こんなブログに毎週駄文を書く忍耐力すらキツくなっている今日この頃。
一週間に一度文章を書き上げるという気力が乏しくなっている。
この自堕落さはいかんけど文章がなかなか思いつかないと滞るんだが、それでも日にちをあければなんかかけてしまうので、それ故書き上げが繰延になっていく。
悪循環だなあ。
またも長い夏休みだったが、またもダラダラと無為に過ごしてしまった。
休み最終日になってやっと多少やる気になって画像のレタッチなんかをし始めるも、なんで休み中にもっとやらなかったのかと今更後悔。
特に劇場で『SAND LAND』観た後は自分の不甲斐なさに愕然とした。
『SAND LAND』を作った(原作の鳥山明を含めて)人たちは怠惰になりたい気持ちと戦って(そもそもそういう人たちは怠惰になる気持ちはないのかもしれないが)作品を作り上げる。
こう考えると出来たものが傑作であろうが駄作であろうが何かを作り上げた人たちとオイラなどは同じ土俵に立ててすらいない。
2年前ぐらいからの懸念事項だったくるまのタイヤの交換を行う。
一番安いヨコハマタイヤでも12万円。
前買った時は10万円以下だったような気がするんだが・・・。
先々週土曜日歯のメンテナンス。
いつものように美形で剽軽なドS歯科衛生士女史に歯石を取ってもらう。
相変わらず健康面でマウントを取られる。
先生からソール・ライターのお高い写真集をいただく。
渋谷でやっている写真展に行ってきたらしい。
なんだかんだ言って写真にかなり貪欲な先生だと思う。
先週土曜日ヘアカット。
担当美容師に直接言われたことではなかったのでオイラも言い淀んでいた、彼の娘さんの話。
担当美容師はオイラに直接言ったと思っていたらしいが娘さんがいることをオイラはInstagramで知ったのだ。
微笑ましい父娘のInstagram色々ほっこりしていたのだが、なんとなく本人から娘さんの話を聞いていなかったのでこっちは話せずにいてそれがやっと解禁になった気分でうれしいものである。
『ザ・ファブル The second contact(8)』
AmazonでKindle版購入。
『The second contact』終了まであと一巻。
思えばこの章ってファブル達のだいたい半径500m圏内での出来事だったよな。
出来事自体は非日常とはいえ、平穏に見える日常に隠れた些細な暴力性というのが大きな事態になるというリアリティが感じられた。
いずれ抗争になるにしても本章の最初の火種はクロの些細なケンカからだった。
『ROCA: 吉川ロカ ストーリーライブ』AmazonでKindle版購入。
分かってはいたが いしいひさいち の画の巧さに呆気に取られて脱帽せざるを得ない。
この『ロカ』という作品を知ったのは
『いしいひさいち 仁義なきお笑い』というムックで とり・みき が いしいひさいち が描いたロカという女の子がいかにセクシーに描かれているかを語っていたのだ。
とり・みき わざわざ模写までして描いたロカはたしかに自分の思い描いていた いしいひさいち タッチとは明らかに異質で失礼ながらこんなセクシーな女の子も描けるのか?という驚きであった。
ただこの『ロカ』という作品がどの単行本に収録されているか分からず途方に暮れていたらこのほど『ロカ』だけを抜粋した本が刊行され速攻で購入。
作風は既刊のいしい作品同様シニカルでクールなものであるが主人公のロカの
女子高生バージョンと
歌手として歌っているバージョンの画が全く違う(笑)。
このギャップがすごい。
その全く違うという画をこんなにも魅力的に描けるというのが今更ながら驚いたのだ。
このファイティングポーズのリアリティ。
すごすぎる。
