『スーパーサイズ・ミー』

今年のアカデミー賞の司会者クリス・ロックが「『スーパーサイズ・ミー』はマイケル・ムーアがやれば良かった。ドキュメンタリーというジャンルという事も、そして体型的にも」ってな感じで言っていた(笑)

『スーパーサイズ・ミー』をレンタルDVDで視聴。
面白かった。

が、やはりマイケル・ムーアの『ボーリング・フォー・コロンバイン』と比べてしまうと対象への無神経かつ迷惑なツッコミが弱い分物足りなくは感じた。
マイケル・ムーアならマクドナルドの本社に乗り込んでただろう(笑)
あくまでも『ボーリング・フォー・コロンバイン』と比べての話であるが。

この映画の面白い所は監督のモーガン・スパーロック自身が検体となって"ファーストフードを一日三食一ヶ月食べ続けると、どうなるか?"という事を生真面目に検証してる点だ。事前に医師に掛かり、実験(まさに実験w)前と後で何がどう変わるかと。
最高にバカげた事を生真面目にやっている所がまず笑える。
三食を全てマクドナルドの製品で済ますとどうなるか。
結果は想像どうり、一ヶ月で内蔵は悲鳴を上げて医師に実験の中止を勧告される程酷い事になり、体重は実験前の84.3kgから95.3kgに増量。
特大<スーパーサイズ>になったのだ。

これを観て思う所は様々であるが、ファーストフードの害悪は非常に良く分かった。
驚いた事に、結構好きで行けば必ず食べていたマックナゲットが実は鶏のどこの部位を使っているのか分からないということだ。
非常に薄気味悪くなり二度と食べる気がおきなくなったよ、マジに(笑)

監督の体重が一月で約11kg増量したといっても、見た目にどうも大きく変わった印象がない。
というのも、この映画で散々人間鏡餅のようなデブを映し続けていたので、どうも監督の体型の変化にインパクトが足りない。
とすれば、人間鏡餅は一月どころではなく、ずっとファーストフードを食べ続けてるという事か。
人間鏡餅は一月で成らずなのであろう。
実際この映画はファーストフードの害悪を検証してるだけで、無自覚に食べ過ぎてるデブを糾弾してはいない。
この映画ではデブはあくまでも被害者なのだ。
しかし、一方でモーガン・スパーロック自身は肥満した人間を冷ややかに見ているのも分かる。
むしろ自分の肥満を企業の所為にして裁判を起こす自国民を嘲笑っているようにも思える。

話はそれるが、暴力映画を観て暴力に走ったというカドで一時的であれ、その手のビデオの販売やレンタルや上映が延期になる事がある。
その度に制作者は
「もっと観客を信用して欲しい。彼らは必ず有害かどうかを判断する」だとか「映画を観た人間が必ず犯罪を犯すわけではない」とか言ってる。
彼のアメリカで自己責任の規範や常識や教養が崩れてくれば、観客が信用できるなどと言えるであろうか。
民主主義というのも同様で、このシステム自体が人間の良識というものに基づいているわけだが、果たして大多数が肥満は自分の所為ではないという意見が通った社会が民主主義としてまともに機能していると言えるだろうか。

モーガン・スパーロックの恋人がベジタリアンなのであるが、どうもあのベジタリアン特有の理屈というのが鼻持ちならない。
「肉がキライ」。理由はそれだけで良い筈なのに、やれ「肉食を支えるシステムは腐敗してる」だの「道徳的に間違っている」だの。
植物だって生き物だという視点がスポンと抜け落ちてる。
その彼女に実験を終えたモーガン・スパーロックは解毒メニューを作ってもらい復調していったようだ。それでも9kgの減量に5ヶ月かかり、残り2kgに9ヶ月かかったらしい。
しかし、モーガン・スパーロックは言い放つ。
「ボクはベジタリアンにはならないよ」

肥満の飽和脂肪というものがおチンチンの勃ちを悪くするという事を初めて知った。
なるほど。
ちょっと背筋が寒くなる(笑)

