カテゴリ:映画・Blu-ray・DVDの感想など。( 566 )

『血と骨』

映画が総合芸術と言うのであれば、その作品の評価というのは演出、脚本、音楽、撮影、その他諸々が、他の映画より優れていなければならないと思う。
作品はAが優れているが、監督の演出はBという作品が優れていて、音楽はCが......などというのは総合芸術の評価の仕方として"ねじれ"があるとしか思えない。

日本アカデミー賞最優秀監督賞 の『血と骨』をDVDで観た。
作品賞は『半落ち』。脚本賞は『スウィングガールズ』の矢口監督。
最優秀な作品は監督も脚本も最優秀でなくて良いのか?

『血と骨』について率直な感想を言えば、つまらなくはない。

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by 16mm | 2005-04-10 23:15 | 映画・Blu-ray・DVDの感想など。 | Trackback | Comments(3)

『12モンキーズ』

公開当時からテーマ曲である組曲プンタ・デル・エステが耳について離れなかった。
高層ビルの上を飛んでいくフラミンゴ。建物の上で吠えるライオン。そんなイメージを映像に定着させている。それを観ただけでギリアムの映画だという事がわかる。

『12モンキーズ』のDVDを買った。
テリー・ギリアム監督は大好きだ。
この映画のDVDは以前から出ていたが、LDを持ってる事もありなんとなく購入せずにいたのだ。
が、このほどLDで別売りされていたメイキング込みでDVD化されたので即刻購入したのである。
しかも監督とプロデューサーのオーディオコメンタリー付き。
DVDも買うタイミング次第だなあと思う。待てば今回のように特典がおいしい状態で購入できる。が、待つだけ待って絶版になる事もあるから油断できない。

劇場、LDやビデオでは字幕で観た『12モンキーズ』だが、いつものようにDVDは日本語吹き替えで観た。
すると画面に集中したおかげで字幕を読んでいて気が付かなかった映像のディテールが見えてきた。
精神病院を脱走しようとしていたコールがレントゲン室の機械の動きを見るシーンがあるが、それは観客にタイムトラベルする時の機械と酷似していると言う事に気が付かせるシーンだという事に今回初めて気が付いた。コールの眼を通して分からせる部分であったのだが、今までオイラはまるで気が付かなかったのである。
こんな些細な事であっても、オイラはずいぶん見逃してる部分や理解が足りなかった部分があったなとDVDを観て反省をした。
更に時々聞こえる声が誰の声なのかというのを悩んだりしたのだが、コールにだけ聞こえる妄想の声と考えれば納得がいく。
ウィルスで死滅しつつある未来世界の人類も、タイムトラベルもすべてコールの妄想かもしれないという解釈もあり得る、そういう構造に作ってあると監督も言っていた。
そもそも二つの世界(妄想と言われる世界と現実と言われる世界)で気違い扱いされれば、普通正気は保てないやなw
たぶんコールはライリー博士と一緒にいる時だけ正気でいられ、博士を抱き締めることで現実のにおいを確かめていたのだと思われる。
映画は一見タイムトラベルをテーマにしたもののように見えるが、どちらかというと破滅を夢想して内向していく気違いの映画だといえるかもしれない。

主演の3人は見応えのある演技をしていた。

それよりもコメンタリーを聞いていて、ウィルスをバラまく科学者の役をデヴィッド・モースが演じているのを初めて知った。
『交渉人』の市警の役をが印象的だったのだが、『12モンキーズ』ではやや顔がふっくらしていたので、まったく気が付かなかったのである。
監督もプロデューサーもラスト近くの空港での演技を絶賛していたが、たしかに微妙な顔の表情が非常に良かった。この人は演技の幅の広い人なんだなと改めて思った次第。

終末を感じさせる映画にルイ・アームストロングの『この素晴らしき世界』を使うというセンスはハリウッドの映画からはなかなか出てこないだろう。
キューブリックの『博士の異常な愛情』のラストで核爆発してる映像のバックに流れる『また会いましょう』と同じくらい皮肉が効いている。
テリー・ギリアムもスタンリー・キューブリックもイギリス在住のアメリカ人だ。
たぶん二人ともイギリスの露骨な身分差別的な影響を強く受けていたにちがいない。
アメリカ人などイギリス人からすれば、歴史が薄い、粗暴な国の人間程度にしか認識してないだろうから。

