『ぐるりのこと。』

土曜日、会社に自主練。月曜からの仕事でちょっと不安な事があったのだが解消できず。不安を残しつつ月曜に教えて貰う事になるだろう。
関係ないが『スカイ・クロラ』の森博嗣の言葉で、
「自分が目立ちたいと思うほど、他人が羨ましい」
という言葉がある。
ああ、自分は目立ちたがりなんだなと思う(笑)
帰りに映画。


日曜日、ジムに。体重91.85キログラム。
時計を金属ブレスにして汗を気にせずずっと時計をしていられるのが気持ちいい。
革ベルトの時は汗をかく度に時計を腕から外していたからね。
金属にしても汗はかくがあとで拭き取ればいいわけだし、メンテがしやすい。
お気にの時計をずっとしていられるのは良い事だ。


『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 17巻』
いよいよ宇宙に。
アニメーション版では、ブライトが「不器用だからな」との言葉を受けたミライが彼に対して「ほんとね」とかなんとか独り言をいうわけだが、オリジンでは彼女自身への自省の言葉ともとれるようになっていた。


『無限の住人 23』
沙村の責め画の凄まじい画力。世の良識派からみればまとめて焚書にされそうな描写だが(笑)
残酷な責めを美しさをともなった官能性として描ける画力があれば、これはもう立派なアートであろうよ。


『ヴィンランド・サガ 6』
本作と『プラネテス』を対置させた感想をかこうと思ったが今回は止めておく。
『ぐるりのこと。』を観たからだ(笑)
2種の文章を一気に書くのは不可能であるので(笑)


『スカイ・イクリプス』
スカイ・クロラシリーズの番外の位置づけか。
短編の集合体のような体裁。
ササクラとスイトの話から始まる。
なんか今迄で一番ワクワクする展開(笑)
それにしても原作小説の表記に慣れ親しんだ所為だろうが、映画でのユーイチという名前に多少違和感(笑)音で発すれば間違いなくユーイチなんだけど、オイラはユーヒチの方に親しみがあるね。
チビリチビリと読んでいくつもり。


『蘇える金狼』
BS2でやっていたのを録画して視聴。
松田優作には平凡な市井の人間の役は終生できなかった。演技力がないといえばそれまでだがたぶん自分の引き出しにそのような平凡さという項目がなかったために想像することができなかったのだろう。
映画自体はもはや古くなり過ぎた感があって、もう観る事もないだろう。


TV版『ゴルゴ13』
主演であるにも拘らず舘ひろしはラクチンな仕事だこと。
アイキャッチの画がギャグっぽいタッチに見えてしまった。
取り立ててすごいこともなかったので、視聴は中止にする。


『週刊真木よう子』
最終回。ドラマではなく真木のインタビューとドラマのダイジェストとちょっとしたメイキング。
結構面白い回もあったかなと。第6話と第12話がお気に入りかな。6話は録画消してしまって後悔しているが(笑)12話がやはり一番好みである。


鈴木敏夫のPodcast。
ジョージ・ルーカスとの対談。両者ともまったく本音を話さないところが微笑ましい(笑)
鈴木敏夫は本当に目的の為には手段をまったく選ばない人だ。
宮崎駿が散々けなしていたルーカスとも和気藹々とできる度量がある。
ジブリ・ブランドを広げる戦略の為にはかなり自分を殺せる人なのかもしれない。


『ギアス』
やはり咲夜子は最強である(笑)
新キャラに新設定。ギアス・キャンセラーとな(笑)


『図書館戦争』
TV版。清々しい終わり方であるが、作画的には二人が抱き合うシーンもうすこし丁寧な作画と演出でやってもらいたかった。
この世界観は好みなのでまた続編をやってもらいたいものである。





