『アリスとテレスのまぼろし工場』『グランツーリスモ』

先週土曜日、歯のメンテナンス。
いつものように美形で剽軽なドS歯科衛生士女史に歯石を取ってもらう。
上の奥歯のあたりが腫れているとの指摘を女史から受ける。
いつものように麻酔なしで治療をチラつかせてオイラをビビらせる。
本当に感じ悪い女である(笑)。
先生とカメラ話。
良いレンズを持っているので触らせてもらう。
欲しいなと思いつつもそれを使う機会がなかなか見出せないので手が出せない。
本来今の所故障がないとはいえメインで使っているα7Rは購入から10年。
プロ並みには使ってないもののそれでも10年だ。
あたらしい機種が欲しいところではあるが・・・。


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100円ライター使用のバーナーというかトーチ。
毎度父親の墓場で線香に火が点かない問題を解消するために購入。
テストしてみたら風にも負けずにうまい具合に線香に火が点く。
ただこのライターを交換する時に取り外すキャップが非常に硬い。
YouTubeなどでは簡単に取り外しているがオイラの非力さではどうにもならず、マイナスドライバーでほじくって外すことができた。


『去年の雪 』
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寡聞にして知らない作家。
Twitter(当分"X"とは言わない予定w)でサンプルを見て岡田史子について描いてあるのを知って購入。
とはいえ岡田史子を知っているわけではなく、幻の漫画家となっていた岡田について多少なりとも知ろうと思ったからだ。
残念ではあるが岡田も岡田について描いたこの書籍の作者村岡にも興味が持てずに終わった。


『あだち勉物語 ~あだち充を漫画家にした男~(5)』
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この巻からあだち充の快進撃が始まり、赤塚不二夫の漫画家としての凋落が始まる。
このあだち勉というあだち充の兄は他人に言う事は非常に的を射た的確なことを言うんだが、それを自分で実行しない。
それが上から目線で鼻持ちならない風にもなるんだが、それでも漫画家や漫画を見る目は的確なような気もする。
だからあだち勉の近くにいた人は面倒くさくて近づきたくない対象だったのではないだろうか?
こうやって評伝として描かれるとあらゆる意味で良い人に見えるから不思議(笑)。


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『アリスとテレスのまぼろし工場』の予告編が劇場で流れ、その主題歌がなかなか良くてしかも中島みゆきだったら買うしかないじゃないか(笑)。
後々出るアルバムに入ることを考えればシングルは普段買わないのだが、それでもこの『心音』という曲が非常に良さげに感じた。
この曲に限らず中島みゆきのシングル、ドラマの主題歌などは非常にキャッチーでメジャーな感じが多い。


『アリスとテレスのまぼろし工場』
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先週金曜日、109シネマズ菖蒲。
内容全く知らずに予告編の
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この食べるカットと中島みゆきの歌唱でハートを持ってかれての鑑賞。
実は途中で不覚にも気絶しかけて世界観が把握できずに観終わってしまった。
どうして製鉄所が爆発したことで世界と隔絶してしまったのか?
五実が狼少女のごとくであったのにラストでそうではなくなったのはなぜなのか?
この辺りってオイラが気絶して把握してないだけで作品内で解決してたんだよね?きっと。
そして本作のタイトルである『アリスとテレスのまぼろし工場』の"アリスとテレス"って言葉遊び以外の意味ってあるのかしらん?
その昔のドラマで『安堂ロイド〜A.I. knows LOVE?〜』"安堂ロイド"なんて碌でもない語呂のタイトルと同じ感じか?
本作に"アリストテレス"に関する何かが含まれているとは思えないんだが・・・。
そうだとしたら衒学的で鼻持ちならんなあ。
後は災厄の表現が新海誠の映画のそれっぽいとか。
本作の監督って岡田麿里で前作が『さよならの朝に約束の花をかざろう』って作品を作っていて、それを観たオイラの感想は同じ監督の次作は観ないとブログに書いてあった(笑)。
土日月と三連休だったのでもう一度観ようかとも思ったんだが、再見するなら円盤が出た時でも良いかなとも思い中止。
なんか色々作品への興味はないわけではないのだが、それよりも登場人物が気に入らないというかノイズがすぎるのだ、オイラにとって。
たとえば睦実の義父で製鉄所従業員とかいう男のスピリチュアルというかエキセントリックさが観てて気に入らない。
主人公正宗の同級生とかいう絶対女の子にモテないであろう妙な茶々をいれるデブとかも観ていて痛い。
更に本作は少年少女の恋愛について描きつつも生々しい性欲をも描こうとしているようだが、オイラからすると女性の性欲には踏み込みつつ綺麗に描いていると男のオイラは感じるんだが、それに引き換え男の性欲表現が物足りなさすぎる。
物足りないというか奇麗すぎる。
男のオイラにはこの作品で女性の性欲にどの程度踏み込んでいるのかいないのかわからぬが、有り体に言えば男の勃起を描かなければこの作品にある性というものの表現としては片手落ちに感じる。
男からするとそんな男のドロドロした性欲は観たくはないのが正直なところではあるが、本作を制作したスタッフもそんなものを描きたいとは思わないだろう。
しかし本作の男が本当に綺麗すぎて感情移入ができない。
悩んでることも悩んでる姿も綺麗すぎて、一種の女性から観た理想化された男というもののセーブした表現で終わっているように感じて、作品世界に足りなさを感じざるを得ない。
上図の五実が頬張るチーズの粘りとか、睦実が正宗に自分のスカートをめくって見せるとかをオイラが間近で見せられたら恥も外聞もなく勃起もするしオカズにしてオナニーもするぐらいの事態だ。
それらは女性が自分の性欲の発露で最大限男を誘っている態度ではないのか?
それともアレか劇中であった五実や睦実の行為は男の性欲大爆発ほどではない、まだまだ序の口のことだから男の表現もそれなりにセーブしたということなのか?
どうにもこうにも感情移入が出来ずに理解が及ばない。
再見するかどうなのか微妙な状態。


