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『インサイド・ヘッド』

SENNHEISER URBANITE
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α7R ILCE-7R
Leica Noctilux-M 50mm f/0.95 ASPH Lens


先週、昨年末から使用していた坊主に見切りをつけて新しいヘッドホンを買いにいく。
とりあえず予算の上限は3万円とし、できれば15000円から2万円で。
側圧がキツくなくてなるたけコンパクトなもの。
ノイズキャンセルはなくてよい。
以上を新宿の試着ができる量販店に行き片っぱしから試してみる。
で、SENNHEISERのURBANITEにした。
ゼンハイザーね。
URBANITEはアーバナイトと呼ぶらしい。
SENNHEISERは購入したいリストには入っていたのだが、URBANITEは当日店頭で決めた。
何と言っても側圧が柔らかいのがいい。
今のところ長時間(通勤で約60分ほど)使っても耳が痛くなったりしないし、音割れもなし。
後は壊れなければ文句無しだねえ(笑)。
22430円也。


先週土曜日、母親の通院の送迎。
母親のペースメーカーのバッテリーが後5年ほどと思っていたのが、実際は後三年ほどとのこと。
結構ペースメーカーに大きく頼っているらしい。
バッテリー交換の度に手術は可哀想だと思い、体からコードを出してその先に太陽光発電のパネルを頭の上に乗っけて生活したらどうか?と言ったらいや〜な顔されたが(笑)。


Sony RM-VPR1
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行きつけのカメラ店でカメラ用のリモコンを購入。
カメラにケーブルで結線したボタンでシャッターを操作する。
これによってシャッタースピードが低速の場合でのカメラを触ってシャッターを手で押した時のブレの解消になる。
いうまでもなく当然三脚使用の上でだけどね。
今まではセルフタイマーを使って10秒後にシャッターが切れるようにして撮影していたのだが、それだと30秒以上の露出が稼げない。
30秒以上だと"bulb"という機能を使わなくちゃならんのだが、"bulb"を使うにはシャッターを押しっぱなしにしなくてはならん。
なので、シャッターにロックをかけられるリモコンが必要なのである。
昔はリモコンなどと言わずに
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こんな感じのレリーズと呼ばれるものだったんだけど、カメラの電子化に伴ってこの手のチューブにピアノ線が入っていてそれを押すことでシャッターを切る、なんて単純な道具が使えなくなっちゃったんだよね。
まあそれとは別にCCDやらCMOSを長時間連続で使い続けるってのは「どうなの?」って疑問はいつもあるのだが(笑)。
6500円也。


『天の血脈(6)』
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AmazonでKindle版購入。
本作って、日本の近代と古代を行きつ戻りつして進行するんだけど、単行本単位だとなんか物語に集中している最中に時代が変わるってのがすごくノイズに思える。
近代で面白い展開で読んでたら古代になり。
またその逆も。
月刊誌だと適度にインターバルがくるのであまりそう感じないのかもしれないけど、読み手としても盛り上がっている時に時制がかわるとシラケるんだけどね。
もっと長いスパン。
作品完結後に一気に読めば腑に落ちる展開になっているのだろうけど。
かといって完結まで待ってられないというのは言うまでもない(笑)。


『そんでよし!(1)』
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AmazonでKindle版購入。
紙の本ももっているんだけど、やっぱり買ってしまった(笑)。
第1巻の程なのだけど、続編を描くつもりはあるのだろうか?
『BLUE GIANT』の息抜きに描いてもらいたいもんだなあ。


『BLUE GIANT(6)』
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AmazonでKindle版購入。
音楽表現問題について。
これは本巻についてではないのだが、先週読んだ掲載誌でのエピソードについてだ。
作品内でその登場人物が奏でる音を作者は読み手にどう理解させるか。
本作はプレイヤー達が出している音をそれぞれの性格や現状描かれている状況によって類推できるようにしている。
前向きで荒削りで才気走った人間ならそういう音を出している、と。
初心者だけど熱心に音を出す好感が持てる人間ならそいういう音を出している、とか。
掲載誌の方ではジャズ・クラブのオーナー?に本作の3人のトリオの現時点の音楽性の解説をさせている。
トリオのなかの大と玉田についてはだいたい予想の範囲の解説であるが、もう一人のメンバー
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沢辺 雪祈。
音楽の才能に溢れ、努力を惜しまない。
さらにイケメン(笑)。
そんな雪祈に件のジャズ・クラブのオーナー?、まさかの超ダメ出し(笑)。
「きみの音楽はつまらない」
いや、話の展開上、ここで雪祈がヘコまされるのかもな、とも予想してましたよ(笑)。
才能があるがゆえに才能がない人間に対し辛辣で上から目線の態度をとる雪祈。
その態度から出る音楽がいかにつまらないかをジャズ・クラブのオーナー?は滔々と述べるわけ。
本作の作者の主張というか願いでもあるのかもしれんな、人間的にダメな奴が奏でる音楽は最低である、というね。
実際どうなんでしょう。
人間的には最低だけど、奏でる音楽は神がかり、というケースもあるだろう。
逆に、一所懸命やってるのはわかる、わかるんだが、わかるが〜、わかるんだけど〜(笑)、ってこともあると思う。
本作のテーマの一つにやる気や一途な思いというものが音楽的な技術力を上回って人に届くものなのか?ということがあると思うのだが。
オイラはこの件に関しては半信半疑の部分があって、やっぱり才能のある奴が残るんだろうなと思っている。
が、作者がジャズに対して精神論ともいうべき一途さや一所懸命さを重要なファクターと考えている以上、本作の顛末を刮目して見守りたいと思っている。


『富士山さんは思春期 : 7 』
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AmazonでKindle版購入。
掲載誌の電書版が無料で読めたので、本巻のエピソードはすでに既読済みで真新しい感じはないにしても、やはり微笑ましくも嬉しくなる作品。


『インサイド・ヘッド』
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先週土曜日、109シネマズ菖蒲。
吹き替え版。
本作、公開開始から結構時間が経っている。
ロングラン公開といってもいいぐらいだから評判もいいんだろう。
しかしオイラ、当初観るつもりがなかった。
人間の感情表現を個別にキャラクターにするっては別段あたらしいものではなし、更に最近のピクサーがナニだった(笑)ということもあるし。
更に更に、
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観てないからわかんないが(笑)、『脳内ポイズンベリー』っちゅう本作とプロットが丸かぶりそうな映画もやっていたしで(笑)。
そういうわけでまったく観る気が起きなかったですよ。
今回観る気になったのは、いつものように宇多丸の評論からである。
絶賛してたんだよね、宇多丸が。
なので行ってくるか、ちょうど観たい映画もないし、と、それでも消極的ではあったのだが(笑)。

このシーン、本作の中盤ででてくるんだけど、いや〜笑った笑った(笑)。
観客は公開から期間が立っているというのに、小さい小屋ではあるが三分の一ぐらいは埋まってた。
大部分が親子連れ。
で、このシーンオイラも笑ったけど、親子の父母の苦笑いがなんともいい感じで響くんだよね(笑)。
「そうそう。そんな感じ」
「男ってだいたい人の話を聴いてないよね」
(笑)。
観た親子が、というか、観た世代や性別によってそれぞれに楽しめる「あるある」な要素。
それを絶妙にカリカチュアしてエンタテインメントに昇華してやがる。
宇多丸がいうところの、むちゃくちゃ頭の良い連中がむちゃくちゃな努力と粘り強さを重ねて作り上げる。
それがピクサー作品。
久々にピクサーこえええ、と思ったですよ。
聞けば製作に5年、そのうちほぼ上映時間と同じ時間のラフな動画を10本作ってブラッシュアップしてきたらしい。
とにかく感情を擬人化しているというレベルではないんだよね。
感情とは?
夢とは?
突然脈絡なく思い出す些細な事柄とは?
記憶とは?
人格や性格が形成されるということは?
専門家でもなければそんなこと聴かれて即座に答えられないだろうよ(笑)。
身も蓋もなく言えば人間の感情は脳内の電気的なパルスでしかない。
脳や感情を具体的に表す術は数式であり化学式の羅列だ。
しかし、本作を作った監督のピート・ドクターを始めとする製作者たちはそれを踏まえつつも納得できなかったにちがいない。
人間の感情というものがそんな無味乾燥であるはずがなく、もっとドラマチックな世界が形成されているはずだと、願ったんだと思う。
とにかくそんなピクサーの連中が作った本作、エンタテインメントであることはまちがいないにもかかわらず、飲み込みづらい部分もかなり踏み込んで描いている。
その一つが
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"ヨロコビ"に対する"カナシミ"の存在。
通常、負の要素であるかのような"カナシミ"を最終的には肯定してるということ。
明るく前向きな"ヨロコビ"だけでは他人に働きかける共感が薄いのだ。
子供向けだから明るくユカイでヨロコビにあふれた、なんて物言いはアニメーションを知らないというか、アニメーションを舐めてる奴のいうことで。
じゃあ実写映画で"カナシミ"を肯定できるのか?ちゅうね。
本作の"カナシミ"って悪役とまでは言わないけど、"ヨロコビ"の行動を邪魔する困ったちゃんみたいな存在なので、容易に感情移入がしづらいキャラクターなのだ。
しかしそれを最終的に肯定してします。
というか、感情に良いも悪いもないという至極まっとうな結論に行き着いている。
オイラとしては犯罪者とか悪人の感情の世界はどうなっているのか?というところに興味があるのだが、それを描こうとするとおそらく完全に子供どころか大人もスポイルするような作品になりかねないような(笑)。
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ところで、本作キャラクターの"カナシミ"であるが、
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音楽プロデューサーのジェーン・スーに似ているではないか(笑)。
宇多丸が言ってたんだけどね(笑)。
いや、オイラ好みなもんで(笑)。
本作、吹き替えで観たんだけど、ヨロコビの竹内結子とカナシミの大竹しのぶは秀逸でしたな。
この二人の太いトルクが吹き替え版の本作をすごい勢いで回していた感じ。
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ピクサー最新作だから当然だけど、3DCGアニメの人間キャラクターの表現力は現行ではベストではないだろうかね。
思えば
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『トイ・ストーリー』から比べるとむちゃくちゃな進歩だな。
次作で更に表現力がアップするんだろうけど、本作の表現で十分だと言える。
というわけで本作、オススメの傑作。
オイラの中で『WALL・E/ウォーリー』は別格として、『トイ・ストーリー3』や『モンスターズ・インク』なみにゴツイ映画でありました。