いしいの画の巧さは知ってはいたがポーズの取り方や骨格の描き方をデフォルメしつつリアルにここまで描けるとは思わなかった。
オイラにもどこか4コマ漫画だから画なんてテキトーでいいんだろうぐらいに思っていたのが恥ずかしい。
画として真似してみたいようなタッチであった。
そしてこのロカという女の子の歌手を今を生きる人としてではなく
かつていた人として描くことで実在感が増し、さみしさというか郷愁を感じさせる。
今更ながら いしいひさいち すげえ。
『SWITCH Vol.41 No.9 特集 ジブリをめぐる冒険』Amazonで書籍購入。
スタジオジブリ、というか宮崎駿が公開前も後も『君たちはどう生きるか』について何も語らないもんだから、公開当初は皆確信が持てずにおっかなびっくりでSNSなどで語っていたものの、いまでは皆開き直って結構色々語るようになった。
そもそも一月もすれば所謂アニメ誌"アニメージュ"とか"ニュータイプ"などで特集が組まれると思いきやそんなことにもなっていないよう。
特に徳間書店の"アニメージュ"は特集やるだろと思っていたがそんなこともなく(笑)。
しかも遅れて発売された映画のパンフは聞くところによると内容スカスカなものであるらしい。
買う価値がないと。
考えてみれば作った本人が作品の解説をするなんておかしな話で、宮崎駿も常々言っていることだが自分の言いたいことは作品にあるってことで、観ればわかる、後は観客次第、というのは、まあその通りなんだけど、みんながみんな宮崎駿ほどの教養人ではないのでわからんところもあるものだ。
分からないものをそのままにしたくない人は意味を知りたくなる。
手っ取り早いのが作った人に解説してもらうということなんだけど、これって作った人間にとっては苦行だよな。
作った人間は観た人間が理解できると思って作った挙句に理解できなかったと言われるのは結構きついことだよなとは思う。
だからオイラなどは自分のない頭で考えても分からない場合は、自分が信頼できるなと思っている評論家の解説なんかを聞く。
それで自分では見てなかった角度での作品解説を読んで理解の手がかりにする。
面白いものでどんな評論家の言葉であっても完全同意というものは少なくてあっちの解説こっちの評論家の言葉、と、情報がパッチワークのように自分の頭の中に形成されていく。
で、満を持して件の"SITCH"誌で最初のと言っていいだろう『君たちはどう生きるか』の特集が組まれた。
以前ならこの手の宮崎駿やジブリの特集だと渋谷陽一の"CUT"誌の独壇場だったんだけど、なんかあったのか?
とまあ邪推はありつつも件の"SITCH"誌は主に鈴木敏夫のインタビューと作画監督の本田雄のインタビュー。
宮崎駿のインタビューはない。
鈴木敏夫のインタビューは結構長そうなのでまだ読んでいない。
それよりも本田雄のインタビューに興味があった。
庵野秀明の『エヴァ』の劇場版を袖にしてまで参加した『君たちはどう生きるか』についての語りに興味があったのだ。
それを通じて宮崎駿と関係がこじれていてた安藤雅司とのエピソードなどもあり結構微笑ましいものを聞いた感じではあった。
『アンメット(12) ーある脳外科医の日記ー』AmazonでKindle版購入。
病院の生臭い話があり、その中での正義感の通し方などが非常に心地よい。
障害者対策というものの難しさ、オイラ自身も敬遠していた問題が突きつけられる。
『リエゾン(14) ーこどものこころ診療所ー』AmazonでKindle版購入。
本作で扱われている児童養護施設。
自分の中でも偏見があると自覚した。
本作を読みつつその偏見を少しでも是正したいと切に思っている。
どうしたらいいか?