『グランツーリスモ』
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先週土曜日、109シネマズ菖蒲。
実話らしい。
『グランツーリスモ』という日本が産んだ"TVゲーム"。
"TVゲーム"というとバカにした感じになるだろうから"ゲーム"。
しかし『グランツーリスモ』を愛好している人たちはこれを"ゲーム"ではなく"ドライビングシミュレーター"と称しており"ゲーム"などと言うと眉間に皺を寄せる。
そんなの"ロボット"を"モビルスーツ"と言い換えたり"タイガー戦車"を"ティーガー"と言い方の問題で些細なことだろ、と思うのは門外漢のオイラだからなのかもしれん。
しかしねこの映画を観たらそんな拘りをするに値するものなのかもしれないと思い直した。
まずこの"ドライビングシミュレーター"『グランツーリスモ』の産みの親である山内一典をプロの役者に演じさせているが映画に出している。
ここに本作の制作者たちの並々ならぬ熱意を感じた。
全世界で(2018年5月)累計8040万本超の販売数を誇る"ドライビングシミュレーター"がどれだけの人たちに支持され、それを作った人間をどれだけリスペクトしているかわかるってものだ。
この映画ってハリウッドの大予算を使い『第九地区』のニール・ブロムカンプを監督にし、キャストにオーランド・ブルームにデヴィッド・ハーバーという強力な布陣。
同じように全世界でリスペクトされて作られた筈の『ドラゴンボール・エボリューション』のような失敗にはならなかった。
スタッフの作品を作る衝動とか熱意が『グランツーリスモ』と『ドラゴンボール・エボリューション』で同じだとしたら、差は監督の力量の差というところなのかな。
ハリウッドが日本発のものを映画の題材として取り上げる事は少なくないが、それでもどこかその日本発のものは真剣に作ってくれないものなのではないかとなんとなく思っていた。
その点本作はかなり例外なのかなとも思う。
映画の内容は"ドライビングシミュレーター"『グランツーリスモ』で高得点をマークした者を本物のレーシングカーのレーサーにしてしまおうという、冗談のような実話である。
オイラがそんな引きこもりのゲーマーがモノホンのレーシングカーを転がせるはずはないだろうという疑念は実際そうで、劇中でもシムレーサー("ドライビングシミュレーター"のレーサー)はメカニックのオヤジに半笑いでバカにされたりする。
"ドライビングシミュレーター"がどんなに精巧に作られていたとしても実際のレーシングカーのコーナリングの時の遠心力に耐えながらステアリングを操るなんてことはないのだ。
本物のレーサーはだからこそ身体も鍛えなきゃならないし場合によっては体重だってコントロールせなばしなくてはならないことだってある。
ポテチやコーラを飲みながら気楽に仮想空間で車を転がすのとはわけが違う。
しかも"ドライビングシミュレーター"ではどんな無茶をしても死ぬことはない。
だから実際のレーシングカーでは行えないような車の挙動すら"ドライビングシミュレーター"では可能ではあるが、それは実際の車でやったら紙一重で死ぬこともあるのだ。
事程左様にゲーマーをモノホンのレーサーにするなどというのは素人のオイラですらバカげたことだとわかる。
ただゲームが上手ければ本当のレーサーになれる、という仕組みは夢のある話だなとも思う。
開発費に何十億とかかるであろうレーシングカーを素人に預けるなんて博打は普通は打たない。
本作では日産がスポンサーとなってシムレーサーをリアルレーサーにするという取り組みをしていたが、日産とて慈善事業や夢だけでこんなことをしてるわけではないという事が劇中で語られる。
モータースポーツの振興のため、日産の利益の為、シムレーサーの選抜でも成績よりもフォトジェニックな者を選ぼうともしていた。
乗る人間の反射神経など本物のレーシングカーの挙動によって激しく制限されるはずなので"ドライビングシミュレーター"での反射神経の良さは本物のレーシングカーの前では役に立たないと言っていい。
ただリアルレーサーに対してシムレーサーにアドバンテージがあるとしたら、シミュレーションでとはいえ本物のレーサーよりも実際のレースコースを多く体験しているかもしれないという部分だ。
実際のレーシングカーで納得いくまで本物のコースを走り続けるなんてのは不可能だろうからね。
そして実際にこの取り組みでレーサーになった者は好成績を残している。
なにがどううまくいってこんなシムレーサーが本物のレーサーとして大成できたのか、いまだにわからぬがそれが事実だから仕方がない。
本作がまた悪人とか感じ悪い奴が全然出てこないんだよね。
オーランド・ブルームが演じた日産の広報が所謂サラリーマンで嫌な奴かなと思ったら、最終的にはシムレーサーからリアルレーサーになった主人公を心配しているのが分かったりして。
映画としては非常に後味が良くて面白いものであった。
# by 16mm | 2023-09-19 04:24 | 映画・Blu-ray・DVDの感想など。 | Trackback | Comments(0)

『グッド・オーメンズ』『ザ・ループ TALES FROM THE LOOP』

先週土曜日、糖尿病の診察。
久しぶりに病院で予約時間から1時間待たされる。
まあ土曜日だし仕方ない。
患者に対して丁寧に説明をしようとしたら時間がかかるのは当然だと納得している部分ではある。
自分の問診の時だって雑談含めて時間をとって丁寧に対応してくれてたからな。
で、一ヶ月半前の血液検査でのHbA1cの値が7.5。
今回処方してもらった薬を飲んで、更に森永トリプルヨーグルトも飲み続けての検査結果。
HbA1cの値が6.7。
・・・
う〜ん下がってはいるが、トリプルヨーグルトに薬だから4ぐらいになってないかと思ったんだが。
担当医師は血糖値のコントロールが上手くいっていると言っている。
本来HbA1cの値は6が上限であろうと思っていたが、担当医師によれば7を超えると合併症のリスクが高くなるので7以下なら上出来だとのことらしい。
とりあえず次回は11月にに診察なのでその頃にはせめて6を切っていればいいなと思っている。
薬を飲んでも下げ止まりになっていると今度は運動を真剣にやらねばならぬことになる。
それはできれば避けたいね。
現状糖尿病の教育入院はなんとか避けることができたので。
その他、尿酸値が若干高いのでその薬も処方してもらう。
薬代、高いなあ。


撮影画像を画像生成AIでレタッチ素材を作る。
今も昔も現状のAIが人間の脳みそを模した人工知能ではありえないのでインチキだと思ってるし、参照する情報について著作権などの問題も山積しているので、たとえば画像生成AIを使って丸々一つの作品を作るつもりはない。
あくまでも画像レタッチのための素材だ。
例えば履いているサンダルを他の靴に置き換えたいという時に足の部分だけの素材を出すということだ。
一応使ったのは"SeaArt"と"Adobe Firefly"。
"Adobe Firefly"はいまのところ枚数制限なしだが(じきに枚数課金性に移ることが決まっておる)"SeaArt"は1日の枚数が決まっていて試行錯誤するには課金するしかない。
課金してまでなあ、と言う気分と思い通りの画像が生成できるならお金出してもいいかなと思ったり。
"Adobe Firefly"のセミナーを受けた時、Adobeの説明員がやたらと3億点の画像データから生成するって豪語してたけど、3億点って決して多いとは思えない。
ただ"Adobe Firefly"は商業利用が可能なように参照画像が著作権フリーのもの限定となっているのが安心ではあるんだが、その分生成される画像はその他の画像生成AIに比べると見劣りすることがあるんだよね。



