『崖の上のポニョ』『16ブロック 』

三連休である。

土曜日、母親をつれて『ポニョ』を観に。
同じく土曜日、会社で使っているのと同じペン・タブレットを購入。ペンタブを買うのはこれで3度目くらいだが、買う度に使いこなせないでさっぽったのだが(笑)今回は会社で使用になれてしまい、むしろ自宅での作業に不自由するようになってしまったので。会社のより小さいのを買うつもりだったが結局色違いで同じ大きさのものに。机の上を多少かたしはしたが、窮屈この上ない(笑)それでもかなり作業が良好に。会社ではペン先もタブレットの面の部分もひっかかりが大きいものをつかっているのだが、自宅ではデフォルトのままでもいいようだ(笑)


日曜日、ジムに。ボクササイズを久しぶりにやるつもりでランニングマシンを超軽目でやった。しかしボクササイズ相変らず人気で人が多すぎるので止める事に。初めてやるマシンでの筋トレ少々であがり。しかし、一日置いた今日、少々胸が筋肉痛(笑)91.55キログラム。

『ギアス』
しだいに複雑に深くなっている。毎度同じ事だが次の展開が楽しみである。

『NHK総合「課外授業~ようこそ先輩~」』
録画して視聴。押井守出演。押井のインタビュー等で見聞きしていることではあったが、実際に語られるのを観るとまた印象が違うものだ。街やモノを観る目線(視点)やそれに付随する妄想についての語りは面白かった。

中央公論誌での押井 守と森 博嗣の対談。イマイチ。

『16ブロック』
wowowで録画しておいたものを観る。
ブルース・ウィリスとデヴィッド・モースの組み合わせは『12モンキーズ』と同じだなあとボンヤリと思う。
酔いどれで脚が不自由。ハードボイルドにうってつけの主人公。主に表情や台詞によって成り立つような俳優主体の映画。
そこそこ面白いのだが、いまいち引き込まれない。どうにもあの証人の黒人に思い入れが出来なかった為だろうか。別にキャラクターに思い入れが出来なくてもいいわけではあるが。
一種のバディ・ムービーには違いないが、展開が雑に感じた。
人種の問題を物語の底辺に重く乗せているので、それがオレには実感できないためかもしれない。

『プラネテス』
ひさびさに最終話の3本を観る。やはり面白い。タナベが酸欠寸前になるところの葛藤や、やはりシリトリのプロポーズ(これは原作にある)は上手い。

『BLACK JACK  Treasure Book』
ブラック・ジャックの単行本未収録の作品や作品解説がされている本を見つけた。
小学校高学年か?それ以来見ていなかったシャムの双生児の話が収録されていた。
今から考えると読み飛ばした部分を含めて、かなりの啓蒙的な作品だったのだと思う。
自分の知らない怖い事が世界にはたくさんあり、それを知る事で怖さに立ち向かえる勇気が出るものだと。
私にとって『ブラック・ジャック』はそんな作品だったのだなと思った。



『崖の上のポニョ』。
土曜日MOVIXさいたまにて。
連れて行った母親は、
「『てぃひろ』の方が面白かった」
と言っておった(笑)
今回は音楽が非常に重要な要素であったと思う。
オープニングの(多分)合唱による音楽は生命力のあるシーンと相俟ってゾクゾクするような始まりであった。
画は手書きらしくCGのエフェクトを使った見た目の深みはないので、最近の他のアニメーションと見比べてしまうとややガッカリ(笑)なのだが、ほぼ同じような絵柄の『ゲド戦記』とは比べようも無い程の上質さである。
アニメーターの布陣は『ゲド戦記』とほぼ変わらないはずなのにこの画のクオリティーの差が出るのは、やはりアニメーターの監督に対する信頼度なのだろう。
港町のディテール(車の走る道路に船が引き込まれるので、それが道を遮る)が丹念に描かれている。
物語の中盤、人間の女の子になったポニョが海を走るシーンの動きがすばらしい。ポニョ自身の動きもさることながら、海や波、それらに追いかけられる車の動き。そしてワーグナー。
駆けてきたポニョが宗介に抱きつく感じの素晴らしい事。
動きやディテールの描き込みとキャラクターの精神性。文句無く素晴らしかった。

ここまでは(笑)

上記したシーンは物語の中盤の出来事であり物語のクライマックスではない。これ以降の終盤に向けて盛り上がる部分はない。
エンターテイメントとしての昂揚は中盤でなのである。

ところで、私が宮崎駿の映画に死の影を意識し始めたのはいつからだったろうか。
今から考えると『トトロ』にもそれはあったような気がするが、最初に意識したのは『千と千尋の神隠し』からだと思う。
明確な死後の世界というものではなく、あくまでも別次元の別世界としてそれはあった。
死後の世界に身を置き、そこから生を意識する。
宮崎駿がかねてより言っている「子供のため」という部分で言うならば、それも子供にむけたある種の肯定的な思想が含まれているのではないかと思っている。
宮崎の言葉を信用するならば、物語の背後で死を意識させる部分を作る事が子供のため、宮崎が信じる希望を託しているわけなので、それらは全て肯定的な要素なのであると思う。

