『潜水服は蝶の夢を見る』

息苦しさ解消にと漢方薬に手をだしたが、果たしてどんなものか。

土曜日は歯のメンテやら駐車料金の払いやらで出歩いて、本日はジムに行く予定が、急遽映画に変更である。

先々週だったか?"情熱大陸 "でブックデザイナーの祖父江慎の特集をやっていて興味深かった。
前々から一種天才的な発想でデザインされた装丁に畏怖の念をいだいていた。
しかし印刷会社の端くれにいるものからすれば、彼のデザインははた迷惑だなとも思っている。
所謂印刷事故を意図的に引き起こしているようなデザインなので、印刷や製版現場のストレスはかなりのものかもしれん。
誤字脱字はもちろんの事、頁の折れ曲がりや断裁ミスがあった場合、その担当者全てが叱責され、時には客を失い億単位の損失をもたらす。
それを最小限に食い止めるために、通常の印刷の常識を考えて、そこから逸脱したものは必ず上司なり進行なり営業に確認をしているのだ。
祖父江慎のデザインはその印刷業務の常識を無視するところが面白さにもなっている。
また彼のようなデザイナーが停滞したものを躍動的に動かす切っ掛けを作っているとも言える。
当然であるが印刷会社のオペレーターは芸術家ではあってはいけない<というのはオイラの持論であるが>。
その単なるサラリーマンに、無自覚に芸術家の僕になることを強要するというのはオイラからすれば死ぬ程はた迷惑な事だとも思っている。

『インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国』 予告編をネットで視聴。
米国版と海外版ですでに予告編の中身が違っていたりするところに、スピルバーグのバランス感覚を見たりして(笑)
アクションのアイデアはスピルバーグらしい見せ方で期待が持てる。
シブイ映像を作る撮影監督のヤヌス・カミンスキーも『インディ...』 に関しては前作の雰囲気を踏襲した感じになっているようだ。
しかし、ハリソン・フォード、歳とったね(笑)

買うつもりはないが立ち読みをしたトム・クルーズの非公式の自伝とらや(笑)
当然読んだ所は『アイズ・ワイド・シャット』のキューブリックの所だけ(笑)
まあ、書かれている事全てが本当だとは思っていないが、やはり相当なクソッタレである事はたしかかもしれないキューブリック(笑)絶対お近づきにはなりたくないし、最低なヤツだとは思いつつも、キライにはなれないんだな(笑)

『潜水服は蝶の夢を見る』
日曜日MOVIXさいたまにて観る。
本当に映画を観る頻度が減った。観たい映画がないということもあるのだが、去年ならあまり興味がなくても脚だけは運んで悪口を言ったものだが(笑)
『潜水服は蝶の夢を見る』である。
第80回アカデミー賞、監督賞、脚色賞、撮影賞、編集賞にノミネートされている話題作である。
特に撮影はヤヌス・カミンスキー。スピルバーグのほぼ専属の撮影監督。ブリーチ・バイパス(Bleach bypass)を使った画質がシブイ。
なので、映像は非常に凝っていた。特に冒頭の20分ぐらいは主人公の主観映像になっており、その映像自体が感情をうまく想起させるものである。
やわらかくやさしい。コントラストの低いその画質はオイラも好みであり好感がもてる。
役者も実に抑えた演技で、淡々とした物語にうまく寄り添っていた。
特に主人公役のマックス・フォン・シドーがいい。
映像で物語るという意味ではこれ以上ないほどすばらしい。
劇中に氷山が崩れ落ちる所をハイスピード撮影でいくつもカットインしていた。
それがどんな意味か最初分からなかったが、エンドクレジットで今度はその崩れ落ちるシーンをリバースして挿入していた。
主人公は脳溢血で運動機能を完全に失ってしまい唯一動かせたのは左目のまぶたのみだったのだが、更に「記憶」と「想像力」だけは生きていた。
劇中の氷山は「記憶」と「想像力」のメタファーであり、運動機能の麻痺によりそれらを表現する手段が粉々に崩壊した事だと思われる。
気が遠くなるような左目だけのコミュニケーションで一冊の本を上梓した事は、粉々になった瓦礫がまた大きな山になるような事を示しているのではないか。
オイラの単なる思い込みかもしれんが(笑)

ただこの映画、このように映像はかなり野心的ながら物語はかなりつまらなかった。
途中でだんだんカッタルくなってきたからね(笑)
今回は眠くはならなかったが(笑)
by 16mm | 2008-02-17 19:00 | 映画・Blu-ray・DVDの感想など。 | Trackback | Comments(2)
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Commented by chata at 2008-02-18 23:12 x
『アイズ・ワイド・シャット』は当時劇場で観ましたが―
なんか・・・異様な雰囲気は伝わりました(笑)

祖父江ってひとはサクラモモコの本でよく名前みかけますね。
他は知りませんが!゚∀゚)
Commented by 16mm at 2008-02-18 23:40
■re:chataさん
『アイズ・ワイド・シャット』。たしかに異様な映画ではありますやね。みょ〜な感じの訳のわからなさというか、みょ〜に観る者を不安にさせたと思います。

祖父江慎。オイラだと吉田戦車の『伝染るんです』の単行本かな(笑)

さあ、今週は映画、何を観るか。


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