『力道山』『スタンドアップ』

当初、視聴を止めるかもしれないとの懸念はどこへやら(笑)
日曜21時はTVの前で『華麗なる一族』をいまだに観ている。
"万俵""銭高""鉄平""銀平"......なんか名前が本人の特徴を表してるような。
昔で言う所の"どろぼう"だから"泥田棒男"なんて名前にしたような命名のしかたですな(笑)

散々笑いにしてナンだが、"将軍"がでないとお笑いの要素が肖像画しかなくなってさびしいもんですな。
高台から見る阪神特殊製鋼の爆発シーンは合成してますとわかってしまいました(笑)



明日は米アカデミー賞であるが、wowowの同時通訳は悲惨なので(笑)明後日の吹き替えを録画する事に。昨年までは吹き替えも当日やってたのにな。



『力道山』
wowowでの録画を視聴。
面白い。
これ、日本と韓国の合作とのことである。
たしかに日本の俳優やスタッフを使ってはいるが、監督が韓国の人である以上、日本映画とは言えないと考える。
それを踏まえた上で、この映画は大変に困難な事に挑戦していたと感じた。
すなわち、『硫黄島からの手紙』同様、日本語がわからない監督による日本語を喋る役者に対する演出というものである。
言葉というものは、言葉そのものもさることながら、口に出した時の抑揚によっても意味が伝えられるものだ。
それは当然その言葉にある程度精通してなければ分かるわけではなく、演出する方はそれが分からなければ的確な演出は望めない筈だ。
当然、周りに日本語が分かるスタッフを配する事である程度はクリアできる問題であろうし、ポストプロフダクションで考える時間をとりながらのアフレコもしたであろう。
それでも監督としては台詞まわしの多くを自信を持って演出できないストレスというものを感じていたに違いない。
もしかしたら、韓国向けに日本人の台詞の全てを韓国語にアフレコしたものを全力でつくり、日本向けは完全に監督の手から離れて、日本語が分かるスタッフのみで製作して、さほどストレスを感じなかったかもしれないとも考えられるが......。
しかし、どちらにしても出来上がったこの『力道山』という映画は、他の国の監督が演出したとは思えないほど、所謂"おかしな日本の描写"というものを感じさせなかった。
これは賞賛に値するであろう。
力道山役のソル・ギョング。日本人が聴いても不自然さを感じさせない台詞まわし。ちょっとたどたどしいのが、かえってリアルだ。
話自体は創作の部分も多いと聞いたが、あくまでもエンターテイメントの映画であり、ノンフィクションではなく、ドキュメンタリータッチのフィクションであると思えば気にならない。
韓国としては朝鮮人である力道山が日本でどれくらいの酷い仕打ちを受けたかというのを出したかったのかもしれないが、日本の興行師にいいように使われた力道山と、そんな日本をしたたかに強く生き抜いた力道山を両面で描いていた所に好感がもてた。
キャストで言えば、中谷美紀、藤竜也が好演。

逆に日本人が他の国の映画をこれほどまでの困難を引き受けて製作するであろうか。
今度上映される『蒼き狼』なんて、モンゴルの話なのに台詞が日本語(笑)
昔やった『敦煌』も日本語だもんな。
日本語がアジアの共通語だとでも思っているのだろうかね。
日本人のオイラとしては日本語で台詞が聴こえるのが歓迎したいところであるのだが、日本語を話すチンギス・ハーンの映画を作って失笑されてるんじゃないだろうかね。
いや、されてるだろうな(笑)
なので、超大作であろうと観に行くつもりはないので、今後ますますしばらくの間は映画館から遠ざかる事になりそうだ。



『スタンドアップ』
wowowでの録画を視聴。
面白い。
煙を出す鉱山のロングショットが空撮を交えて挿入され、その灰色の描写が主題の方向付けを行っているように感じた。
テーマがテーマだから、この映画にぬけるような青空は似合わないからね。
視聴の興味としてはシャーリーズ・セロンが出てるからである(笑)。
オイラが社会人になって17年程になる。学生時代のバイトも含めれば20年だ。
その間、自分の周りでセクハラをしたりされたりしているのを見た事がない。
考えようによっては、男が無自覚に行っている言葉や行為が女性を傷つけているとも考えられるのでなんともいえないが......。
自分も趣味で女性の写真を撮っているが、その際、セクハラに準ずるような事をしていないと信じたい所だが、なんとも言えない。
自分に限らず会社の上司もセクハラには敏感なほど気を使った感じで女性社員に接していたように思う。
そんなわけで弁当箱の中にバイブを仕込んだり、服に精液をつけるなんて事にイマイチ現実味がないのだが、男のやることとしてそんな事もありそうだとも思えたりした。
セクハラという言葉の中に、空気の読めない男が好きな女の子にちょっかいを出して迷惑がられるというイメージが漠然とあったのだが、映画で行われるセクハラは単なる悪意からくる嫌がらせ、暴行の類いでしかない。
映画は、そんな男女の格差や差別を軸にしながら、その家族の絆の物語として非常に上手く構成されている。
法廷でヒロインがレイプされた状況や感情の動きを台詞に一切頼らず、フラッシュバックの映像として語り切った所は見事である。
レイプによってできた子供を母親がどうやって愛情に昇華させたかの説明も繊細に表現されている。
そしてなによりも父親が炭坑の仲間を敵に回してまで、それまで信じていなかった娘を誇りを持って守ろうとする様は感動的であった。
このクライマックスである労組大会の父親の発言の力強さがこの映画の全てを包み込んでいる。
このシーンを経て、ラストは息子に車の運転の仕方を教えるヒロインのシャーリーズ・セロンが最高に綺麗に映っていた。

ところで、なんとなくこの映画を観て、女性と男では感じるポイントがズレてるのかもしれないと感じた。
オイラのこの感想も女性からみたらひどく楽観的な感想だと思われてるのかもしれない。
by 16mm | 2007-02-25 22:59 | 映画・DVDの感想など。 | Comments(2)
Commented by chata at 2007-03-03 12:17 x
将軍のブクブクがないと、ウチら的には盛り上がりませんねw
Commented by 16mm at 2007-03-03 12:57
■re:chataさん
そうですね(笑)
なんだかんだ言いつつ笑いのポイントとして期待してるのかもしれませんね。内容があまりにもドロドロなのでどこかに笑いのポイントを(笑)


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