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『この世界の片隅に』

先週の日曜日あたりから風邪気味。
喉の痛さや関節の痛さダルさは月曜日にカプセルホテルでサウナに入り、更に火曜日の朝にユンケルの高いヤツ(笑)を飲んだらかなり改善された。
やっぱりユンケルはすげえ(笑)。
しかしそれから風邪クスリやら果物やらビタミンCやらをたらふく取り込んでもか完治はしないで今にいたる。
熱は怖くて計れず(笑)。
今はなんとなく喉がガラガラしてるのと鼻水ぐらいか。
寝込むまではいかないのは初期症状でウィルスを色々叩いたおかげだろうか。
それでも先週土曜日のひと月ぶりの歯のメンテは延期させてもらった。
といいつつ、マスクをして土曜日に映画には行ったのだが(笑)。
毎週の習慣である週末の銭湯通いができないのも無念なり。


ゾクゾク Nerf リペイントできるかな?(笑)-03
風邪気味で進行せず。


『げんしけん(21)』
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AmazonでKindle版購入。
『げんしけん』も本巻で最終となった。
創作をするということの呪いというか"業"というか"性(さが)"突き詰めたシリーズ前半は非常に共感を持って読むことができた。
安直に「クリエイターですう」とか「モノ作りをしてます」などと言う人間には分からない部分。
誰かを不幸にする可能性があっても描きたいという衝動を抑えきれない苦しみというもの。
その覚悟がなければ安易に「モノ作り」などと言っていいわけがないのだ。
ましてや不特定多数の社員がいる会社のスローガンにするなど言語道断。
そんなものを会社のスローガンにするなんてのは「モノ作り」というものの本質を分かってない愚かな人間だと思う。
「モノ作り」などというものは、あくまでも個人的なものであり、知らない誰かを傷つける可能性があると言うことを覚悟して悩み引き受けたものだけができることだ。
それらをテーマに若造供の青春や恋愛を描いた秀作である。
ただ、タイトルに『二代目』とついてからのテーマはオイラの興味から外れてしまったせいか、どうも感情移入ができずじまい。
それでも最終巻まで買い続け読み続けたのはオイラにも納得できる部分がある筈だと言う希望と、最初のシリーズをうんと楽しませてもらったお礼であった。


『この世界の片隅に 劇場アニメ絵コンテ集』
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Amazonで書籍購入。
とにかく厚い(笑)。
厚さ45mm。国語辞典と同じぐらいじゃないか(笑)。
まあアニメーションの絵コンテはそういうものだ。
映画にしていく為の設計図であり、アニメーターをはじめとするスタッフの認識を共通化させるためのもの。
多くの場合、絵コンテとは言いつつ、キャラクターは丸チョンで描かれた簡略化されたものが多い。
場面の情景なんかもト書きで説明。
アニメーターが絵コンテを描いた演出家なり監督の意思を汲み取って原画を描く前にレイアウトという原画サイズの絵を描いてそれを演出家に見せて承認を得る。
で、そのやりとりを最小限にしようとしたのが、おそくら宮崎駿。
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宮崎駿のは絵コンテ段階でアニメーターに迷いがないぐらいに構図、画角、キャラクターの表情、セリフのタイミングまでもが事細かく指定されている。
アニメーターはこの絵コンテを拡大コピーしてレイアウトにして原画を描く。
アニメーターが演出家の意図と違う原画を描く危険性とレイアウト段階でアニメーターが悩まずに済む利点がある。
が、アニメーターは宮崎駿のコンテに100パーセント縛られることになるので上手いアニメーターほど窮屈に感じるだろう。
まあ、最近はここまで細かく描いた絵コンテも珍しくないようだが、通常はここまで絵コンテ段階で細かく描かない。
TVアニメの場合なら細かく描く時間がないというのと、画を描けない演出家もいるから。
宮崎駿の絵コンテはほとんど通常の漫画と遜色のないぐらい読み物として素人にも分かるように描かれている。
なのでオイラなどは宮崎駿の絵コンテを演出の教本というよりは、純粋に読み物として楽しんでいる。
ところで『この世界の片隅に 劇場アニメ絵コンテ集』は宮崎駿的な絵コンテとして素人のオイラでも読み物として読めるものになっている。
監督の片渕須直が宮崎駿と長く仕事をしていた人間ということもあって、細かく描く絵コンテの利点というものを熟知しているのだろう。
おそらく絵コンテのラフを片渕監督が描き、監督補の浦谷千恵がクリンナップしつつ具体的な画面構成を描いたんだと思われる。
オイラにとって本書は映画の辞典のようなもので、映画のあのシーンのあのセリフはどう言う意味だったかを反芻し調べるためのものになっている。
恐ろしく情報量が多い本作、例えばクライマックス近くの
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ちなみにあらかじめ言っておくが韓国の旗が立ったからって「朝鮮進駐軍」の描写とかいう意味は全く無いからな。
本作は政治的な要素というものは一切排除されている。
ただただ何年何月何日に何があって天気はどうだったか?という考証を徹底的にやっていると言うだけの話で、敗戦の日に太極旗が呉に上がったと言う事実を描いているだけだから。
で、このシーンって原作漫画と映画では微妙にセリフが違う。
そして映画の方はセリフを付け足してさらに すずさんのいる世界と言うものを映像と聴覚とで観客に対してもう少し踏み込んだかたちで感覚的に訴えかけるように作られている。
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この すずさんの慟哭のカットはコミックと同じアングルで映画も描かれている。
非常に悲しいシーンだけど表情といいアングルといい、すべての要素が合わさって素晴らしいカットになっていた。