●山本二三 死去2023年8月19日。
胃がんで70歳で死去との報。
山本二三の仕事は神々しいとしか言いようがない。
どれが好きかと特定するのもおこがましいのだが、一番最初の衝撃は『天空の城 ラピュタ』の冒頭のシーン。
断崖のような雲の間を進むタイガーモス号のカット。
これを劇場で観た時の衝撃は今でも忘れない。
雲の果てしない立体感というか本当にスクリーンが凹んでいるかのような錯覚。
これオイラだけでなく劇場で観た人の多くはひっくり返ってた。
わざわざ口に出して「すごい立体感」とつぶやいた観客もいたんだから。
ただこの衝撃は劇場のスクリーンではないと十全に味わえない。
後々TVで観たら変わらず立体感は出ているものの、劇場で観た時の衝撃までは感じられなかった。
絵筆で描いたものがここまで立体的に見えた衝撃を体験できたことのなんと幸せな事か。
山本二三のエピソードは色々ある。
例えば上図の画は『名探偵ホームズ』のものだ。
壁紙に注目すると単なるストライプではなく間に四葉のクローバーのような意匠が描かれている。
これ、この画一枚なら良いけどこの部屋が出るときには必ずこの四葉のクローバーを描かなければならないことの面倒くささ。
アニメーションで背景を描く人だって枚数を描かなければお金にならないのは言うまでもない。
それこそ背景の上にキャラクターのセルがのれば壁紙が単なるストライプだろうが気にする人はそうはいないはずなのだ。
しかし山本二三は製作上自分で自分の首を絞めることになってもそれを止めなかった。
手を抜く、妥協をすることで残るであろう作品に後悔を残したくない。
もっと言えば観ている観客が壁紙のクローバーに気が付いてくれるかもしれないという希望。
これはおそらく山本の苦労をわかってほしいというものではなく、その壁紙に気が付いた時に作品がリッチに見えて観客が喜んでくれるだろうという希望だと思う。
同じく『名探偵ホームズ』で精密に描いたロンドンの街並みに霧の都を表現するのに水を含んだ刷毛で描いた街並みをぼやかす。
どうせぼかすならそんなに精密に描かなくても、と言われても、自分はこういう描き方しかできないからとつぶやいたとか。
職人のはた迷惑さは十分に分かるが、山本のように半歩でも自分の理想ににじり寄る努力や意思というものは尊重するというか尊重して然るべきだとも思う。
今回山本の事を書くにあたって、若いときの画像を掲載したかった。
あまりないんだけどなんとか一つ見つけた。
70歳なんてまだまだ早いよ。
ほんとうにまだまだ才能ある作家と組んで作品を観たかった。
いつも思うけど「死んでまえ」と思うようなヤツは長生きで、なぜこの人がという人が早世してしまうのを理不尽としか言いようがない。
心を豊かにしてくれる作品を作ってくださった感謝と心よりのご冥福をお祈りいたします。
『リボルバー・リリー』
ネタバレあります。8月12日。
109シネマズ菖蒲。
ガンアクション、綾瀬はるか、行定勲、第二次大戦前の軍部、etc・・・。
自分としては興味のあるトピックス満載で期待していた。
特に綾瀬はるかの格闘のアクションはよかった。
特にパンチを繰り出す時の腕の引き具合がすごくよかったと思う。
が、オイラの観た印象としては期待していたもの以上の余計なものが入っていたり、期待していたものが抜けていたりとした作品となった。
荒唐無稽な設定の中でぎりぎりリアリティを保っていたと思ったが、オカルトの要素は全く余計であったと思わざるを得ない。
期待していて抜けていたもので言えばヴィジュアルに官能性が乏しくて残念に思った。
主にライティングとか構図なんだけどね。
やっぱり撮影監督次第なのかなあ。
それと抜けていたものの最たるものが佐藤二朗の扱い。
佐藤の役所の落とし前が致命的についていない。
綾瀬はるかとその息子の感情的な繋がりがとぼしい。
これはオイラの主観であるが綾瀬はるかの髪型がいまいち好きになれなかった。
全体の世界観はオイラの好みではあるんだが・・・。
『バービー』
8月12日。
109シネマズ菖蒲。
皮肉が効いていて非常に面白かった。
冒頭の某超有名なSci-Fi映画のパロディからハートを鷲掴み。
この映画バービーというおもちゃにある程度知見があって尚且つそのおもちゃが発売された時の時勢や会社のことなどを知っていた方が面白さがわかる。
全体がピンクの画面でおちゃらけていると思ったら大間違い。
かなり硬派な作りになっている。
