『007 スペクター』

先週土曜日、歯の治療。
予定になかったのだが、ブラッシングで削れた歯を補強していた部分が取れちゃったので急遽診てもらえた。
いつものように美形で剽軽な歯科衛生士女史に歯の状態を診てもらいつつメンテ。
その合間に先生から見せてもらったのが
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Carl Zeiss Batis(バティス)25mm/F2。
初めて実物を見た(笑)。
このレンズ、距離計の窓が有機ELディスプレイ。
レンズ性能云々の前にこの有機ELディスプレイに心を奪われました(笑)。
すっげえカッチョええ。
すんごく欲しくなったが、150万円のレンズの借金を負う身としては慎まなくてはならない(笑)。
更に言えば25mmというのがあまり使ったことの無い焦点距離だしねえ。
でもすげえ。
もっと広角レンズだったら、20mm以下なら速攻で買ってしまうかもしれん(笑)。


『H2O Image STORY OF JURACITY and H2O CONCEPT (1)(2)(3)』
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AmazonでKindle版購入。
てっきり未完だと思っていたのだが、完結していたとは。
最初に読んだのが高校生の頃。
大友克洋にハマっていた頃に同じような絵柄という見方で藤原カムイの画を見つけて読みまくっていた。
その頃だと
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メビウスをオイラは知らなかったが、藤原カムイは相当にメビウスの影響下にあったんだなと改めて思った。
まあ当時メビウスにハートを鷲掴みされたのは藤原だけでなく、大友克洋も、浦沢直樹も、宮崎駿もetc...、プロアマ問わずに熱に浮かされたように影響を受けていたと思う。
それでも藤原カムイの端正で緻密な描線がものすごく魅力的だったよ。
初めて手にした藤原カムイのコミックが所謂徳間書店版と言われる
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『H2O Image』の2冊。
結局徳間版はこの2冊しかでずに続きが途絶えた。
で、オイラはこの1巻と2巻の間だったと思うが、スコラ社から出していた藤原カムイの短編集も買ってたんだよね。
その中に本作の第1巻に収録されている『H2O』が短編として収録されていた。
この『H2O』に関しては短編としての体裁もなしてはいたが、この『H2O Image』という兎に角長い年月をかけて紡がれた短めの長編の出だしであることは感慨深い。
ちなみにスコラ社版って男性器が修正なしで収録されている(笑)。
高校生の時見たオイラはひっくりかえったが(笑)。
その後の徳間版も今回のKindle版も残念ながら藤原カムイの描線で描かれたチンチンを見ることはできない。
そういう意味で、オイラは貴重なスコラ社版をもってるということやね(笑)。
今回のKindle版のあとがきで作者が
「ようやく完結いたしました」
と書いてある言葉に胸が詰まる思い。
第1〜2巻の絵柄と第3巻目の中盤以降の絵柄が明らかに違うことに年月を感じた。
本作って時間や空間を行きつ戻りつしながら親子3代に渡る大河SFだ。
人間の体をアリのサイズに縮小した世界。
そして管理社会への反抗を色濃く出している。
テーマとしては若干古くなった感は否めないが、それでもこの物語を完成させようという意欲は尊敬に値する。
ものすごく誠実な作家だと思う。
本当は第1巻で出てくるメラとメイム達とのサイズの差というものが演出的に表現されてなかったりと、若さゆえの拙さはあるにはあるんだが、それでもこの物語のオリジナリティは素晴らしいと言わざるをえない。
本当にお疲れさまでした。
物語のその後を考えると、また打倒したジュラのような管理社会が始まるのかもしれないけど、
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それでも素敵な大団円だったと思います。


『三島由紀夫行動する言葉100』
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書店で書籍購入。
右翼はオイラの流儀ではないのだが、学生時代から三島由紀夫には関心があって小説や関連する映画は好んで観てきた。
すべての小説を読んでますというわけでは無い残念な読者であるが、それでも手っ取り早く三島の言葉というものを知りたくて本書を購入。
だいたいこの手の作家の文章の一部を抜粋したものを読んだり買ったりするのをなんとなく恥ずかしいと思っており(笑)。
本来著作のすべてと関連本を読破した上でこそ三島の言葉というものが血肉化されるわけなので、お手軽な抜粋で分かった気になるのが無作法に感じている。
それでもまあ、これから三島由紀夫の本を全部読破しょうという野望もないことだし、三島に対する教養の補足に役立つと少々お手軽でもいいかと本書を購入してしまった。
で、ページを開いていいきなり
"「役に立つ」ことばかり考えている人間は、卑しい人間ではないか"
という言葉が目に入ってしまった(笑)。
いやはや(笑)。


『ピクサー展 図録』
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先々週に行ったピクサー展の図録が先週届いた。
その中の
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この画がねえ、ツボだったんですよ(笑)。
おそらくオイラ以外にはわからないのかもしれんが、まあスキになるってそーゆーことでしょ(笑)。
『レミーのおいしいレストラン』のツンデレなコレットさんの画である。