『吾輩はガイジンである。――ジブリを世界に売った男』
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Amazonで書籍版購入。
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著者はスティーブン・アルパート。
と言っても知らない人が多いだろう。
オイラも知らなかった。
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宮崎駿の映画『風立ちぬ』で上の画像の謎のオッサンの声の人だと言えばわかりやすい。
スティーブン・アルパートは本職の声優ではない。
スタジオ・ジブリの海外事業部にいたという。
この人がスタジオ・ジブリで働いていた時の事を書いたのが本書だ。
実はまだ読了していないのだが、所謂"ガイジン"さんから見た日本の会社という部分と、宮崎駿などと仕事で付き合っていたことによって得られたであろう知見が非常に鋭く読んでいて興味深い。
冒頭
"「無」とは、加工すべき「もの」がないことを意味する。原料を買い、いりいろ手を加えて原形を変え、できた製品を売って利益を得る---それが標準的なビジネス・モデルである。自分のアイデアの力と想像力から出発し、それを意志の力で「形」のあるものにするのはビジネスとは呼ばない。それはアートである。聞かれるたびに、私が勤めていたスタジオジブリは本当の意味で会社ではないと私が答えるのはそのためだ。会社はあくまでもビジネスの場であってアートを創造するところではない。しかしスタジオ・ジブリは初めからアートを作り出す場であった。"
非常に冷徹な分析だなと思ってこの本をきちんと読み込もうと思った次第。
ちなみにこのスティーブン・アルパート、日本語を習ったのは京都の女性らしい。
だから日本語でありながら不思議なイントネーションを感じた。
で、この人が言うには自分がよく日本語で喋るとゲイっぽく思われるのは言葉遣いや抑揚の見本が女性だったからではないかと言っている。
なるほどねえ。
外国語を習うなら喋れればいいと言うわけではないということを考えれば誰に教わるかと言うのも結構重要なのだなと思った。
それでも、誰に教わっても独自の個性になると考えればいいのかもしれんが(笑)。


『もう一つの「バルス」 -宮崎駿と『天空の城ラピュタ』の時代-』
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AmazonでKindle版購入。
著者の木原浩勝という名前は
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『天空の城 ラピュタ』劇場公開時に発売された↑の『映画天空の城ラピュタGUIDE BOOK』に出ていたので知っていた。
上の本で著者は製作中のクソ忙しい時に結婚したと書いてあったっけ(笑)。
その木原が『天空の城 ラピュタ』制作時の思い出を綴っている。
本書は木原の職歴を若干加味しながらスタジオ・ジブリで制作進行の仕事について、制作進行という職種そのものについて、宮崎駿の人となりなどを書き綴っている。
この時期の宮崎駿の驚異的な創造力。
絵コンテが最後まで完成する前での原画作業のスタート。
つまり大筋の物語のアウトラインは出来ていたとしても、枝葉になるエピソード案をいくつも考えて吟味する粘り強さ。
例えば木原に、決して裕福では無い筈の炭鉱町でドーラ一家はどうやってオートモービルを調達したのか?というツッコミに対して嬉々として理屈を説明する宮崎駿。
映画には描かれないがその描写を支える理屈をきちんと考えていて、それを誰かに指摘してもらって説明したいと思ってるんだな、宮崎駿は(笑)。
とにかく待った無しで絵コンテを最後まで描かなくてはならない時期に、それでも複数の物語の道筋を探って、探りながら驚異的なスピードで前に進んで行く。
やはりすごい人だったんだなと思う。
そして本書は当時大活躍したアニメーターの金田伊功や二木真希子についても語っている。
両者とも今では故人だ。
二人はアニメーションの職種でいえば"原画"という花形パートだが、木原はさらに『天空の城 ラピュタ』オープニングの最後の動画作業に携わった人の名前を文中であげている。
"テロップに名が残されても、その功績が語られることはほとんどないのが動画の仕事だ"
いや〜もう、その通りだと思う。
よくぞ名前を書き残したと思う。
「動画チェック、何様だ!!」
とひどい言い方をする宮崎駿は口先ばっかりの人だとがっかりしたもんだよ。


『この世界の片隅に』
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先週土曜日、109シネマズ菖蒲。
二度目の鑑賞。
ネットを中心とした口コミであろう、ヒットしつつあるようで
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劇場で絵葉書、もろた(笑)。
ついでに久々にパンフも買った。
劇場の入りは席数の四分の一ぐらいだろうか?
それでもいい。
本作に足を運んだ人はみんなエライ(笑)。
オイラは自分の両親にも観に行けといってあるので今週中に行くであろう。
オイラとしても70〜80歳代の人がどう思うかというのも関心がある。
それからね若い人にも観てもらいたい。
絵柄が好みでは無いとか、そもそもアニメが苦手だという人もいるだろうけど観たら絶対に好きになる。
キネマ旬報レビューオール星5。
宇多丸5千億点。
ついでに町山大賞(笑)。
世間の評判もこんなにいいんだぞ(笑)。
二度目を観て感じたのだが片渕監督による音響の演出がすばらしい。
日常の小さく優しげな音響が空襲では一変して、破裂音とでも言うのか、機銃掃射や爆弾が落ちて行く音。
高射砲弾が弾ける音。
ギョっとするぐらいにその音の存在が怖く感じた。
おそらく戦闘機の音も機関銃の音も爆発する音も今まで聴いたことがないような新鮮な音だったように感じた。
実音の機関銃の音など聴いたことがないのでリアルかどうかは置いておいて、はっきり言って怖く感じる音でしたよ。
さらに言うと すずさんの声をやった のん(能年玲奈)の上手さ。
ふてくされ、笑って、のほほんとして、怒って、悲しんで、慟哭して......。
もう すずさんの実在感の半分は作画と演出の功績とするなら後の半分は のん(能年玲奈)の功績だよ。
よくぞこんなにも愛おしい人物を作り上げた。
更にいうと、本作をサポートしたクラウドファンディングに参加した人たち。
あなた方もエライ。
頭を地面にぶつけるぐらい頭を下げてもいいぐらい。
あなた方のサポートがなければオイラなどは本作に巡り会うこともなかった。
クラウドファンディングで本作がお金を集めているということを知らなかったが、正直なところ片渕須直のことは、大昔『名探偵ホームズ』の脚本家として宮崎駿に見出された、ぐらいにしか思ってなく。
クラウドファンディングの件を知っていても金を出していたかどうかオイラは怪しいわけです。
原作も最近知ったぐらいだから、多分お金は出してなかったよな。
で、本作にお金を出した人、エンドクレジットとパンフにちゃんと名前が出てるんだよ。
浅ましい話だが、すっげええ羨ましい(笑)。
おそらく宮崎駿の映画に比べたら実質的な制作費もささやかなものだっただろう。
中盤で すずさんと周作がデートするカットがぜんぶモブが止め画になっていたからねえ。
それを作画する予算も時間もなかったと思うと泣けてくるね。
宮崎駿の『風立ちぬ』の関東大震災のモブは全部動いていたのにね。
それでもそんなことは本当に些細なことだ。
反戦とか反反戦という軸抜きで戦争と戦時下というものを描いた傑作だと思う。
おそらく、時間をかけてでも人々に記憶されていく映画であると思う。
とにかく、観てないヤツは観ろ(笑)。
本作を観たら宮崎駿など御呼び出ないと思えるぞ。