ところで、字幕を読んでいるうちに流れていく映像を見逃してしまうことで映画の印象が大きく変わる、という事に今更ながら気が付いたわけだが、オイラのような日記程度の感想文を書いているならまだしも、日本人で映画評論家でございと名乗ってる者は、最低限英語が話せて英語圏の文化に精通していて、当然字幕無しで映画を理解できなければカネを貰う仕事としての資格はないのと違うか?
by 16mm | 2005-04-09 00:43 | 映画・Blu-ray・DVDの感想など。 | Trackback(2) | Comments(5)

『スウィングガールズ』『アビエイター』

あまかった。
『スウィングガールズ』のDVDは当然一番高いプレミアム・エディションを買うつもりでいたのだが、完全予約制との事で手に入れる事ができなかった。発売日にどうせ在庫があるだろうと思ってタカをくくってい油断したのだ。
諦めてスペシャル・エディションを購入したが、店頭平積みしていたDVDの厚みが薄くなっていたので可成りの売れ行きなのだろう。喜ばしい事だ。
映画の内容はもう言うまでもない。劇場で都合2回も観たのだ。
上野樹里が片足でリズムを刻む様がカッコいいったらありゃしない。
ラストのコンサートのシーンはやっぱ感動もんだった。
特典のメイキングとコメンタリー2種を全部を観た。
監督のコメンタリーが愉快である。この監督、オレと同い年。しかも誕生日が三日違いでやんの(笑)
メイキングで劇中最大のスペクタクル、『この素晴らしき世界』をバックに流しての猪との攻防の説明がなされていたのが興味深かった。
事前にテスト撮影までされていたこのシーン。撮影上の約束事として、●ピントを送らない。●カメラはパンをしない。●人物と人物の間をカメラが抜ける動きをしない。●必ずカメラは人物の外側にいて横移動する。
こういうメイキング話はちゃんとは理解できなくても蘊蓄として大好きだ。
それから、主要キャストは5人なのだが、その他12人の女の子達の性格造形、というか監督の気の使い方に好感がもてた。基本的に優しい人なのだろう。DVDのキャスト紹介にも全員のプロフィールが載っていた。特に特典映像でガールズが全員参加している短編映画を作っている。
ところで日本アカデミー賞、脚本賞は矢口監督が取っていたが、作品賞と監督賞は『スウィングガールズ』よりも優れている映画が取ったんだろうな。
当然それはいっこも引っかからなかった『花とアリス』よりも優れていることを期待しているぞ。

『アビエイター』初日初回に劇場に観に行った。
3時間まったく飽きさせない運びは、スコセッシたいしたものである。
面白かった。
この映画は伝記の要素を含んでいるので観る側がその人物を知ってるかどうかが内容の是非に影響するのかもしれん。ちなみにオレは主人公のハワード・ヒューズについてはほとんど知らない。
ところで、スコセッシという監督は空を飛ぶという事についてあまり興味がないようだというのを感じた。止まってる飛行機のラインを美しく見せる映像は撮れても、飛翔するという映像に官能性がまったくない。
スピルバーグや宮崎駿の映画にあるそれがないのである。
これの是非を言っているのではなく、作家としての資質の違いと言える。
ではスコセッシの映像の官能性はどこかといえば、明らかに破壊や破滅の描写に他ならない。
飛行機が墜落して畑の植物を薙ぎ払う。ビバリーヒルズに墜落して家も飛行機も、そしてハワード・ヒューズもズタボロになっていく描写。
精神のバランスを崩し引きこもって瓶の中に小水をし、その琥珀色の瓶が横一列に並んだカットの美しい事。
破滅を創造する、というか破滅に向かう道程を非常に美しく官能的に描写している。この辺りは『タクシードライバー』からモチーフとして変わってないのかもしれん。
欲を言えば、晩年に近かったであろうヒューズの全裸姿が若々しすぎたのが難点だ。この辺りはまだディカプリオでは役不足だったのだろうか。『レイジングブル』のデ=ニーロなら体型を崩すような役作りまでしただろう。
アカデミー賞。監督も主演も逃したが、ディカプリオに主演賞やってもよかったんじゃないかなと思った。演技はかなりがんばっているように見えた。少なくともジェイミー・フォックスよりも良かったんじゃないかと思う。
......
じゃあそうするとジョニー・ディップと比較したらどうなんだと言われれば、ジョニー・ディップだよなと思う(笑)
監督賞をスコセッシが取れなかったのは残念だが、まあ『タクシードライバー』でも取れなかったわけだし、本人は欲しいかもしれないがオレは無冠の方がカッコいいかもしれんと思い始めてる(笑)
by 16mm | 2005-03-27 22:52 | 映画・Blu-ray・DVDの感想など。 | Trackback(2) | Comments(18)