初見でわからなかったところはいつものように
BLACKHOLEの面々に解説してもらって理解できた。
特に最後のショットがわからなかったのを明快に解説して理解できた。
Blu-rayを買うつもりなので再見がすごく楽しみである。
『SAND LAND』
先々週土曜日、109シネマズ菖蒲。
予告編を観て楽しみでしょうがなかった作品。
アニメの『ドラゴンボール』は観ていないので面白さは分からぬが、この『SAND LAND』は原作を読んで知っており、鳥山のミリタリー趣味が出ていて非常に面白く感じていたのだ。
戦車と銃器が非常に魅力的に描かれていて、今回の映画を観るまで忘れていたのだが、劇中で戦車の内が非常にうるさい(駆動音から銃弾が当たる音の響きで)という描写はすでに原作でもなされていた。
本当は悪魔のようなクリーチャーではなく全部人間のキャラクターの物語が良いなとは思っていたが、鳥山ほどの絵描だともう人間なんて造作もなく描けてしまうので退屈でつまらないのだろうな。
オイラとしては1981年の『週刊少年ジャンプ』の愛読者賞1位となった
『POLA&ROID』ようなキャラクターの造形ならもっと感情移入できたと思うんだが・・・言っても詮ないことだ。
とにかく本作の劇場版映画、文句なしに面白い。
どのくらい面白いかと言えば、『君たちはどう生きるか』を観て人生の悩みを持たざるを得ないような強要される映画よりも、その昔宮崎駿がやっていたような漫画映画の心意気が本作には備わっていると思う。
劇中で出てくるメカは鳥山のテイストそのもので柔らかくリアルだ。
鳥山メカが動くという醍醐味が十全に楽しめたと言える。
ハリウッド映画での映画化で原作者の意に沿わない作品を作られたが、その雪辱を日本のアニメで晴らしたというのは痛快であったろう。
本作アニメーションなので原画がありアニメーターが画を描いてもいたが動きをモーションキャプチャーをガイドにもしているようだ。
しかもこれまでのモーションキャプチャーを使った多くのアニメってモーションキャプチャーの動きを全て使っていたから余計な予備動作まで入っていて非常に鬱陶しい。
モーションキャプチャーでアニメーションをすると実写以上に動きが強調されるせいか採取した動きを全部無編集に使うと見づらいということがあるんだと思う。
その点本作はモーションキャプチャーでの自然で整理された動きのみを編集して使っていた所為かリアルでありながら動きが整理されていて非常に良かった。
モーションキャプチャーは便利で精密であるからその動き全部使えば良い動きになるということはないのだと思う。
適切に見せたいポイントに絞ることで動きに力感が出るんだと思う。
そういう意味では本作の動きはアニメーションの動きの楽しさもあった。
物語自体も原作を適切にアレンジしているのも好感が持てるし、演出家は良い仕事をしていると感じた。
キャラクター・ヴォイスでは主人公のベルゼブブの声の
田村睦心が良かった。
オイラの中でこの人といえば『映像研には手を出すな!』の
金森サンなわけだが、この声とも違う非常に手練れの声優だと改めて納得した。
非常に魅力的。
更に観ている時は気がつかなかったのだが、劇中でてくる脇のキャラというか憎めない悪役の
スイマーズのパパ役が杉田智和。
そういうもんなの?
杉田ほどの役者が主役でない役を?
まさかこのスイマーズのパパを杉田に当て書きしたとは思えないので、更にまさかの杉田がオーディションでこの役取ったということか?
すげえな杉田。
役への貪欲さというかすげえ役者だよ。
とまあ、かなり大絶賛だが、劇中ちょっとふざけすぎて周りのトーンに合ってない演出もあるがそれは目を瞑る。
とにかく大満足。
これは蛇足なんだが原作者が本作を描いた当時も、多分この劇場版を作ったスタッフもさほど意識はしていなかったと思うのでオイラの勝手な解釈ではあるんだが、この映画の物語って国王が水を管理していてそれを国民に高値で売りつけるという事をやってるわけ。
で、オイラはこの件を観て真っ先に
この左端のバカ様の顔とやろうと目論んでいる所業を既視として感じたよ。
宮崎駿が言うように"時代の子"としてのアニメーションは何かしらその時代を写すものだと言う事なのかなと納得した次第。
これもBlu-rayが楽しみ。
気に入ったので久々にパンフも買ってしまったしね。
今週末は糖尿病の検診。
一月以上血糖値を下げる薬を飲んでどれほど下がったか楽しみではある。