『花の雨が降る ROCAエピソード集』
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作品の内容も秀逸なのだが、やはり いしいひさいち の画力が堪能できる。
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ロカのこの表情の悩ましい事。
素晴らしいとしか言いようのない描線。
更に本書の最終頁の背景オンリーの
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画が圧巻。
すごすぎるとしか言いようがない。


『文藝春秋2023年9月号』『文藝春秋2023年10月号』
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目的は『君たちはどう生きるか』の作画監督を担った本田雄のインタビュー。
とにかくこの『君たちはどう生きるか』の作画に関わったスタッフの証言って先日発売されたSwitch誌と同じで本田雄しかないんだよね。
その他Switch誌ではCV担当のキャストのインタビューと鈴木敏夫と池澤夏樹の分かってるんだかわかってないんだかよくわからん対談ぐらい。
今回の文藝春秋誌の本田のインタビューはこのよくわからない『君たちはどう生きるか』という作品を読み解くためのガイドにするというよりは、本田が宮崎駿にどんな目にあわされたのか(笑)、という興味だったんだよね。
そもそも本田は『シン・エヴァンゲリオン劇場版 EVANGELION:3.0+1.11 THRICE UPON A TIME』の作画監督としての参加が決まっていたところを宮崎駿の泣き落としと鈴木敏夫の暗躍でほぼ無理矢理『君たちはどう生きるか』に引き入れられたようで。
なんか本田も色々可哀そうで、鈴木が庵野秀明に本田をジブリに出向させてくれと頼んだ際、当初こそ庵野は『エヴァ』の制作が始まろうというときに本田を手放すというのは野球でペナントレースが始まる間際に四番打者を取られるようなものだ、と固辞していたらしい。
で、あまりにも鈴木がしつこいもんだから庵野は最終的には本田の意思に任せると言っちゃった。
これってつまり庵野の了解は得た、後は鈴木が本田を説得しさえすれば良いということなのだ。
もうこれで本田のジブリへの移籍は決定したようなものだった。
鈴木も宮崎も恫喝と懐柔によって人を動かすのに長けているわけなので、普通鈴木、いや宮崎駿にお願いされて断れるアニメーターなどいないことを考えれば、庵野の一手は最悪なものだったろう。
これを読んで庵野ってつくづく傲慢なヤツだなと思った。
つまりそれは本田を束縛せずにやりたい方をやらせる懐の広い男、などではなく、おそらく庵野は本田なら迷いなく自分を『エヴァ』を選ぶはずだとタカをくくっていたんではないか?
それが庵野は本田がジブリと『エヴァ』で迷って逡巡している様、迷っているという事実だけで相談にも乗らず引き留めも満足にしないで見切りをつけたようなのだ。
本田もいきなり『エヴァ』関係の会議から締め出され、長年庵野の無茶ぶりに耐えながらやってきた作品から追い出されるような形になったことに精神的に痛手を負ったことは想像に難くない。
庵野って本当に人間関係の機微というものをわかってないな、会社を率いるボスの立場にありながら。
ところで本田と宮崎駿の仕事上の関係だが、あまりピリピリした感じがないように感じた。
『千と千尋の神隠し』時の作画監督 安藤雅司の時のような対立が生まれるような事態にはならなかったようだ。
それはまず宮崎駿が以前の宮崎駿よりも老いからくる性格の丸くなった様だとか、後はこれまで本田とは原画と監督としての付き合いはあったものの、作画監督と監督として深く付き合ったことがなかった所為もあるのだと思う。
対立構造が出るとしたら次作(があれば)からだろうな。
実際本田も宮崎が以前よりも表現を追求する力が衰えているように感じていたようだし、宮崎と本田が対立するようならやはり次作だろうなと思った。
そういう意味ではレジェンドの宮崎駿と一緒に机を並べて仕事をしたというのは得難い経験であるだろうが、仕事的には当初の予定通り『エヴァ』をやってた方がよかったんではないかね。
それどころか『文藝春秋2023年10月号』では『機動戦士ガンダム』の1stと安彦良和について熱く語ってるというか本当に文藝春秋の記事なのか?と思うぐらいアニメ誌に語るようなオタク大爆発な暑苦しい語りをしていて非常に好感が持てた(笑)。
本田雄って宮崎駿よりも安彦良和の方がマッチングするんではないかね。
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』 のような制作体制なら安彦も多少の無理でアニメーションが作れそうだから、その時には安彦と本田という組み合わせが見れることを期待したい。


『グッド・オーメンズ シーズン1』
『グッド・オーメンズ シーズン2』

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『グッド・オーメンズ』というタイトルは以前、テリー・ギリアムが映画化しようとしていたらしい話は知っていた。
が、本作はギリアムは関わっていない。
が、オープニングのアニメーションのテイストや本編のヴィジュアルの効果などは紛うことなくテリー・ギリアム、というかモンティ・パイソン。
内容も皮肉が効いた天使と悪魔の物語、これだけでもモンティ・パイソンだよな(笑)。
慣れ親しんだ地球にハルマゲドンを起こさせないために天使と悪魔が結託して世界の破壊を回避させようとする。
このシーズン1が最初から映画の『オーメン』のもろなパロディで(笑)。
人間が信奉している天使や神という存在は人類が思うほどに優しい存在ではないのではないか、とか。
悪魔の悪意は偽悪であり、それが人間の度し難い行いをも許しをあたえるのではないか。
たとえばノアの箱舟の話、ノアの家族と一対の動物たちだけを助けて他は全部、女子供も病人も赤子もすべて助けずに洪水の藻屑にしてしまうというのは神としてどうなのか?
神を信じなくても、信じていない人間も分け隔てなく助けるのが神なのではないか?
こんなアイロニカルというか皮肉が効いた物語だ。
物語としては非常にLGBTに配慮したものであまりヘテロセクシャルなカップリングがない。
辛うじて男と女のカップリングがガブリエルとベルゼブブぐらい。
これも本来的に男と女ののか分らんが(笑)。
本作は『シーズン2』でとりあえず終了しているのだが、その『シーズン2』の最後に天使が非常に最低な事をして終わる。
天使と悪魔が長く共闘してきていながら、天使は悪魔が光の世界、白く濁りのない正しい世界につれていけば悪魔が喜ぶと思うという傲慢さをだしてきた。
分かり合えたと思っていた悪魔の絶望的な気分。
清く正しいだけでは世界は作り出せない。
人間は存在できないというのを悪魔の側から発したという事になる。
色々示唆に富んで非常に面白い作品であった。