『007 スペクター』
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AmazonでBlu-ray購入。
劇場公開時の感想は微妙なものだった。
やっぱり前作の『スカイフォール』があまりにも良すぎたんだと思う。
世界規模の組織という触れ込みであるスペクターが印象としてものすごくショボいものにしか感じられなかった、とか。
OP主題歌についても前作のアデルが歌う"スカイフォール"があまりにも萌えであったのに対し、本作のサム・スミスの歌は「悪くはない」という印象だったし。
しかしね、今回再見してみたらこれが結構良かったのよ(笑)。
まあそれでも『スカイフォール』の足元にはおよばないんだけど(笑)。
そもそもさ、本作の冒頭ってボンドが女性と連れ立ってホテルに入り、ターゲットの狙撃ポイントにいくまでの約4分がワンカットなんだよね。
高いアングルから祭りの雑踏を映し、地上に降りたカメラはボンドを追いかけて一緒にエレベーターに乗り、ホテルの部屋に入り、
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そのホテルから狙撃ポイントに移動するのに建物の屋上の縁を歩かせているわけ(笑)。
この屋上のカメラも床から結構な高さで(少なくともダニエル・クレイグの身長より高い位置)後退移動していくわけよ。
なんかね、魔法の絨毯にカメラが乗って移動していくようなさ。
更にいくらボンド役のダニエル・クレイグがゴリラ顔だって(笑)ふつう主演俳優にこんなところをを歩かせまい。
......
ということはこの背景ってグリーンバックか?
セット撮影なのか?
それとも命綱を気合いで消しているのか(笑)?
改めて見たらすげえなと。
クサしていたOP主題歌も
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女達やタコwと絡みまくるダニエル・クレイグがなんか微笑ましくて(笑)。
なんか主題歌もよく思えちゃったよ(笑)。
しかしさあ、ダニエル・クレイグって
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こんな顔だよ(笑)。
いや、不細工だと言っているわけではもちろん無い。
立派な顔立ちだとすら思うけど、印象がマッチョなゴリラ顔じゃん(笑)。
この顔でさ
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モニカ・ベルッチ演じるテロリストの後家さんと濡場ってのはなんか似合わないんだよな。
これがさ、
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ロジャー・ムーアとか
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ピアース・ブロスナンみたいなライトで軟派な印象なら説得力もあろうが(笑)。
ダニエル・クレイグってさ硬派で真面目そうじゃん。
コイツ、無理して女口説いてんじゃねーのかwっていういらんノイズになるんだよね(笑)。
実はオイラ、この『007』シリーズをちゃんと観たのは本作と前作のサム・メンデス監督とダニエル・クレイグのカップリングだけなんだよね。
なので他との正確な比較はできないのだが、サム・メンデス監督はこの『007』を主役にした作品を外連味たっぷりなアート映画よりにしていると思う。
本作で言われているように現代を舞台に諜報戦というかスパイものをリアルにやろうとしたら007という国家お墨付きのテロリストの存在が真っ先に不要になる。
無人機がひっそりと空を飛び、街中にあるカメラが個人を識別できるシステムのある時代。
国家のエリートたるスパイを危険にさらさず、ライフルの狙撃などではなく、昼と夜が正反対の場所から弾道ミサイルでの狙撃で要人を暗殺できる時代にリアリティを持って007を成立させることは困難だろう。
しかし本作では00ナンバーの人間が必要な理由を語らせている。
ターゲットの情報をギリギリまで集約し吟味して銃の引き金なり弾道ミサイルのボタンなりを押す、というところまでは同じ。
しかし、007は相手の顔が目視できる距離まで近づくことで更に最後の決断を下すことができる。
劇中でいう、「殺しのライセンスは殺さないライセンスでもある」ということだ。
これは多分現実にはありえないことであろう。
クロと決めたら躊躇なく引き金を引くのがリアリティだが、映画はジェームズ・ボンドという人間の意志に最後の決断をさせるという確固たるファンタジーを作っている。
リアリティーの中に希望を語る余地がないのであれば、アートのなかでファンタジーだとしても希望を語りたいという願いなのかなと思う。
本作の悪役のショボさというのは具体的な規模というものを劇中で語ってしまっているのが原因だと思う。
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今回の敵であるスペクターのボスであるエルンスト・スタヴロ・ブロフェルドを演じるクリストフ・ヴァルツ。
クエンティン・タランティーノの映画で有名な名優。
クリストフ・ヴァルツの演技は素晴らしいと思うのだが、どーも世界的な悪の組織のボスというには貫禄が足りない。
たしか本作では一度も銃を撃たなかったんじゃないかな。
自分が手を下さず、他の配下に命じるだけの大物、ということなのだろう。
コイツのマズイところは所謂"諦念"とい意識がない。
クライマックスでボンドに自分が乗っているヘリを落とされる時の非常に狼狽えた感じ。
これが本当に小物に見えてさ。
比較すると、前作の『スカイフォール』の敵であったシルヴァなんかは本当にMと死ぬことだけを追い求めて、生に対しては執着を感じなかった。
実際、この止められない怖いもの知らずさが底知れない悪意を感じさせ、魅力的な悪役にすら見えたわけだ。
考えてみれは前作のシルヴァの背後組織なんて詳しくは語られていな所為で本当に得体の知れない大きさを感じたもんだ。
それはシルヴァを演じたハビエル・バルデムの演技的な功績もあるわけだが。
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顔がデカイwというのもあるけど、やっぱり最後にMと一緒に死のうとする諦念というものは
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何度見ても心がザワつく。
この悪意が理解できる、悪意に共感できるというのは自分の持っている悪意と対峙することでもある。
だからこそこの荒唐無稽の映画に一定のリアリティが生まれるのだと思う。
その点、本作のスペクターを中心とした悪意には共感できなかったなあ。
具体的に世界各国の名前を出して世界的な組織の体を表現しても結局は名前が出た国々程度の規模なのねで終わってします。
規模の大きさを出すのであれば、具体的な規模を語らないことだね。
そうすることによって観る側にに大きさを想像させる余地が出てくるから。
有名な古今亭志ん生のネタで大きなナスを見たってやつ。
どのくらい大きなナスかというと暗闇にヘタつけたぐらい大きいっていう(笑)。
具体的に1メートルだの10メートルのナスだのというよりも、暗闇にヘタ、っていう想像力がワープしちゃうような(笑)大きさが個々人て想像できてしまう。
何事も明確に語りすぎるというのが効果を生まないという例だなと思った。
まあ、いろいろクサしはしたが、再見して面白かったことにはかわり無い。


