『凶悪』

世の中が2020年のオリンピックに燃えているのがまったく信じられないというかちょっとまえはかなり比定派が多かったと思うのだがいつのまにかオイラひとりが乗り切れてないような感じ(笑)。


最近どうも腰が痛い。


先週土曜日、歯のメンテナンス。
いつものように美形で剽軽な歯科衛生士女史が歯の歯石とりをしてくれる。
唾液がすくなくなっているとの指摘。
唾液の殺菌作用や増やす方法をいくつか教えて貰う。
最近唇の端が切れやすいなと思っていたが、そのせいだったか。
メンテ後、先生とキヤノンのクラッシックレンズのお話。
実際に持っているもの3本を見せてもらう。
どれも美品。
現在、ミラーレス・カメラでならレンズ・アダプターを介する事によって古今東西各種カメラメーカーを問わずに装着出来る。
ちょっと前のようにニコンのカメラにはニコン・マウントのレンズしか装着できず、キヤノンのレンズを使いたかったらキヤノンのカメラを買わなければならなかった。
しかし、ミラーレス・カメラによって持っているカメラのボディによるレンズ選択の縛りから解放されたボーダーレス化(死語w)が進行している。
レンズがユーザーに制限なく選択出来る事によって、カメラメーカーはこれまでより以上に性能、デザイン、価格などで独自性を出す事が出来る筈だと思う。


『エリジウム ビジュアルガイド』
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Amazonで書籍購入。
この手の本で『パシフィック・リム』のを購入できなかった跌をふまぬようAmazonで予約していた。
したらこの本、限定ではなかったでやんの(笑)。
とにかく中身の濃い設定集。
デザイン、シド・ミードだったんだ。
劇場で観ている時に気になっていたエリジウムの内側に外壁がついていない事に対する監督自身の能書きがあって、うっかり納得しかけた(笑)。
これについては検証を依頼されたというアメリカのジェット推進研究所も半信半疑らしい(笑)。
しかし、いいのである。
SFなんだから。
実際にそうなるかもしれないし、宇宙ステーションが完全密閉であるという固定観念を撃ちくだいたフレッシュなヴィジュアルを見せてくれたんだから文句なし(笑)。


『ダーク・レンズ』
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予備知識まったくナシ。
本屋をうろついて5,250の大判書籍を表紙画だけ見て衝動買い。
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合成もあるし
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たぶん着ぐるみを用意しての撮影もあるだろうが、この存在感を作り出した能力に感動。
本当に現場にいてカメラでその状況を撮影したようなリアリティ。
例えばイベントなどでダースベイダーのコスプレの写真を撮ったものは我々の現実のなかにそのキャラクターを取り込んだに過ぎず、ベイダー卿がいるべき世界観はスポイルされている。
しかし、この『ダーク・レンズ』では『スターウォーズ』の世界観の延長に我々のいる現実があると錯覚させる。
作者であるフランスの写真家セドリック・デルソーって初めて聞いた名前だけど覚えておこう。
公式HPでも興味深い作品が掲載されていて、オイラとしては久々にヒットした写真家だ。


『3月のライオン 9』
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書店で購入。
この巻は事前に立ち読みwできなかったことが多くてかなり新鮮に読めた。
その所為かどうか分からぬがとても印象深い巻となった。
桐山や宗谷のような浮世離れした才人たちの話ではなく、たぶん世間で一番多いであろう所謂普通の人々の物語なのだ。
才人達の苦悩とくらべれば取るに足らないものと軽くあしらわれる無様な凡人達をこうも愛情深く描くのか。
特に宗谷と対戦する土橋にオイラとしてはものすごく共感した部分があるんだけどね。
あの土橋の妙なリアリティはなんだろうか?
土橋を支える家族、特に母親の造形の美しさ。
皺の感じまですごく心地よい画だ。
それから言うまでもなくあかりさんやひなちゃんの顔つきがすごく素敵なわけよ。
「甘やかしうどん」をおぼんにのせて多少肩をキメた感じで持って来る画のすごみ。
タカハシくんを遠くで見つめるひなちゃんの顔。
それからちょっと違うけど冒頭で語られる教師と生徒のやりとり。
作者はどれだけ広く物語を語り、そのひろげた風呂敷を閉じようとしているのか。
人間に対する作者の寛容の深さをまざまざと知る事になった巻であった。


『大東京トイボックス (10)』
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『大東京トイボックス SP』
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Kindle版購入。
作者は電子書籍に対しかなり前向きな人らしく、単行本発売と同時に電子書籍版も出している。
で、とうとうこの『大東京トイボックス』も完結してしまった。
全部電子書籍で買い直すつもりだ。
出版不況と言われ、表現に対する規制がきな臭ささを漂わせている現在。
なにかを表現するということへの覚悟をもった主人公達。
サラリーマンとしているうちに摩滅していった個人としての覚悟を、オイラに勇気を与えてくれたなあ。
間違いなく良作だね。


