台風と津波に襲われてきました。それでもこの島はひじょうに自然の豊かな恵まれた島だと思います。だから多くの困難や苦しみがあってももう一度人が住むもっとより美しい島にしていく努力をする甲斐のある土地だと僕は思ってます。
いま埋葬されない人達をいっぱい抱えながらあまり立派な事は言いたくありませんが、これまでこのような自然現象の中でこの国を作ってきたのですから、その事自体で僕らは絶望したりする必要はありません。
むしろ今後"プロメテウスの火"をどうやってコントロールしていくのか。
現状、本当に国土の一部を喪失しつつある事態にいまなりつつありますから、その事態に対してどういう風に自分達が対応できるか。
私はこの歳ですから一歩も引かないと決めています。
<略>
風評被害とか乳幼児については本当に配慮しなければならないのに、僕と同じような歳の人が水を買いに並ぶなんてもっての他だと思います。
人民の愚かさもマスコミは糾弾してほしいと思ってます。
残念な事に私たちの文明はこの試練に耐えられない。
これからどういう形の文明を作っていくかという模索を、ひとの所為にせずに、敬虔な気持ちでその事態に向き合わなければならない。
<略>
何十万の人間が寒さに震え、飢えに震え、それから放射能の前線に立っているレスキューや自衛隊員や職員の事を思うと、感謝と....誇らしく思います」

かなり長く、少々乱暴に抜粋してしまった。
宮崎もちゃんと覚悟を決めた。
「国土の一部を喪失する事態にいまなりつつ...」
政府発表の楽観的な発表を宮崎は何一つ信じていない。
現実的でありペシミスティックな感情になりつつも、宮崎の「もっと長いスタンスで、もっと遠くを見る」ように凝視する、"澄んだニヒリズム"と呼ぶところの姿勢にブレがない。
興味のある人は"鈴木敏夫のジブリ汗まみれ"のPodcastを聴いてもらいたい。
このPodcastも少々編集してある形跡があるのでオリジナルの全長版を聴いてみたいもんだ。
日テレもジブリと結託してるなら少々長くてもちゃんと宮崎駿のコメントをノーカットで流すぐらいしてもらいたかった。
宮崎が目頭を抑えるTV的においしいカットだけ流すなんてのはもってのほかである。
そんなのはこの会見のメインではないんだから。
ある意味宮崎駿は日本人の現在おかれている状況の悲劇性を徹底的に自覚しろと言っているようなものだから。
その上で再生を模索しようということ。
宮崎の言葉を聞きたいと思ってる人は多いぞ。


上記三名のオイラが尊敬してやまない人物の覚悟の言葉でオイラも相当吹っ切れたつもりだったが、ダメ押しでこの映像。

本人が自覚的にやっているのかは分からぬが、記録映像としては実にすばらしい。
撮影者がものすごく冷静なんだよね。
プロのカメラマンだってこうは冷静に撮れないだろう。
YouTubeで無料でこの映像を観られるのはありがたいのだが、個人的にはこの撮影者(女性だと思う)にお金を払いたい。
マジに。
払えって言われたら払うよ。
この映像、金を取る価値のあるものだ。
TV番組なんかではタダを良い事に使ったりする事もあるんだろうけど、これに限ってでもいいからカネ払ってあげなさいよ。
で、更にこの映像には6分58秒ぐらいにただ一回のみ明確な撮影者の声が入ってるんだけど、
「お母さん大丈夫?    だめだ、もうこれ現実だから」
この言葉に泣けたよ。
演技の台詞ではない。
今まで経験したことのない悲劇を前にして、それを現実なんだと自分に自覚させる覚悟の強さが伝わってきた。


大学時代にしていたバイト先の上司が石巻で被災したと人づてに聞いた。
家族みんな無事であったのは幸いではあるが、津波の来たスピードは信じられないほど速かったらしい。
家も車も流され、今親戚の家を文字通り転々としていると。
金や物資を差し入れようにも郵便局も無く、手元に届く可能性は少ない。
買うものが無くたって、タダで親戚の家に厄介になる気持ちはいたたまれないだろう。
せめてカネを送りたいと思うのだが。
ガレキに阻まれて車も通れず、通れる所には皆殺到して渋滞を招いているという。
また東京に出てくればいいのではないかと思ったが、交通機関が寸断されている現状でそれも難しいらしい。
本当に言葉も無い。