今週末は心療内科。

by 16mm | 2016-04-10 22:29 | 映画・Blu-ray・DVDの感想など。 | Comments(4)
Commented by パカ助 at 2016-04-13 00:16 x
帰国直後のパカ助で御座います。

長文感想を書いたのですが・・・・
消えてしまいました(泣)

改めて、

有機ELいいですね~ 私なら治療帰りに購入してしまいますよ
「有機EL欲しいな~ そっか今まで25mm使ってないからいい作品が撮れなかったのか。 うんうん きっとそうだ!
有機EL買って帰ろう!!」 と (笑)

偶然クレイグ4部作を旅のお供に連れて行きました
確かにスカイフォールが良すぎですよね。
スペクターの見どころは女医さんが拉致されボンドが飛行機で追うシーンに登場する「AF2011-A1」
13年に登場なんでスクリーン初登場かも知れません
プロップを作ったのか実銃ベースなのか?
飛行機への着弾も2つづつってのが流石です。

クレイグゴリラ顔(笑)
酷いなぁ~ ムーアやブロスナンよりタフそうでリアルですけどね
しかしスーツの趣味はムーア・ブロスナンの方が好みで
クレイグのタイトなカットのスーツではいくらPPKでも
バレバレでしょう 実際カジノでバレてるし(笑)

007シリーズ観てないんですね 初代ボンドアストンを代表に
クレイグシリーズは結構オマージュ要素強いんで
シリーズを観てるとよりいっそう楽しめると思います
Commented by 16mm at 2016-04-13 09:20
■re:パカ助さん
おかえりなさいませ。
帰国早々お疲れのところ恐縮です。
文章が消えたのは私の所為ではありませんが、なんかすいません(笑)。

>有機EL
レンズの借金、150万円を背負っているおかげで冷静です(笑)。
レンズの違いで写真が上手くなるわけではない、と(笑)。
しかし、借金のおかげでこのレンズ15万円が高いんだけど一瞬安く感じて買おうと思った私は相当に病んでいると思います(笑)。

>AF2011-A1
あ、あの銃って実在してたんですか。
知りませんでした。
なんか現実性がない銃だなと思っていたのですが、得てして現実ってのは想像力の先を行くもんですなあ。

>ゴリラ
ダニエル・クレイグって結構女性に人気あるんですね。
ムーアやブロスナンのようなチャラさがないせいかしらん(笑)。
私も今後ダニエルの主演のボンドからシリーズを観始めようかなと思ってます。
シリーズを観てなくても、出てくる車や音楽なんかで旧作のオマージュはなんとなくわかります。
Commented by chata at 2016-04-24 23:07 x
クレイグさんの作品はドラゴン・タトゥー以来観てないので
ゼロゼロセブン楽しみにしとります。
Commented by 16mm at 2016-04-24 23:27
■re:chataさん
クレイグさんでゼロゼロセブンなら『スカイフォール』がオススメです。
クレイグさんって本当に女性人気が高いですよね。


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