風邪気味ゆえ、このへんで。


今週末は歯のメンテナンス。

by 16mm | 2016-11-27 21:45 | 映画・Blu-ray・DVDの感想など。 | Comments(2)

『ボーダーライン』

とりあえず
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我が地元(笑)109シネマズ菖蒲で今週末から『この世界の片隅に』の上映が決定!!!
109シネマズ菖蒲、エライ(笑)。
できれば最初からの上映をしてくれれば、ということは言うまい(笑)。
この時間差のおかげでオイラは今週末に地元で『この世界の片隅に』を再見するつもりだ。
両親にも絶対観ろと厳命して平日行かせる。
知り合いにも薦めまくりである。
オイラは上映映画を直接人に勧めることはあまりしないのだが、なによりも作品の力強さに多くの人に気が付いてもらいたいと微力を尽くそうと思っているのだ。
こういうことではしゃぎすぎるとアンチを生んだり、余計に観ようとしていた人の脚を思いとどまらせる事になると思うが、オイラとしては観たい映画がないが映画を観たいという人には本当にオススメしたい。


先週土曜日、寝湯、ストレッチ。
寝湯で温まった後に、曇り空で肌寒いその露天で椅子に座ってウトウトしたりストレッチしたりするのだが、特にストレッチを一心不乱にやってると体が温まってくるね。
なんか本格的に寒くなっても露店で全裸でいれそうな気がする(笑)。


中島みゆき・21世紀ベストセレクション『前途』
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AmazonでCD版購入。
またこの季節がやってまいりました(笑)。
音楽というとだいたいiTunesでの購入で済ましているオイラが唯一CDのパッケージというか現物を購入している中島みゆきの新譜。
今までの中島みゆきのベスト盤というと既存の持ち歌でもアレンジを変えて新録してきたのだが、今回アレンジの変更はなし、おそらく今まで出した歌をそのまま寄せ集めた感じだと思う。
音楽に詳しくないのでもしかしたら微妙に違ってるかもしれないが、オイラにはよくわからん(笑)。
今回オイラの興味を引いたのは歌詞カードの中に中島みゆき自身の作品解説があったという事。
比較的短文で各々の作品を解説しているのだが、読み応えはあったと感じた。


『白竜-LEGEND- 46』
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AmazonでKindle版購入。
長く続いた白竜の出自編とともに『白竜-LEGEND-』もこの巻にて終了。
出自編で白竜を動かしたメーオという恋人を比較的あっけなく手放してしまったのは「どうなの?」ってな感じだが、まあ、白竜はヤクザなので純愛の女がいたら色々問題だろうしね(笑)。
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このセリフで締めくくられ感無量である(笑)。


『すごいぞ!おかあさん きいろいばらの巻 すごいぞ! おかあさん』
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AmazonでKindle版購入。
著者の水玉螢之丞の画や薀蓄に魅力を感じていたのでKindle版で出た本作を読んでみたのだが、家庭の中の子供をネタにした作品でどうにもオイラには馴染めず挫折(笑)。


ゾクゾク Nerf リペイントできるかな?(笑)-02
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配色終わり。
はみ出てたりしてるところは汚しでごまかす(笑)。
全体的に白とオレンジというか朱色が目立つのでグレイッシュに修正するつもりである。


