『あん』

先週水曜日、会社を半休して再度東京都現代美術館のピクサー展に行く。
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平日の午後なのに入場券購入に10分(笑)。
またも結構な混雑ぶりで最初の方のピクサーの年表部分はスルー。
映像関係を集中的に観る。
で、再度数々のデザイン画を食い入る様に観る。
当たり前の話だがみんなむちゃくちゃ上手い。
CGアニメの会社なのにデザイン画のいくつかはセルアニメの動画用紙に描かれていたりした。
勉強しに行ったつもりが楽しんできた。
勉強したって追いつけるわけでなし(笑)。


先週土曜日、心療内科。
自分の症状が、例えば息ぐるしさであるとか、背中が痒い時にかく事ができないような苛立ちであるとか、瞼を閉じたりする時の小さな音であるとか、その普段なら気にする事がないようなことなのにそれが自分で制御できない恐怖みたいなもの云々、ということを説明した。
とりあえず自分をリラックスさせる方法を訓練しようということになり、自己暗示の訓練をすることになった。
訓練と言ってもまあ担当医が言ったことと同じようなことがネットでかかれているのでそんなに難しくはない。
とりあえず地道にやっていく事にする。


先週土曜日、岩盤浴、ストレッチ、日光浴。
日が出ていたわけではないが、外気に当たってボーっとして居眠りしていた。


毎週"dマガジン"『週刊文春』を読んでいるのだが、普段なら読み飛ばしていた林真理子のエッセイを読んだ。
話題の舛添要一東京都知事について書いてあった。
つまりまあ、舛添要一について
「セコすぎて情けなくて、涙がでてきそうだ。」
と。
まあそれはいいのだが、林がいかにケチくさい男が嫌いかを曰うのだが、IT関係のお金持ちに晩飯ご馳走になった時に5人の招待客に対してグラスのワインしか注文しなかった事に憤慨していた。
安物でもいいから一本たのんで欲しかった、と。
奢ってもらう分際でこう言うか(笑)。
林真理子、オマエもたいがいだな(笑)。

ちなみにオイラは食べ物系のクーポンはまったく集めていないのだけど<財布の中がめんどくさくなるから>、女性ってクーポンで奢られるとそんなに気に入らないか?
身銭を切らないんだったらさ、相手がどんな手段で奢るかなんて関係ないと思うんだがなあ。


Kindle版で『本当にあった笑える話【無料連載版】』の桜木さゆみの4コマで。
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まさしく名言(笑)。
この四コマのタイトルも『名言』であった(笑)。


『白竜-LEGEND- 42』
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AmazonでKindle版購入。
ついにこの巻で黒須親分と邂逅した白竜。
雑誌連載版では更にエピソードが繋げられていて、果たしていつ終わるのか(笑)。
いや、いつまでやっててもいいのですが『白竜』という作品でも屈指の長さのエピーソードになってるんではないか。
更に伏線が色々と出てきたにも関わらず、本来の白竜の目的である幼馴染の女の子を見つけるミッションが棚上げになっているがな(笑)。


『芸術新潮 2016年 06 月号』
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書店で書籍購入。
旧約聖書を広島弁で読み替えるという特集(笑)。
聞いただけでワクワクして購入。
たとえばゴリアテとダビデの戦いに際して
「おどりゃ、イスラエルの腐り外道ども!わしとサシでやれる男はおらんのか!そこでセンズリかいとるだけなんか!?」
「わしにゃ、わしの道具がありますけん!」
「ヤハウェの名の下に!タマ、トったらァァッ!」
とか(笑)
その他、天地創造とかノアだとかロトだとかバベルとかのエピソードが仁義なき広島弁で言い換えられている(笑)。
非常に面白かった。
その他、映画『葛城事件』の三浦友和と赤堀雅秋監督の対談あり。


『なぎさにて(2)』
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AmazonでKindle版購入。
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作者の新井英樹がこんなにもSF作品を描くとは思ってなかった。
もっともSFという意味では『ザ・ワールド・イズ・マイン』がそうだったけど。
新井英樹の作品って本当に多彩なキャラクターが出てくる。
顔形が違うというレベルではない。
好ましい人物からイヤな人物から訳のわからない人物など。
それらを徹底的に描き分けて世界を作り物語を走らせていく。
キャラクターによってはどうにも気に入らない人物造形があったりもしてついていけなくなったこともあるのだが。
読者が離れてしまうという人物造形は新井にとっては不本意であろうが、逆に言えばそれほどに真に迫ったキャラクター造形をしていると言える。
オイラからすると『宮本から君へ』や本作が非常に思い入れして読む事ができた作品である。
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世界の様々な苛立ち。
解決策がない事、解決するには自分が非力すぎること。
それらに対する苛立ちがストレートに叩きつけられている。
オイラはそこに僭越ながら共感し、もしかしたらささやかでも希望が語られるかもしれない思いながら読み続けていくだろうね。


