『立喰師列伝』

土曜日。会社泊まりの朝に渋谷に行く。
『立喰師列伝』が単館で関東では渋谷でしかやっていないのだ。
街並は良いのだが人が多すぎるのでそうは行けないなあ。

『立喰師列伝』。"犬"の映画である。劇場で鑑賞。満席ではないが、公開二週目にしてはそこそこ入っていたように思う。
途中で寝た(笑)
別に寝不足の所為ではない。
キャストは、私にとっては有名人ばかりで尊敬すべき人もいるのだが(例えばサル顔の天才絵師であるとか、己の体重で日本沈没しちゃいそうな映画監督であるとか、SACの監督であるとかetc...)一般の客、単なる映画ファンには馴染みのないキャストであったろう。
だいたい「品田冬樹」と聞いてどれくらいの人間が笑えるであろうか。
一緒に観た観客は笑っていた。
逆に言えばそれを笑える人しか観ないであろう映画とも言える。

"ベープサート"("ペープサート"?)の手法にしてもデキは『ミニパト』の方が良かったように思う。
題材が題材なだけに"ベープサート"の手法は合ってるとは思うのだが...
この先ノウハウを積んでいけば面白い手法である事はたしかだと思うのだが、押井カントク、もうこの手法ではやらんだろうな。

戦後ヤミ市時代になら"立喰師"なるものは成立したであろう。存在に納得がいったのは"月見の銀二"と"ケツネコロッケのお銀"までで(その後の"哭きの犬丸"と"冷やしタヌキの政"はオイラが寝てしまったので分からない(笑))、"ハンバーガーの哲"辺りになると存在そのものに納得がいかなくなる。
ハンバーガ−100個を店で食べると注文し、昼時の客の多い時間に他の客への注文対応をさせないようにして店をツブす。が、通常注文と同時に先払いでカネを払う現行のシステムでは実際の所店に実害が出るわけはない。注文した方のフトコロがイタくなるだけである。
"立喰師"が成立したであろう昔を懐古するのではなく、本来なら現代の現行システムを"立喰"で出し抜くというのを映画で観てみたかった。

制作費は『イノセンス』に比べれば可成り低いだろうが、押井監督の個人的なノスタルジーとして作ったにしては高くついたなと思う。
オイラは押井監督は好きで次作も観るだろうが、実写映画は(今回の映画が実写映画の範疇に入るかは微妙だがw)期待しないどこ(笑)
『紅い眼鏡』だけだなあ、オモシロかったのは。『紅い眼鏡』だって世間的な評価は可成り低かったが(笑)

ところで『紅い眼鏡』でも"月見の銀二"というキャラクターは存在し、そちらでは故 天本英世翁がやっていた。
『立喰師列伝』では吉祥寺怪人が演じていたが、オイラとしてはこちらの方が"立喰師"らしい眼の力があったように思う。
良い悪いは別にして故 天本英世翁にはどうも立ち食いが似合わないように思った。
by 16mm | 2006-04-23 20:19 | 映画・DVDの感想など。 | Comments(0)


<< 【prototype01】 『Mr.&Mrs.スミス』『戦... >>