『ボーダーライン』
先々々週先々週先週、の続きである(笑)。
本作の感想というよりも、あらすじ というかダイジェストの様相を呈してきてしまった(笑)。
麻薬密輸用の"トンネル"急襲からアレハンドロに撃たれれマット達のいる集合地点に戻ったケイト。
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ケイトはマットを一発ぶん殴るんだが(笑)逆に組み伏せられて今回の作戦の本質を聞かされる。
この作戦はアレハンドロをメキシコに送り込むための陽動だったのだ。
アレハンドロはコロンビアの"嘆きの検察官"と呼ばれた元検事で、メキシコ麻薬カルテルのファウスト・アラルコンに妻と娘を惨殺された。
つまりアレハンドロの個人的な復讐のためにこの作戦はあるわけだが、なぜアメリカのCIAが協力するのか?
CIAはCIAでアレハンドロにファウスト・アラルコンを暗殺させて、アメリカがコントロールしやすいコロンビア麻薬カルテル一党支配を確立することが狙いだ。
麻薬カルテルを根こそぎ撲滅することが不可能なら、
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その組織を正確に把握してコントロールする方が効果的である、ということなのだ。
アレハンドロの妻はファウスト・アラルコンに首を切断され、娘は酸に投げ込まれた。
そういうことを平気でやる人間が相手なんだ。
アメリカのFBI捜査のような倫理観が通用する相手ではないということをケイトに諭すマット。
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しかし、ルールというものを骨の髄まで信じ込んでいるケイトはマットの言葉は決して容認できるようなものではないわけで。
個人的な復讐の為に国家が手を貸すことも、実際的な効果があるとしてもマットの言うことは麻薬カルテルを一部容認するようなもので。
悪には"良い悪"と"悪い悪"というものが存在することを認めろと言うことは、アメリカの法規に則ってシロクロはっきりさせケイトがやっているFBIの捜査は正当かつ正義であるという信義をあやふやなものにしかねない。
そんなことを容認したら自分が許せなかった汚職警官のテッドとどこが違うのか?
小悪党と巨悪の区別をつけろということか?
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ところでメキシコ側のトンネル出口で麻薬の積み下ろしをしていたところをアレハンドロに拉致されちゃったメキシコ州警察のシルヴィオ。
実はこのシルヴィオ、当エントリでは取り上げてこなかったが本作の冒頭からケイト達の話の筋にインサートされるように、その日常が描かれていた。
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酒が好きで子煩悩で奥さんにはやや頭が上がらなさそうな(笑)、どこにでもいる平凡な父親像が描かれている。
妻子にしてみれば自分の夫であり父親が汚職をしているなんてことは全く知らず、夫であり父親であるシルヴィオも自分が麻薬がらみの汚職をしているなど噯にも出さない。
表面上人の良い感じにしか見えない。
それがパトカーに同乗されたアレハンドロに銃を突き付けられ、自分には息子がいるんだ、と言って同情をかおうとするシルヴィオ。
絶体絶命なわけ(笑)。
アレハンドロはGPSでアメリカのサポートによりマニュエル・ディアスの車をシルヴィオのパトカーで追っている。
んでマニュエル・ディアスの車をシルヴィオに停止させ、アレハンドロはシルヴィオ越しに貫通させてディアスを負傷させる。
アレハンドロはディアスの車に乗り込みボスであるファウスト・アラルコンの元に連れて行くように命じる。
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シルヴィオはアレハンドロの盾にされて射殺された。
当然アレハンドロはシルヴィオの日常など知ってはいない。
マニュエル・ディアスによってファウスト・アラルコンの邸宅に乗り込むアレハンドロ。
武装したガードマンの手下を次々と射殺して
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銃を持って晩餐の最中であるファウスト・アラルコン一家の前に踏み込むアレハンドロ。
この晩餐のシーンって全体で言えば短いんだけど、アレハンドロとファウスト・アラルコンの会話の間の取り方が絶妙で、重々しく印象深いものになっている。
暗殺者となった元検事を亡き妻はどう思うか?と穏やかだが「お前が言うか」というセリフをアレハンドロに吐くファウスト・アラルコン。
お前に殺されたのは妻だけじゃない、娘の事も忘れるなと返すアレハンドロ。
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それでも威厳を持って息子達の命乞いをするファウスト・アラルコン。
が、
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この上のセリフを言うまでのタメがいいんだよね。
セリフの間って本当にすごいは。
無情にも上のセリフの後に銃を左右に振って妻と子供を射殺。
ファウスト・アラルコンの妻子の射殺は音のみで実際に銃弾を受けた映像はなし。
観客であるオイラだってまさか妻子まで殺すとは思わなかったからね(笑)。
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妻子の死を見せつけた後にファウスト・アラルコンを射殺する"嘆きの検察官"。
この横のカットで十分にとった間の後にアレハンドロが深く長いため息をした後に「食事を済ませろ」と言うセリフ。
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上の画像のようにそれまで威厳を持って余裕で構えていたファウスト・アラルコンの驚愕の絶望的な表情がいい。
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次のカットで見事に殺し屋の表情になったアレハンドロ。
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ファウスト・アラルコンに向かって二発。
おそらく一発目は肺かなんかに命中させて、ファウスト・アラルコンがゼーハー言わせて苦しませて後に脳天に一発、だろうと考えられる。
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暗転して、所変わってアメリカ。
止めていたいたタバコを吸っているケイト。
"トンネル"急襲からファウスト・アラルコンの暗殺までの約15分、ケイトは完全に蚊帳の外で(笑)。
主人公だと思っていたのにまったく関与していないシーンが15分もあるというね。
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気配を感じて室内に入るケイト。
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そこにはアレハンドロがいて、自分のファウスト・アラルコン暗殺を含めてこの作戦が法規に准じたものだという書類にFBIとしてのケイトにサインをしろと迫る。
このシーンもセリフは割と少なめなんだが間を取った演出がすばらしくいい。
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此の期に及んでサインできないとか、めんどくせいアマだなあ、とアレハンドロは思ったか(笑)
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ケイトの銃を突き付けて、断ったらこの銃で君を自殺に見せかけて殺しちゃうよ、と脅す。
泣く泣くサインをするケイト。
サインされた書類を懐に入れ、ケイトの銃をバラバラに分解しながらアレハンドロは言う。
「小さな街へ行け 法秩序が今も残る場所へ 君にここはムリだ 君は狼ではない ここは狼の地だから」
それでもケイトは分解された銃をFBI仕込みの素早さで組み立て直し、
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立ち去って行くアレハンドロに銃を向けるも、撃てなかった。
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去って行くアレハンドロ。
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ラストシークエンスでのブラジル。
アレハンドロに射殺されたシルヴィオの未亡人とその息子。
晴れやかの空の下、サッカーに興じる子供達。
その時銃声。
一瞬銃声の方に目を向けるも、再びサッカーが始まる。
アレハンドロの言う"狼の地"で生きざるを得ない人々を描写して終わる。
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そして本作の原題である『SICARIO』の文字が現れる。
"SICARIO"はスペイン語で"殺し屋"という意味らしい。
邦題の『ボーダーライン』だとどちらかというとケイトの物語、法と秩序の通用しない向こう側のギリギリのところまで近づいたケイトの物語だと言えるが、"SICARIO"となるとこれはアレハンドロの物語である。
原題で上映された英語圏でも本作を観て「いったい誰が殺し屋なのか?」という疑問がずっとあったんではないかね。
最後の最後でああ"SICARIO"ってのはアレハンドロのことで、彼の復讐の物語だったんだと合点がいったんだろうな。
本作の冒頭でFBIの優秀の捜査官であるケイトを描写するも、それはアメリカという国家の法律によって守られているもので、捜査中に適切な手続きを踏んでいたならその過程で相手を射殺しても問題ないものとして扱われる。
ケイトの捜査官として身分や命はアメリカという国家の持つ法律で保証されていると言っていい。
ただ、いかに大国アメリカといえどもアメリカのルールが全世界共通などということはない。
おそらくアメリカにいるとそれが見えないのかもしれん。
アメリカのすぐそばにあるメキシコでさえアメリカのルールの埒外だ。
グローバリズムってのはアメリカ的なるもので世界を一つにまとめようという試みなんだと思う。
戦後日本のアメリカの進駐やベトナムへの派兵でも、その国の文化にアメリカが馴染もうというよりも、やってきた先をアメリカにしてしまおうというちょっと神経症的なものを感じる。
だからケイトが見たメキシコのフアレスの光景は異世界というか、不思議の国に迷い込んだアリスのような途方のくれ方をしていた。
ケイトの優秀さも捜査における勇気すらもアメリカの法律に守られていたからこそだったと。
それはアレハンドロの言う"狼の地"では無力だということだ。
検察官の妻と娘を惨殺する麻薬王。
汚職警官の離婚した妻の顔写真や住所をネットにばら撒くぞと脅すCIA。
麻薬カルテルのボスの娘を20人に強姦させると脅す"嘆きの検察官"。
ファウスト・アラルコンの家族を皆殺しにしたアレハンドロ。
通常の正義の映画なら主人公に近いような登場人物ならまずやらないようなことをこの映画や言ったりやったりしている。
その人達はアメリカ的でない場所で活動するのにはアメリカ的なやり方をする必要はないと割り切った真にグローバリズムを体現した者達であると言えるのではないか。
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アメリカの無力さというものを暴力的に描いた傑作だとオイラは思っている。