今週末は歯のメンテナンス。

by 16mm | 2015-08-30 22:37 | 映画・Blu-ray・DVDの感想など。 | Trackback | Comments(2)

『PSYCHO-PASS サイコパス 第1期』

Leica M Monochrom
Summaron 3.5cm f/3.5
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α7R ILCE-7R
Makro Planar T* 2/50 ZF.2
カ、カッチョええ。


先週土曜日、歯のメンテナンス。
いつものように美形で剽軽な歯科衛生士女史に歯石をとってもらう。
女史から試供品の歯磨き粉を貰う。
新しモノ好きな女史がいち早く使ってみたところものすごっく塩っ辛くて、口のなかがアッ言う間にソルト・レイクだったらしい(笑)。
意味はわからなかったが、ものすごーく大変な事態になったということは理解できた(笑)。
で、そんな歯磨き粉をドMなオイラにオススメするところが女史のドSの血がなせる業だろうか(笑)。
おっかなびっくり、自宅で使ってみたら、「アラ、普通に使える」と普通に使えちゃったのでオイラには合っていた模様(笑)。
一応歯茎に強力に作用するものらしいので次のメンテナンスまでに、だらしないボディに引き締まった歯茎のオイラが女史に向かってニッコリ笑ってみせてやるつもりである(笑)。
メンテ後、先生から先日のコンマキューゴーの復讐で、Leica M MonochromとSummaron 3.5cm f/3.5を押し付けられる。
おそらく二つでオイラのコンマキューゴーの値段の上を行くはず(笑)。
オイラ、汗噴き出ましたよ(笑)。
ボタボタボタボタ(笑)。
もんのすごーく大事にかかえて帰宅して、本エントリ冒頭の写真を撮ったわけである。
怖いので次の治療の時に叩き返すつもりである(笑)。


本日日曜日、ストレッチ、赤外線サウナ、ジェットバス、曇っていたけど日光浴(笑)。
次回からストレッチの回数を増やそうかしらん。
首回りはこってはいるものの50肩のような固さはなくなったので4〜5年前よりはマシになっている気がしているのだが、ストレッチの回数を今の1.5倍ぐらい増やして首の柔軟性を維持したいと思う。


今更だがPodcastで宮崎駿の引退会見約90分を聴く。
世界的有名なアニメの監督、という以上の認識が会見にいたインタビュワーにはなく、引退について奥さんはどう思っただのイタリアは好きかフランスは好きか、なんていうどうでもいい質問ばかり。
一つとして場が引き締まるような質問をした者がいない。
キツイ質問を規制されていたわけではないのだろうけどさ。
例えば、宮崎駿引退後のジブリはどうなるのか?
宮崎が後継を全く育てなかったとは言わないが、ジブリから新しい演出家が生まれ得なかった理由は?
今後ジブリのキャラクターがジブリ社長の属する某宗教団体に使われる危険性はあるのか?(笑)とかね。
結局、アニメーションは金のなる木ぐらいの認識しかなければ現状アニメーションの制作とそれを支えるアニメーターの生活については突っ込めるほどの知識がない。
なんかこれだけ優秀な監督を前にしてマスコミは揃いも揃ってアニメに興味がないか嫌いなんだなと思った。
続けてcut誌の渋谷陽一が鈴木敏夫にインタビューするPodcastを聴く。
これもヒドイもので、あからさますぎる渋谷の誘導尋問に嬉々として乗る鈴木敏夫に辟易。
鈴木敏夫も自分を持ち上げてくれるインタビューを適当にこなしている楽チンさ。
渋谷も黄昏時とはいえジブリとのパイブを保つためのヨイショインタビュー。
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オイラは学生時代に買ったこのcut誌の創刊号をいまだに持っていて、この本に載った宮崎駿への渋谷陽一のインタビューの記事は最強だったと思う。
名インタビューと言ってもいいかもしれない。
二人とも一定の距離感を保ちつつ渋谷が宮崎に思いの丈を訴える。
宮崎駿はそれを比較的クールに受け答えする。
今読んでもすごいもんだと思う。
あの時期だからできたインタビュー。
今じゃあんなインタビュー、渋谷にはできんだろうな。
残念なり。


Podcastで宇多丸が言っていたのだが
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これって上は町山智浩で下は宇多丸だよな(笑)。
なんか知らんが『NARUTO -ナルト-』の作者にディスられているがな(笑)。


最近ハマったのだが

↑コレ。
今更なんだがなんとなく面白い。

↑PDRさんが日本語訳しつつシャウトしている(笑)。
周りでカラスが鳴いているのがバカっぽくていい(笑)。
シャイア・ラブーフもスピルバーグの秘蔵っ子扱いのレッテルがほぼ外れてなかなかいい感じに崩れてきて好感が持てる(笑)。


『空也上人がいた』
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AmazonでKindle版購入。
山田太一原作で新井英樹がコミカライズ。
山田太一の原作の方は読んでいない。
漫画の冒頭で新井自身の苛立ちが宣言される。
その苛立ちを表現する手段として山田太一の原作をコミカライズ。
狂気と絶望が蔓延した現在、どのような反撃(カウンター)があり得るかを必死に模索しているのが分かる。
が。
感想としてはもうちょっとザラついたタッチにしても良かったのではないだろうか?
『ザ・ワールド・イズ・マイン』まではいかなくてもね。
山田太一の原作、というか山田太一力の所為でちょっと綺麗にまとまりすぎてしまったというか......。
ちょっとした微妙な問題なんだけどね。
新井にとって最高のテキストを手に入れたはいいが、それが強力な枷となって縛られてしまったような。
ちょっと残念。
そうは言いつつも楽しめた一冊ではあるんだけどね。


『石の花』
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AmazonでKindle版購入。
一気に全巻購入ね。
まだ読んでる途中。
ただ学生時代にすでに全巻読んでおる。
久々の再読である。
作者はあの安彦良和をして「天才・坂口」と言わしめた坂口尚
『あっかんべェ一休』も電書化されないかしらん。
本当に惜しい作家亡くしたよな、我々は。


ドミネーター

う〜ん。
LEDは綺麗だし変形するのも良いんだけど

ホンモノの?ドミネーターの方が変形のスピードも速いしバリエーションもあるからやっぱり現実世界で作られたニセモノ感が否めないよなあ(笑)。
それでもちょっと欲しいと思うけど、値段は10万円はしないと(笑)。
つまり10万円近い金額であるということだよな。
なんか余計なカメラの機能だとかスマホとの連携なんかは省いて、ノリコ・ボイスを搭載したもっと激しく変形するものだったら、それでもせいぜい4万円ぐらいまでしか出せないな(笑)。
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10万円近いのなら我慢している↑コッチを買うな(笑)。