先週、会社にまたも総務と組合がやってきて、先々週の募金で30万ちょい集まりましたとの報告。
30万円?
オイラも出してないのでエラそうな事言えないけど、それしか集まらないのか?
ってか、給料いっぱい貰ってるヤツらが本来ポンと出す最低限の金額だろ(笑)。
んで、それが少ないと自覚しているせいか、総務と組合、更に出せと来やがった(笑)。
オマエらカネ持ってる奴の所に行ってネーだろ(笑)。
いってその金額だったら本当にダメだな(笑)。
オイラの勤めている会社の経営者の社会的責任というものにこの事態に募金するという項目はないようだ(笑)。
初動のトロさで募金してるヤツはとっくに他でしてるんだからさ、底辺の社員よりムダに金貰ってる経営者のところに借金の取り立てのごとく取り立てろや(笑)。
総務は社員の味方、組合は労働者の味方だろ。
エラい人の顔色見て、オマエら本当に意気地がねえーな。
オイラの中でウチの会社の"総務"とか"組合"は"Fuck"って言葉よりキタナイ名詞に決定(笑)。
クソったれ。


先週土曜日。内緒で会社に仕事。
本来もう仕事で会社に行くなんて事をするつもりもなくなったのだが、少々自分なりのテーマを見つけ出しているので、仕事は仕事なんだけど、やってるある部分は自分のノウハウの確立のため。
ここで得たノウハウは当分出すつもりはない(笑)。


本日日曜日、ジムに。
震災で崩れた壁が治っていた(笑)。
ストレッチ、筋トレ、ランニング・マシン。
ランニング・マシンは少々力をセーブして65分で8.27km。
体重91.10kg。


"9 nine"という女性のパフォーマンスユニットがあるのを最近知った(笑)。
Amazonで"SHINING☆STAR"のPVがついたCDを購入。
んで、表題の"SHINING☆STAR"ばかり聴いていた。
4月8日の朝から今日までの二日間、この曲だけ聴き続けて150回(笑)。
こんだけ聴いても歌詞をちゃんと覚えていない(笑)。
ハートを鷲掴みされてはいるが、歌っている若い女の子達にイマイチ萌えなくなって、老いたなと思う(笑)。


土曜日夜、普段は聴かないんだけど21時30分からTBS RADIOで ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフルを聴く。
町山智浩が出ていた。
楽しい放送。
ちょっと宇多丸との関係をとドキドキしたが杞憂に終わった。
二人とも大人なのね(笑)。
よかったよかった。


『機動警察パトレイバー the Movie』
iPod touchで視聴。
今まで何度も観ていた好きな作品。
『天使のたまご』で見事に玉砕して再起不能になりかけた押井がエンターテイメントもできるよと自己PRしてできた作品(笑)。
どちらかというと『機動警察パトレイバー 2 the Movie』の方が好みだった。
で、最近観てなかったのでiPod touchで再見しようと思ったのだ。
もちろん物語の骨子とかはちゃんと覚えていたんだけど、改めて見てべっくり(笑)。
制御不能になったテクノロジーの暴走。
負けを決定づけられた戦い。
震災以降の原発に関する今の状況そのままの映画じゃん(笑)。
映画の方は台風という自然の猛威までも意図的に利用して関東を壊滅させようとしていた。
しかし現実の現状は自然に翻弄されて、不本意にテクノロジーを暴走させてしまった。
現実は自然にもテクノロジーにも玩ばれる人間の小ささよ。
現実の人間ってのは映画に描かれているものよりも相当に小さくて愚かだということを再認識させられた。
『機動警察パトレイバー the Movie』の次に『機動警察パトレイバー 2 the Movie』がくるという筋書きが現実になったら、と思うのは杞憂だろうか?
『機動警察パトレイバー 2 the Movie』のような状態ってこの震災と原発以降の、この事態の最前線に立っている人達の中にじんわりと生まれてきそうな気がする。
それが危険だ、とも思うが、彼等がやっている事と今後のことを予測すれば、そうなるのも仕方がないとも思う。