『ぐるりのこと。』
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土曜日MOVIXさいたまにて。
まだ期待の『スカイ・クロラ』を観ていないのでなんとも言えんが、本年度ナンバーワンに決定(笑)
大傑作。
すばらしいの一言である。
冒頭から引き込まれていて、「もしや」とは思っていたが地味な映画っぽいので本年度ナンバーワンと言えるかな、などと思っていた。
が、まったくの杞憂。ラストの着地の仕方は間違いなく観た者の世界観を押し広げる。
非の打ち所がないというか、神々しいというべきか。
当然キャストについてもまったくの隙がない。
木村多江演じる翔子の表情が実に豊かで、この豊かさが作品の奥行きそのままなのである。
冒頭の通常の幸せを感じている表情から中盤の精神が不安定になっていったときの表情。そして最後に少しづつ回復していく表情の変化。表情の変化だけでなく身体全体で翔子の喜怒哀楽を説得力をもって演じている。
髪型が変わったり、着ている服の雰囲気が変わった事もあいまって、キャラクターの造形が実に丁寧であった。
画を描く人物設定なのだが、描くときの鉛筆の持ち方、小指のみを軸にしてキャンバスに描くところなぞ細かい所に気を配っている。
演じている木村もそうであろうが、監督の橋口亮輔はこの翔子を愛情もって演出しているのが分かるから、観ているオイラも感情移入ができたのだと思う。
脇を固める役者も実に伸びやかな感じで好感がもてた。
この映画、裁判シーンもあるのだが、加瀬亮と光石研の『それでもボクはやってない』俳優がそれぞれ被告(宮崎勤を模した)とその弁護士役ででていたのでちょっと笑った。
出ている役者が完璧な演技を披露していて個々の実力もさることながら監督の粘りもあったのだろうと考えられる。
そんな中で実に印象的であったのが倍賞美津子の演じた翔子の母親役。
別れた夫が元気だったと分かった時の横顔。フっと安堵の微笑みの浮かべ方が素晴らしかった。
まだ夫を愛している表情なんだと思う。

で、今回この映画を観ようと思った切っ掛けの一つであるキャスト。
リリー・フランキー。
彼の描く画は好き(鴨志田穣の『酔いがさめたら、うちに帰ろう。』の表紙画は良かった)だが、写真はかなりダメっぽいとか(笑)。
彼のインタビューなどを読むに付け、オイラが一番お近づきになりたくない人だなと思っていた(笑)
ただどんなに人格が好きになれなくても、作られた作品が素晴らしければそれで良いとも思っている。
逆に言えば素敵な人格者であってもその人の作品が素晴らしいとは限らない。
この映画の広告がリリー・フランキー演じるカナオと翔子が金屏風前で並んで微笑んでいるものだったのだが、なぜかそれに引っかかったのである。
なんか並んだ二人がお似合いでもあるし、よそよそしくもある感じがしていた。
で、本作の役者リリー・フランキーがまたすごかった。
これ、演技しているのであれば本作で出ている本当のプロの役者と同水準か、もしかしたらそれ以上の演技をしていると感じられた。
「ヨーイ、スタート」で自然な佇まいの演技をする事も素人では難しいだろうが、他の演者の台詞を受けて自然な形で台詞を返すことも相当な技術がいるだろう。
リリー・フランキーはその二つを実に自然に見える形で演じていた。
この映画は長回しのカットもいくつか挿入されているのだが、本職の役者を相手にどうどうとしたものである。
彼の演じるキャラクター、というか演技自体に破綻がなかったからこそこの映画が素晴らしいものになったのだ。
翔子をはげまし、想いを吐露し、夫婦間でのピロートークも実に自然な会話になっていた。
彼の演技、この映画に関してだけでも最高に褒めたたえるべきだと思う。