『ロング・エンゲージメント』

中島みゆきの実験劇場『夜会』で『vol.5 花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせし間に』というのがあり、私が(LDでだが)観た中ではそれが一番好きだったりする。
それは"待ち人"を待つ者に対し、きびしい眼差しを向けた公演であった。
つまり、待ち人を"待たない"というテーマを語り、"待つ"事が美徳という思い込みに痛烈な一撃を与えていたのだ。

土曜日に年明けから楽しみにしていた『ロング・エンゲージメント』を初日の初回で観て来た。入場者が6人しかおらんかった(笑)
期待に違わぬ傑作。大変良かった。2時間ダレ場なし。

ここから先、ネタバレあります。
by 16mm | 2005-03-14 00:38 | 映画・Blu-ray・DVDの感想など。 | Trackback(4) | Comments(8)

『ローレライ』

日本文化の「見立て」というものをからめて、SFXについて語ったのは岡田斗司夫である<オタク学入門>。
日本庭園の大きな石を島に「見立て」、玉砂利を波に「見立て」たりするアレである。

『ローレライ』の初日初回を劇場で観て来た。
ちょっとイラついた部分もあったが、非常に良かったオモシロかった。
架空の潜水艦と架空の索敵システム。これらを劇中説得力をもって見せるのがSFXにおけるセンスやコツや技術なのであろう。それらについてはかなり高度な説得力を獲得していた。その辺りはさすが樋口監督である。
CGそれ自体を比べるならば、アメリカ映画のに比べれば日本映画のそれはちゃちに見えてしまう。その辺りは残念ながら『ローレライ』も然りである。
しかしCGで作った「絵」を潜水艦に「見立て」る、リアリティーを与える事に対する努力は最大限なされている。
まずその一つにSEがあげられる。潜水艦内で結露した水滴がポッポッポッっと落ちる音。信管抜きの魚雷を受け舵がきかなくなった駆逐艦どうしがぶつかる時の金属の高いキシミ音などが非常にリアルだった。
SEはスカイウォーカーサウンドで付けたらしいが、音源のライブラリーの厚さの勝利であろう。
ローレライが起動した時の描写も印象的だ。磁石に引き寄せられる砂鉄が形を作るようなアナログっぽいディスプレイのアイデアは新鮮だった。グリッドがガガっと立ち上がっていく所がカッコイイ(笑)。さすがに今のパソコン画面のような表示をしては台無しであったろう。
予告編やスチルで観た時のセットや緑の軍服のテカりは抑えられ、画面全体がツヤを消したようなものになっていたのもよかった。
そして役者陣の大健闘も映画のリアリティーを支えている。主役連の演技は言うに及ばず、艦内描写で「ベント弁開け」の手際の見事さ。その熟練した感じが「らしく」見えるのである。
役所広司や妻夫木聡や柳葉敏郎は当然として、個人的にはピエール瀧の無骨さが非常に印象に残っている。妻夫木聡は良い役者だなと思う。

劇中、浅倉大佐がやろうとしていた日本のリセットをローレライの絹見艦長等が阻止するわけであるが、戦後日本の今の状況を見ればリセットすべきだった、と思う部分は私にもある。衝動的にこんなニッポンに鉄槌を与えてしかるべきだと思ったりもする。
「ニッポン人は自分で絶望から立ち上がる」という絹見艦長のこの言葉が当時の絶望寸前のニッポン人の希望だったのだと解釈すると、今の日本の状態を恥ずかしく思うからだ。
立派な人間は死に、下らなく愚かな人間が多数生き残るのが戦争なのである。

パメラ役の女の子の台詞が少なくて良かったと思う。長くしゃべらせたら絶対ボロが出てたろう。
映画の予告編で『あずみ2』がかかっていたが、「主役のネぇちゃんにしゃべらすな、台詞言わんとけや」と思ったりした。