今週末は久々の歯のメンテナンス。

今現在、喉が痛くて体の節々がちょっと痛いぞ(笑)。
ジキニンを飲んで寝ますw。

by 16mm | 2016-11-20 23:14 | 映画・Blu-ray・DVDの感想など。 | Comments(2)

『この世界の片隅に』『ボーダーライン』

本日日曜日、寝湯、ストレッチ、日光浴。


歯のメンテにもヘアカットにも行かないと、耳毛や鼻毛が伸び放題(笑)。
女性と話す機会など前述した場所でしかないオイラとしては(笑)そういう時だけはそこそこ身だしなみに気をつけるのだが、気をつけるイベントがないと大変なことになるのである(笑)。
本日バリカンで削りましたが(笑)。


毎朝食後に飲むコレステロールの薬を結構飲み忘れている。
毎晩飲む心療内科の薬のように習慣化できてないということだが、心療内科の薬ほどコレステロールの薬に自分として緊張感をもってのぞめていないせいだと思われる。
オイラにとってはコレステロールよりもパニック・ディスオーダーの方が怖いということではあると思う。


 Nerf リペイントできるかな?(笑)-07
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終了(笑)。
先週スプレーでペイントした後に。ふと塗膜をカッターでホジッてみたら奥さんw、塗膜の厚みが1mm近くありましたよ(笑)。
スプレーを吹くのが下手くそな上に、更に下手くそに筆を使ったり、塗り直しをなんどもしたり、etc......んなことしてれば厚くもなりますわな(笑)。
で、もう修復する気にもなれず、約一月に渡り状況を掲載していた Nerf リペイントできるかな?(笑)は今回をもって終了(笑)。
......
で、すぐに同じものをAmazonでポチり、そして(笑)。

ゾクゾク Nerf リペイントできるかな?(笑)-01
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が始まりました(笑)。
と言っても配色は失敗したのと同じにするので迷ったり塗り直したりせずにできてるので
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ウェザリングをのぞいた最終工程までこの土日で終わらせた(笑)。
前回一月以上かかっていたのを二日ほどで終わらせている(笑)。
如何に配色などの事前設計が大事かと痛感したしております。
今度の土曜日に撮影予定なので、できたら間に合わせたいものである(笑)。


『アオイホノオ(16)』
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AmazonでKindle版購入。
編集者に勝手にページの順番を入れ替えられた。
編集者に勝手にコメントの文を作成された。
etc......
漫画家あるあるネタ。
更に
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雁屋哲 登場とな(笑)。
wikiで調べてみたら『風の戦士ダン』で島本と共作していたみたいだねえ。
読んだことないのだが全9巻だから人気作だったと思われる。
そんなことより、本巻で出てきてない山賀博之はどうなったのであろうか(笑)。


『この世界の片隅に』
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先週土曜日、池袋HUMAXシネマズ。
地元での上映がないため、金曜日夜に池袋のカプセルホテルに泊まり(笑)、一番乗りで劇場のチケット売り場に並んだよ、おぢさん(笑)。
500人近く入るシアターが7割ぐらい埋まってたかな。
上映終了後、舞台挨拶などないのにもかかわらず誰かが拍手を始め、それが伝播してみんな拍手し始めた。
オイラもしたよ、拍手を。
事前に言われていた通り、本作ってエンドクレジットにも物語の続きが綴られているので、これから観る人は映倫のマークが出るまで席を立たないことをお勧めする。
途中で席を立って画面を遮るように歩いて行ったヤツ、ざまあみろ(笑)。
『シン・ゴジラ』や『君の名は。』がヒットしているんだったら、その流れでもついででもいい。
是非とも観てもらいたい作品だよ。
町山智浩も言っていたけど、『ガンダム』が好きな人も気にいるよ(笑)。
ミリタリーな描写はマジに力入っているから。
それを観ているだけでもちょっと背筋がゾクゾクするよ。
更に言えばエロいのが好きな人もオッケー(笑)。
主人公のすずさんがねえエロいっすよ。
これは声を当てた のん(能年玲奈)と
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すずさんのマッチングが素晴らしく良かった。
信じられるか?
こんなノホホンとした表情のボンヤリキャラが映画の後半でとんでもない無茶苦茶な目にあうんだよ。
もう原作を読んでいる時からこの娘が不憫で不憫で。
非常に的確に脚色をし原作のエッセンスを損なわない映画化であった。
監督の片渕須直の力量を思い知ったね。
原作漫画に寄り添いつつも映像として漫画にはないカットなども入れ込んで、そのシーンを映像で誇張してたりする。
例えば原作にもある蟻と砂糖のエピソード。
映画版にもあるんだけど、町山智浩が言っていたことだが、そのエピソードの時に樹液をすするカブトムシのカットを入れてるわけ。
虫でも甘い樹液をすすれるのに、人間が甘いものを食べる機会がすくなくなってしまった戦時下の対比をうまく映像化している。
逆に原作エピソードにあった、遊郭の遊女であるリンのエピソード。
このエピソードを原作漫画並みに入れ込むのは尺的に難しいということもあろうが、このエピソードには重要な言葉が原作には使われていて、それを限られた尺のなかで使うことが難しかったからエピソードごと消したのではないかと考える。
リンが言った
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"人が死んだら記憶も消えて無(の)うなる 秘密は無かった事になる それはそれでゼイタクな事かもしれんよ すずさん"
なんだろう。
オイラ、バカなので意味が分かりません。
だけどものすごく悲しくて、事の本質を突いたすばらしいセリフであるということはなんとなくわかります。
このセリフを生かそうとしたら、それだけで映画が一本できそうな、そんな重い言葉なんだと思う。
漫画と原作、どっちがいい?ということは全く考えない。
どちらもそれぞれに素晴らしい作品になっているのは間違いないことだ。
それとですね、戦争が終わった後に怒り出す主人公というのも新鮮だった。
「戦争が終わった 自由だ これからは平和にくらせる うれしい」
なんて描写がなく、主人公の すず は怒り出すんだよね。
最初どうして すず は平和をうれしく思わないんだろうとよくわかんなかったんだけど、やっとちょっとだけ理解できるようになったよ。
それは映画を観たことで分かったのかもしれないけどね。
ぜひとも戦争が終わったことを素直に喜べないという心情を多くの人に体験してもらいたい。
つまりね、簡単にいうと、平和が良いんならなんで戦争なんてしたんだよ という日常としてあった戦時下に裏切られた絶望なんだと思う。
それは戦争を知らないオイラなどは本当に想像するしかないんだけどね。
はっきり言えば『シン・ゴジラ』や『君の名は。』はもう二度と観ることもないけど、本作はBlu-rayを購入してなんども観返すつもりだ。
つーかそれよりも、上映館をもっと拡大してもらいたいね。
そうしたら劇場にまた観に行くよ。
本年度、邦画、文句なしのベストワンだ。
オススメである。