『PSYCHO-PASS サイコパス 第1期』
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第1期を全巻レンタル視聴。
本作について間違いないことがある。
ストーリー原案・脚本を担当した虚淵玄は間違いなく現在考えられる作家のなかでも最強のストーリーテラーであり、本作『PSYCHO-PASS サイコパス 第1期』は最強のSF作品であると言えるということだ。
SFという言葉には様々な定義があるわけで、果たして『ドラえもん』はSFか否か?という問いかけも出てくる筈だ。
サイエンス・フィクションを直訳してSFを定義するにはこのジャンルは狭すぎるのだと思う。
ただ本作『PSYCHO-PASS サイコパス 第1期』はストレートな意味でのSF、未来社会の科学とテクノロジーにおける物語を紡いでいる。
ただ近未来的なガジェットを出しました、というSFではない。
そのガジェットが作りだされたテクノロジーと人間の共存を凄まじいまでの想像力で構築している。
更に言えば、テクノロジーと人間の共存を描いただけでなく、そこに描かれている世界の問題というものは今現在のリアルな世界の問題が投影されていている点だ。
善と悪とは?
悪を裁きえるシステムとは?
人間の心というものはなにか?
不死。
偏見。
法。
SFというものは現在がダメでも将来的には新たなテクノロジーや科学によって今より多少なマシになってるかもしれない世界を楽観的な希望として描けるジャンルではある。
が、本作はテクノロジーが今に比べて信じられないような発達を遂げたすえに、人間は新たな枷や牢獄をつくりだしてしまったという絶望を見事に描いている。
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本作の登場人物って名前がすごく特殊なんだよね。
狡噛慎也、常守朱、宜野座伸元、六合塚弥生、禾生壌宗etc......。
読めねーよこんな名前(笑)。
なんだろう、このネーミングは?
それでいて、佐々山とか青柳とかのネーミングもある。
行き当たりバッたりで付けたとは思えない。
漢字で見ると読めないけどその名前が持つ一種の禍々しさみたいなものが感じられるけど、映像で発せられる名前を聴くと日本を舞台にしておきながら日本人ではないような語感の名前に聞こえもする。
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本作、何と言ってもこの常守朱のデザイン的な造形の良さと彼女に生命を吹き込んだ声優である花澤香菜の功績は大きい。
視聴者である我々は本作の世界観を常守朱の目線で理解していくわけなので、一定の感情移入をさせることに成功している。
とにかくデザインがかわいいよな(笑)。
更に言えば声優の花澤香菜。
オイラは声優に明るくないので彼女の他の作品については知らないのだが、なんというか、普通の声なんだよね。
なんだろう、まったく違和感がない声というか。
しかしね、その声で常守朱が喋ると圧倒的な存在感と個性が出てくる。
花澤香菜の演技力の強さというのは間違いなくある。
この普通さが圧倒的な力を持っているんだな。
本作の後半、常守朱がこの世界の有り様を知った瞬間からの雰囲気の変わりようは画的な印象はあるにしても、ものすごく絶望を抱えてしまった人間の声にちゃんと聴こえる。
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本作の第一回目で常守朱のモノローグで槙島聖護と狡噛慎也はお互いに理解があったみたいなことを言っていたけど、これって意図的にミスリードさせるものだと思うのだが、どうなんだろう?
槙島聖護を否定しつつも彼の存在を否定しきれなかった理解者は常守朱ではないかと。
......
やっぱり本作のキーになる人物って槙島聖護や狡噛慎也ではなく、常守朱だと思う。
槙島や狡噛が本作の終わりで退場するからというわけではない。
常守朱ってこの世界を統べるシビュラシステムによってどんな職種にもつける人間であると認定されてるんだよね。
更に言えば、心が邪悪なものに侵されていくことを示す"色相"判定は非常に安定しており、犯罪者になる可能性の数値、犯罪係数もどんなストレスにさらされても増大しないという、ある意味特殊な人間だと思われる。
それでいて本作の最後でこの世界観では秘匿されているシビュラシステムの全貌を常守朱が認識するにいたる。
なんかね、話がすごーくできすぎてるような気がするわけですよ(笑)。
でね、最後まで読んだわけではないけどヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの『ファウスト』がベースになっているんじゃないかと予測した。
この予測、もうすでにあるのかもしれんけど(笑)。
全部読んだわけではないにせよ『ファウスト』のファウストが悪魔のメフィストと契約して、現世での全能を体験させるという約束をするって物語なのは知ってる(笑)。
『PSYCHO-PASS サイコパス』の世界観で全能感を与えられた常守朱はシビュラシステムという必要な悪魔と契約して自分の思想を実現させるための力を得る。
常守朱の思想ってのはありていに言えばシビュラシステム否定なんだけど、更にその向こうに人間というものが果たして自分の意思による自立というものが可能なのか?という問いかけが存在する。
人間の意思というものが不安定であるという前提があり、その不安定さが犯罪を生む。
その犯罪の芽を事前に摘むという行為をシビュラシステムの後ろ盾によって常守朱の所属する公安が行うわけだ。
では、そのシビュラシステムは何を根拠に犯罪の可能性を見ているのか?
このあたりが本作の一つのキモになっている。
人間的な生活の安定を保証するはずのシビュラシステムが人間的なゆらぎを否定する。
このあたりが本作の複雑な部分だと思う。
つーか本当に重層的な考え方ができる作品である。
本作って、この後『第2期』や『劇場版』があるんだけど、この『第1期』の終わりが完璧なので続編いらないと思うんだが、どうなんだろう。
一応『第2期』も『劇場版』も観るつもりである。
オススメである。

by 16mm | 2015-08-23 21:44 | 映画・Blu-ray・DVDの感想など。 | Trackback | Comments(2)

『戦後70年特別番組 櫻井翔&池上彰 教科書で学べない戦争』『バートン・フィンク』

先週、久々に京浜工業地帯、浮島に行ってきたですよ。
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したら、
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今までなかったこ〜んな無粋なフェンスができちゃってた(笑)。
結構あちこちに立ち入り禁止の札。
世間がちょっと工場萌えを騒ぎすぎたせいだろうか?
残念でござる。


今年から自室にクーラーがついて調子に乗ってたら、先週、お約束の風邪をひきましたですよ(笑)。
熱は計ってないが、あったような気がする。
久々に岩盤浴をやって体をあっためたり、薬湯やら炭酸やらでとにかく体に良さ気のものに入り捲った。
したらなんとか持ち直した。
重症の風邪ではなかったんだろね。
直接クーラーの風邪が体に当たるのが良くなかったんだろか?
温度設定は27度とかその近辺なんだけどね。
とりあえず現在は除湿にして様子をみているところである。


iMacのHDの容量が残り20Gになっちゃったので、3Tの外付けHDを購入。
データを200G以上外付けに逃がしつつ、有料で買ったにもかかわらず2年以上使ってなかったお絵描き系のアプリを抹消(笑)。
こういうのは躊躇なくできるのだが、本棚の紙の本を捨てることができない不思議(笑)。


先週土曜日、ヘアカット。


本日日曜日、ジェットバス、ストレッチ、赤外線サウナ、日光浴、薬湯。
お尻にニキビというかなんか吹き出モノ的なモノができていて(笑)、日光浴のプラスチックの椅子の溝に当たって痛かった(笑)。


『Nik Collection』
ダラダラと繰り返し読み続けては実践をしている
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『モノクロ × Photoshop [陰影が生み出す美と感動』であるが、この本の一つの結論として色々画像処理ソフトはあるけどモノクロを作るならPhotoshopがいいよと書いてある。
その上でそのPhotoshopを強化するプラグインとして"Silver Efex Pro"を紹介していた。
"Silver Efex Pro"は豊富なリファレンスから自分のイメージに近いものを選んでクリックするとそれが自分のデータに反映される。
そのリファレンスを自分で自由に調整もできるし、それを反映した上でPhotoshopで追加の処理をすることができる。
使ってみたらインターフェイスは日本語対応だし非常に使い易い。
今のところ処理の順序は試行錯誤中ではあるのだが、本書のやり方で最初にPhotoshopでモノクロ化した後に"Silver Efex Pro"を付け足した方が自分の意向に近づきやすいかな、と思っている。
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モノクロ画像を作る"Silver Efex Pro"だけでなく、色調補正やレタッチのプラグインや、数は少ないけどフィルムのシミュレーションができたりと、色々機能がてんこ盛りである。
Nik Collectionで¥15,400也。


『アオイホノオ(14)』
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AmazonでKindle版購入。
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ミノムシミノコ。
良い子だよな(笑)。
オイラ、すっきだなあ(笑)。


『週刊新潮 3000号記念 2015年8月25日号別冊 「黄金の昭和」探訪』
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コンビニで紙の雑誌購入。
巻末のタバコをすっている作家たちの写真がいい。
作家とタバコって合うよな。
例のバカ団体、禁煙協会が見たら卒倒するんじゃね(笑)。
オイラはタバコ吸わないけど、禁煙協会があるんなら喫煙圧力団体があったって良いんじゃね?と思うんだけど。
どうせ禁煙団体なんて口に含んだタバコの煙を顔に吹きかけてやれば、本当に卒倒しそうなひ弱な奴らだろ(笑)。



『美しいヌードを撮る! (平凡社新書)』
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我慢できずにAmazonで紙の本を購入(笑)。
電書になったらさらに購入予定。
ハナブサ・リュウとかリュウ・ハナブサとか名乗っている写真家が書いた写真と写真を撮るということに関するアカデミックな本である。
アカデミックといっても、タイトルにあるヌードに関する古今の考え方、撮影時の哲学的な心構え、社会とヌードの距離感、などなどを非常に平易な文章で綴られており読みやすい。
はっきり言って写真に関する本でこういうのを待っていた、という感じか。
ヌードに限らずカメラでポートレートを撮ってる人や、社会学的なヌードに関する考察(所謂ヌードはアートか猥褻か問題など)に関心がある人でも読んで損はない。
でも、やっぱりポートレートを撮りたいとか撮り始めましたという人にはかなり心強いことが書いてあると思う。
レンズの選び方から、自然光かストロボでの多灯か、モデルとの距離の取り方など実践的なこともかかれている。
オイラとしてもプロがどんな風に撮影を進めていくかというプロセスの一端が読めて勉強になっている。
ハナブサ・リュウって日本人にしては結構稀なぐらいヌードを硬く美しく撮る人なので関心のある写真家だ。
通勤で持ち歩いてザッピングしながら興味のあるところを読むつもりである。