『機動戦士ガンダムUC episode 3』
DVD購入。
iPod touchで視聴。
この『episode 3』が出るまでの間、原作小説を読もうかと思うのだが、新しい巻を観てしまうと映像として全てが完結してから原作を読もうと思い直す。
原作が福井晴敏だし、つまらない訳はないのは分かる。
原作のボリュームを見れば映像作品は相当に刈り込んでいるのだろう。
現状、映像作品としての物語の破綻はないと思うのだが原作を読んでしまうと刈り込まれた部分に忸怩たる思いが浮かんでしまい、それがノイズになりそうだと思ったのだ。
映像作品としての『機動戦士ガンダムUC 』のデキはよい。
キャラクターデザインはもとよりメカニックも世界観も音楽も。
これは『ガンダム』という作品上仕方ないのだが、主人公の男の内省ぐあい少々鬱陶しいが(笑)。
内省するのは良いけど、それとは別に戦うということへの覚悟というものがまだ見えてないんだよね。
それを促すある種父親役が、この作品では現れては消えていく。
今回はどう見ても悪役顔で悪役にしか見えなかったエコーズのダグザ・マックール中佐。
このダグザさんが今回すばらしい見せ場を作っていた。
「敵は落とせる時に落とせ。そうでなければいずれ味方や自分も殺される事になるかもしれない云々」
「自分で自分を決められるたったひとつの部品だ」
前者の言葉は職業軍人としてリアリストな覚悟に基づいた言葉。
後者の言葉は軍人としてではない、本来軍人が持つべきではない"希望"や"可能性"といったものに基づいた言葉。
後者の言葉を言った後、
「歯車にも生まれるんだな"のぞみ"というものが」
と吐露するぐらいダグザ本人にとっても意外な言葉だったのだろう。
青臭いバナージと接し、自分の内に隠れていたものが現れたという事が嬉しかったのかもしれん。
だから職業軍人としてバナージを守るという覚悟が固まったのかもしれん。
デザイン上、どうやっても優しい顔になるとは思えなかったダグザさん(笑)。
c0022635_21524755.jpg
アニメーターってすげえ(笑)。
すっげえやさしい良い顔になってるよ(笑)。
そう、別にダグザさんは悪者ではないからね。
ダグザを目の前で殺され、更に敵だと思っていたネオ・ジオン残党軍の中で家族ぐるみで交流が生まれたギルボアを不可抗力とはいえ自らの手で殺してしまったバナージ。
『ガンダム』は主人公が自分に影響を与えた人々の死を乗り越え、少年が覚悟を決めて少年であることから脱皮していくという物語の側面があると思う。
少年が大人になる話ではなく、少年が少年でも大人でもないものになっていく話だと理解している。
自分に影響を与えた人間を乗り越えたと思った瞬間に大人への目盛りが一つあがるとすれば、その影響を与えた人間が死んでしまったら、それは生涯乗り越えられない壁になる。
死んだ人間は理想化され必要以上に大きく見えるものだからね。
だからアムロだってシャアだって、結局大人にはなれずに舞台から消えたいった。
ただ『UC』に出てきた、フル・フロンタル。
こいつだけはどーも完成された大人なような気がするんですよね(笑)。
兎に角、次作が楽しみな事には間違いない。
作画も高水準で文句無し。


今週は母親の病院の付き添いだな。
今週も映画はなしかあなあ。
by 16mm | 2011-04-10 22:16 | 映画・Blu-ray・DVDの感想など。 | Comments(2)
Commented by chata at 2011-04-10 22:56 x
>この曲だけ聴き続けて150回(笑)。
ぐぼふぁッ!すさまじい再生回数w
ようつべから落としたPVですが、通勤時に堂々とみれませぬw

>ダグザ
自分も敬礼しながら逝きたいと思いますた。

>原作小説
エースで読んでたので、未読のまま保存状態に。
しかし最初の「お前とは、もっと・・・」のシーンですら涙が出たので
アニメ終わったらぜひ読んで欲しいザマス。
Commented by 16mm at 2011-04-10 23:31
■re:chataさん
>9
一緒についてた"SHINING☆STAR"のPVもなかなか好みでした。PVらしいと言えばそうなんだけど(笑)。

>ダグザ
良い奴だったねえ。カッコよかった。アレは完全に死ぬ気だったよね。モビルスーツをあんなロケットで壊せる訳ないから(笑)。もっと早くバナージが反応してたらわかんないけど。
自分が死なないとバナージがNT-Dシステムが発動しないと思ってたろうから。
ラストでダグザが座ってた補助シートがユニコーンに触れる間もなく大気圏の摩擦で消えたのが、泣けた。

>原作
絶対面白いとおもう。多分読むのは再来年かしら(笑)。


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