『M:i:III』

『ミッション:インポッシブル3』を先々行上映で。
今まで1と2は観ていたもののまったく印象に残らない事と、劇映画の経験がないという監督の演出では期待出来ないなとおもってたら、
面白かった(笑)
今までのシリーズの中で一番面白かったのではないだろうか。



冒頭から中盤のハイライトシーンを持ってくる演出と、頭に時限爆弾を仕掛けるというタイム・サスペンスの要素が物語に対する集中力を持続させていた。
伏線の張り方も丁寧でイーサンが読唇術を使えるというのを冒頭で見せておいて、後々の仕掛けに繋げている。
この丁寧さというのが今回非常に好感が持てた点でもある。
物語を分かり易くしているというのではない。
観客にご都合主義の苦笑いをさせないということである。
主人公がスパイであればご都合主義でなんとでもなるという事態を最低限避けようと言う努力が伺えたのだ。
変装用のマスクの作成など<ハッタリだろうとは思いつつも>映像で見せられると非常に説得力があったりする。当然そんな映像は物語の本筋には関係ない。
しかし、細部のリアリティーが全体をリアルに見せる事が出来るという事を、この監督は分かってる。
このような描写の積み重ねが荒唐無稽である筈の物語に一定のリアリティーを与える。
予告編で流れていたミサイルの爆発でイーサンが飛ばされるカットも<実際にあんな感じになるかは別にして>今までそんな描写を映像化した人間はいないので新鮮であった。
そればかりではなく、バチカンでのワイヤーを使ったダイブというパート1を知ってる人へのサービスカットまであり、映像的にも物語の演出的にもこの監督は非常に上手い。

映像として何を見せ、何を省略するかの判断も良い。
2時間弱に詰め込める情報量を考えれば、何を見せ、何を見せずに観客に想像させるかという判断を適切にしなければならない。
この場合、映像として見せなくても観客に状況の想像を促せるようしておかなくてはならない。
上海のビルの上からのダイブして、別のビルにある "ラビットフット"と呼ばれるものを奪取するシーン。
奪取するシーン自体は映像化していない。どうやって盗み出したかは本作の冒頭のアクションやこれまでのシリーズの積み重ねを考えれば観客の方で想像できるであろう。
その判断ができないと、シーンとしてクドいと受け取られかねないわけだが、映画製作中においてはなかなか全体を見渡しての判断はできない、あるいは難しいであろう。
そのような判断ができない監督は実際に多い。
そのシーンが脚本段階でなかったか、それとも編集で切り落としたかは別にして適切な判断であったと言える。

悪役にしても、物語の結末にしても展開が予想外であった。
こちらが立てる先行きの筋の予想がことごとく外されていくのも良い。
観客の立てる予想の筋に対して、想像負けするようではエンターテイメントの監督としては失格であろう。
その所為か、最後の決着をイーサンのカミさんがつけちゃう所が結構衝撃的であった。
カミさんのタンクトップからの胸の谷間がいい感じである(笑)
トム・クルーズが主演である事で観客が予想する要素を巧妙に外している。
こちらの思い込みによる、最後までトムの見せ場として活躍が映像化されるだろうという思い込みが裏切られるのである。
トム・クルーズという人は案外鷹揚な人なのかもしれない(笑)

イーサン以外の人物の造形の仕方も良かった。

今回、銃声の音が割と特徴的であったのではないだろうか。結構好きな音である。

どうでも良いが、このシリーズのトム・クルーズのポスターヴィジュアルが必ず横顔なんですな(笑)

DVDどうしようかなあ。出たら買っちゃうかなあ(笑)

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『M:i:III』を観終えた後に、『インサイドマン』が上映されている部屋に潜り込む。
時間的に冒頭部分が観れると思っていたのだ。
もう一度あのオープニングのタイトルの出かたを確認しておきたかったのだ。
本当はいけないんだけどね(笑)

次はギリアムの『ローズ・イン・タイドランド』にするか。東京で2館でしかやらないようだ。

シネコンの波におされるように、大宮のハタシネマが閉館したと知った。まあ最近のシネコンに比べると見劣りする所ばかりであったが......

『東京トイボックス』の2巻を購入。面白い漫画だと思っていたが単行本2巻でおしまいというのはなあ......モーニング誌なら他にもくだらないと思われる漫画はあるのになあ、柴門ふみのゴミみたいな漫画とか(笑)


明日は、火曜日を休みにする為に出勤。
火曜日に会社の金でセミナーに通う事に。
まあこれぐらいの事がないとあの会社で会社員はやってけないよなあ(笑)
by 16mm | 2006-06-26 00:49 | 映画・DVDの感想など。 | Comments(13)
Commented by matsu-rabbit at 2006-06-26 01:28
初めましてお邪魔します。コメントありがとうございました。
的確な分析ですねぇ。うんうんってうなずくことばかりです。
胸の谷間には気づきませんでしたが笑
「ターゲットの顔がわからず、現場でマスクを作る」ってシチュエーションは「新スパイ大作戦」にもありましたが、Mi3の方がずっとリアルでしたね。「あーありそう!」って思いましたもん。

会社員さんでしたか。私と同じですね。またよろしくです。
Commented by 16mm at 2006-06-26 09:09
■re:matsu-rabbitさん。
コメントありがとうございます。
matsu-rabbitさんのレビュー、楽しく拝読させて頂きました。
あの現場でマスクを作るというのは元々あったネタでしたか。知りませんでした。ああいうシーンがあると、ハッタリだとは思いつつも物語り全体がリアルに感じられますね。