『戦後70年特別番組 櫻井翔&池上彰 教科書で学べない戦争』
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8月4日(火)。日本テレビ系。
録画視聴。
この番組、同局の番宣を観て興味があったので録画。
色々興味深かった。
櫻井翔がアメ玉となって若い世代にもアピールできていたらメッケモノというところか。
オイラにとっては池上彰の相変わらずわかり易い解説にホ〜だとかハ〜だとか感嘆しながら観ていた。
で、だ。
オイラは絶対に「近頃の若いモンは」という物言いはしまいと決意している人間であるのだが、さすがにオイラより年若い兄ちゃんや姉ちゃんが8月15日をうなぎを食べる日だとか言っているのを聴いて愕然としたよ。
......
いやいやいやいや。
彼らは悪くない悪くない。
悪いのはオイラと同じ年代であろう学校の教師が教えなかったのが問題、に違いない。
若い彼らは『はだしのゲン』、読んだことないんじゃね?
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どっかの小中学校で『はだしのゲン』が貸出・閲覧が出来なくなっているとか。
描写が残酷で過激で子供にトラウマを与えるんじゃないか、というね。
つーかいったいどんなトラウマだよ。
オイラたちの世代はみんな「ギギギ」を読んで大きくなった。
そのオイラと同じ世代の奴らは『はだしのゲン』を読んだ子供が皆、夜うなされて、暗い性格になり、引きこもりな人間にでもなると思っておるのか。
オイラに言わせりゃ、8月15日が終戦の日であり敗戦の日であると知らないことの方が問題だ。
いったいどんだけ過保護なんだよ。
トラウマになるぐらい戦争を教えるべきだ。
教師が教えられなかったらシレっと図書室に『はだしのゲン』を置いとくだけでいいんだよ。
戦争ってのは会社で滅私奉公しちゃうようなクソ真面目な人間からどんどん死んでいって、通常の社会で卑怯な手を使ったりサボったりするような要領の良いヤツが生き残る。
つまり戦争をすることで国益とか国力とかいうものがズーンと落ち込むのは明白なのだ。
生き残るのはクソみたいなヤツらばかりだから。
だから戦争はくだらないの。
戦争を抑止するために軍事力アップだ?
詭弁だね。
その前に外交努力というものをもっと信じるべきじゃねーのか。
で、とにかく若い奴らはもっと戦争に関心を持つべきだと思うね。
で、おぢさんが推薦する戦争ネタの本を以下に。
●小学生 『はだしのゲン』『火垂るの墓(アニメ)』
●中学生 『アドルフに告ぐ』
●高校生 『気分はもう戦争』『石の花』
もっとあるけど、最低限、最低限これぐらいは読んで欲しい。


『バートン・フィンク』
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wowowで録画視聴。
本作、オイラ25歳ぐらいの時に劇場で観ている。
監督はカッチョいい立派な顔立ちの
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左がイーサン、右がジョエルのコーエン兄弟。
彼らの映画って、学生時代に『赤ちゃん泥棒』をビデオで観てあまりの面白さに開いた口がふさがらなかったり(笑)。
遡って彼らのデビュー作『ブラッド・シンプル』を観て「?」となったり(笑)。
社会人一年生の時に『ミラーズ・クロッシング 』を観て
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ガブリエル・バーンの着ているこの長袖のシャツ?下着っぽいというかなんつーか(笑)。
このシャツがカッコよく見えて(笑)似たようなものを探したりと(笑)。
と、まあ、結構ハマってたですよザ・コーエン・ブラザースの映画に。
で、本作『バートン・フィンク』も期待して劇場に足を運んだですよ。
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今回再見して思いだしたけど、冒頭のホテルのヴィジュアルがカッコいいと当時思ったんだよね。
その頃は映画の撮影監督に興味がなかったんだけど、本作からロジャー・ディーキンスだったんだなあ。
ニューヨークの劇作家バートン・フィンクはハリウッドに呼ばれてレスリング映画の脚本を頼まれることになった。
ホテルで缶詰になって脚本を書くのに七転八倒。
ホテルはなんか安っぽくて始終ジメジメと湿気っていて、壁紙が剥がれてきてそのうらの接着剤がネトネトと気持ち悪い(笑)。
映画スタジオのボスは高圧的で傲慢。
バートンに慇懃に接しつつも早く脚本を見せろとプレッシャーをかけてくる。
書けないバートン。
そんな折、ホテルの隣人チャーリーと仲良くなるバートン。
更に尊敬していた作家に出会い、感動と失望。
その作家の女性秘書と寝てしまうバートン。
朝起きたら隣で女性秘書が殺されている。
チャーリーを呼ぶバートン。
チャーリーは女性秘書の屍体を処理する。
チャーリー、ニューヨークに一時戻る。
その際、小包をひとつバートンに託す。
チャーリーが出て行った後、刑事が二人やってくる。
バートン、脚本を猛烈な勢いで書き始める。
再び刑事やってくる。
チャーリーは殺人犯らしい。
蒸し暑さを通り越して燃え始めるホテル。
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チャーリーが再びホテルにやってきて、刑事二人を殺害。
なんか世間は第二次世界大戦に突入。
バートン、海岸でホテルの部屋にかかっていた絵と同じ女性に会う。
鳥が垂直に落ちてくる。
おちまい。
と、これがものすごーく雑に綴った本作のあらすじ(笑)。
雑にしたのはわけがある。
初見、オイラが映画館で観た時、ホンッッッットーにこんな印象の映画だったんだよ(笑)。
なにこれ?
これがカンヌでパルムドール?
なに?ある作家のいちにち的な物語なの?
まあ、オイラバカだけどそこまでバカではない(笑)。
絶対意味があるはずだと思っていたんだけど、ネットでも納得できるような解説が見つからず。
そいで20年ぶりぐらいで本作を観直したんだけど、どうやらオイラ20年かけても賢くなってなかったらしく、20年前と全く同じ感想になってしまったのだ(笑)。
したらですよ。
映画その他ムダ話』という町山智浩の映画評論が有料で聴けるサイトがあったですよ(笑)。
そこに『バートン・フィンク』の解説評論まであるじゃないですか。
オイラ、速攻でポチリました(笑)。
......
いや〜、町山。
町山智浩、やっぱりすげえや。
映画の脚本は微妙だけど(笑)。
『バートン・フィンク』ってそういう話だったのね。
これ本当に観る人間の教養が試されるは。
カンヌでパルムドール取ったってことは、教養ある映画人たちはちゃんと本作を理解してたってことだよな。
聖書に映画史、現代文学に精神分析。
これらを知ってないと本作って本当にオイラのあらすじみたいな印象になっちゃうよな。
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町山はこの箱を"創造性の源"才能であるとかひらめきの象徴だと解説していた。
オイラはそれを踏まえて言えば、この箱は狂気の象徴だと思った。
まあこれも映画を観て思ったのではなく、町山の解説を聴いて思ったことなんだけど。
町山もこらが狂気であるということは当然思っていただろうけど、あまりにも解説としてベタだと思って才能という言葉で置き換えたのかもしれんが。
しかし、映画からその映画を理解するのではなく、映画評論家の解説で理解するってのは、良いことなんでしょうか?
いや、教養のない映画好きが迷わないために優秀な映画評論家がいるということで良いと思おう。
どうやったって今から町山なみの教養なんて身につかないんだから(笑)。
町山の有料解説、他にも聴いてみたいものがあるしね。
『バートン・フィンク』、また再見するつもりである。


今週末は歯のメンテナンス。

by 16mm | 2015-08-16 23:05 | 映画・Blu-ray・DVDの感想など。 | Trackback | Comments(2)