『ザ・ループ TALES FROM THE LOOP』

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一つの世界観、一つの場所で綴られる短編の連作Sci-fi作品。
短編8話の連作でそれぞれ独立した話にはなっているが、各話相互に関連した結びつきがあるように作られている。
これ、非常に面白かった
特に第一話のヴィジュアル、
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バラバラになっていく家屋、氷柱を通す光、
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廃屋にそそぐ光と粒子etc・・・。
映像が非常に美しい。
この物語の原作って北欧を舞台にしているようだが、この映像作品の舞台はアメリカ。
やはり北欧の沈まない太陽、夜のこない世界の冷たさがあれば最高だったのにと思った。
映画でいうところの『ドラゴン・タトゥーの女』で描かれたような冷たく透徹な雰囲気こそが本作の物語にあってほしかった。
まあそれは言っても詮無いことではあるんだが、それがなくても傑作であると言える。

役者が子役から成人から老人まですべて完璧で最高の演者達。
オイラとしては『未来世紀ブラジル』の主人公の
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ジョナサン・プライスが出ててうれしかったということと、最後のエピソードに出てきた
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左の子役の面構えがすばらしい。
ラストカットがこの子役の顔のクローズアップで終わることからしてすばらしさのお墨付きなようなもので。
ちなみに右は最終話の監督をやったジョディ・フォスター。
物語は日常から地続き感のあるものの連作で藤子・F・不二雄のSFのような。
ボーイ・ミーツ・ガールがあり(実はボーイ・ミーツ・ガールではないんだけど)、老いをテーマにしたものあり、映画『転校生』のような入れ替わりがあり、LGBTのテーマがあり、時間が止まる話があり、一つ一つは真新しいテーマではないものの、それらの切り口をアップデートした見せ方をすることで非常に新鮮味のある物語群となっていた。
この作品の円盤(Blu-ray)が出るなら絶対買うんだけどな。
本当に美しい映像にリリカルとも言えるような内容だと思う。


今週末は歯のメンテナンス。
# by 16mm | 2023-09-12 16:04 | 映画・Blu-ray・DVDの感想など。 | Trackback | Comments(0)

『アステロイド・シティ』

ガソリンが190円台になっておった。
あぶなく約50リットルで1万円になるところ。
いったいこんな事態、いや、こんな日本に誰がした。
言うまでもないがこんな事態にオイラも加担してきたという自覚はある。
選挙に行かないのがカッコイイと思っていた大馬鹿野郎ですから。
大馬鹿野郎のオイラとて中学の社会科の時間で習ったよ、不景気の時は減税するもんだ、ということを。
逆に今の日本政府は税金上げる政策ばかり。
来月にはインボイスだと。
なにもオイラはクズの集まり国会議員の歳費ほどの給料が欲しいとは言わん。
せめて生活が成り立つ程度の、オイラのお気に入りの魚屋などがつぶれない程度の経済状況を求めているだけだ。
なんか知らず知らずのうちに500mlのペットボトルと思っていたお茶が400ml台のペットボトルに変わっとるがな。
こんだけ多くの国民が苦しんでいるのに減税をしない、関東大震災時に日本人以外の人達を虐殺した事実をなかったことにしようとしたり、第二次大戦時にアジア諸国で行った日本人の蛮行をなかったことにしたり、汚染水を処理水と言い換えたり、神宮外苑の再開発を推し進める都知事とか、直球の増税になるインボイスを推進する、国民の税金でフランス視察という名の旅行をするバカ議員。
こんなバカをする人間を我々の代表とした責任はオイラにもある。
あるのは分かるが、それでも政府与党に与する人間はおいしいおこぼれを貰ってるのか?
前述したがオイラは最低限の生活が成り立てば特別金持ちにならんでもいいわけよ。
良い給料もらってる財務官僚とか国会議員とて彼らが王様でいるにはオイラのような奴隷が必要なわけだよ。
奴隷が生きていられなくなったら王様の生活も成り立たないということがわからんか。
今の政府与党の奴らはバカなのか?
奴隷を生かさず殺さずではなく、完全に殺しにかかってる。
奴隷が死んだら王様とて生きられないという事がわからんほど愚かな奴ら。
こんな杜撰な事をやっているのが今の日本の国民の代表共だ。


□朝鮮人虐殺
関東大震災時のデマ。
朝鮮人が地震に乗じて暴動を起こした、とか、朝鮮人が井戸に毒を投げ込んだ、とか。
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人間の習性であるのか、それとも日本人の特性なのか、パニックという現象によって頭に血が上って異常心理になって呵責なしに他者を殺す、というだけでなく、非常に嫌なのだがその暴力性が狭い範囲の正義とが自警行為と結びついて正当化されなおかつ殺人が快楽のような酩酊状態を起こして発生した事件だったのではないか。
この朝鮮人虐殺については高校の社会科でも教えられるし、なによりもこれは日本政府も認めてるし公文書としても残っている間違いない事実だ。
それをこの虐殺はなかったことにしようという勢力が出てきた。
過去の話、昔話は時間が経つにつれて当事者が減り伝わっている言葉や記憶は曖昧になっていく。
だからこそ文書として、公文書として残してあるのだ。
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上図の田中角栄の言葉は戦争についてだが、昨今の朝鮮人虐殺についても言えることだ。
朝鮮人虐殺について徹底的に教え込まれた世代はそれについて疑いようもないので議論する必要もない。
ただ時間が経ち意図的に朝鮮人虐殺について懐疑的なデマを流すことで事実を歪めようとする。
このデマにさらされた世代が立ち止まらずにそれに乗っていくことに激しく危惧を感じる。
過去の残酷さを直視するのは誰でもつらい。
しかし、直視できないような事態を再び起こさないためにも過去の過ちに蓋をするべきではないのだ。
そしてまさかオイラと同じ世代の人間が朝鮮人虐殺をなかったことにしようとするヤツがいるとは思わなんだ。


先週土曜日、糖尿病の診察、だと思ったら一週間違い(笑)。
今週末であった。


先週土曜日、マッサージに行った。


『健康で文化的な最低限度の生活(12)』
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本作の当初にあったであろう生活保護ネタが時節柄きつくなってきたのか、後半は災害のサバイバルの話になっていて、これはこれで面白そうである。