私の読み違い、考え過ぎと笑われる事を覚悟して言うが、この『崖の上のポニョ』の終盤以降というのは完全に死後の世界を描いていると思った。
つまり、宗介も母親も父親も老人ホームの人達も幼稚園の児達も、そして街の人達どころか全人類が水没により命脈を絶たれた世界を描いているのだと。
宗介とポニョが水没した街の上で会う人々に災厄による深刻さが描写されていないというのが一つ。赤ん坊をつれた夫婦の対応など回りの状況を考えれば浮世離れし過ぎている。
一瞬半魚人になるポニョに対しても人々は普通の対応をしている。まあ、そのの部分は演出のテクニックで他のキャラクターにポニョが半魚人になってる事を意識させないような構図とカット割りになってるのだが。
すべての現世での常識的なしばりから開放されているからこその世界観。
水没した街を船に乗って下を眺めていたが、あれは海を取っ払えば空中の高みから下界を眺めている構図に他ならない。
タイトルの『崖の上のポニョ』とは、空の高み、すなわち死後に昇った世界という事なのだと理解している。

上記は自分の単なる思い込みなので本当はどうか分からないのでこれ以上は言うまい。
ただ、宮崎駿という人は明らかに苛立っているのは分かる。
iTunesのPodcastで宮崎自身が『ハウル』について
「そうか、わからないんだ、みんな」
と、観客の理解の鈍さについて言っていた。
観客の理解を高く信用した為か、それとも観客を度外視して自分の思想を原液に近い状態で入れてしまった所為か。
もしかしたらかなりペシミスティックな部分で本作を作ったのだと考えられる。
作品と自分と観客に対し、誠実であろうとする姿勢はずっと変わっていないのであろう。
個人的にはもう一度『ラピュタ』のような作品が観たいという気持ちが大きいのであるが、時代に切り込んだするどい冒険活劇を自分では作る事ができないということも分かっているのだと思う。
そういう意味では『ラピュタ』は観た当時はもとより、今観てもすばらしい活劇だ。

本作『崖の上のポニョ』は『ハウル』に続いて宮崎のやや黒い部分を入れこんだもので、それは煤けてコゲて苦い部分もあるのだ。
多くの人はそのコゲた部分をよけて甘くておいしい部分だけを食べたのかもしれない。
私もそういう意味では苦い部分を食べ残しているのだと思う。
尊敬する巨匠の全てを食べてみたい、そういうのを作ってもらいたい、とおこがましくも思っていたが、実際それを前にした時自分の浅はかさがやっと理解できた。

話は変わるが本作のエンドクレジットは"この映画をつくった人"とかなんとかで(多分)五十音順かなんかで職種を抜きにして並ぶのだが、非常にいや〜な気分になった。
全員がその中に入れば文句もないがオープニングでは監督やプロデューサーや一部のキャスト等の名前は別にでていたりするのだ。
オープニングはエライ人。エンディングは十把一絡という見え方にしかならない。
宮崎駿らしくないミスではないか?

最後に一言。
名倉靖博という激ウマのアニメーターがいる。『天使のたまご』や『時をかける少女』『天空の城ラピュタ』等、クオリティー重視の作品に必ず名前があがるようなアニメーターなのである。
その昔『とんがり帽子のメモル』のキャラクター・デザインもやっていた。
名倉のブログで知ったのだが"金魚姫"やその他のキーワードを考えたのは彼らしい。
この話は昨年ごく一部で話題になって、ポニョは"金魚姫"から"サカナの子"となり、しかし本作本編では"キンギョ"になっている。
名倉自身もこの事をかなり憂えていた。
宮崎駿はどう考えているのか....
『千と千尋の神隠し』のDVDの色や、『ゲド戦記』にまつわる原作者との約束の反故。
説明責任はないのはわかってるが、昔から尊敬していた人に対しての気持ちの揺らぎというのが私の中ですごしづつ大きくなってきた気がする。

追記:
自分の両親を名前で呼ぶ親子関係というのはなんだろうか?
おばあさんの一人が唯一、ポニョを人面魚とまっとうな事を言っていたが、どうして彼女だけが?
by 16mm | 2008-07-21 21:40 | 映画・DVDの感想など。 | Comments(2)
Commented by chata at 2008-07-21 23:35 x
『ギアス』 もう脳が追いつきませんw

『ポニョ』 ネタバレみないでおきます(´・∀・`)まだ観てないっしゅ
Commented by 16mm at 2008-07-22 12:57
■re:chataさん
『ギアス』。オイラもだいぶいっぱいいっぱいになってきました(笑)でも観続けちゃうんだよなぁ(笑)

夏は『ハルク』『スカイ・クロラ』『ダークナイト』という感じでしょうか。
『20世紀少年』は観るかどうか微妙。『DMC』は一応観る予定にはなっています。


<< 『GHOST IN THE S... 『スピード・レーサー』 >>