で、私がちょっとイラついたのは、冒頭に出てくる能書きと劇中唐突に挿入される心情描写のボイスオーバーである。
スカイウォーカーサウンドで付けたSEと、あれだけ説得力のある役者が演技をすればボイスオーバーの解説などなくても観客に伝わるものなのだ。
現にラストでローレライがどうなったか。折笠とパメラがどうなったか。そして唐突に最後に出て来た作家らしき人物についての説明も一切言葉ではされていないのだ。
その作家のしていたあるアイテムを見さえすれば、だいたいの予想は観客にもつけられる。
それが良いのである。
言葉で説明しなくても、映像がすべてを物語っているわけだから。言葉による説明は野暮ってものだろう。

それと音楽も良いのであるがちょっと仕事のし過ぎだと思う。これも効果音と役者の演技で保たせられた筈だ。

それはそれとしてオイラとほぼ同世代の人間がこんな映画を作った事が、羨ましくもあり、誇りに思ってもいいと思うな。
取りあえず見応えのある映画であることには間違いはない。
早くもDVDが待ち遠しい。
できれば劇場でもヒットしてもらいたいものだ。
by 16mm | 2005-03-06 23:56 | 映画・Blu-ray・DVDの感想など。 | Trackback(1) | Comments(10)

無念、スコセッシ

このブログで「アカデミー賞無理とちゃう」と書いていた、ジェイミー・フォックスが主演男優賞か。
むう。オイラに見る目がないっちゅう事が明らかになりましたな。トホホ。
モーガン・フリーマンの助演男優賞はまったく文句はない。遅すぎたぐらいである。
......
それにしてもスコセッシ、残念だなあ。イーストウッドも良い映画たくさん作ってるし、今度の映画も間違いはないんだろうけど、それにしてもスコセッシTT

ヒッチッコックも無冠らしいし、キューブリックも監督賞はとってないわけだし、取らないで無冠である事の方が箔がつくってもんかもしれん。

アカデミー賞のビデオは今度の休みにゆっくり観る事にしよう。

ああ、それにしてもスコセッシ......TT
by 16mm | 2005-02-28 23:43 | 映画・Blu-ray・DVDの感想など。 | Trackback | Comments(6)

『解夏』

今週土曜は『ローレライ』を観に行くとして、次の土曜日は『ロング・エンゲージメント』である。久しぶりに映画の週イチペースになる。更に一週おいて『アビエイター』も公開される。
DVDも観たいものはあるのだが、一週間レンタルになっていないので我慢しているものもある。『下妻物語』、『リディック』。『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還/エクステンデッド・エディション』などは4時間を超えるので内容的にも時間的にも一日で観るのはキツイ。更にレンタルしたDVDは最低2回は観る貧乏症なので一週間レンタルになってからにすることにする。

『解夏』をDVDレンタルで観た。
タイトルの『げげ』という音が好きになれなくて観るのを躊躇っていたのだ。
なんでもアルファベットやカタカナにすれば良いと言うわけではないが、漢字になると、日本のどうにもならないような暗くて重い土着なものを引きずり初めて鬱陶しくなってくる。私が観ないから、ということもあるが、内容はともかく(観てないから)予備知識なしに『半落ち』なんてタイトルの映画を積極的に観ようとは思わんのである。
案の定というか、劇中で"解夏"の意味を解説していたが、これがなんともわざわざ説明をする為のシーンであるのが見え見えである上に、この"解夏"という言葉が上手く機能しているとは思えなかったのだ。
主人公が失明をするまでを"行"と称し、失明した瞬間にその"行"(恐怖)からは解放される。
解放される日を"解夏"と呼ぶらしい。
眼が見えなくなれば、見えなくなる恐怖はなくなるだろうが、現実的な恐怖というものはそれからも続くのである。
仕事はどうする。親の面倒はetc......。
その辺りを逸らして支えあう男女のラブストーリーというものとしては、そこそこ上手くまとまっていると言えよう。
失明の恐怖を象徴的に夢で表現したり、建物内をやや暗く重く描写するなど映像は工夫してるぢゃん、とエラそうに思ったりした。
自分は、仕事でも趣味でもパソコンを使っているわけで、かなり眼を酷使しているのは間違いないので、失明の恐怖というのは人並み以上にあるので結構身につまされた。
ある意味以前観た『ジョゼと虎と魚たち』との比較をしてしまった。両方とも身体の一部を損傷している人物が主人公であり、『解夏』の方はその相方を生涯支えていこうとし、『ジョゼと虎と魚たち』は途中で支えるのを止めてしまう話と言える。観ているオイラとしては『解夏』の方が楽観的ではあっても映画の終わりにくるハッピーエンドの方が居心地が良かったのは言うまでもない。
が、『ジョゼと虎と魚たち』のように独りで力強く生きていいく決心をする映画の方がある意味前向きかもしれん。
わかりませんけどw