『昭和天皇物語(13)』
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石原莞爾という人物に興味があるのは安彦良和の『虹色のトロツキー』で知ったからであるが、オイラの場合知識自体が付け焼刃故によくわからない。
好漢であるような気もしつつ満州事変を起こしたことでそれがその後の陸軍軍人たちの悪しき見本になった感は否めない。
本巻では米内光政が出てきた。
かわぐちかいじの『ジパング』に出てきて初めて名前を知った。
どちらかというと『ジパング』で描かれた米内は主人公たちに寄り添う人物として描かれていたが、本書で描かれた米内はやはり軍人らしく悪党に見えた。
生物学者であった昭和天皇が顕微鏡を覗いている画とアジアでの戦闘の画が交互にカットバックする。
なんとなく戦時における昭和天皇の当事者意識の希薄さ、というか、自分の預かり知らぬ事態になっていることへの逃避のようにも感じられる。
そして帝国軍人で五本の指に入るであろう最低最悪な軍人、牟田口廉也が登場。


『3月のライオン 17』

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主人公の桐山が破顔した笑顔はこの単行本の表紙が初めてではないか?
二海堂とともに本当に幸せな顔を拝むことができた。
出来れば桐山も本編でこんな笑顔が見たいぞ。
本巻までの多くが主人公たち以外の棋士たちのサイドストーリーが多めだった。
登場した人物のすべてに物語を作るのか?というぐらいにそのサイドストーリー多めは悪くはないのだが、本筋の物語が停滞気味になりそれはそれでもやもやしていた。
が、本巻になってやっと本筋の桐山と二海堂の暑苦しい対局から。
いや暑苦しいのは二海堂なんだけどそれはその対局を二海堂とのモノローグで描いているから。
二海堂が対局しながらその局面の思いを独白することで桐山がどんな人間なのかが浮かび上がる。
桐山が桐山自身を語るなんてことはできないわけなのでこの作劇の演出は非常に巧い。
緊迫した中での二海堂特有のユーモアを織り交ぜ決して重すぎにならない。
盤面でどんなに過酷な殴り合いをしようとも対局後は清々しい読後となる。
その他川本家長女のあかりの商売っ気のない商売の様を描いていてそれもまた微笑ましい。
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本巻川本のじいさんの言葉とナリがカッコイイ。
職人で最後のコマのポーズとかもイカシテル。


『恋人以上友人未満 1』
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Xで(Twitterじゃなくなったんだよな)紹介されていたのに興味が出て購入。
元AV男優とAV女優がお見合いして付き合い始める。
お互いの裸は知ってるけど、それ以外のつまりお互いの裸を知る前に知っとくべき人となりを後回しで知っていく。
なかなか面白そうな話だ。
短編で4巻ぐらいで終わっているのでちょうどいい。
話の展開上二人がセックスするのは最終話になるだろうと予想。
セックスにもつれ込むまでの物語のバリエーションなんてそうそうないし、意味なく引き伸ばすのはこの漫画のアイデアをつまらないものにしかねないからね。
続巻を買う予定。


『アステロイド・シティ』
『アステロイド・シティ』_c0022635_15345422.jpg
先週土曜日、109シネマズ菖蒲。
玉砕(笑)
ウェス・アンダーソンの映画を観て感想を書けば頭良さ気思われるのではないか?という気でいた。
つーかウェス・アンダーソンよく知らないし(笑)。
上図のキービジュアル見てもフランスのBDのようなルックに見える。
なんかヨーロッパ風な雰囲気がちょっと知的かしらと思ってたらウェス・アンダーソン、思い切りアメリカ人でテキサス出身。
もう最初っからズッコケてる。
ただウェス・アンダーソンの『グランド・ブダペスト・ホテル』はBlu-rayを買ってあるんだよな。
購入したのに未見なのだが(笑)。
このようにウェス・アンダーソンの映画って内容云々よりもビジュアルや雰囲気でジャケ買いさせられる感じなんだよな。
で、本作なんだが、もう最初っからうつらうつらしちゃって内容が頭に入ってこない(笑)。
シュールという言葉が相応しいんだろうけど、なにやってんだか最後まで分からず仕舞い。
この映画は静止画を楽しんだ方がオイラには合っていたのかもな。


今週末は糖尿病の治療で病院通い。

# by 16mm | 2023-09-04 04:20 | 映画・Blu-ray・DVDの感想など。 | Trackback | Comments(4)

『リボルバー・リリー』『バービー』『SAND LAND』

こんなブログに毎週駄文を書く忍耐力すらキツくなっている今日この頃。
一週間に一度文章を書き上げるという気力が乏しくなっている。
この自堕落さはいかんけど文章がなかなか思いつかないと滞るんだが、それでも日にちをあければなんかかけてしまうので、それ故書き上げが繰延になっていく。
悪循環だなあ。


またも長い夏休みだったが、またもダラダラと無為に過ごしてしまった。
休み最終日になってやっと多少やる気になって画像のレタッチなんかをし始めるも、なんで休み中にもっとやらなかったのかと今更後悔。
特に劇場で『SAND LAND』観た後は自分の不甲斐なさに愕然とした。
『SAND LAND』を作った(原作の鳥山明を含めて)人たちは怠惰になりたい気持ちと戦って(そもそもそういう人たちは怠惰になる気持ちはないのかもしれないが)作品を作り上げる。
こう考えると出来たものが傑作であろうが駄作であろうが何かを作り上げた人たちとオイラなどは同じ土俵に立ててすらいない。

2年前ぐらいからの懸念事項だったくるまのタイヤの交換を行う。
一番安いヨコハマタイヤでも12万円。
前買った時は10万円以下だったような気がするんだが・・・。


先々週土曜日歯のメンテナンス。
いつものように美形で剽軽なドS歯科衛生士女史に歯石を取ってもらう。
相変わらず健康面でマウントを取られる。
先生からソール・ライターのお高い写真集をいただく。
渋谷でやっている写真展に行ってきたらしい。
なんだかんだ言って写真にかなり貪欲な先生だと思う。


先週土曜日ヘアカット。
担当美容師に直接言われたことではなかったのでオイラも言い淀んでいた、彼の娘さんの話。
担当美容師はオイラに直接言ったと思っていたらしいが娘さんがいることをオイラはInstagramで知ったのだ。
微笑ましい父娘のInstagram色々ほっこりしていたのだが、なんとなく本人から娘さんの話を聞いていなかったのでこっちは話せずにいてそれがやっと解禁になった気分でうれしいものである。