『ボーダーライン』
先々週のエントリから先週のエントリを経た続きである。
長々となってしまった(笑)。
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マットとアレハンドロは、FBIのケイトの権限を利用して国境警備隊に
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メキシコからの不法入国者達を拘束させていた。
アメリカとメキシコの国境線が通って分断されている町ノガレス。
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ギレルモがノガレスの東側に"トンネル"がある自白した。
密輸用のトンネルだ。
麻薬密輸にかかわる場所は危険なため不法入国者も避けて通る。
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その避けて通る場所に"トンネル"があると。
"トンネル"の場所を特定したマットはケイトの権限を使ってSWATの出動を要請。
「マニュエル・ディアスの財布を荒らす」
と称してマットは銀行の前でマニュエル・ディアスの資金洗浄屋を抑えて全ての講座を凍結させる作戦にでた。
この時から
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札を丸めて束ねるカラフルなゴムが映し出されることになる。
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観る側に印象付ける目印のこれは後々の伏線となる。
ケイトはこの件でマニュエル・ディアスを立件しようとするがマットは反対する。
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それでも立件に動くケイト。
上司に窮状を訴える。
これまでのマットの超法規的というかあまりにルール無用な行為について報告するケイト。
しかし上司は、この作戦は政府の上層からのもので通常捜査でケイトが気にしている適法性、つまり"合法"の境界線(ボーダーライン)を恣意的に広げて解釈して遂行することを許可されていると告げる。
つまり、"形振り構うな"。
そのかわり絶対に作戦を成功させろ。
上司から、というか、国から"目的のためなら手段は選ぶな"というお墨付きをもらったような案件なのだ。
これに納得いかないケイトは同僚のレジーとバーに。
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そこでレジーの友人で地元警察官のテッドと知り合って意気投合。
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仕事のムシャクシャをセックスで解消しようという(笑)至極真っ当な行為を遂行しようとするケイト。
テッドがチンチンを出すついでにポケットに入ってるものをテーブルに投げ置く。
その一つに
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ケイト達が身柄をおさえたマニュエル・ディアスの資金洗浄屋が札を束ねていたゴムがあったのだ。
テッドは汚職に関わっている警官だと。
これを見なかったことにして生欲に溺れないケイトの精神力と正義感(笑)。
テッドに抵抗するケイト。
テッドに首を絞められてあわや、というところで
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正義の味方参上(笑)。
正義の味方というのは聞こえがいいが、アレハンドロとマットは汚職警官をあぶり出すのにケイトを囮につかったということだ。
ケイトとしては自分が男に緩い女で、汚職警官になすすべもなく殺されそうになったり、そもそも囮にされていたことに気がつかなかったというありとあらゆる意味で恥ずかしい状態であったろうね。
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テッドに殺されそうになりアレハンドロに助けられた直後、タバコを吸うケイト。
このタバコを吸うシーン。
タバコの箱を包むセロファンを破り蓋を開けてタバコを取り出す手が微妙に震えている感じがいいね。
このシーンに限らずケイトがタバコを吸うシーンは多い。
過酷なFBIの捜査活動をしている時にはやめていたようなので、このマットとの任務のストレスを表すアイテムになっている。
アメリカは日本以上に嫌煙の風潮があるなかこういうシーンは新鮮だな。
個人的にはタバコを吸う映画は大好きなんだが、惜しむらくは本作、煙を印象的な映像にしてくれてないんだ。
まあ、そういう映画ではないからなんだけど。
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タバコの映像なら↑こんな感じなものを見たいと思うんだけどね(笑)。
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アレハンドロに無茶苦茶殴られてズタボロのテッド(笑)。
テッドはマニュエル・ディアス側に捜査状況を教えていた。
で、アレハンドロとマットに"尋問"され、顔をズタボロにされながら他の汚職警官の名前を白状させられた。
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次の日、マット達は航空写真(高高度の衛星写真かドローンからの写真かわからんが)ノガレスの"トンネル"を探し出した。
マット達はその"トンネル"を急襲する作戦なのだが、昨日ケイトが上司にマットの超法規的活動への報告をしたことが筒抜けになっており、ケイト達には急襲作戦を伝えなかったのだ。
それでもマット達がケイトを連れていくのはCIAが国内活動をするにはFBIの同行が必要だからという理由。
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つまりマットって国防総省の人間ではなくCIAの人間だったということ、か?(笑)。
ケイトは体良くCIAに利用されていたにすぎないということをい知らされる。
利用され、恥をかかされたわけなのでここでマット達に同行せずに作戦を潰すという選択肢もケイトにはあるのだが、彼女がこの作戦に参加した理由の一つにアリゾナ州での冒頭の急襲作戦で警察官2名を仕掛爆弾で失い、その事件の首謀者を逮捕したかった。
ケイトとしてはこの一件を見届ける義務感に突き動かされている。
ケイト、マット、アレハンドロ達の一行は夕方からの夜陰に乗じて
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密輸用の"トンネル"を目指す。
夕景をバックにしたシルエットの人間が歩いていくショットがカッチョいいねえ。
"トンネル"への急襲を前にして交戦規定の通達がなされるわけだが、それが
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"自由射撃"(笑)。
FBIのケイトもそりゃ眼を見開いて驚くよな(笑)。
効果的に武器を用いることや、必要のない武器の使用を抑えるというルールを外して、自分たち以外の者に対して発砲を許可する、ということだよな。
ルールがあってないようなもの。
少しでも自分に危害が加えられそうなら、とりあえず撃て、ってことか(笑)。
おそらくケイトはFBIではルールがないというルールの上での作戦などしたことがなかったのだろう。
箍(たが)が外れるというか、ルールの境界線(ボーダーライン)があやふやになり、外されていく。
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"トンネル"内で麻薬組織の人間をマット達が殺害していくのを暗視装置越しに見せる。
これって
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押井守の『イノセンス』と同様、そのものズバリを見せずに凄惨でグロい雰囲気だけを観る側に感じさせる演出で好ましい部分であった。
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"トンネル"内で銃撃戦が始まる。
その最中、マットとは別行動をするアレハンドロを追いかけるケイト。
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アレハンドロの行き着いた先は"トンネル"のメキシコ側の出口で、そこには
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メキシコ州警察のシルヴィオが麻薬の積み下ろしをしていた。
ケイトがアレハンドロに追いつく。
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アレハンドロの不審な動きに銃を向けるケイト。
アレハンドロは拘束したシルヴィオを盾に無茶苦茶速攻でケイトを防弾ベスト越しに撃つ。
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撃たれた衝撃で倒れるケイト。
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「二度と俺に銃を向けるな 呼吸を整え 地上に戻れ」
シルヴィオを拘束したまま車で走り去るアレハンドロ。

