『亡国のイージス』

相変わらず映画に行けず。
なんとしても『キングコング』は観たいところ(笑)

オイラは割と活字を追わなくては生きて行けない感じの中毒ではあるが、小説はほとんど読んでいない。
そんなオイラが今年は3作も読んだ(笑)
宮部みゆき『誰か』。司馬遼太郎『燃えよ剣』。
ほいでもって福井アニキの『亡国のイージス』である。
上下巻の文庫を読み終わった時に映画のDVDを購入。
DVDは3種出ていて値段の高い順にパッケージデザインが良かった。
この映画に関してあまり特典にこだわりが無かったので一番安いスタンダードなヤツを購入。パッケージは"いかにも"ってな感じであったが、まあしょうがない。

原作小説は面白かった。
登場人物が己の体術と知恵のみで状況を打開していくというエンターテイメントとして一番燃えるパターンを踏襲しつつ、「どこを走って行くか」とか「どこに爆弾を仕掛けるか」「どこをどうすれば艦を沈められるか」など閉ざされた舞台であるイージス艦を構造的に読ませて、読み手を上手く丸め込んでいたと思う。
その辺りは小説家としての技術だろう。
この作品、オイラとしては映画→原作小説の順で触れて正解であった。原作小説から触れていたら映画の物足りなさを感じたであろう。
しかし、映画の出来は決して悪くないと思う。むしろ脚色としてはかなり良く出来ているのではないだろうか。
両者に違いがあるとしたら、原作小説が複数の登場人物の内面を掘り下げて進行するのに対し、映画の方はほぼ仙石の目線でストーリーが走っていく。
だから原作のファンが映画を物足りなく思うのは、各々の登場人物の掘り下げが無い事を含めた膨大な情報量の削ぎ落としが我慢ならない所為かもしれない。
それほど原作での宮津も如月も渥美もホ・ヨンファもその他幹部自衛官や政府の役人に至るまで<ある意味>魅力的に描かれていたのだ。
オイラにしても、小説版の冒頭の如月がそれと知らず宮津艦長の艦に手を振る所は映像で見たかったなと思ったりもしたのは、印象として非常に解放的な清々しさをそこに感じたからだ。
更にもっと言えばオイラの如月 行というキャラクターは、映画版で演じた勝地 涼でもないし、週刊モーニングに掲載されたコミック版の絵でもないのだ。
勝地 涼は雰囲気のある良い役者であるとは思うのだが原作の如月のナイーブな芸術家の部分が抜けていたように思える。映画としては優秀な戦闘員としての如月をのみ表現できれば良いのだろうし<演技としてはそれは成功している>、また限られた時間の中で必要以上の情報量を入れ込むべきではないと思う。
たぶん如月 行というキャラクターは読んだ人間の数だけイメージが存在し、そして具体的なイメージを説明しにくいのだろう。
仙石や渥美などの方が具体的にイメージしやすいのは、読み手が自分の平凡な人生を想像した時にその延長線に彼らがいると思えるからだ。
しかし如月 行は生い立ちから<ダイス>に所属するに至まで、平凡さとは程遠い特異な経験をしてきたわけである。
だからこそ、それを経た上での行動や考え方が平凡な我々に魅力的に映るのであり、また顔を容易にイメージできないイメージをもたせられるのだと思う。

斯様に如月を具体的イメージはできないが、その他のキャラクターは割とイメージできる。
仙石は真田広之で見た目ちょっとポッチャリの役作りになっていたが、もうすこし鈍くさい感じでも良かったと思うので渡辺 徹ではどうか(笑)佐藤浩市でもいいかな。
ホ・ヨンファは中井貴一でグッジョブであったと思うが、大杉 漣はどうか。
渥美は......佐藤浩市かな、やっぱ(笑)

あ、今思いついたが如月を妻夫木というのもアリかな(笑)

映画ではホ・ヨンファが取りあえず"悪"の権化として描かれていたが、小説ではホ・ヨンファですら道化であった。
オイラがその辺りでホ・ヨンファに悲しくも同情的になってしまうのは同じアジア人という事と、やはり敵はアメリカだよね(笑)という事であろう。
小説で出て来たラングレーって"CIA"の事だからね。