『ザ・ファブル The second contact(8)』
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AmazonでKindle版購入。
『The second contact』終了まであと一巻。
思えばこの章ってファブル達のだいたい半径500m圏内での出来事だったよな。
出来事自体は非日常とはいえ、平穏に見える日常に隠れた些細な暴力性というのが大きな事態になるというリアリティが感じられた。
いずれ抗争になるにしても本章の最初の火種はクロの些細なケンカからだった。


『ROCA: 吉川ロカ ストーリーライブ』
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AmazonでKindle版購入。
分かってはいたが いしいひさいち の画の巧さに呆気に取られて脱帽せざるを得ない。
この『ロカ』という作品を知ったのは
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『いしいひさいち 仁義なきお笑い』というムックで とり・みき が いしいひさいち が描いたロカという女の子がいかにセクシーに描かれているかを語っていたのだ。
とり・みき わざわざ模写までして描いたロカはたしかに自分の思い描いていた いしいひさいち タッチとは明らかに異質で失礼ながらこんなセクシーな女の子も描けるのか?という驚きであった。
ただこの『ロカ』という作品がどの単行本に収録されているか分からず途方に暮れていたらこのほど『ロカ』だけを抜粋した本が刊行され速攻で購入。
作風は既刊のいしい作品同様シニカルでクールなものであるが主人公のロカの
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女子高生バージョンと
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歌手として歌っているバージョンの画が全く違う(笑)。
このギャップがすごい。
その全く違うという画をこんなにも魅力的に描けるというのが今更ながら驚いたのだ。
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このファイティングポーズのリアリティ。
すごすぎる。
いしいの画の巧さは知ってはいたがポーズの取り方や骨格の描き方をデフォルメしつつリアルにここまで描けるとは思わなかった。
オイラにもどこか4コマ漫画だから画なんてテキトーでいいんだろうぐらいに思っていたのが恥ずかしい。
画として真似してみたいようなタッチであった。
そしてこのロカという女の子の歌手を今を生きる人としてではなく
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かつていた人として描くことで実在感が増し、さみしさというか郷愁を感じさせる。
今更ながら いしいひさいち すげえ。


『SWITCH Vol.41 No.9 特集 ジブリをめぐる冒険』
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Amazonで書籍購入。
スタジオジブリ、というか宮崎駿が公開前も後も『君たちはどう生きるか』について何も語らないもんだから、公開当初は皆確信が持てずにおっかなびっくりでSNSなどで語っていたものの、いまでは皆開き直って結構色々語るようになった。
そもそも一月もすれば所謂アニメ誌"アニメージュ"とか"ニュータイプ"などで特集が組まれると思いきやそんなことにもなっていないよう。
特に徳間書店の"アニメージュ"は特集やるだろと思っていたがそんなこともなく(笑)。
しかも遅れて発売された映画のパンフは聞くところによると内容スカスカなものであるらしい。
買う価値がないと。
考えてみれば作った本人が作品の解説をするなんておかしな話で、宮崎駿も常々言っていることだが自分の言いたいことは作品にあるってことで、観ればわかる、後は観客次第、というのは、まあその通りなんだけど、みんながみんな宮崎駿ほどの教養人ではないのでわからんところもあるものだ。
分からないものをそのままにしたくない人は意味を知りたくなる。
手っ取り早いのが作った人に解説してもらうということなんだけど、これって作った人間にとっては苦行だよな。
作った人間は観た人間が理解できると思って作った挙句に理解できなかったと言われるのは結構きついことだよなとは思う。
だからオイラなどは自分のない頭で考えても分からない場合は、自分が信頼できるなと思っている評論家の解説なんかを聞く。
それで自分では見てなかった角度での作品解説を読んで理解の手がかりにする。
面白いものでどんな評論家の言葉であっても完全同意というものは少なくてあっちの解説こっちの評論家の言葉、と、情報がパッチワークのように自分の頭の中に形成されていく。
で、満を持して件の"SITCH"誌で最初のと言っていいだろう『君たちはどう生きるか』の特集が組まれた。
以前ならこの手の宮崎駿やジブリの特集だと渋谷陽一の"CUT"誌の独壇場だったんだけど、なんかあったのか?
とまあ邪推はありつつも件の"SITCH"誌は主に鈴木敏夫のインタビューと作画監督の本田雄のインタビュー。
宮崎駿のインタビューはない。
鈴木敏夫のインタビューは結構長そうなのでまだ読んでいない。
それよりも本田雄のインタビューに興味があった。
庵野秀明の『エヴァ』の劇場版を袖にしてまで参加した『君たちはどう生きるか』についての語りに興味があったのだ。
それを通じて宮崎駿と関係がこじれていてた安藤雅司とのエピソードなどもあり結構微笑ましいものを聞いた感じではあった。


『アンメット(12) ーある脳外科医の日記ー』
『リボルバー・リリー』『バービー』『SAND LAND』_c0022635_20594629.jpg
AmazonでKindle版購入。
病院の生臭い話があり、その中での正義感の通し方などが非常に心地よい。
障害者対策というものの難しさ、オイラ自身も敬遠していた問題が突きつけられる。


『リエゾン(14) ーこどものこころ診療所ー』
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AmazonでKindle版購入。
本作で扱われている児童養護施設。
自分の中でも偏見があると自覚した。
本作を読みつつその偏見を少しでも是正したいと切に思っている。
どうしたらいいか?