更に次回に続く(笑)。


『終わらない人 宮崎駿』
NHKスペシャル
2016年11月13日(日)
午後9時00分~9時49分
本日日曜日。
現在視聴直後。
概ねイラつきムカついた。
ドワンゴの川上 量生に一喝したところは溜飲が下がった。
感想は来週に書くことにして一言。
宮崎駿は映画製作をやめるべきだと思う。


by 16mm | 2016-11-13 21:56 | 映画・Blu-ray・DVDの感想など。 | Comments(2)

『この世界の片隅に』『ボーダーライン』

先週土曜日、銭湯で寝湯、ストレッチ、日光浴。


レディ・ガガ
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ネットで画像を見つけてギョっとなった(笑)。
最初「いやに自然なヴァーチャル・キャラクターを作ったな」と思っていたら(笑)、本人だったと(笑)。
まさか本人が出て"おじぎ"するなんて思わないだろう(笑)。
ものすごく自然に馴染んでいるがな(笑)。
すげえなガガ姐さん。
前から好きだったし、いい人なんだろうなと思っていたけど、ヤツは鉄板だ。
ガガ姐さん、素敵。


『この世界の片隅に: 上・中・下』
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AmazonでKindle版購入。
話題の映画の原作本全3巻。
今週末公開で近場の映画館ではやらないので遠征するつもりである。
オイラとしてはこの映画で『君の名は。』と『シン・ゴジラ』に対するモヤモヤを浄化してもらうつもりである(笑)。
で、映画化に伴って原作本を読んでみた。
作者の こうの史代 の作品を読むのも初めてだ。
......
ナメていたわけではないが、自分の不明を恥じ入るばかり。
戦争漫画というくくりにするには狭すぎるが、戦時下で戦争を体験した庶民を自然な形で描いていると思う。
悪いと言っているわけでは無いが同じ広島と原爆と戦争をテーマにした『はだしのゲン』のようなエキセントリックさがない。
戦争の真っ只中にいても普段の生活は食べるものを心配し、旦那が昔好きだった女性についてウジウジ考える。
それでも戦争の影は日常に他人の死や道路に転がる死体を見る事で否応なく意識させられていく。
通読3回したんだけど、3巻目の戦争が終わるぐらいの部分でキャラクターの心の動きが掴みきれないでいる。
いや、単にオイラの理解不足なだけで読み込めばわかるんだけど。
とにかく本作はすごい。
『はだしのゲン』とともに学校図書に置いておくべきだと思うね。
オイラは こうの史代の別の作品も読みたくなった。
こういう作品を知らずにいた事が恥ずかしいね。


『「この世界の片隅に」公式アートブック』
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書店で書籍購入。
非常に良質な資料的な価値のある本だと思う。
原作者や監督のインタビュー。
原作漫画の原画やアニメーション制作での原画やレイアウトが多い。
非常に読みやすい。
こうの史代の描いた単行本の原画も掲載されているのだが、
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この下巻の表紙、意味ありげに主人公の右手がトリミングされていて、オイラなど非常に意図的なものをかんじたんだけど、実際の原画はちゃんと全身描かれていて右手もちゃんとあるんだよね。
なんかそれを見てホっとしたかな。
そして監督の片渕須直がこの年代で必ず出てくる"もんぺ"について観る側の意識を変えようと言う試みがいい。
要するに誰もカッコ悪くて"もんぺ"なんて履きたがらなかったんだよ、っていうね(笑)。
読み物としては原作者の こうの史代が原作漫画でどのような手法を使って作画していたかが明かされているのが興味深い。
漫画を描くのにその世界観を構築するための手法をかなり貪欲に追求して作られているのがわかった。
例えば物語の進行である話数を境に背景を左手で作画するとか、エンピツ画をコピーして原稿に貼り付けるとか、モノクロで印刷されるにもかかわらず赤い口紅で作画するとか。
こういう事がクリエイティブっていうんじゃないかね。
この作画の表現に対する貪欲さは漫画を描いていた頃の大友克洋に匹敵するんじゃないだろうか。
世界観やキャラクターをより良くより深く表現するために漫画を描く既成の方法からはみ出してでも表現しようというその作者の意思は驚嘆というか畏怖すら感じる。


『この世界の片隅に 劇場アニメ公式ガイドブック』
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書店で書籍購入。
製作者達のインタビュー、アニメーションの原画やレイアウトやキャラクター表などが載っているのだが、なにか読みにくい。
それでもこの本や『「この世界の片隅に」公式アートブック』が有効であるのは、オイラを含めこの1940年代ごろの街並みや風俗を知らないから。
瓶突き精米。
残飯雑炊。
etc...
かつてそういうものがあった。
来年50歳のオイラは今の若い人よりはこの年代、原爆については知っているつもりだけど、それでもオイラのイメージといったら
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『はだしのゲン』しかないんだよね。
もしかしたら今の若い人達は原爆症で髪の毛が抜けたり吐血したり皮膚にシミができたりして死に至って行く、ということも知らないかもしれない。
映画を観終わった後でも原作漫画を読み終わった後でも、興味のある人はこれらのガイドブックでいいから読んでもらいたいと思う。
人によっては、なんで腕にシミができてるんだろうと思う人もいるだろうからね。
更に専門的な事をしりたければ、それをきっかけに知識を得ていけばいいわけだから。
そう言う意味ではオイラにとっても資料的な価値はあると思うのでじっくり読み進めるつもりではいる。