ちなみにオイラ、先月から週一回のジム通いをしている。週一回ではなんも変わらんと言うが、まあ飽きずに続けられそうなら回数を段階的に増やしていくつもりである。

現在180cmの90kg。
りっぱな肥満(スーパーサイズ)である(笑)
by 16mm | 2005-10-16 23:26 | 映画・DVDの感想など。 | Trackback(1) | Comments(6)
Tracked from はだかの王様の部屋 at 2005-10-29 18:38
タイトル : スーパーサイズ・ミー
マクドナルドで1ヶ月食事して過ごそうっていうチャレンジ企画。まあつまらんでした。 別に当たり前だしね。体に悪いってのは。中学の家庭科の授業で観るビデオな感じ。こんな当たり前のことをやってゲロ吐いたり、太ったり監督さんも大変ですね。 関係ないけど僕はあんまりファーストフードは食べないんだけどアレそんなに美味しいですかね?フライドポテトのLなんて食べた日には1日中気持ち悪いんですが。で、ハンバーガーに至ってはウチのパパンに「あれは猫の肉で作ってる。」と小さいころにウソを吐かれ未だにトラウマです...... more
Commented by chata at 2005-10-17 00:39 x
どとはんそんなにタッパあったの?喧嘩したら負ける!(笑)
まわりの180オーバーは普通に90近くあるけど、意外と太ってみえないもんですな。

この監督、開始数日で車から吐いてたのがウケた(笑)

先日4ヶ月ぶりくらいにマックいきますた。タマゴダブルマック食いたくて。
・・・チィズとハンバーガー1枚入ってなかったっ!ヽ(`д´)ノ ヘルシィ?
Commented by 純坊 at 2005-10-17 07:20 x
(・_|窓|コソッ
ぎょ~ マックやはり恐るべしなのね;;
マック食べたつもり貯金をしたら 結構たまるかしら~←タベスギ

163.6cmの..kg...
言えない,,,言えやしないョ スーパーサイズ(*ToT*)
Commented by 16mm at 2005-10-17 09:38
chataさん。

医者に「運動するか、酒を控えるか」と言われて、酒はかなり控えてきましたが、どうもあまり改善されないようなので、仕方なく運動始めた次第。
仕事してなきゃ明らかにニートくんかヒッキー予備軍のこのオイラが運動とはw
オイラもヤワになったもんだのーw
取りあえず26ある体脂肪率を下げる事。体重をまず80キロに落とす事を目標にしてまつw

映画は面白かったんだけど、マイケル・ムーアと違って非常に常識的な人なんだなモーガン・スパーロックって。
マクドナルドはこの映画の影響ではないとしつつもスーパーサイズを辞めたらしいが"良く無いモノなら消費者は買わない"という考えが成り立たなくなりましたね。
スーパーサイズがあったって買わなきゃ良いだけなのに、アメリカ人って奴は...。
Commented by 16mm at 2005-10-17 09:39
純坊どん

ども〜。書き込みありがとー。
なんだかんだ言いつつ、グランマックは食べちゃうんだろうなw
最近にお気には<店の名前は忘れたが>店に入ると「アロハー」と迎えてくれるワイハなハンバーガーショップ。
ハンバーガーが一番安いので900円オーバーw
でも激ウマ(笑)
ハンバーガーとして食べるのが勿体無い程のバーガーw
映画観た帰りに食べるのだが、きっとこんなぢゃ一生スーパーサイズなんだろねw
Commented by 偏屈王 at 2005-10-19 00:02 x
>マイケル・ムーアならマクドナルドの本社に乗り込んでただろう(笑)
ははは、やりそう(笑)。
しかし、肺がんになればマルボロを訴え、肥満になればマックを訴える。
少しは主体性を持たんかい、だから駄目なんじゃ!と叱りたくもなりますね。
ああ、でも私も運動せねば・・・・・・。

Commented by 16mm at 2005-10-19 09:34
偏屈王さん。
アメリカ人の激烈に太った人を見ると、監督がやった事って彼の国では別に対した事ではないのではと思えてきますよ(笑)
監督は意識的にファーストフードを取り続け、デブは無意識にずっと食べ続ける。
身体に悪いと思うなら食わなきゃいいのに、あっちでは「売ってるから食べるんだ」ということなんでしょうな。


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