映像の演出もまるで手を抜いていない。
●ふすまの向こうから脚だけ出す演出。
●後半のお寺でお坊さんと女の子と翔子が横に並んだ構図と、人物の動きによる配置の変化。
●お寺の天井画を畳みに寝転んで見上げるカナオと翔子。握り合った手の緩やかな弾力の暖かさ。脚でふざけ合ってる二人にかかるゆるやかな日差し。
キャストの演技だけでなく、映像表現も相当に力を入れているのが感じられる。
相米慎二の映画で使われていた長回しというのは『セーラー服と機関銃』を除いて、まったく退屈な手法であり単にカットが割れないだけなんじゃないかともおもっていたのだが、適切な演出の基に作られた長回しは画面から緊張感が伝わってくるものだと感じた。
本作の長回しがまさにそうだった。
特にカナオと翔子のやり取りはその長回しの緊張感がゾクゾクと伝わってきた。
そこでもカナオが翔子の頬を張るシーンが実に印象的であって、「ゴメン」というカナオの台詞、というかリリー・フランキーの言葉の発し方がリアルであった。

画を描くということは記憶に留めようと言う行為に他ならない。
愛する家族を愛情を持って描けば、実に暖かみのある画になるものだろう。
しかし見ず知らずの、しかも人間として共感出来ない人物の画を描くのも法廷画家であるカナオの仕事なのである。
たぶんこの映画のテーマであると思われる「忘却することの恐れ」という事に有機的に絡んできていると思われる。
ただこれはオイラの理解力不足であるのは明白なのであるが、それを含めたこの映画の全貌を把握しきれずにいるというのが正直なところなのである。
この辺りは絶対購入するであろうDVDを何回も観ることで自分なりの感想を形作りたいと思っている。
そうまでしたいと思わせる映画にであってしまったのだからしょうがない。
映画のラスト。いわゆる着地であるが、法廷画家であるカナオがいつものように画の彩色を廊下に座り込んでやろうとしているところ。それまで立て膝でダラダラと筆をうごかしていたのだ。
それが窓外を見たカナオが「ひと、ヒト、人」(だったと思う)とつぶやき、そのラストシーンだけうずくまり、まさに土下座のようなひれ伏した格好で筆を運び始めたのだ。
それは祈りのようでもあり、何かに対する謙虚さの表れのようでもあり、希望への感謝のようにも思えた。
そう、このラスト・カットこそが映画の世界観をダメ押しで広げた瞬間だったのだと思う。
実に素晴らしい幕の引き方であった。

エンドクレジットとともに天井画が出てきて、Akeboshiの"Peruna"がかかる。実に良い歌だ。
それから思わず買ってしまった本作のパンフだが、翔子とカナオの金屏風前の画がどうしても欲しかったのと、法廷画家の新人の女の子が好みなので名前を知りたかったのだが誰だか分からんかった(笑)写真はヒトコマのっていたのだがね(笑)。

何度も言うが本年度最高傑作であろうね。
by 16mm | 2008-06-29 20:22 | 映画・Blu-ray・DVDの感想など。 | Trackback(2) | Comments(2)
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Commented by chata at 2008-06-29 23:48 x
スピードレーサーもまだ観てないのに、本年度ナンバーワンとな?!w
近所でやってないのが残念。テレビの映画紹介で「お、リリーだぁ」くらいに思ってたのですが、ナンバーワンならばなんとか観たいところであります。

腕時計買ってぜんぜん身に着けてないのですが、どとはんに触発されてバンド替えてみましたw
腕時計がまったく別の顔になった(・∀・)ぉぉぅ
Commented by 16mm at 2008-06-29 23:58
■re:chataさん
いやはや。『スピードレーサー』も『20世紀少年』も観ていないのに気が早いとお思いでしょうが(笑)
ま、機会があったら観てください。リリーさんスゴイと思います。
カレンダーに赤×印がつく幸せというのがあるんだなと思いましたよ(意味不明(笑))。
劇中のリリーの下ネタトークが自然な事(笑)

腕時計。たしかにバンドを替えると別の顔、別の雰囲気になりますやね。ただオイラの場合それが上向きの運に結びつかないのがくやしい(笑)


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