●山本二三 死去
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2023年8月19日。
胃がんで70歳で死去との報。
山本二三の仕事は神々しいとしか言いようがない。
どれが好きかと特定するのもおこがましいのだが、一番最初の衝撃は『天空の城 ラピュタ』の冒頭のシーン。
断崖のような雲の間を進むタイガーモス号のカット。
これを劇場で観た時の衝撃は今でも忘れない。
雲の果てしない立体感というか本当にスクリーンが凹んでいるかのような錯覚。
これオイラだけでなく劇場で観た人の多くはひっくり返ってた。
わざわざ口に出して「すごい立体感」とつぶやいた観客もいたんだから。
ただこの衝撃は劇場のスクリーンではないと十全に味わえない。
後々TVで観たら変わらず立体感は出ているものの、劇場で観た時の衝撃までは感じられなかった。
絵筆で描いたものがここまで立体的に見えた衝撃を体験できたことのなんと幸せな事か。
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山本二三のエピソードは色々ある。
例えば上図の画は『名探偵ホームズ』のものだ。
壁紙に注目すると単なるストライプではなく間に四葉のクローバーのような意匠が描かれている。
これ、この画一枚なら良いけどこの部屋が出るときには必ずこの四葉のクローバーを描かなければならないことの面倒くささ。
アニメーションで背景を描く人だって枚数を描かなければお金にならないのは言うまでもない。
それこそ背景の上にキャラクターのセルがのれば壁紙が単なるストライプだろうが気にする人はそうはいないはずなのだ。
しかし山本二三は製作上自分で自分の首を絞めることになってもそれを止めなかった。
手を抜く、妥協をすることで残るであろう作品に後悔を残したくない。
もっと言えば観ている観客が壁紙のクローバーに気が付いてくれるかもしれないという希望。
これはおそらく山本の苦労をわかってほしいというものではなく、その壁紙に気が付いた時に作品がリッチに見えて観客が喜んでくれるだろうという希望だと思う。
同じく『名探偵ホームズ』で精密に描いたロンドンの街並みに霧の都を表現するのに水を含んだ刷毛で描いた街並みをぼやかす。
どうせぼかすならそんなに精密に描かなくても、と言われても、自分はこういう描き方しかできないからとつぶやいたとか。
職人のはた迷惑さは十分に分かるが、山本のように半歩でも自分の理想ににじり寄る努力や意思というものは尊重するというか尊重して然るべきだとも思う。
今回山本の事を書くにあたって、若いときの画像を掲載したかった。
あまりないんだけどなんとか一つ見つけた。
70歳なんてまだまだ早いよ。
ほんとうにまだまだ才能ある作家と組んで作品を観たかった。
いつも思うけど「死んでまえ」と思うようなヤツは長生きで、なぜこの人がという人が早世してしまうのを理不尽としか言いようがない。
心を豊かにしてくれる作品を作ってくださった感謝と心よりのご冥福をお祈りいたします。


『リボルバー・リリー』
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ネタバレあります。
8月12日。
109シネマズ菖蒲。
ガンアクション、綾瀬はるか、行定勲、第二次大戦前の軍部、etc・・・。
自分としては興味のあるトピックス満載で期待していた。
特に綾瀬はるかの格闘のアクションはよかった。
特にパンチを繰り出す時の腕の引き具合がすごくよかったと思う。
が、オイラの観た印象としては期待していたもの以上の余計なものが入っていたり、期待していたものが抜けていたりとした作品となった。
荒唐無稽な設定の中でぎりぎりリアリティを保っていたと思ったが、オカルトの要素は全く余計であったと思わざるを得ない。
期待していて抜けていたもので言えばヴィジュアルに官能性が乏しくて残念に思った。
主にライティングとか構図なんだけどね。
やっぱり撮影監督次第なのかなあ。
それと抜けていたものの最たるものが佐藤二朗の扱い。
佐藤の役所の落とし前が致命的についていない。
綾瀬はるかとその息子の感情的な繋がりがとぼしい。
これはオイラの主観であるが綾瀬はるかの髪型がいまいち好きになれなかった。
全体の世界観はオイラの好みではあるんだが・・・。


『バービー』
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8月12日。
109シネマズ菖蒲。
皮肉が効いていて非常に面白かった。
冒頭の某超有名なSci-Fi映画のパロディからハートを鷲掴み。
この映画バービーというおもちゃにある程度知見があって尚且つそのおもちゃが発売された時の時勢や会社のことなどを知っていた方が面白さがわかる。
全体がピンクの画面でおちゃらけていると思ったら大間違い。
かなり硬派な作りになっている。
初見でわからなかったところはいつものように
BLACKHOLEの面々に解説してもらって理解できた。
特に最後のショットがわからなかったのを明快に解説して理解できた。
Blu-rayを買うつもりなので再見がすごく楽しみである。


『SAND LAND』
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先々週土曜日、109シネマズ菖蒲。
予告編を観て楽しみでしょうがなかった作品。
アニメの『ドラゴンボール』は観ていないので面白さは分からぬが、この『SAND LAND』は原作を読んで知っており、鳥山のミリタリー趣味が出ていて非常に面白く感じていたのだ。
戦車と銃器が非常に魅力的に描かれていて、今回の映画を観るまで忘れていたのだが、劇中で戦車の内が非常にうるさい(駆動音から銃弾が当たる音の響きで)という描写はすでに原作でもなされていた。
本当は悪魔のようなクリーチャーではなく全部人間のキャラクターの物語が良いなとは思っていたが、鳥山ほどの絵描だともう人間なんて造作もなく描けてしまうので退屈でつまらないのだろうな。
オイラとしては1981年の『週刊少年ジャンプ』の愛読者賞1位となった
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『POLA&ROID』ようなキャラクターの造形ならもっと感情移入できたと思うんだが・・・言っても詮ないことだ。
とにかく本作の劇場版映画、文句なしに面白い
どのくらい面白いかと言えば、『君たちはどう生きるか』を観て人生の悩みを持たざるを得ないような強要される映画よりも、その昔宮崎駿がやっていたような漫画映画の心意気が本作には備わっていると思う。
劇中で出てくるメカは鳥山のテイストそのもので柔らかくリアルだ。
鳥山メカが動くという醍醐味が十全に楽しめたと言える。
ハリウッド映画での映画化で原作者の意に沿わない作品を作られたが、その雪辱を日本のアニメで晴らしたというのは痛快であったろう。
本作アニメーションなので原画がありアニメーターが画を描いてもいたが動きをモーションキャプチャーをガイドにもしているようだ。
しかもこれまでのモーションキャプチャーを使った多くのアニメってモーションキャプチャーの動きを全て使っていたから余計な予備動作まで入っていて非常に鬱陶しい。
モーションキャプチャーでアニメーションをすると実写以上に動きが強調されるせいか採取した動きを全部無編集に使うと見づらいということがあるんだと思う。
その点本作はモーションキャプチャーでの自然で整理された動きのみを編集して使っていた所為かリアルでありながら動きが整理されていて非常に良かった。
モーションキャプチャーは便利で精密であるからその動き全部使えば良い動きになるということはないのだと思う。
適切に見せたいポイントに絞ることで動きに力感が出るんだと思う。
そういう意味では本作の動きはアニメーションの動きの楽しさもあった。
物語自体も原作を適切にアレンジしているのも好感が持てるし、演出家は良い仕事をしていると感じた。
キャラクター・ヴォイスでは主人公のベルゼブブの声の
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田村睦心が良かった。
オイラの中でこの人といえば『映像研には手を出すな!』の
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金森サンなわけだが、この声とも違う非常に手練れの声優だと改めて納得した。
非常に魅力的。
更に観ている時は気がつかなかったのだが、劇中でてくる脇のキャラというか憎めない悪役の
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スイマーズのパパ役が杉田智和。
そういうもんなの?
杉田ほどの役者が主役でない役を?
まさかこのスイマーズのパパを杉田に当て書きしたとは思えないので、更にまさかの杉田がオーディションでこの役取ったということか?
すげえな杉田。
役への貪欲さというかすげえ役者だよ。
とまあ、かなり大絶賛だが、劇中ちょっとふざけすぎて周りのトーンに合ってない演出もあるがそれは目を瞑る。
とにかく大満足。
これは蛇足なんだが原作者が本作を描いた当時も、多分この劇場版を作ったスタッフもさほど意識はしていなかったと思うのでオイラの勝手な解釈ではあるんだが、この映画の物語って国王が水を管理していてそれを国民に高値で売りつけるという事をやってるわけ。
で、オイラはこの件を観て真っ先に
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この左端のバカ様の顔とやろうと目論んでいる所業を既視として感じたよ。
宮崎駿が言うように"時代の子"としてのアニメーションは何かしらその時代を写すものだと言う事なのかなと納得した次第。
これもBlu-rayが楽しみ。
気に入ったので久々にパンフも買ってしまったしね。