で、今週末、公開される『この世界の片隅に』を観てから絵コンテ集を購入予定。


 Nerf リペイントできるかな?(笑)-06
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まだ終わらない(笑)。
いい加減に終わりたい(笑)。
しかし、配色はほぼこれでお終い。
本当にこれでお終いだよ(笑)。
筆で塗ったら本当にムラだらけ(笑)。
ディティールが丸くなるほどスプレーで何度も塗り直しウンザリ気味である(笑)。
今週末にウェザリングをして行くつもりである。
配色の変更をしなければ、の話だが(笑)。


『ボーダーライン』
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先週のエントリの続きである。
その前に、先週オイラはケイト達が麻薬カルテルのボスのマニュエル・ディアスの兄である
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ギレルモをエルパソ(テキサス州)に引き取りに行く筈が、実際はメキシコのフアレスに向かった、と書いた。
"彼らが向かった先はアメリカ国内のエルパソではなく、国境を越えたメキシコのフアレスだった。"
......
すいません、間違えました。
実際にケイト達はアリゾナ州のルーク空軍基地からテキサス州のエルパソに向かった。
で、エルパソから国境を接しているメキシコに入国したということでした。
いやはや、地理がわからないと恥もかくし作品の理解にも支障をきたすもんだ。
そもそも
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こんな感じの荒涼とした風景の空撮が続くもんだから、てっきりメキシコに向かってるもんだと思っちゃった(笑)。
これだから教養のないヤツはイカんですねえ(笑)。
申し訳ない。
ケイト達がアリゾナ州ルーク空軍基地からテキサス州エルパソ経由でメキシコのフアレスの裁判所にギレルモを引き取りに行く。
軍事情報センターで連邦保安官や麻薬取締局と落ち合いうんだがそのメンツが揃いも揃って
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警察官とは思えないような、つーかみんなアフガン派遣から帰ってきた軍人?らしい(笑)。
本当に荒事専門のヤツらの中で法規遵守でFBIの任務を行ってきた
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ケイトにとっては味方であるこの雰囲気からして不穏だったろう。
ところでこの
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ベニチオ・デル・トロ演じるアレハンドロという謎の男。
メキシコの検察官というインテリでありながら銃器の扱いに長けて荒事もこなし、ガサツかと言えばそうでもなく、上の画像のように自分のジャケットを丁寧に畳む繊細な部分もある。
役者がよく言う"複雑な役"というやつだが、その複雑さを出すのは並大抵のことではない。
今回全編を通してベニチオ・デル・トロの演技が素晴らしいのは、その"複雑"さを表現できるスキルがあると言うことにほかならない。
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ケイト達の車両がメキシコに入国すると、武装したメキシコ警察が先導護衛して隊列を組んでギレルモのいる裁判所に向かう。
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"Welcome to Juárez"
舗装はされているのにところどころ起伏があってその度に車が大きく浮き沈みするメキシコのフアレス(Juárez)。
アメリカの道路では考えられないような、そんなことすらも不穏に感じさせる。
また低音で響く音楽が不穏さを水増ししてくれるし(笑)。
極め付けは上の画像のように高架からぶら下がっている惨殺遺体。
アメリカからたかだか境界線(ボーダーライン)を越えたすぐの場所がアメリカ人からしたら"不思議の国"というか"異世界"に迷い込んだような印象すら受ける。
しかし、これはファンタジーではなく現実。
悪夢のような現実の異世界がケイトの前に現れた。
なんせ
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護衛しているメキシコ警察ですら信用できないような世界だからね(笑)。
ファレスの裁判所からギレルモをアメリカに移送する帰路。
ケイト達の車両のそばを通り過ぎるバイク。
一つ向こうの道路を並走し続けるパトカー。
家並みの屋上を注視するのは狙撃に対する警戒。
とにかく気が休まらない(笑)。
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ケイト達は国境を優先的に通過できたにもかかわらず、すぐに渋滞に巻き込まれる(笑)。
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近くで接する車すべてが疑わしく思えるなか
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むちゃくちゃ不穏なヤツら(笑)が乗ってる車がやってきて、言われるままに銃を手にするケイト。
一応"撃たれるまで撃つな"とか"防御態勢につく許可"がおり、相手が車から降りたら銃を携行したまま降りるという交戦規定らしきものが通達される。
この映画の演出的なすごいところはこれだけ交戦に向けて気分を高めていきながら
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犬が吠えてるカットを挿入して緊張感を更に高めようとすることをしてるんだよね。
犬が吠えてるのは別段交戦とは関係無いけど、犬すらもこの不穏さを感じ取っているという風に見えるように演出されている。
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銃を持ったチンピラ達がドアを開けた瞬間に素早く即応して相手を取り囲むアメリカ人達。
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それでも銃を向けてきた相手に容赦なく銃弾を打ち込んで制圧する。
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エルパソに戻ってきた一行。
民間人と民間車両の混在する真っ只中での銃撃に対して作戦責任者のマットに違法行為だとくってかかるケイト。
マットは取り合わず、これが麻薬組織との現実的な戦い方だと言い放つ。
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移送したギレルモをアレハンドロが拷問にかけて麻薬密輸のための地下トンネルの場所を聞き出す。
更にギレルモをアメリカの手の内に置いておくことで、麻薬カルテル内で"混乱"を起こさせる。
実際ギレルモ不在のなか、フアレスでは麻薬カルテルの小競り合いが勃発していた。
"混乱"が起きればギレルモの弟であるマニュエル・ディアスがメキシコに呼び戻される。
そこから麻薬王であるラスボスのファウスト・アラルコンの居場所がわかる。
これがマットとアレハンドロの狙いだ。

というわけでこのエントリーは更に続く。
本作に関しては色々興味深いので自分の忘備録として書いておくつもりである。

by 16mm | 2016-11-06 21:38 | 映画・Blu-ray・DVDの感想など。 | Comments(2)