『女立喰師列伝』『ホテル・ルワンダ』『ヒストリー・オブ・バイオレンス』

いつものように会社休み。
歯医者さんへ行き、銀行を回る。



『女立喰師列伝』
"月刊COMICリュウ"という雑誌が創刊された。
徳間書店の"リュウ"と言えば『アリオン』が連載されていた。読むのが『アリオン』しかなかった為に雑誌を買う事はなかったが。
それが新たに創刊されたようだ。
雑誌は一人だけお気に入りの作家がいたくらいでは購入に踏み切れない。
しかしこの創刊号、吾妻ひでお、安彦良和、鶴田謙二、と、オイラの食指が動くラインナップ。
その他、画に力が入った漫画ばかりで結構気に入った。
次号から押井守原作の『ケルベロス』モノも始まるようで購読しようと思っている。
ただ押井の『ケルベロス』モノを連載した雑誌が廃刊の憂き目に遭う事が多いので(笑)ジンクス通りにならない事を祈る(笑)
で、この雑誌の創刊の目玉。押井の撮りおろし実写映画『女立喰師列伝』が付録DVDとしてついてきた。
いやはや、やはり押井の実写はつまらない、というかオイラに合わないだけかもしれんが。
まずメシを喰ってるカットの咀嚼音が不快だ。別に上品を気取るわけではないが、アニメで演出された食べるシーンと実写のナマナマしさはやはり違う。
予算を言い訳にするだろうが、まったく観るべき所がない。
どちらかというと本編の撮影とは別に撮られたパレスチナの映像はすばらしかった。
押井のドラマ部分が余計であるといえる。
まあアニメーションで散々楽しませてもらっているので、監督の道楽としてつき合っていこうとは思っている。
未だにオイラの中では『紅い眼鏡』以上の押井の実写なないんだよな(笑)


『ホテル・ルワンダ』『ヒストリー・オブ・バイオレンス』
まず『ヒストリー・オブ・バイオレンス』のDVDを購入した。
本編は先日観たばかりなのでメイキングを観始めた。
その中で監督のデイヴィッド・ クローネンバーグが
「世界の多くの人々が日常的に暴力で苦しめられている。だが一方で富裕層は暴力とは無縁の生活を送り平穏に暮らしているんだ。世の中には暴力があふれているというのにね。裕福な人々は映画で描かれる暴力と向き合う事があっても、実生活で暴力と向き合う事はない。暴力はイヤなものだが生きていくうえで避けられないものでもある。暴力が絶対悪だとは言えない。魅力的だとも言えないがね」(以上、メイキングインタビュー字幕の抜粋)
さすがクローネンバーグ。非常に冷徹な意見である。
当然であるがクローネンバーグと『ホテル・ルワンダ』にはなんの関係もないが、彼の言葉は『ホテル・ルワンダ』がテーマとして内包していた部分を見事に言い尽くしていると思う。
『ホテル・ルワンダ』をレンタルDVDで視聴。
良い映画だった。
つくづくこういう映画を観ると自分の視野偏狭さを思い知らされる。
ルワンダのこのような状態を私はほとんど認識していなかった。
内容についての感想を書こうと思ったが、前記のクローネンバーグの言葉以上の感想は出てきそうもないので割愛する。
この映画、当初商業的な理由で日本での公開が遅れていたようだ。
出来も良くて評価も高かった為に映画の値段があがるが、それに見合う大ヒットは見込めなさそうという事らしい。
この辺りはたしかに難しい問題であろう。
俳優も結構有名所がでてるんですよね。ドン・チードル、ニック・ノルティ、ホアキン・フェニックス。タイトルロールに名前が出てなかった(見逃したかもしれないが)かもしれないが、ジャン・レノまで出ていた。
それぞれ俳優に打算がないとは言わないが、このような映画に出演する社会的な意味というものを多少は背負っているとのではないかと思っている。
結構トンガってる俳優が出たんではないかと。

この映画のコピーで『シンドラーのリスト』のうようなものとして宣伝していたようなきがするが、どちらかというと(オイラは大嫌いだが(笑))『キリング・フィールド』の方が近いような気がする。

まだ白人VS有色人種(日本人も含む)の戦争なら分かる。がこの映画で描写されいるのは同じ肌でありながら部族の違いからくる憎悪故の殺戮である。
民族の衝突に国連は介入しないというのは、ある意味聞こえがいいかもしれないが、これが白人同士の紛争であったならルワンダのような冷淡な態度でいただろうか?
介入して必死に調停しようと動いたのではないだろうか。

主人公のポールのホテルの支配人としてのプライドと、難民キャンプではなく四つ星ホテルとしての誇りを失わなかった気丈さには頭が下がる思いである。

せめてこんな勇気をオイラも持ちたいと思う。

世界はやはり平和ではないのだ。




追記
ジェームス・ウッズ、クリストファー・ウォーケン、ジェレミー・トーマス、ピーター・ウェラー。そしてヴィゴ・モーテンセン。
クローネンバーグの主役男優のチョイスって顔が細くて、頬骨が出てて、ガイコツっぽい顔の人が多いが、そういう顔に惹かれるのかな(笑)
クローネンバーグ本人もそんな顔っぽいから、そういう俳優を選ぶのかな。
by 16mm | 2006-09-25 20:49 | 映画・Blu-ray・DVDの感想など。 | Trackback(5) | Comments(4)
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Commented by cyaz at 2006-10-01 21:04 x
16mmさん、こんにちは^^

『ホテル・ルワンダ』が日本で公開されたことを嬉しく思います。映画好きながら、この映画のことをすっかり忘れていました。そういう意味で尽力された方やネット署名運動に参加された人に感謝したいと思います。こういう形でも史実は史実として後世に伝われば良いと考えます。
Commented by 16mm at 2006-10-01 22:16
■re:cyazさん
こんばんは。
TBとコメントありがとうございます。

この映画を日本で公開するのに沢山の人の助力があったと聞いています。それだけの映画であったと思います。
記録映画としてではなく、誤解を恐れず言えば、エンターテイメントとしての側面をちゃんと描いているのが良かったです。
この映画のエンターテイメント性で観る人を多く引きつけ、関心をもたせる事が大事なんだと。
やはりつくづく世界は平和ではないと痛感させられます。
Commented by 偏屈王 at 2006-10-14 22:46 x
お久しぶりでございます。
しばらくブログ更新を休止してたもんで、お返事が遅れてしまい恐縮です。

あー、私も「ホテル・ルワンダ」を観た後、「キリング・フィールド」を思い出しました!
圧倒的に残酷な現実の前では一個人の力など無力だというあの絶望感を・・・・・・。
Commented by 16mm at 2006-10-15 22:48
■re:偏屈王さん
ども、お久です。
ブログ執筆、いよいよ復帰でしょうか?楽しみにしています。

『ホテル・ルワンダ』ですが、私はルワンダの状態云々というよりも、ホアキン・フェニックスが演じていたジャーナリストの立場というものに関心がいきました。
言うまでもなく世界は決して平和ではない。今この時間も世界のどこかで暴力が猛威をふるっている筈です。
そんな状況を我々は映画のスクリーンやTVのモニターの向こうに押し込め、情報のみを受け取るだけ。
クローネンバーグが言った"裕福な人々は映画で描かれる暴力と向き合う事があっても、実生活で暴力と向き合う事はない"という言葉で、『ホテル・ルワンダ』を観た時に感じて上手く自分で言語化できなかった感想を整理してもらった感じです。
他力本願ですが、私の『ホテル・ルワンダ』の感想はクローネンバーグの上記の言葉につきます。


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