『ヘンな日本美術史』
通勤中の読書のみでやっとこ読了。
日本美術史というものに興味を持った事はなく、高校の美術でもたしかこの手の座学がやらなかったな。
たぶん、やっても興味はもてなかったかも。
ただ画を見るという事について感性だけではなく、技術やその時代性などの理屈を知る事で感性だけでは見る事が出来なかったものが見えたり、つまらない画だなと思っていたものがその技法を知って衝撃をうけたりとか。
この手の本も山口晃がかいたから読む気になったので、そうそう滅多に読もうとは思わない。
そうなると、この手のアカデミックな知識を大量にもっているであろう美術学校出身の人間との間の差が埋まらないだろうな。
この本では興味深く面白い話が多数あるのだが、特にオイラがギョっとなったのは
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横顔の時の眼の形の話。
オイラもやっちゃってたかもしれんが、横顔における眼というのは図の一番上のような感じになるんだけど、割と多くの人は正面から見た眼の造形を横顔でも描いているのではないだろうか。
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大好きな『白竜』もそうだね(笑)。
ただ山口はこれを単純に間違いであるとは言っていない。
観察としては間違っているが、画の表現としての鋭さや威圧感としては肯定しているのだ。
このような話も感性だけで見るには限界があるだろうね。
理論や理屈、評論というものがこの手の見方を作り出してくれるんだな、きっと。


『失踪日記2 アル中病棟 』
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待望の新作。
発売が待ち遠しい。
速攻でAmazonに予約を入れました(笑)。


『凶悪』
先週土曜日MOVIXさいたま。
この手の映画を地元の映画館でやってくれない。
上映回数は少なくていいから、もっと幅広く上映してくれないもんか。
『地獄でなぜ悪い』もプログラムに入ってないし、『上京ものがたり』も地元ではやらずにいつのまにか終わってたw。
MOVIXさいたまは自宅からはちょっと遠いんだけど、結構幅広く映画を上映しているのでたまに利用している。
で、本作の感想だが、最初のインパクトはピエール瀧の凶相に近い容貌による怒声の迫力だったんだよね。
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それに興味をひかれた。
映画冒頭の車主観の移動撮影の疾走感で引き込まれ。
死体や死、屍体の解体や人間を殺すという事にたいする罪悪をもたない人間が出て来る。
裏切りや猜疑心をもつぐらいなら殺した方がマシだという感性。
だから殺人もドンチャン騒ぎをしつつ見るからに遊び半分な感じで殺しをしていく。
保険金をかけて老人を殺していくわけよ。
他人の死というものを恐れない人間の須藤を演じるピエール瀧と木村を演じるリリー・フランキーが怪演している。
ピエール瀧はともかく、リリー・フランキーが役者として演技をしているとは思えない。
このひと、イラストや小説もかく才人だけど、まあ唯一写真の才能だけはないね(笑)。
閑話休題。
リリー・フランキーの地の部分に持ち合わせているパーソナリティが作品とマッチした時に凄まじい演技をする。
『ぐるりのこと』なんかもそう。
殺してしまったことへの罪悪よりも、屍体の処理をどうするかでオロオロするというね。
この演技にリリー・フランキーは説得力を持たせている。
演技の勉強をしてきただけでは出せないものってのが確実にあると思わざるをえないね。
しかし、本作、後半にいくに従って失速していく。
ピエール瀧の須藤とリリー・フランキー演じる木村が凶悪に悪い奴だということは冒頭から分かり切っているので、こいつらが最悪な奴らだということが再確認されるだけの展開なのだ。
唯一二人の殺人者を追う記者役の藤井を演じる山田孝之がフックになっている。
藤井は認知症の母親とその世話をする妻から逃げ回って、日常生活の問題を先延ばししている。
老人を殺す殺人者を記者として追うことで家庭という日常から逃げ、介護施設に認知症である自分の母親をいれようとする妻に抵抗する。
自分の母親を自分の日常から遠ざけるという罪悪感がある一方で、まるで罪悪感を感じずに老人を殺す人間を許す事ができないという記者としての社会正義を隠れ蓑にして行動していたわけだ。
つまり最後の懲役20年を言い渡された木村との接見で
「本当はオレを一番ころしたいのは、オマエだろ」
的な台詞を藤井に言う。
本当は面倒な日常がいやだった藤井。
老人を平気で殺せた木村や須藤は藤井の罪悪の象徴だ。
木村や須藤のように罪悪感を感じずに母親を殺せたら。
木村はなんの罪悪感も感じずに20年は生きていられる。
しかし藤井は母親を自分の日常から遠ざけるというある種の死を与えて罪悪感をもって生き続ける。
藤井は木村が死刑判決受けていたら、母親を遠ざけずに妻に押し付け、自分はそれに対する罪悪感を感じる事なく仕事に逃げていただろう。
母親を殺すという罪悪を背負わずに生きていけた。
......
ということをかなり自分なりに斟酌した感想をかいたが、どうにも作品前半の衝撃度に見合わないようなオチのような気がしてね。
いまいちツイストのない終幕で残念であった。
by 16mm | 2013-09-29 22:07 | 映画・Blu-ray・DVDの感想など。 | Trackback | Comments(2)
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Commented by chata at 2013-10-27 14:30 x
『3月のライオン』限定版のニャー将棋ですが、いまだ未プレイw
二階堂くんをもっと出演させて欲しい。
そして今回は兄者の顔が何か違う感じがしましたw
Commented by 16mm at 2013-10-27 23:31
◼re:chataさん
限定版があったの知りませんでした〜w
サイバラの『画力対決』に羽海野チカがでてまして、彼女は女子の乳を揉むのが好きらしいとサイバラに暴露されてました(笑)。
いったい羽海野クマっておいくつなんでしょうかね?


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