『キューティーハニー』『パッション』『亡国のイージス』

『キューティーハニー』:×
『パッション』:?
『亡国のイージス』:◎



『キューティーハニー』wowowのDVD録画。
冒頭の"うみほたる"での乱戦で、空に回転しながら飛ばされていくパンサークローの手下の描写が良かった。漫画的な描写ではあるのだがそれなりのリアリティがあって本当にヒトが飛ばされてるように見えた。
相変わらず庵野監督の台詞回しは鼻につく。知的風を装ったわざとらな台詞。押井風を狙ってるのなら止めた方がいいと思うぞ。
素直に面白く観れた実写は『ラブ&ポップ』ぐらいである。
後は実写は諦めてアニメーションの方が絶対向いてると気が付いてもらいたいものである。


『パッション』wowowのDVD録画。
興味としては血だらけになる残酷描写だけであったのだが、それだけの興味で2時間観るのは非常に辛かった。
学生時代に信仰とは関係なく旧約聖書は読んでいたのだが、自分の知識の無さを思い知らされた次第。
なので内容への感想はまったく出来ない。
ラスト近くで天空から落ちてくる雨が地上に落ちてくる所が印象的な映像であった。
ところで、キリストの脇腹を刺した兵士はカシウスと言っていたが、ロンギヌスではないのだな。それともカシウスに槍を渡したのがロンギヌスだったのであろうか?
ちょっと『エヴァンゲリオン』ネタ(笑)


『亡国のイージス』初日初回劇場鑑賞。
DVD発売のあかつきには購入決定w
いやいや面白かった。たぶん小説のディテールの大部分を端折ってるのであろう。所々よく分からない部分はあるにはあるが、それでも非常に面白かった。
関係ないが、この映画を観て1993年に公開された『機動警察パトレイバ−2』を思い出した。この映画のテーマと語り口はその後に作られた映画や小説に相当な影響を与え続けてるのだろうと思っている。
時代の感覚を大きく先取りしたエポックな作品。それほど魅力的な語り口なのだ。
つまりである<平和ボケし思考停止した日本人の鉄槌を下したい>それがこの映画のテーマでもあるのである。
この手の話は容易に右傾化を促し易いので要注意なのであるが、さすがに世界情勢に対して無知な上に対岸の火事を決め込むのは私を含めて考えるべきだと思っている。

いままで艦にはあまり萌えなかったのだが、この映画を観てイージス艦が好きになった。海を走る艦の空撮の美しいこと。
戦闘機の飛行シーンは資料映像の域をでないが、発進までのプロセスやパイロットと管制のやりとりもリアルに表現されていた。
そして俳優の顔が非常に良い。特に如月 行役の勝地 涼がいい。この人『リリィ・シュシュのすべて』に出ていたと解説に書いてあり、ああ、あの彼かと思い出した次第。まさかこんなに役者らしくなるとは思わなかった。
吉田栄作も出ていたが、その演技力と画面の写りのバランスが良くて危なげな演技ながらボロがでないで済んでいたと思う。その辺りは監督の演出力だと言えよう。
ただたぶん保険だと思うのだが、あの女兵士は余計だと思う。それでも女を出してお色気シーンをという部分が皆無なので、扱いは一兵士として描かれていた事に好感がもてた。
イージス艦がというよりも自衛隊がカッコ良く描かれていたのは、自衛隊の協力があったからだけではあるまい。原作者を含めて映画製作者もある一定のシンパシーを自衛隊に持っているように思える。
では私が勝手に考える一定のシンパシーとは何かと言えば
「ただ為政者の都合のみによって産み落とされ、その正統を認知されることなく、力のみを蓄えて育った鬼子」<押井守 『犬狼伝説』>
という部分ではないかと考える。

この映画に明確な悪役はでてこない。内閣の面々でさえその職務の中で右往左往しながら事態の収拾に全力をあげていた。
ではこの映画の悪役は、許し難い存在は誰かと言えば、自衛隊でもテロリストでも内閣でもない、それ以外の人々なのかもしれないと思った。

日本という国は戦後戦争を忌避し憎んできた。それがある意味戦争を語る事をタブーにしたのだ。
戦争を考えて語る事と戦争をすることが好きであるという事はまったく無関係である筈なのに、戦後日本人はあまりにも戦争というものに無頓着すぎた
劇中、相手を躊躇せずに撃ち殺した如月の態度を仙石は叱責する。だが殊実戦において「いかなる状況であれ、先んじて攻撃を加えてはならない」という事が如何に当事者の身を危険にさらすかということは、如月がその後一瞬の躊躇から撃たれるという事態を見て分かった気がした。
相手を信じて一瞬考えるという事よりも、鉄の意思力て引き金を引くのが実戦で生き残る単純かつ明快な術なのだと思う。
しかし、それもある意味の思考停止だ。
これについての明快な答えは当然映画でも語られる事はない。
ただやはり私は「正義の戦争より不正義の平和」をという部分に小さくとも希望を託したいものだと思っている。

私は今、押井守×藤原カムイの『犬狼伝説』の5話を読んでいる。
by 16mm | 2005-07-31 22:07 | 映画・Blu-ray・DVDの感想など。 | Comments(2)
Commented by chata at 2005-08-06 11:42 x
いーぢすのパンフ高いすね・・・買ったけど(笑)
Commented by 16mm at 2005-08-07 08:11
最近、映画に行ってもパンフを買わなくなりましたわ。今年買ったのは...『ロング・エンゲージメント』だけだなあ。


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