『花とアリス殺人事件』

『花とアリス殺人事件』
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AmazonでBlu-ray購入。
公開時に劇場で観た時にはさほど悪い印象は無かったと思ってたけど、当時の拙ブログのエントリを読み返したら手放しでは絶賛してなかったんだな。
今回Blu-rayで2回観直し、特典DVDのインタビューやら舞台挨拶やら、高畑勲や新海誠のコメントなどを全部観た。
最近、他の映画のソフトでは特典まで全部観ることなかったのだからオイラにしては珍しいかもしれん。
で、本作の面白さなのだが、ひとつにものすごく新鮮に聴こえた花とアリスのダイアローグがある。
映画や漫画や小説で女の子が本作のようなセリフを使って喋るのをオイラは寡聞にしてしらない。
それでいて現実味があってある種のリアリティがある。
この辺りのセリフの開発は岩井俊二以外の人間には真似できない持ち味だよね。
「今週掃除当番では」
の"では"とか
「この世の楽園さぁ〜」
の"さぁ〜"とか。
うははははw。
脈絡なくセリフを書いても良さがわからんですな(笑)。
こういうセリフ、日常でたしかに言う瞬間はあるけど、それを文章化できる記憶力と恥知らずさ(褒めてるよ(笑))はたいしたものだよね。
それから
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映画終盤に花とアリスが真夜中の駐車場でバレエで"眠れる森の美女"を踊っている超広角レンズでの描写。
この表現って実写じゃ無理だよな。
超広角レンズのカメラの周りを二人が踊り、それをカメラがフォローする。
実写だったらいったいどこに照明をいれるのか?という問題がでるだろうね。
照明の機材、隠しようがないじゃん超広角レンズじゃ(笑)。
更にこのカット、途中から明らかにレンズが標準レンズっぽくなるし(笑)。
そんなズーム・レンズが実写映画のカメラであるのかどうか分からんが、レンズを意識しつつ実写では実現が難しい表現の発想は多分アニメーションの世界からは生まれないだろう。
このカットもその一つだと思われる。
だからこそ人でなし映画監督(笑)高畑勲が珍しく岩井俊二を絶賛してたんだ。
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アニメーションを製作する約束事ってのは確固としてあって<コンピュータが製作に入ってきてそこそこの自由度は増したが基本変わらないと思う>、上の画像のナウシカで言えば
⚫︎キャラクターの絵は実線で繋がれていて、特に頰から耳につながる線がないとアニメーターが動かしづらくなる。
⚫︎色は基本ベタ塗りで、色の塗り分けで影だとか立体感をだす。当然グラデーション的な塗り方はできない。
まだまだあるけど、アニメーションの画というのは概ねこういう約束事の上で成り立っていた。
なので
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↑のような宮崎駿による鉛筆の柔らかい主線と透明水彩で着色したナウシカが動いているのを見たいというのは無理なわけ。
だったはずが(笑)
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数年後、高畑勲が『ホーホケキョ となりの山田くん』でアニメーションでの壁だと思われていた淡彩風の作品を作り、更に数年後
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『かぐや姫の物語』で鉛筆どころか筆で描いたような画が動くアニメーションを作っちゃった(笑)。
これってCGのハード面ソフト面の高性能化によって実現したわけではないよ。
確かにCGのおかげで以前できなかったことができるようにはなったけど、簡単に作れるようになったわけではない。
アニメーターの手を相当に煩わすものであったのはその製作期間を見れば明らかだ。
宮崎駿だってこういうタッチのアニメーションを作りたいと思っていた筈で、CGを使えばできるということも知っていたろう。
ただ宮崎はアニメーター出身であるので、それを実現するための期間、予算、クォリティ・コントロールの困難さを見通して自分の監督作では実現させなかったのだ。
高畑勲は原画を描かない演出家であるが、画を見る力は相当なもので、その辺りは宮崎駿も一目も二目おいている。
あの富野由悠季が高畑勲のアニメーションの表現をアカデミックに捉えて考え続けている姿に接して、この人の真似はできない、と言ったぐらい。
だから高畑勲の淡水画表現のアニメーションにしても困難ではあるができなくはないという目論見は確実にあったわけでね。
思いつきで淡水画表現をしようとしたわけではなく、作品を表現するに必須な表現方法だという確信のもとに行ったわけ、おそらく製作途中であってもその表現が実現不可能と分かったら製作中止してたろうね。
高畑を見てると演出家に所謂"プランB"という別の選択肢というか妥協というものがあってはならんのかもしれないと思わされる。
思いつきでやるなら演出家はいらん、というね。
......
話が『花とアリス殺人事件』からかなりズレましたが、ここからが本題です(笑)。
『花とアリス殺人事件』というアニメーション映画を観て、高畑と岩井って映画を演出する感覚が似てるなと感じた。
宮崎駿がアニメーターとして原画を描いてきた経験値から作画に関して昔からあるアニメーションの作画法から逸脱できなかったのに対し、自分では画を描かない高畑や岩井は"描く"という作業から自由だったために作画は困難であっても不可能でないなら実行するという意思が感じられる。
ただ決定的に違うのは、高畑は作画の困難さや危うさというものを熟知した上でアニメーターにオーダーするのに対し、岩井はまったくの無知でしかなく知らないからこその怖いものなしでアニメーションを作ったということだ。
この差というものは決定的な違いでだと思う。
本作で使われたロトスコープとアニメーションでスローモーションを表現することについて。
ロトスコープにしてもスローモーションの多様にしても、特典DVDを観る限り岩井は自分が本作で行った演出をいままでなぜ他のアニメの演出家がしてこなかったかということを理解していない。
非常に楽観的に、実写の監督である自分だからこそ思いついた表現だと思っているような節もある。
ちょっと愕然とするような無知さ加減だなと呆れたね。
『花とアリス』以降の岩井の監督作全てをみているわけではないが、すくなくともオイラは『花とアリス』以前の作品に対しては劇映画の監督としてのあらゆるセンスに対して尊敬の念を持っていた。
映画を監督し、宣伝物のデザインをし、音楽まで作れる。
映画をほぼ丸ごとクリエイトできる稀有な人間だと思っていた。
それが本作『花とアリス殺人事件』でのアニメーション製作をオイラからしたら相当な無知さ加減で遂行したことに今更ながら驚いたよ。
まず本作で使われたロトスコープ。
オイラからするとロトスコープなどは別段新しい技術でもなし、今回本作で久々に観ることができたから新鮮に見えただけで取り立てて好きな表現でもない。
ロトスコープは動きの情報量は手書きのそれに比べて格段にあがる。
それはまあ実写をトレースしてるから当たり前なんだけど、その代わりキャラクターのデザイン自体は相当に単純化することが多い。
日本のアニメーション製作ではディズニー・アニメのように莫大な原画枚数を使って動きを表現する予算がなかったために、"動き"ではなく"止め"画で見栄えのするデザインを開発して独自進化してきた。
なのでいくら動きがリアルだからといって
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↑こんな感じの絵柄、スカスカなデザインのアニメもたまには良いなとは思っても常に見たいとは思わない。
本作にしたって題材が『花とアリス』だから観たようなもの。
事実、YouTubeで岩井の
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『TOWN WORKERS』というショート・フィルムを観たのだが、今更こんなアマチュアっぽいアニメーションを見たいとは思わず冒頭途中で挫折(笑)。
こんなアニメを公開できるのも、はっきり言えば岩井俊二という名前の威力だけだと思うけど。
そもそもなんで岩井がロトスコープをやったのかと言えば、ラルフ・バクシの作品に衝撃を受けたからだとか。
アニメーションを作るということの初期衝動である"画が動く"という部分の感動を最初から体験しつつ映画を製作していきたい、ということらしい。
更に『花とアリス』の前日譚をやるとして、オリジナル・キャストの鈴木杏と蒼井優では年齢的に中学生は演じられないという現実的な理由。
んで、岩井俊二。
アニメでやって声だけオリジナル・キャストの声を当てればいいじゃん、となったらしい。
なんかね、岩井俊二、無知を通り越してアニメをなめてんじゃねーか?
本作を製作するにあたりスタジオ・ジブリの鈴木敏夫に相談に行ったとかさ。
なんだろうこのベタさ加減は(笑)。
なんでよりによって鈴木敏夫(笑)。
ヤツは雑誌編集あがりでアニメーション製作に精通しているわけではないぞ。
その後実際の製作母体になった石井朋彦や神山健治のSTEVE N' STEVEN に行くわけだが......。
そもそもさ、アニメーションがわかってないにもかかわらず実写映画の有名監督というだけでアニメを製作させちゃう周りってどうなのよ。
岩井自身が特典映像のなかではっきり言ってたけど、本作ぐらいの映画ならだれでも作れる、ってなことを。
岩井ぃっっっぃ!
オメエ、ホント、アニメ、舐めてんな。
何度も言うが、本作をオイラが観たのは『花とアリス』の前日譚でそれを監督したのが岩井俊二だから。
名前も知らんヤツが本作と同じ手法で作品を作ったってだれが観るか。
それと岩井が本作の目玉と言わんばかりに吹聴していたスローモーションの表現。
実写でのスローモーション、ハイスピード撮影とも言うソレはさ、役者が普通に演技してるのをものすごい高速でフィルムを回し、それを通常回転で見ることで動きを微細に捉えることによってできることなわけ。
デジタルになってからは分からんが、それをフィルムでやるときは物凄い音が出るから同時録音ができないとか、一コマに対する露光量が減るとか技術的に解決する問題はあるにしても、画的にはただ撮ればできる映像なわけよ。
ただアニメーションの場合は違う。
走るカットを描いたとして、通常肉眼では腕の振りなんてはっきり見えるわけでではない。
しかしそれをスローモーション風の原画を描こうとすれば肉眼では追えない時間のなかの動きを作らなければならないばかりか、それを描く鉛筆のタッチまで統一しなければならない。
鉛筆のタッチ、線の太さや線と線のストロークの長さを前後のカットと同じにしなければ、キャラクターの輪郭線が不自然にぶよぶよ動いてしまう。
しかもスローモーションだから、全体の動きはスローなんだけど輪郭だで別の生き物みたいに普通のスビードでブレまくるというね(笑)。
こういうのはそれこそオイラ程度のアニメオタクのなかでは常識だし、アニメーションの製作者は数々の失敗を重ねてスローモーションをやらなくなっていったわけなのだ。
岩井俊二、無知だから、そのあたり無頓着すぎ(笑)。

