シネマランキング2016

大晦日である。


今年もオイラの映画のベスト10を公開する。
毎度素人でそんなに本数も観ていないオイラのベスト10にどんな意味があるのか?
と考えると何もできないので自分で自分を黙殺することにする(笑)。
まあそれはそれとして、今年観た映画はDVDやBlu-rayを含めて初見のものは35本。
再見したものは入っていない。
わかってはいたが今年は観たい映画がなかった月もあり、昨年より観た本数は少ない。
世間的には邦画の当たり年とのことらしいが、オイラの観た本数自体が少ないのでピンとこず(笑)。
もっとも近場で観たい邦画を上映してくれないということもある。
なので『葛城事件』はオイラにとっては来年の映画となり、来年のベスト10に入るのか入らないのか(笑)。
そう考えると『この世界の片隅に』がオイラの地元の田舎の映画館でかかったのは奇跡のようなもんだ。
この調子で『葛城事件』も上映してくれたら言うことなかったのだが。
で、このベスト10だが、一応今年初見で観たものということで、劇場公開年が今年でないものもランキングに入っていることをお断りしておきます。
したがって資料的価値はまったくない(笑)。

では以下。

●ベスト10
1.『ボーダーライン』
2.『デッドプール』
3.『太陽』
4.『この世界の片隅に』
5.『オデッセイ』
6.『ヘイトフル・エイト』
7.『セッション』
8.『アイアムアヒーロー』
9.『SCOOP!』
10.『あん』

●選外
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』
『ひな鳥の冒険(PIPER)』

●ワースト
『俳優 亀岡拓次』『テラフォーマーズ』

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選外について
正直ベスト10から選外は順位を無理くりつけたようなものだ。
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』はポリティカルでハードな部分をコスチューム・ヒーローもののジャンル・ムービーに上手く挿入していて見応えがあるし、何度も観返す意義があるほど世界観のディティールが埋め込まれている。その分映画の外にある現実の世情に疎いと十分に楽しめないほどの情報量があるのだが、オイラの場合だと町山智浩の評論を足がかりに読み解いてい楽しんでいる。『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』いい『デッドプール』といいこの手のコスチューム・ヒーローの映画を製作者自身が見下したりせずに大きな制作費で真剣に作っている様が好感が持てる。
『ひな鳥の冒険(PIPER)』については『ファインディング・ドリー』の上映前の短編なのだが、『ファインディング・ドリー』よりも楽しめた。海の波打ち際の質感であるとか、被写界深度を浅くしている映像であるとか。なによりもひな鳥が可愛いんだな(笑)。


ワーストについて
観た映画が少ない中でワーストが2本もでてしまった、というか、なんでこんな映画を観てしまったのか(笑)。
『俳優 亀岡拓次』は観るまであんなくだらない映画とは思わなんだ。
安田顕を主演に据えてアレはないだろう。
俳優の演技とか映画監督の演出というものを非常に楽観的に考えているように見せる映画。
この映画の中の楽観性を是認して演じたり演出したりする実際の役者や演出家をオイラは信じられない。
行き当たりばったりで映画ができるなら演出家はいらねえんだよ、と思う。
『俳優 亀岡拓次』についてはまさかの敗退であるが、いくらなんでも『テラフォーマーズ』は観る前に分かりそうなもんだろう(笑)。
これは監督に対する期待値に裏切られたかたちである。
原作コミックをちゃんと読んでいない所為もあるが、『テラフォーマーズ』をギャグとして観るべきかハードSFとして観るべきか。
オイラとしてはどっちつかずの中途半端な印象でしかなく、一番の問題は監督のSFに対するリテラシーのなさのような気がする。


ベスト10について
10.『あん』
今年の映画ではなく今年Blu-rayで観た映画。
撮影、役者の演技、演出の全てがすばらしい。
テーマは重いものの万人にも受け入れられるエンターテインメント。
邦画だから、とか、『あん」っていうタイトルが地味だとかで観てないんなら、とりあえず観とけ、と言いたい。

9.『SCOOP!』
カメラマンの物語という部分でも興味深く観れた。
『シン・ゴジラ』『君の名は。』はよりは圧倒的に興行収入は少ないだろうし、上映期間も短いのだけど、オイラはそれらよりも圧倒的に楽しめた映画だった。
しかし、返す返すもセックス・シーンの気合が足りない部分が本当に惜しい。
下着姿でセックスするヤツがどこにいるのか?
いや、そういうプレイもあるのは知ってるけど、本作のシーンのなかではそういうプレイはハマらないから、完全に女優の事情だけだよね。
二階堂ふみはすごくいい役者なだけにすごく残念。
あの気合のないシーンがオイラにしてみれば作品全体のクオリティーと感情移入を低下させている。
日本映画の女優の脱ぐ脱がない問題は深刻だと思う。