明日はアカデミー賞の発表である。友達と受賞を予想したコバクチをしているのだが、いいかげんスコセッシに取ってもらいたいものだ、監督賞。
by 16mm | 2005-02-27 21:41 | 映画・Blu-ray・DVDの感想など。 | Trackback | Comments(4)

『21グラム』

自分の前から天使が一人いなくなってしまった。
......
別に失恋の話ではないよ(笑)自分に対するメモです。

そんな自分の生活の機微に呼応しているわけではないが、ここずっと桜 玉吉さんの本を片っ端から買っては読みしている。
不覚にもこの人の絵の上手さを読み始めて分かった次第。

『21グラム』をDVDレンタルで観た。
すごい。傑作。
手持ちカメラ(だと思われる。スティディカムを使って意図的に揺らす事もできるから)と粒子の粗い映像にすっかり引き込まれてしまった。思えばDVD買って売っちゃったけど、ベニチオ・デル・トロが出てた『トラフィック』もそんな荒れた映像だったな。
物語の時間軸が行きつ戻りつし、そのフラッシュバックの様に物語の途中途中で挿入されるエピソードは観ている者に結末の暗さを暗示させ、それを刷り込んでいく。
しかし物語の結末は決して暗いものではなく、かといって明るいものでもなく......が、ある種の「希望」を描いていた、と思う。こう思うの楽観的すぎるであろうか。
役者陣もショーン・ペン、ナオミ・ワッツ、ベニチオ・デル・トロ、シャルロット・ゲーンズブールとある意味超豪華。
ナオミ・ワッツ。セックスシーンがあるから、というわけではないが(多少あるが(笑))、いっぱいいっぱいながらも力演と言えよう。ショーン・ペンとのセックスシーンでは眼の縁に涙を溜めてたように見えたのがすごくリアル。
ベニチオ・デル・トロの子供役の男の子がまた上手い。ベニチオ・デル・トロに頭を張られて立たされる時に後頭部を触る仕草がリアルで自然。役者の層厚さがわかるというものだ。
出ている役者全てが名演。役者の演技に酸欠になるような気分になったのは初めてかもしれん。
しばらくしたらDVD、買っちゃいそう(笑)

DVDを買うと言えば。買おうかどうか迷ってた『12モンキーズ』が3月下旬にレーザーディスクで別売りされてたメイキングを同梱して再発売されるようだ。今まで出ていたのを買わなくてよかった〜(笑)
同じように『マイノリティリポート』も最初に発売されたDVDにはメイキングが付いていたようだが、再販されている今のDVDにはついていないようだ。
今日、最初に発売されたDVDの中古を見つけたのだが......スピルバーグだからなあ、後々メイキングてんこ盛りで更に再販されそうだなと思い買うのを止めた(笑)
by 16mm | 2005-02-20 22:39 | 映画・Blu-ray・DVDの感想など。 | Trackback(3) | Comments(4)

『ボーン・アイデンティティー』『Juvenile』

先週から調子の悪かった肩の痛みがやっとこ消えて来た。昨日は右腕までビリビリと痛かったのだが。
結局原因は肩こりなのだろうか?まだちょっとギリギリするが、痛みのピークの時よりはマシというものだ。
今はエレキバンを肩に貼っている。

『ボーン・アイデンティティー』をレンタルDVDで観る。
この手のスパイアクションものは、世界が"冷戦"と言われていた時から散々観てきたので取り立てての感想はない。DVDをかけッパにしてダラダラ観るには退屈はしなかったなと思う。
簡単だがそんだけの感想しか浮かびませんでした。