『あん』
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AmazonでBlu-rayスペシャル・エディション購入。
"あん"って小豆のアレ。
あんまん とか あんみつ についている あんこ のことである。
当然本作の監督の河瀨直美は知っているのだが、本作の事はまったく知らなかった。
昨年の2015年5月30日に上映とあるからほぼ一年前だ。
会社の同僚との雑談時に本作の話が出て知った。
ハンセン病の話で河瀬直美に樹木希林に永瀬正敏ということ。
話をした同僚もいい映画だったとのことだったのでとりあえずレンタルで借りて観てみた。
......
冒頭の5分ぐらい
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小綺麗なバアさんwである樹木希林が桜の中に佇む映像までを観てソッコーで視聴中止。
ソッコーでAmazonでBlu-rayスペシャル・エディション版をポチる。
まったくノーマークだった作品の冒頭数分でレンタル時の視聴を止めてDVDなりBlu-rayを買いに行って観直すというのはオイラの場合たまにある。
そうそうあるわけではないが、思い出すと『アメリ』がそうだったな。
で、だいたいオイラのその直感というのはハズレたことがなく。
やはり良いい映画ってのはその冒頭から映像自体に本当の緊張感のある美しさが漲っているもんだと思う。
そういう稀な映画作品にはきちんとカネを払え(笑)。
そうしろと囁くのよ、オイラのゴーストが(笑)。
とにかくね
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この冒頭の永瀬正敏演じる千太郎が朝起きてアパートの階段を登って屋上に行ってタバコを喫うまでの一連のカット。
カットを割らずにスティディ・カム(たぶん)で千太郎を追いかけていく移動撮影。
ゴツゴツを足音を響かせて歩く千太郎。
なぜかこれがゾクゾクくるんだよ
なんだろうね、これ。
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本作、桜が重要なモチーフになってるから、季節的な事を含めて撮影がかなり大変だったろう。
その撮影の苦労が本当に作品の美しさに昇華されている。
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その後店に入った千太郎が頭に手ぬぐいを巻き、前掛けを締める一連のカット。
この身支度をするという行為の官能性というものはアクション映画ではよくある事で、敵のアジトに向かう前に髪の毛を刈り込んでみ綺麗にする行為とかの手順は観ている方も戦いの準備を一つ一つ見ていくような高揚感がある。
こういうところをキチンと描くだけでその作品は1億点増しなのよ、オイラにとっては(笑)。
河瀨監督、わかってるなあ。
この一連は永瀬正敏の佇まいの存在感の良さも十二分に発揮できているし、なんといっても撮影が上手い。
撮影全般に言える事なのだが、このヴィジュアルというかルックの美しさというか暖かさというのはどうやってできているんだろう。
いや、たぶんものすごいテクニックを使っていると思うのだが、パッと見だと自然光で薄暗い中で撮ってるようにしか見えん。
暖かさといっても取り立てて暖色系のフィルターで撮影しているようにも見えない。
それでも本作のヴィジュアルは限りなく暖かく美しい。
言うなれば、限りなくカッチョいい映像なのよ。
同じように食べ物を映像に出した『俳優 亀岡拓次』のヴィジュアルの貧困さと比べたら、もう本当に製作者の志の高さの問題だよな。
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西武線沿線のどこかの町のどら焼き屋。
過去に起こした事件で多大な借金を負った千太郎が雇われ店長としてどら焼きを作っている。
ちなみに千太郎は甘党ではない(笑)。
本当にソコソコな繁盛で日銭を稼いでいる感じ。
そこにハンセン病を患った徳江がやってくる。
千太郎は徳江が作った あん の美味さに絶句し、一緒に働くことにする。
それまで あん 作りの難しさから自分の店でつかう あん は業務用の一斗缶に入ったものを使っていた。
それが徳江が作った あん で作ったどら焼きが評判を呼んで大盛況に。
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大盛況といっても小さなどら焼き屋なので長蛇の列とはいかないが(笑)。
評判が良くなったどら焼きだが、ある晩店のオーナーがやってきて、ハンセン病の徳江を辞めさせろと千太郎に迫る。
それでも徳江の仕事ぶりと嬉しそうな姿に千太郎はなんとか一緒に働き続けようとした。
が、あれだけ盛況だった店がある時を境に客足が途絶えた。
徳江はそれを察して店から姿を消す。
こんなトコロが物語のアウトラインである。
ハンセン病に対する啓蒙映画、というのとはちょっとちがう。
ハンセン病は癩病とも言われていて、鼻が落ちたり指が落ちたり顔面が変形したりといった事から長らく差別的に扱われてきた歴史がある。
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『もののけ姫』のなかで包帯を巻いて鉄砲を作っている人たちがハンセン病として描かれている。
異形な見た目の者を恐れたり忌避する意識は誰にでもある。
偏見や差別というものもまず誰しもが持ち、自分でも持っていると思うことが大事で、自分にあると思うからこそ差別意識にブレーキがかかる。
自分は偏見など微塵もありません、と声高に言う奴が一番信用できない。
ハンセン病がどんなものか分からない頃ならまだしも、今はネットで調べれば昔の差別意識がいかに間違いかわかるようになっている。
その上でハンセン病を差別するというのは無知でしかない。
無知は致命的だ。
その致命的な無知の所為で徳江という老婆のささやかな夢を潰した。
大勢いる無知の前に少数の正論はあまりにも無力だった。
それは本作でも描かれていて、店を去った徳江に会いに行った千太郎。
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その徳江の姿は店にいた頃のような溌剌としたものはなく、言葉には出さずとも生きる希望を失った感じが見て取れる。
同じ頃オーナーが自分の甥というのを連れてきて、そいつにお好み焼き屋をやらせようという話になり、千太郎のどら焼き屋の店舗の中で一緒に仕事をしてもらいたいという依頼を受けるのだが、
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これが絵に描いたようなチャラい奴で(笑)。
絶対仕事真面目にしないよなコイツって感じなヤツ(笑)。
こんなヤツが仕事をする機会を与えられるのに、徳江がささやかな夢をつぶされる理不尽。
オイラはこの理不尽さも本作のテーマだと思ってる。
ささやかな食べ物屋をやろうと思えばたやすく出来る立場の人間と、そのささやかな夢でさえ達成できない人生を強制された人間。
他人の夢を潰すだけの実力が自分にあるのか?という問いかけすら無頓着に考えている。
オイラはそれら全てが悪意だなと思った次第。
本作のテーマ的な重さはあるわけだが、その一方できちんとした演出によるエンターテインメント作品としても超一流だと感じた。
まず登場人物たちの名前が自己紹介風になっていない。
永瀬正敏演じる千太郎も名前は女子高生に
「せんちゃん」
って呼ばれる事で表現していたし。
とにかくね永瀬正敏がすげえや。
口数がすくない役なんだけど表情や言葉のニュアンスの出し方が上手い。
千太郎って不用意に笑わないんだよね。
徳江がアルバイトとして雇ってくれと言ってきた時も失笑しない。
それがすごく好感を持てた。
千太郎の真面目さがうまく表現されていた。
演出的に言えば悲しいシーン、涙が溢れるようなシーンをダラダラと続けずにスパっとカットを切る手際。
非常にウェットな映画でありながら観終わった印象がドライな感じになるのがオイラ好みである。
とにかく本作を観れてよかった。
ハンセン病の啓蒙映画などと敬遠せずに多くの人に観てもらいたい映画である。
もう一度言うがエンターテインメント映画ですから。
気楽に楽しめるように作ってある事は間違いない。
あんこも美味そうだしね。
5億点。
オススメである。