8.『アイアムアヒーロー』
ヴァイオレンス、カーアクションなど、韓国でのロケを含めた大掛かりな映画に値するほどのクオリティーの作品。
なんでもTV放映することを全く考えずに制作されたとのこと。
今やレンタルでBlu-rayやDVDが借りられるわけで、TVで放映するために描写をソフトにするなんてことは考えるべきではない。
本作はすごくグロくて(グロと言っても目を背けたくなるような悪趣味なグロさではないとは思う)カッチョいい映画だ。

7.『セッション』
音楽にはまったく詳しくないのだが、戦争映画の新兵訓練のようなテイストだったせいか面白く観れた。
才能と努力。
自分がやりたいと思ったものを見つけた時のエゴ。
これらのテーマにオイラ弱いのよ(笑)。
しょっちゅう観返したいとは思わないが、何度も観たいと思わせる映画ではある。
この監督の来年公開の映画『ラ・ラ・ランド』がすげえ楽しみ。

6.『ヘイトフル・エイト』
エンニオ・モリコーネの音楽の不気味な感じで盛り上げる冒頭からハートを鷲づかみされたよ(笑)。
3時間近い上映時間、ほぼ同じ場所の密室劇で会話劇の本作がまったくダレずに楽しめる作品にするクエンティン・タランティーノの才能と手腕。
単なるボンクラなオタクではないということだ(笑)。
世界中のタランティーノのフォロワーが彼を凌駕できないのは当然だよな。

5.『オデッセイ』
比べるのもなんだが本作を観ちゃうと『テラフォーマーズ』の安直さが際立つね。
火星の映像だと信じ込ませる圧倒的なヴィジュアル。
リドリー・スコットの面目躍如だ。
火星用のコスチュームのデザインもカッコよかった。
宇多丸が言うように絶体絶命のピンチに対して絶望せず、前向きにサイエンスとユーモアで乗り切った希望のある映画だと思った。

4.『この世界の片隅に』
これをベスト1にできなかった悲しさ。
本作にまったく非がないし、落ち度もない。
単にオイラの好みで強引に順位付けした結果である。
監督の片渕須直を本当に軽く見ていた。
ここまで侮れない演出家だったとは。
オイラの眼力のなさを反省。
来年は順次片渕監督の作品を観ていくつもりである。

3.『太陽』
田舎を舞台にしたSF。
田舎を舞台に近未来の世界観を信じ込ませるように、非常に巧妙に作られた映画だ。
登場人物の名前、車の音、ダムを境にした設定などに丁寧な演出計画が感じられる。
この映画の世界では新人類も旧人類にも共に未来がないわけだが、その手前の黄昏時に一瞬でも垣間見れた希望に心打たれる。
新人類と旧人類の対置は都会と田舎のそれだとも言える。

2.『デッドプール』
108分という比較的短い上映時間だがものすごくリッチに楽しめた。
殴り合い、カーチェイス、ユーモア、ラブロマンス。
その全てがリッチでフレッシュなものだった。
そして主人公のデップーのキャラクターの魅力的なこと。
デップーだけでなく脇のキャラクターにいたるまで愛おしいクソヤロー達だった(笑)。

1.『ボーダーライン』
撮影、照明、世界観、物語、キャラクター、物語の終わり方。
それらを総合的にまとめる演出家の力量。
全てがすばらしい。
オイラ好み。
本作を覆うダークさは戦争を含め身内を殺された人間の相手に対する憎悪と復讐心を否応無く描いている。
検察官で良き夫であり良き父であったであろう人間がどんな風になってしまうのか。
彼は行動も言動も修羅のそれになった。
復讐の連鎖という終わりのない螺旋に踏み込んでしまうことは世界の平和には寄与しないものだが、その螺旋を肯定せざるを得ない気持ちになるのも人間の業だと思う。
愛する人間を無法にも無残な形で殺されて、その復讐をルールに則って杓子定規に行うなんてのは不可能なのだ。
なぜなら、殺した相手はルールの埒外だから。
その復讐の過程で新たな復讐の種を蒔いてしまうことに呵責など感じない。
本作は復讐という近視眼的なものを利用して、大局的な事態もなんとかしてしまおうという思惑までも描いている。
非常に重層的な映画だと思う。
この監督と撮影監督での『ブレードランナー 2049』がスゲエ楽しみである。


以上。
来年は良い映画がたくさん観れますように。


ということで2016年は皆様大変お世話になりました! 
今年も後数時間。
来年もよろしくお願いします!

by 16mm | 2016-12-31 22:46 | 映画・Blu-ray・DVDの感想など。 | Trackback | Comments(2)
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Commented by chata at 2017-01-04 20:02 x
デッドプールおもしろかったです。いまだフィギュアの購入迷っております。前に頂いたデュナンと同じシリーズのやつ。ちょいとアレンジ効きすぎてますがw
Commented by 16mm at 2017-01-04 20:30
■re:chataさん
『デッドプール』って意外と制作費かかってないにもかかわらず大ヒットして、なおかつ面白かった。
果たしてデップーはアベンジャーズとクロスするのであろうか(笑)。

デップーのフィギュア、いいですね。
オイラは更にホットトイズからマッドマックスでないかしらと思ってます(笑)。


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