『Juvenile』。ジュブナイルと読む。レンタルビデオで観た。DVDが置いてなかったのだから仕方がない。
しばしば役者のクレジットの順番というのに妙な生々しさが出る事があって、それが鼻についたりする。
早い話が、劇中どう考えて主役とは思えない人物がクレジットの一番最初というのが、映画に没頭しようとした矢先や、没頭し終えた後に来ると一気にシラけるのである。
私はクレジットの一番というのは、劇中一番出番が多くて物語を引っ張って来た役者がなるべきものだと思ってる。たとえそれが無名な役者や子役であってもだ。
『グランブルー』はジャン=マルク・バールよりロザンナ・アークエットが先だったし、『太陽の帝国』はクリスチャン・ベールよりジョン・マルコビッチが。『修羅雪姫』はなんで釈由美子より伊藤英明が先なんだろう(笑)。
つまりは映画の本筋とは関係ない役者同士の力関係やら、もっと生臭く言えば事務所間の力関係によるものなのだろう。
このクレジットの序列の意地の張り合いというのは役者間の間では深刻なのだろうが、映画を観ている方、そして映画の制作スタッフは非常に冷ややかにみてるのだろうなと思う。
映画を観れば誰が主役か分かるわけだし、どう考えても助演の役者がクレジットのトップにくれば、その生臭ささに失笑してることだろう。
この『Juvenile』でもあきらかに助演の香取慎吾がクレジットのトップだった。
まあ香取慎吾もキライではないので別に文句はない。
この映画を観たのは、鈴木杏が出てるからという事もあるが(笑)『リターナー』の山崎 貴監督の最初の映画だからという事もある。
『リターナー』と比べるとイマイチ演出やCGがこなれてない感じであるが、まったく気にならない。面白い良い映画だと思う。
タイムトラベルものというのは、かなり手垢にまみれている題材ではあるが切り口次第でまだ違った見せ方ができるもののようだ。
『リターナー』然り『Juvenile』然り。小説では宮部みゆきが『蒲生邸事件』でタイムトラベルを扱ってる。これも大変良かった。
映画のある部分が、以前ガセネタとして流通したことのある『ドラえもん』の最終回ネタに似ていたりするのだが、私らの世代で言えばタイムトラベル、タイムマシンと言えば『ドラえもん』なわけである。
ラストクレジットに"for Mr.fujiko F fujio"という献辞があったりして非常に好感がもてた。
この監督は分かっている。それだけでこの監督は良い奴に違いないと思った(笑)
この監督の次回作が『三丁目の夕日』でタイムトラベルとは違うが、観客自体を過去にタイムスリップさせる目論見があるのかもしれん。東京タワーの立つ頃の風景自体が現在からするとファンタジーに見えるはずである。それを体験させようとしてるのかもしれない。
時間旅行のモチーフはこの監督のライフワークみたいなものか。
......
ところで、鈴木杏ちゃんの三つ編みおさげがカワイかった(笑)
エラそうな感想を書いても結局は一番の興味はそこだったわけである(笑)

山崎 貴や矢口史靖や岩井俊二等々。次回作が楽しみな監督が日本人で尚かつ自分とほぼ同世代というのが嬉しかったり、才能に嫉妬したり(笑)
今後数年は最低この3人がいれば日本映画は大丈夫だと思う。少なくとも私は必ずこの3人のは劇場で金を払うだろう。
by 16mm | 2005-02-13 22:06 | 映画・Blu-ray・DVDの感想など。 | Trackback | Comments(6)

『Ray』『インディー・ジョーンズ』

オレが手に触れた最初の伝記といったら『野口英世』だったりする。小学生の時だ。初心だったオレは、伝記と言うのは小説とは異なり実在した人物を書き記したものであり、創作された小説と違い真実が語られているものと信じていた。
そしてスレた大人になった今のオレは、伝記が全て真実を語っているなんて事はまったくない事を知っている。
子供向けの本ならせいぜい数百頁、映画でやっても2時間程度に脚色された中に、偉人の人生の全てをを盛り込めるわけがない。当然、そこには真実の誇張、歪曲、意図的な真実の抹消があり、そしてそれは必要なのである。特に映画のようなエンターテイメントや子供の教育目的に適うためには。
野口英世が囲炉裏に落ちて"てんぼう"になって貧しい中母親の献身と己の努力で医学者になった、というのは真実であろう。
が、子供向けの本に野口英世は金遣いが荒く、上昇志向丸出しの功名心に取り付かれた男、という部分はなかった。
実際この辺りを知ったのは漫画で『栄光なき天才』というシリーズで野口英世を扱ったものを読んでからだ。
伝記やドキュメンタリー、ノンフィクションの類いと言うものから少しでも真実を多く読み取りたかったら、関連するものを複数読む必要があるのは言うまでもない。