今週末は歯のメンテナンス。


by 16mm | 2016-05-29 22:14 | 映画・Blu-ray・DVDの感想など。 | Comments(4)
Commented by chata at 2016-05-29 23:23 x
こないだ家内が母親とピクサー展行ってきたようですが
内容は何も語らず、ただ「人が多くて疲れた」とw
Commented by パカ助 at 2016-05-30 05:19 x
毎度パカ助、お腹が痛い・・・・です。

”馬鹿は経験に@@@@@”のくだり いいですね~
漫画って物をほとんど読まない人間ですので
16mmさんの情報発信は基調な情報源です。

ハンセン病をはじめて知ったのは8歳の時だったかな
”砂の器”を観て号泣しながら怖い病気だぁ と思いましたね
最後にテロップで誤解や差別の下りが入ってることに気がつくのは
再見した小6で、怖いのは人間の偏見からくる意識なんだぁ
と。
しかし私は差別と偏見と自我と物欲の塊です。

追伸
メッセージの件了解です
が 何かあればご遠慮無く。
Commented by 16mm at 2016-05-30 05:49
■re:chataさん
ピクサー展は昨日で閉幕。
入場者数が約33万人。
おそらくオイラのように複数回行っている人もいると思いますね。
「人が多くて疲れた」という気持ちはすごく分かります。
本当に人が多くて、入場直後の場所なんて本当に人が動きませんでしたから(笑)。
ただ行っただけの価値は十二分にありました。
Commented by 16mm at 2016-05-30 06:01
■re:パカ助さん
オイラは生きていく上で必要なすべての事を漫画から学んだばかりか、生きていく上で全く必要のないことまで漫画から学び、漫画に生きて漫画に死ぬ覚悟の有る者です。
......
半分は嘘ですが(笑)。

ああ、そうか、『砂の器』もそうでしたね。
そういう意味では人間てのは歴史からも文化からも学ばないものですなあ。
なんとも度し難いですね。


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