『インディアン・ランナー』

土曜日、散髪に行ってジムに行ったら『立喰師列伝』を観る時間を作れなかった。

『インディアン・ランナー』。wowowの録画で視聴。
ショーン・ペンの監督第一作という事で興味があったのだが、観てみたらデビット・モースやヴィゴ・モーテンセンが出演していた。チョイ役でベニチオ・デル・トロまで(笑)
デビット・モースは『12モンキーズ』や『交渉人』等で気になる役者であったので余計うれしい。
役者でも上手いショーン・ペンの監督であるわけなので、地味であっても上手い役者を見分けるセンスというのは職業監督以上に鋭い嗅覚を有していたのだろう。
役者達は各々の見せ場でのびのびと演技していたと感じた。
だか、映画としての内容はどうかといえば、役者の演技を受け止めるだけの物語を作れていなかったと思う。
全裸になる。食べたものを吐きかける。奇声をあげるetc....。
多分役者としては自分を解放するような演技が出来て満足だったであろう。
しかし、そのエキセントリックな演技が物語の筋に寄り添ってこない。
演技が浮いているというより、物語が浮かび上がってこなかったように思える。
役者達はたぶんやりたい放題の演技をし、それと物語を作るのと等価に考えるのが映画監督であると思うのだが、ショーン・ペンは監督である以前に役者でありすぎた。
たぶん監督自身が役者の暴走を許容していたのだろう。物語る部分の足りなさを自覚出来なかったのかもしれない。
デビット・モースが役で手を切り「これがすべてだ」と言う流れ出た「血」も、意味やニュアンスとしては分かるものの、適切に物語るという意味では不十分な印象であった。
こうなってくるとタイトルの『インディアン・ランナー』というのも意味が分からない。
意味なく間延びした物語の進行だが、どこか引っかかる映画でもある。
しかし、それは物語や演出ではなく、演じた役者の演技が印象に残ってるというだけだ。
役者の演技が良くても、つまらない映画にはなってしまうという事であろう。
by 16mm | 2006-04-09 23:25 | 映画・DVDの感想など。 | Trackback | Comments(0)


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