今後とも宜しくお願いします。
Commented by あっしゅ at 2006-07-10 23:01 x
コメント&TBありがとうございます。確かにトムの奥さんが一番の功労者かもしれませんね。でもミッションを行うにあたっての正確さ、アクションの迫力など、瞬きするのがもったいないくらい、面白かったです。久しぶりにいい映画を観たように思えます。また遊びに来ますね。
Commented by あっしゅ at 2006-07-10 23:02 x
コメント&TBありがとうございます。確かにトムの奥さんが一番の功労者かもしれませんね。でもミッションを行うにあたっての正確さ、アクションの迫力など、瞬きするのがもったいないくらい、面白かったです。久しぶりにいい映画を観たように思えます。また遊びに来ますね。
Commented by 16mm at 2006-07-10 23:36
■re:あっしゅさん
こんばんは。コメントありがとうございます。
あちこちで書いてるんですけど、私としては本作がシリーズ中一番良かったと思うんですが、なかなか世間的には微妙な評価みたいですね(笑)
3作目だけならDVD買っちゃうかもしれません(笑)

これからちょくちょくそちらにも寄らせていただきます。

よろしくどうぞ。
Commented by hide at 2006-07-12 12:59 x
『映画と秋葉原とネット小遣いと日記』のhideです
16mmさんコメント&TB有難うございました
ストーリーの導入部は物凄くよかったですね。トムがいきなり窮地に陥って居る訳ですから
どのような展開に成るのかドキドキしました。
>それにしてもトムがノビてる間に決着をつけてしまった嫁が一番強いなと、そのシーンの嫁の胸の谷間に釘付けになりながら思ってました(笑)

ぎゃゃははヾ(_ _)ノ彡☆ばんばん
(^_-)-☆同感ですネエ。
IMFのラストシーンにも確か嫁が出てきたので、
シュワちゃんの「トゥルーライズ」のように、嫁もスパイになるのではないかと、妄想しました(笑)
Commented by 16mm at 2006-07-12 13:35
■re:hideさん
どもども、こんにちは。
わざわざコメントいただきありがとうございます。

橋の上での攻防といい、スパイや夫婦の話しといい『トゥルーライズ』に似てましたね。
hideさんの御指摘のとおりストーリーや設定は結構ツッコみどころはあるんでしょうけど、私はシリーズ中本作が一番楽しめました。
読唇ができる伏線や変装用のマスクの作成機(まあハッタリでしょうけどw)をちゃんと見せている所に好感がもてたのです。
御都合主義にも一定の枠を設けていた感じがしましたので。

それから、ちなみに私もニコール派です(笑)
Commented by 偏屈王 at 2006-07-30 12:53 x
こんにちは。
確かに、変装用のマスクを現場でパソコンにデータを取り込んで作るっていうのが、リアルで良かったです。
あと、マスクを被るだけじゃ駄目。
発声器を作らないと、ていうんで、音声サンプルを取る為に敵に変なカードを読まさせるのとか、面白かった。
Commented by 16mm at 2006-07-30 21:35
■re:偏屈王さん
寡聞にしてJ.J.エイブラムスを知らなかったのですが、すごく好感がもてる監督でした。
本作、大好きです(笑)
編屈王さんもそのようですが、ブライアン・デ・パルマの第一作が好きな人の方が世間的には多いんでしょうね(笑)
ただジョン・ウーの第二作が好きな人は世間的には少ないかもですね
(笑)
Commented by 偏屈王 at 2006-08-04 19:11 x
J.J.はドラマしか監督してなかったから、知らなくて当然ですよ。
16mmさんくらい映画をたくさん観てると、なかなか海外ドラマにまで手が回らないと思いますが、彼の監督した「エイリアス」「LOST」、どちらも面白いので興味がありましたら是非!
私、ジョン・ウーが監督した2作目も好きですよ(笑)。
否定的な意見が多い最後のライダー・キ~ックも「ま、ありかな?」と思ってるくらい(笑)。
Commented by 16mm at 2006-08-06 15:08
■re:偏屈王さん
レスが遅くなって申し訳ないです。
『LOST』は偏屈王さんのブログに度々でていたので興味はありました。
ひとつ良いなと思う映画に出会うと、その監督の過去の作品にも興味がでてくるんですよね。
そう言う意味ではJ.J.エイブラムスという監督に非常に興味がありますね。

>私、ジョン・ウーが監督した2作目も好きですよ(笑)。
すいません、失礼しました(笑)
ものすごくケレン味たっぷりな演出でしたよね。
『ペイチェック 消された記憶』という映画をウ−が監督して、そのDVDのコメンタリーを聴いてたら
「わたしはSFがキライなので、その手の要素をそぎ落とした云々」
と言っていたのには、飽きれるより笑ってしまいました(笑)
脚本家は必死にフィリップ・K. ディック の原作を脚色しSF仕立てにしたというのに(笑)
相当に険悪な現場だったのではないかと勘ぐったりしてます(笑)
Commented by 猫姫少佐現品限り at 2006-12-11 00:08 x
こんばんは!echo&コメ、ありがとうございました!
TB2つも、ごめんなさ~い!
マギーQ、アジアンは?如何でした??
あたしはこの題名からは、やはりもっと、地味ながらもスリリングなスパイ合戦を期待してしまうんですケド、もはや派手派手アクションなんですよねぇ、、、それはそれでおもしろいのですが、やっぱりスパイ大作戦を見たいです。
Commented by 16mm at 2006-12-11 00:23
■re:猫姫少佐現品限り殿
こんばんは。こちらにまでコメントありがとうございます。
マギーQ、メイキングで観たんですけど、あの高そうな車をブツけてるんですよね(笑)そんなドジっ娘っぷりが好きだったりします(笑)
このパート3、世間的には評価がいろいろですけど、私は
シリーズ中この映画が一番楽しめました。


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