この走り。
足元をよく見てもらいたい。
踏み出した足が地について踏ん張っている間にもう片方の足が前に出るわけだが、踏ん張っている足が地面を離れる前にすでに着地点から後ろにズルズルと下がってますがな。
ナニコレw。
アリスはムーンウォークしながら走ってるわけ。
後半になると着地の足が更に手前や奥にブレまくり。
この足がズルズル下がるのはオイラも3ds-Maxのバイペッドで歩きの動きをつけるときによくやるんだよね(笑)。
だから結構面倒なのは十分にわかってる。
問題は監督の岩井俊二がこういう動きの失態を失態として認識できないという無知さ加減にあると思う。
通常のアニメーションの製作者たちはこのような動きをみっともないものと認識しているからこそスローモーションを禁じてにしているわけだ。
その他岩井の言ってることがことごとくアニメを知らない言動が多くてコメカミがコメ印になる(笑)。
冒頭の職員室での部分の長回しを自慢してたが、そんなの『スカイ・クロラ』がすでに本作の何倍も効果的にやっておるは。
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↑のカット、脳内補完で手前左が花でその奥がアリスということは分かるが(笑)
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↑このキーヴィジュアルの画とは明らかに違う。
オイラは劇映画としてあるまじき作画崩壊なんでないの(笑)。
ちなみにこのキーヴィジュアル、岩井本人が描いたとのことだが......
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下手くそだとは言わんが↑のようなタッチの画描く人間がキーヴィジュアルのような画を描くかあ(笑)。
更に不吉なことを岩井は言っていたのだが、本作のエキストラの動きは一般から募集した日本全国の画描きをオーディションして一コマづつ描くということをした、と。
これさ、絵描きだとは言っても言わば素人だよな?
さらに言えばその作業ってロトスコープのトレースと着色だよな?
プロのアニメーターがこの仕事を嬉々としてやるとは思えない。
しかもものすごい安いギャラでやらせてねーか?
よくよくみるとアニメーションとしては相当に拙い出来だよ。
作画崩壊とか動きのなかで瞬間的に輪郭が消えたり復活したり。
少なくともアニメーションの出来だけみれば劇場上映して金を取るような作品ではないね。
といっても、オイラも劇場公開時にはそれには気がつかず、Blu-rayを再見して発見した部分ではあるんだけどね(笑)。
結局この映画、大変な思いをして画を描いた画描き諸君よりも、適当に好き放題な妄想で夢心地であったろう岩井俊二やその制作会社にお金が入るようになっているのは明白で。
こんな素人じみた製作体制が長続きするわけないし、岩井はそういう素人達によってかろうじて製作ができたということを強く肝に銘じるべきだと思う。
この簡略化したキャラクターを成立させるために
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情報量の多い背景画にした選択は良いと思う。
背景は見てるだけで気持ちよかったし。
なんだかんだ言って本作はオイラ楽しめたんだけどね。
だけど何度も言うが、何度も強調するが(笑)。
『花とアリス』の前日譚だったからという興味だけで観たようなもんだからね(笑)。
岩井俊二はまたアニメーションをやりたいと言っていたが、やるな!
マジで。
実写だけやってろや。

by 16mm | 2015-08-15 12:19 | 映画・Blu-ray・DVDの感想など。 | Trackback | Comments(7)

『プロフェッショナル 仕事の流儀 日本アニメを背負う男 細田守の300日』『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』『ジュラシック・ワールド』

BREITLING NAVITIMER COSMONAUTE
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α7R ILCE-7R
Makro Planar T* 2/50 ZF.2


先週土曜日は目まぐるしく動きまくった。
朝イチで心療内科に行き、終わったら新宿のマップカメラに行き、また戻っていつもの銭湯に行き、次に映画館で映画を二本観る(笑)。
すべてが終了したのは23時30分(笑)。
まあ遊びだとはいえ、本日日曜日、結構クタクタで寝たきり老人のよう(笑)。
埼玉県知事選挙の投票をマイルドな無関心でスルーするつもり。
さっきからオカンが選挙に行けとうるさいが(笑)。


先週土曜日、心療内科。
症状は安定しているが、今回は減薬を見合わせるとのことで納得。


先週土曜日、新宿マップカメラにHASSELBLADのエクステンションチューブを買いに行ったのだ。
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コレ。
カメラに興味がない人には申し訳ない(笑)。
単なるメタル製の輪っかにしか見えないよね(笑)。
何に使うものかというと、近接撮影に使う。
つまり写す対象に近づくことで大きく撮影するための輪っかなの。
例えばオイラの持ってるHASSELBLADのレンズは
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CF 80mm F2.8というレンズなのだが、このレンズの最短のピントの合う距離は0.9m。
この距離が長いか短いか、ピンときませんよね。
作例があればいいのですが無いので言葉で説明します。
例えばバラの花をこのレンズで撮ろうとしたとします。
最短撮影距離が0.9mなのでそこまでしかバラに近づけないのです。
HASSELBLADはフィルムのサイズが約60mm×60mmでそこに写ったバラの花は20mm四方に満たないぐらいの大きさにしかなりません。
このレンズを使って大きく撮るためにはバラに自分が望む大きさになるまで近づき、ピントが合わなくてはならない。
そこでこのエクステンションチューブ。
エクステンションチューブをレンズとカメラの間に嚙ますことでその間を長くする。
レンズとカメラの間が離れることによって最短撮影距離が短くなり、結果的に写す対象がおおきくなる、ということなのだ。
その代わり、無限遠と言ってエクステンションチューブを使うと遠くのものにピントが合わないとか被写界深度が浅くなるとかもあるんだけど。
で、このエクステンションチューブって長さというか厚み違いで4種類あって、購入するにあたり使う用途によってどれぐらいの厚みのものがいいかということがわからなくてはならぬ。
当初、自前のHASSELBLADとレンズを持って行って商品であるエクステンションチューブを使わせてくれないかしらん?と思ったのだが、さすがに商品は使わせてくれないと思いカメラを持っていくのは止めて店員さんに聞いてみることにした。
したら、マップカメラに行ったら、売り物のHASSELBLAD本体とレンズを出してくれて、それにエクステンションチューブを嵌めて大きさをわざわざオイラに確かめさせてくれたですよ。
すっげえうれしい、太っ腹(笑)。
取り合えず確認した上で厚み違いのチューブを2種購入。
一個8000円。
これね、8000円って安いよ。
この値段ならいずれ全部購入したいね。
フィルム全盛の頃のHASSELBLADってどんなアクセサリーでもむちゃくちゃ高かったから。
デジタルカメラの隆盛や世の趨勢が画質というものに頓着しなくなることに拍車がかかって、HASSELBLAD自体の値段が信じられないほど安くなってる。
レンズも安くなってるので、まあ"コンマキューゴー"の長期借金はあるにせよ、もう一本から二本レンズが欲しい。
120mmのマクロレンズもあるんだけど、これも10万円以下ぐらいで買えるみたい。
ちなみマクロレンズとはいえ、最短撮影距離は1mぐらい。
どうやらHASSELBLADでのマクロ撮影はエクステンションチューブが必須らしい(笑)。
しっかし、マップカメラ恐るべし。
エクステンションチューブをカメラに着け外す約束事をきちんと教えてくれる。
レンズやエクステンションチューブの着脱はHASSELBLADのシャッターをチャージした状態で行うとか。
エクステンションチューブをHASSELBLADのボディに着けてからレンズを着ける。
外すときはその逆にレンズから外していく。
この約束事を守らないと故障の原因になるんだよね。
さらに、オイラはまったく知らなかったがエクステンションチューブを使うと露出倍数がかかる、と。
間にレンズが入っているわけではないエクステンションチューブをつけるのに露出倍数がかかるとは、恥ずかしながら知らなんだ。
ボディとレンズに距離ができればそれだけ光が入ってくる量も変化する、という最もなこと。
マップカメラの店員さん、この露出倍数を簡単に割り出すやり方まで教えてくれた。
もう16000円で至れり尽くせりである(笑)。
多くの人がカメラなどは写ればいいという思いで安い量販店に行って購入する昨今。
量販店にもたまに詳しい人はいるけど、行っちゃ悪いが彼らは売ったらそれ以降のケアや購入時に専門的な注意事項を教えてくれるなんてことはほぼないからね。
なので、せめてカメラにちょっとでも興味があって写真を撮りたいと思う人は地元の小売店のカメラ屋さんの常連になることをお勧めする。
小売のカメラ店も必ずしも詳しかったり丁寧だったりすることはないんだけど。
その点オイラは地元に信頼できるカメラ店があって入り浸っているし、常連というほど良い客にはなれないかもしれんがマップカメラにも今後足繁く通うつもりである。