映画で一言言わせてもらえば、仙石の主観で走って来たストーリーであるのだから、宮津艦長の奥さんをラストに出すのは余計だよなと思った。
by 16mm | 2005-12-25 21:50 | 映画・DVDの感想など。 | Comments(6)
Commented by chata at 2005-12-25 22:26 x
あれれ?戦国ぢぇぃたい買わねーの?w

そっか!昔取った杵柄=アクションできるデブ=渡辺徹だ!(笑)
ぃゃぁ小説読んでくれてうれしいよマッタク。
最後に仙石をヘリで助けにきた操縦士のオッサンが主役の『12YO』もぜひ。
その前に『川の深さは』もぜひぜひ。ダイス3部作の中でもこの2作は短いのでさくっと読めるです。
Commented by 16mm at 2005-12-25 22:48
chataさん。
chataさんの本年度ナンバーワンのオススメですから、観ますよ『戦国ぢぇぃたい』(笑)
買わなくちゃダメ?(笑)

まあ渡辺徹は言い過ぎかなと思ったけど、真田広之ではまだ鈍くささが足りないんだよね(笑)もうちょっとヤボったいのを想像してたのでw
小説読んだのはchataさんのオススメは無下にはできないというのは『プラネテス』で分かってましたしね(笑)
なるほど他の小説も登場人物がリンクしてるですか。
操縦士のオッサン、カッコよかったからなあ。
読んでみますよ二作とも。
『川の深さは』ってタイトルはカッコエエな(笑)
Commented by chata at 2005-12-27 22:14 x
ぢぇぃたいは・・・買ってはいけないw
真剣にやって笑えるとこがシベ超的ですが。

お次はぜひ『ピンポン』原作の漫画の方をみてほすぃー。久々にみて4、5回泣いたつД`)・゚・。・゚゚・*:
大洋の漫画はほとんど揃えたけど、それでもコレを推すのねん。
Commented by 16mm at 2005-12-27 22:56
chataさん.
最近読んだ雑誌で水野先生が真剣に
「私はゲイではない」
と言っていた(笑)
載ってた写真を見たら、随分お痩せになったのかなあと心配になった。

松本大洋はゲロウマの絵描きだとは思うんだけど、どーにも内容がクールすぎて敬遠してるんですよね〜(笑)
漫画喫茶に行って読もうとすると、必ず誰かに読まれてるんだよな。
読んでみまーす。

ちなみに『川の深さは』を買いました。まだ読んでません。
買う時、店員さんに『川の広さは』ってあります?って聞いちゃった(笑)
まあ、こんな言い違い、誰でもするよね、ウヒヒヒヒ(笑)
Commented by chata at 2005-12-28 00:11 x
即レスさんくす。チャットみたくなってもうしわけないス(´・∀・`)

はるおたんは肛門という単語が思い出せず 「入り口が、入り口が・・・!」
と言ってしまい、 「閣下、そこは出口です!!」 と突っ込まれた逸話を持つw

ピンポンは最もわかりやすくオモロイと思ふ。『花男』もぜひ。
大友の影響を多大に受けたと公言してるくらいなのでぜひw

ブログのほうで写真UPのお知らせがあるとありがたいでげす。嫌かも知れんがw
今回のはなんつーかビビりました。モデルさんもカメラマンもすげぇ(゚∀゚
Commented by 16mm at 2005-12-28 08:39
chataさん.
気にせずガシガシ書き込んでいただけると嬉しいっす(笑)

水野先生にとって、アスホーは入り口なのか(笑)
む〜、深いな。
オイラがこないだ『シベ超』のDVDを手に取って固まっていたのは、買おうかどうしようか悩んでいたのであろうか(笑)

『花男』はオイラが唯一通読した松本作品ですね。スピリッツで連載してたの読んでました。でもやはり内容がクール過ぎて印象がイマイチなんだよなあ。そういう事言うとオイラが相当古典的にウェットなのかもしれんが(笑)

メインHPの画像、好印象を持って頂いたようで嬉しいっす。
写真UPの告知は、おっしゃるとおり、照れますな(笑)ウハハハ。

>嫌かも知れんがw
分かってらっしゃる(笑)

しかし、今度からご希望にそって告知する事にします(笑)


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