前置きが長くなったが、映画館で『Ray』を観て来た。たしか公開2週目だと思うが結構人が入っていたのはレイ・チャールズが好きな人が多いという事だと思う。
オレは特にレイ・チャールズのシンパではないので詳しい所はまるで分からない。
では自分がこの映画を観た動機を有り体に言えば、有名人の生活を覗いてみたいという俗な欲求からである。レイ・チャールズに興味がなく音楽に詳しくないオレが観る動機といえばそんなものである。
映画は女とドラッグと幼少時のトラウマに焦点をあてて、オレの期待に応えてくれていた。
そういう意味でいえば、この映画は女とドラッグと幼少時のトラウマという側面からしか作られていないと言える。
ある意味この手の話がオレだけでなく一般の観客を呼び込み易いものだ。
自分に興味がない所為かもしれないが、アーティストと呼ばれる人たちが芸術の為に女やドラッグに溺れるというのがまったく理解できない。私はドラッグをやったその体験が創作に生きるなどというヨタ話はまったく信用していない。
立川談志も女が芸の肥やしになるなんてウソだと言っているし、キューブリックもドラッグでラリった頭で他人に広く理解させるような論理的な作品が作られる筈がないというような事を言っていた。
レイ・チャールズという人が多くの人に愛されたのは、無形である自分の感性を形にできる一種の論理性を持っていたからにほかならない。そうでなければ国境を越えて多くの人間を魅了できる筈がないのだ。
この映画、ある程度レイ・チャールズにシンパシーがある人でないと楽しみ方がわからないのかもしれない。
飽きない面白い映画であると思うが、これをもってレイ・チャールズの事が分かった気にはならない方がいいだろう。
ところで、レイ・チャールズを演じたジェイミー・フォックスだが、台詞回しが上手いかどうかは英語が分らないオレに判断はできない。しかし盲の演技というものに関して言えば、日本で座頭市を観てきた者からすれば勝新の演技の足下にも及ばない気がした。有り体にいえばジェイミー・フォックスの演技は、眼、見えてるんじゃないの?ってな感じに思えてしまうのだ。盲の人って顔に何か当たるのをいやがるだろうから、もうちょっと俯き加減で歩くのではないかな。所謂"らしさ"というのが足りない。いくら実際のレイ・チャールズがサングラスをかけていても、それで誤魔化しているように見えてしまった。
なんとなくだが、アカデミー賞は無理なんじゃないかなと思う。
オレはチャップリンの伝記映画『チャーリー』が好きなのであるが、演じたロバート・ダウニー・Jrのなりきり度はジェイミー・フォックスの比ではなかったように思える。ロバート・ダウニー・Jrはそれ以降パっとしなくなっっちゃったのが残念でならない。

今更だが、『インディー・ジョーンズ』のDVDボックスを買った。たしか一昨年の12月にでたものである筈だ。
『レイダース 失われたアーク』とメイキングにだけは興味があったのだが、期間限定の価格が9800円、それを過ぎると13800円になるので買う気が起きなかった。
土曜日、ビ●グカメラで見つけたら5980円になっていた。約半額。これならと思い購入に踏み切ったのだ。まだメイキングしかみていないのだが、『レイダース 失われたアーク』の冒頭でインディーのシェルパ役の現地人役が『スパイダーマン2』のドック・オク役のアルフレッド・モリーナだったという事が分かって、「へ〜w」となった(笑)
このシリーズでオレが一番好きなのは『レイダース 失われたアーク』である。3作の中で一番ハードな感じがするのだが、今観ると荒唐無稽な冒険活劇のをリアルにみせるツメが甘いよなと思ったりする。
潜水艦の外のどこに掴まってられるんだ、とか、普段世界を放浪してるような人間が果たして大学教授になれるの?(笑)とかね。
ルーカスの『スターウォーズ』で出て来たデス・スターという惑星型要塞。宇宙に浮かぶ球形の要塞に宇宙船は直角に入って行くが、この要塞、映画のスクリーンから見て下に向かって重力があるのか?(笑)
そういう意味では彼らの映画はツッコみどころ満載ということだ(笑)

ロッキーを観てボクシングジムに通い始めた友達がいたが、オレは『レイダース 失われたアーク』を高校の時リバイバルで観て考古学者になろうと思った。
が、現実の考古学者が鉄砲もったり鞭を振るったりして世界中を飛び回るなんてことをせず、地道に土をほじくってるという現実に、夢は砕けたのであった(笑)
by 16mm | 2005-02-06 23:09 | 映画・Blu-ray・DVDの感想など。 | Trackback | Comments(10)