先週土曜日、ジェットバス、ストレッチ、赤外線サウナ、日光浴。


Kindle版電書で読みたい本が無くなった(笑)。
いや、まったくないわけではないんだけど、そもそも新刊が電書で出ることが非常にすくないのが問題。
紙の本は極力買わないということにしていたが、どうしても読みたい専門書(映画関係、写真関係)は紙の本で購入するも止む無しか。
最近、そんな風に思っている。


先週の宇多丸のラジオ番組『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』にて『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』の評論。
町山智浩に遠慮しつつも結構コテンパンにしてた印象。
やはりオイラは演出というよりも脚本がそもそもダメだったような気がする。
"この映画は絶対に勝ち目のない戦いに挑む話なんだから、作る側もそうでなくてはおかしい。負ける確率も高いが何もしなくては勝つ確率はゼロ"
と、町山は言ったらしいが、こんなこと言ってほしくなかったな。
つまり「作らない奴は黙っとけ」って暗に言っているようなもんだと思うのだが。
こういうロジックって町山が散々批判してきたことだと思うんだけどね。
とりあえず後編も観るつもりだけどね。


いや〜、わかってはいたけど、こんなに些細と思われるような部分までCGだったとは(笑)。
俳優の拘束時間やスタントマンの危険に対する保険料など払うぐらいならCGの方が安上がりというわけなんだねえ。
それはわかるけど、ものすごく自然な感じで実景とCGが馴染んでいるのにおどろく。
CGが安くなっちゃっているというのは身につまされるけど、世界水準のCGってのはすげえな。


『プロフェッショナル 仕事の流儀 日本アニメを背負う男 細田守の300日』
8月3日放映。
録画視聴。
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"映画ってさ思うんだけどさ イエーって感じで人生を謳歌してる人のものじゃないと思うんだよね 何ていうか むしろ くすぶっている人のためのものだと思うんだよね自分も含めてさ"
もうなんつかーか、この冒頭の言葉だけで泣けてきたよ。
涙出んかったけど(笑)。
なんか自分を肯定されている気がして本当に気がラクになった。
同様に、親戚が大嫌いだと言った細田監督がさらに好きになった(笑)。
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DVDのコメンタリ以外で細田の話しっぷりを聴いたのは初めてだったかもしれん。
印象としては押井守の話し方で宮崎駿がしゃべっている感じということだろうか。
押井守や富野由悠季のように実写映画に対するコンプレックスを持ってアニメーションを作っているのではなく、アニメーションに誇りや希望や表現の可能性を本当に信じているんだなと感じる。
そういう意味では高畑勲や宮崎駿に通じる部分があると言える。
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絵コンテは宮崎駿のそれのように緻密で細かい。
多くのアニメ監督のように所謂"まるチョン"で雑に描かれたコンテではない。
必要な情報を絵コンテにしているという自負があるからこそ、そのコンテを読みきれない原画に対しては口調は柔らかくも手厳しい。
細田守という人物とその作品を知るかなり有効な手がかりとなった番組であった。


『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』
先週土曜日、109シネマズ菖蒲。
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予告編でもかかっていたこのシーン。
どうせCGちゃう(笑)?
と思っていたらw

スッゲエ、トム。
漢(おとこ)だねえ(笑)。
その他オードバイや車を使ったアクションの凄さは毎度のことながらすばらしいものがある。
劇中で車が縦方向に後転するのはあまりにもすごすぎて笑ってしまった(笑)。
サブタイトルである『ローグ・ネイション』ってのは"ならず者国家"という。
その"ならずもの国家"はどこにあるのか。
意外と近いところにあったね、というのがオチなんだけど、この辺りは敵の設定が厳しいのだろうなということがうかがえるところ。
オイラとしては別段おどろくべき展開ではないのでいまいちノれなかった。
それでも上映時間中飽きなかったのはアクションの間断のなさかげんと出てくるギミックが面白かったからだ。
今回
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眼下に見える水流が落ち込んでいく施設。
モロッコの発電所という設定で、その地下にあるセキュリティ上のデータを確保している極秘施設があるんだけど、この超水冷のコンピュータのキャビネットってのはいいなと思ったね(笑)。
民間でもこの要領で水冷ができないかしらん。
会社でもパソコンがあるおかげで室温が上昇し、パソコンがあるおかげで必要以上にエアコンを効かせているということがあるからさ。
次作があるとしたら楽しみだが、オイラとしては年末に上映の『スペクター』の方が好きになりそうな予感(笑)。


『ジュラシック・ワールド』
先週土曜日、109シネマズ菖蒲。
IMAX 3D 字幕版鑑賞。
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前作の『ジュラシック・パークIII』が2001年だって。
14年前(笑)。
前作って3〜4年前ぐらいに公開されたと思ってたけど(笑)。
とにかく印象としては恐竜がらみの映像がこれまでのシリーズとは比べものにならないぐらいにパワーアップしていた。
印象としてはシリーズ第1作の『ジュラシック・パーク』を踏襲しているような感じ。
思えば第1作の『ジュラシック・パーク』はCGで実在の生物をリアルに作り出したエポック・メイキングな作品だったよな。
当時はさすがにCGで多くのカットが制作できなかった(コストと時間がかかるため)ということもあったのだろうが、
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スタン・ウィンストンによる原寸大のアニマトロニクスの造形物。
大地にめり込む足の重量感と力感。
これは多分現在でもCGでは難しいのとちがうか?
この予告編でも使われた足だけで心を持って行かれたよ(笑)。
その足でオイラを踏んずけてくれ、と(笑)。
しかしまあ、劇中では"ジュラシック・パーク"は過去の忌むべき存在としてあり、改称されて"ジュラシック・ワールド"となったようだ。
出てくる恐竜の数、まあCGで表現される数も格段に増え、"パーク"の時は順路に沿ってフォード・エクスプローラーで園内を周るものだったが、本作では
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透明の球体がぐるぐる回りながら乗客がある程度自由に移動できるというものになっていた。
この球体の乗り物もそうだが、"パーク"の時よりも恐竜に対する理解や御し方も方法論として確立しつつある状況のようで、人間が作り出したモノとしての恐竜を制御していた。
改めて劇中でも言われたことだが、この"ワールド"にいる生物は本来の恐竜ではない。
琥珀に閉じ込められていた蚊の中から恐竜の血液を抽出したといっても、それだけで恐竜を再生できなかったために他の似たような生物のDNAで補完して生み出したモノなのだ。
始まり自体が本来の恐竜でないばかりか、このテーマ・パークである"ワールド"を運営するために定期的に新種の恐竜を追加せざるをえず。
そのうち<デカく><速く><歯が多く><人間の言うことは聞くけど凶暴>(笑)、なんていう都合のいい遺伝子組み替えをはじめて、いた筈もない生物を作り始めてしまった。
これが本作のテーマにも通じる。
果たして人間の作り出したモノなら完全に人間はそれをコントロールできうるのか?という問題。
冒頭、
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第1作で大活躍した悪役のラプトルが調教されて人間と心を通わせているというか調教師の命令を聞いているというか、そんな状況を描写しつつも、その調教師でさえ完璧にラプトルを手懐けてはいないということが描写される。
で、それをいい方に見てしまったそそっかしい男が
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『フルメタル・ジャケット』で"ほほえみデブ"を演じたヴィンセント・ドノフリオ。
セキュリティ部門のリーダーでラプトルを兵器に転用できると考える楽観的な男だw。
本作、島の全景を背景に飛ぶヘリコプターの描写がかなりでてくるのだが、それを観るにつけ人間の小ささというものをヴィジュアル的に認識させる効果があると思う。
自然の雄大な大きさ、というものではなく、ちっぽけな人間がこんな大きな自然(といっても海に浮かぶ島でしかないんだけど)をコントロールできるということが思い上がりでしかないということを痛感させる。
結局調教師とラプトルの関係も完全な信頼関係など築けず、まともにその報復を受けることになるのだが。
ただ、そんな凶悪なラプトルも調教した人間の信頼という部分はたしょうなりとも残ってもいた。
結局は自然を模したテクノロジーでさえ人間の手にあまるものだという示唆なのではないだろうか。
そういう意味では今現在のメタファと捉えることができた傑作であると言えるだろう。
今までのこのシリーズの中で一番好きかな。
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本作の主役の一人、右側の女性、ブライス・ダラス・ハワード。
まあなんつーかw美女というには微妙な感じなのですが、『スパイダーマン3』の頃から上手い女優だなと思っていた。
彼女コメディエンヌの才能もあると思う。
演技に非常に上手く緩急をつけられる感じ。
顔は好みではないがwすごく好きな女優である。
この夏オススメの映画の一本であろう。
Blu-rayは買う予定。


今週末はヘア・カット。

by 16mm | 2015-08-09 23:16 | 映画・Blu-ray・DVDの感想など。 | Trackback | Comments(2)

『L.A.コンフィデンシャル』『アニー・リーボヴィッツ レンズの向こうの人生』『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』

BREITLING NAVITIMER COSMONAUTE
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α7R ILCE-7R
Contax Carl Zeiss Planar T* 85mm f/1.2 (60 Year Anniversary Lens)
エクステンションチューブ



先週土曜日、歯のメンテナンス。
いつものように美形で剽軽な歯科衛生士女史に歯石をとってもらう。
直前に先生が逃亡(笑)。
女史にお願いして歯の沁みの処置もしてもらう。
久しぶりに院長先生がやってきて歯を診てもらう。
比較的綺麗な歯だとお墨付きを受けるも、利き腕による磨き残しや磨きすぎについての指摘をうけ、左右両方の手で歯ブラシができるようにとのアドバイスを受ける。


本日日曜日、ジェットバス、ストレッチ、赤外線サウナ、日光浴。
ぼちぼち秋の健康診断に向けて体を作らねばならぬ(笑)。


『壬生義士伝』1巻〜5巻
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AmazonでKindle版購入。
大友克洋原作の『沙流羅』が電書で出ているのながやす巧って電書でも出してくれる人かなと期待して待っていたのだ。
ながやす巧ってムチャクチャ画が上手いわけだけど、やっぱりSFには向かないような気がしていたんだよね(笑)。
時代劇とのマッチングと原作の浅田次郎との相性も良いようだ。
コミカライズされた作品はまだ完結していないのだが、この悲しくも矜持に押しつぶされた人間達の行く末を見守りたい気になる。
続巻が楽しみである。


『たそがれたかこ(5)』
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AmazonでKindle版購入。
この本を読むたびにガキの頃からオバさんにキツかったオイラ自身を殴りたくなる(笑)。
いや、マジに。
とかくガキでも大人のガキでもオバさんを貶めるようなことをいうんだよな。
ちょっとそれは反省すべきだよ。
女性は賢いからバカな男がバカなことを言っても「しょうがないなあ」と笑ってるけど、影で泣いていたのかもしれんと思うと申し訳ない。
本作は大人の女性だって10代バリに乙女になる瞬間があったり、のぼせたりする様と、現実の生活の中でキチッと大人としての役割を担わなければならないという両極端を激しく描いている。
こういうのを読むと男って楽してるよな。
会社や仕事を隠れ蓑にして家族に対する責任を回避してるんだから。
女性だって仕事をしているのにね。
バカ(男)がいなくなって女性だけになった世界って平和かもしれん、と楽観的にバカなオイラは思う(笑)。


『藤森照信×山口晃 日本建築集中講義』
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AmazonでKindle版購入。
電書で山口晃の本がなんか出てないかしらん?と思って探して見つけた。
藤森照信って宮崎駿のインタビューだかで聞いたことあるな。
まだ読んでいる途中であるがなかなか楽しい本。
山口晃の挿絵というか漫画もついててうれしい。
ただ本書、文章まで含めて画像扱いでの表示なのでマーキングの機能が使えないのが残念。


『ヒメタク : 1 』
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AmazonでKindle版購入。
細野不二彦のすごさは語ったも語り尽くせるもんじゃないね。
今度はタクシー運転手の物語だと。
漫画にできないジャンルはないぐらいにオールランウンドでどれも水準以上の面白さ。
オイラなんかだと『電波の城』などはオイラには馴染めなかったが、それは好き嫌いの問題で世間的な評価は高い。
また映画やジャズの漫画も描いてもらいたいものである。


『凍りの掌 シベリア抑留記 (全巻)』
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ebookjapanで購入。
全六巻。
AmazonのKindle版では出ておらず、ebookjapanで一冊100円で売っていた。
この本の存在を知ったのは宇多丸のラジオ番組『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』の"第10回-2013年03月23日春の推薦図書特集"のなかで放送作家の古川耕が本書を出したからだ。
ずっと気になっていたのだが、このほどやっと電書で読めるようになったので全巻購入。
ひっじょうにキナ臭い昨今の状況下。
日本人としての尊厳だの、戦後の謝罪だの、中国韓国は気に入らないだの、北朝鮮が怖いだの......etc......。
それらの国に屈することなく堂々と国際社会で日本人が正当な意見を発するための国力が必要であり、その国力はありていに言えば軍事力である。
安部総理が国会で自衛隊を<我が軍>と表現したのは失言だったかもしれんが、自分が軍というものを持ちたいという気持ちがあったと考えるべきであろう。
<我が軍>、なんて言うとなんか自分はその<軍>の外に居てそれを見ているような気になるけど、その軍のなかには国民の多くが兵隊として頭数に入っているのを忘れているような気がする。
特殊な戦闘スキルがあるわけではない国民なんて前線の弾除けにしかならない。
そういう弾除けに自分がなるかもしれないという想像力がある上でのことならいいよ。
有事になってそれが長引いたら間違いなく国民の多くは前線に行く。
決してその時の為政者のポジション、銃後の比較的安全圏でロクでもない作戦を思いついては兵隊を動かしていく、なんてところにはいれるわけはないんだからね。
数秒前には語らっていた同僚が爆撃で頭を吹き飛ばされたり、敗血症で四肢の切断を余儀なくされたり、仲間同士でパンの一切れで殴り合いになり、密告がはびこり周りに対して気兼ねし。
そんな目に会うのはオイラたちなんだという事を認識すべきだ。
敗戦の白旗を上げるのでさえ為政者たちはカッコよく苦悩してたみたいな物語になっちゃうけど、オイラたちは悲惨な泥沼のなかで希望すら見出せずにいつのまにか戦争が終わってる。
物語にならない存在でしかないんだよ、我々は。
本書は一般的な国民が戦争でどんな目にあうのかということを突きつけてくる。
忘れてはいけないのは、戦争で酷い目にあう人間のなかに自分たちがいるということを認識すべきということだ。


『L.A.コンフィデンシャル』
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Blu-rayで鑑賞。
本作、1998年の劇場公開時に観て、LDを買って観て。
DVDはスルーしてBlu-rayで更に何度目かの鑑賞となった。
本作をずっとカッコいい男たちのハードボイルドな物語だな、と思っていた。
で、今回のBlu-rayで鑑賞して
「コイツら全然カッコよくねえ(笑)」
と、やっと気がついた(笑)。
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本作でハリウッドデビューしたラッセル・クロウとか
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ガイ・ピアースとか
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ホモねたが出てドキドキしちゃったwケヴィン・スペイシーとか。
見た目はそれなりに雰囲気があってカッコいいとは思うのだが、実際は女に弱い暴力警官であったり、出世の為に仲間を売ったり同僚の女と寝たり背後から犯罪を犯した上司を射殺したり、TVドラマのアドバイザーやゴシップ誌にネタを提供して小銭を稼いだり......。
なんかセコイ奴らの集まりじゃん(笑)。
今思うとラッセル・クロウも意気がった田舎の兄ちゃんみたいにも見えるかな(笑)。
ハードボイルドの要素の一つであろう孤独であるとか孤高であるということが、実は結構イタイものなのではないか(笑)。
しかしね、見た目カッコよくなくても生きて行く上でのセコさや小ささというものは普遍的に誰でも持っているものではないだろうか。
そんな奴らがハードボイルドの小説や映画を観ることでそんなイタくて小さな自分を許せることができる瞬間。
その瞬間がハードボイルドを男が好む理由なのかな、とぼんやり思ったです(笑)。
今後も何度か本作を観ていくだろうな。
自分の中では傑作映画の一本である。


『アニー・リーボヴィッツ レンズの向こうの人生』
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DVDで鑑賞。
アニー・リーボヴィッツを知ってからずっと彼女の写真を検索ばかりしている。
彼女を評して「天才とまでは言わないが」なんて言葉があるけど、しかし写真の神様には祝福されている存在だよなと思う。
ポートレイトではなく肖像写真。
エッセイではなく随筆。
同じ意味でありながら語感からする音の重さの違いは確実にあって。
アニー・リーボヴィッツはオイラからすると確実に肖像写真家だよなと思う。
やっぱり撮る写真がすべてカッチョよいと思えるんだよね。
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これはおそらくキース・ヘリングだと思わる(笑)。
アニー・リーボヴィッツの写真集が電書でないかと探してないことがわかってる。
書籍の本で洋書は手に入るんだが、どうするかなあ(笑)。


『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』
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先週土曜日、109シネマズ菖蒲。
IMAX版鑑賞。
本作の漫画原作はちょっとムニュムニュな方法でw11巻まで読んでいる。
本作はもともと中島哲也監督作として始動し、それが頓挫して樋口真嗣監督で町山智浩が脚本に参加。
......
う〜(笑)。
一応二部構成であるので後編を観てから感想を書くということの方がフェアかしらん(笑)。
分からないのが宇多丸のラジオ番組に町山智浩自らが電話をかけて宇多丸に評論を迫ったというね(笑)。
当然町山自身が製作に加わったわけだから本人としては作品を否定するようなことは言えないしやれないし(笑)。
なんか大丈夫なのかw。
宇多丸と町山、また『ハート・ロッカー』みたいな言い争いにならなければいいが。
それはそれとして今週のタマフルは宇多丸が本作を評論するというとんでもない目玉である(笑)。
むちゃくちゃ楽しみである。


今週末は心療内科。

by 16mm | 2015-08-02 22:03 | 映画・Blu-ray・DVDの感想など。 | Trackback | Comments(2)