今週末は糖尿病の検診。
一月以上血糖値を下げる薬を飲んでどれほど下がったか楽しみではある。

# by 16mm | 2023-08-20 11:03 | 映画・Blu-ray・DVDの感想など。 | Trackback | Comments(4)

『モリコーネ 映画が恋した音楽家』『飄々 ~拝啓、大塚康生様~』『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』

ブログの週初め更新が週末ギリギリ更新に常態化してしまっておる(笑)。
基本自分のために書いている文章ではあるのだが、こんな面倒なブログでも世界で8人ぐらいは読んでくれているようなのでその方々には申し訳ない事だ。
しかも前の週のオイラの無様さを記録するのを目的にはしてるんだが、週の終わりになると前の週の記憶もかなり怪しくなってネタが出てこない(笑)。
もはや記録の体をなしておらん(笑)。


先週土曜日、歯のメンテナンス。
いつものように美形で剽軽なドS歯科衛生士女史に歯石を取ってもらう。
糖質について女史と軽口を言い合う。
先生とライカ話。
最近のお気に入りのYouTubeを教えてもらう。


『モリコーネ 映画が恋した音楽家』
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Amazonで[Blu-ray] 購入 。
オイラは別にアカデミー賞にとことん価値があるとは思っていない。
が、モリコーネは米映画にも相当数の音楽を提供しているのにノミネート留まりだったし、後年アカデミーの名誉賞とか、<クエンティン・タランティーノがかなり動いたらしいが>『ヘイトフル・エイト』でやっとオスカーの作曲賞受賞。
例えば『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』が公開された年、このサウンドトラック以上の音楽作品がある映画があったか?
アメリカのアカデミーでは無視されたが、英国アカデミーでは『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』でエンニオ・モリコーネは作曲賞を受賞している。
米アカデミーの会員は揃いも揃って節穴揃いか、己の審美眼で作品を選んでいないということではないのか?
そしておそらくエンニオ・モリコーネの名前は知らなくても多くの人はその曲を知ってると思う。
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』『アンタッチャブル』『ニュー・シネマ・パラダイス』は聴いたことのある人は多いだろうし、聴いたらよっぽどのへそ曲がり以外はそのメロディーに感動するだろう。
オイラも映画は難しそうで敬遠していたがこのドキュメンタリーで『ミッション』の音楽もかかっていたのだが、それで作品そのものにも興味を持つようになった。
賞に恵まれなかったという部分ではモリコーネ自身は忸怩たる思いはあるだろうが、聴いているオイラはどうでもいい。
生涯にわたり神がかった、感情を揺すられるような音楽を聴かせてくれたことに感謝しかない。
ちなみにこのドキュメンタリーの監督は『ニュー・シネマ・パラダイス』のジュゼッペ・トルナトーレ。
非常に感慨深い。


『飄々 ~拝啓、大塚康生様~』
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prime videoで視聴。
わざわざ余計にお金を払ってでも観たいとおもった。
大塚康生だからだ。
アニメーターとして煙たがられずに純粋に慕われた人って大塚康生以外に思いつかないほど温厚で人格者だったようだ。
宮崎駿とか安彦良和などは技術とか才能面では文句ないのだが少なからず性格の感じの悪さなんかが出てたりするんだが、大塚に関してはオイラが知る限りそれがない。
特に宮崎駿とか高畑勲には敬遠されていたらしい安彦良和にも大塚康生は優しかったらしい。
オイラは高校生の時分
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『作画汗まみれ』というこの本で大塚を知ったんだ。
その時は安彦良和は知っていたが宮崎駿の名前はこの本で知ったぐらい。
大塚康生の名前もこの本で知ったぐらい。
当時は絵描の人の本だということで興味を持った。
画が好きで動かすことに死に物狂いでありながらユーモアのある人だという印象。
これはオイラだけでなく富野由悠季や高畑勲にいたるまで印象が共通している。
晩年には貞本義行に目をかけて可愛がっていたという、妙な色眼鏡で見ないような人だったんだろう。
大塚の生前の動いている姿というのは押井守の
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『紅い眼鏡』でしか観れないと諦めていたんだが、このドキュメンタリーでその声や佇まいを見ることができたことが幸せであった。


『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』
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先々週土曜日、109シネマズ菖蒲。
本当かどうかわからぬが本作ってプロデューサーのトム・クルーズがこんなアクションをやりたいと言って、それを実現させてからそのアクションに当てはまるストーリーを作るという作り方らしい。
そういう作り方もあるのかと感心するが、これアクションを表現したいではなく、あくまでもトム・クルーズがやりたいというアクションなんだよね(笑)。
スタントマンにやらせるんじゃなく自分がやりたいというアクションってこと。
60歳過ぎのおじいさんが大きく太ももをあげて長い距離を全力疾走する姿というものに感動するということがあるという事実が本作が支持される理由であるとこは間違いない。
結構トム・クルーズというと半笑いの対象になってはいたのだが、ここまで自分の身を削っているなら笑えないよなと思う。
意地悪く見ればスタントもCGのトムがいるんじゃね?とか思ったりもするが、走行している列車の屋根上でのアクションは実際の列車の上でやってたとか、狂気のさただ。
現状で言えばブルーバックやCGで役者やスタッフの安全を担保できる方法はあるし、そして危険がない分制作上での保険料は安くなるのにトム・クルーズはプロデューサー権限でそれをやらない選択をしてきた。
先行していた『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』 でも列車の屋根でのアクションはあったがあれはブルーバックの上に役者はハリソン・フォードですらないCGアクターだ。
出来上がった映像に感情的な部分が写ってるとは思わないが、生身の人間がやっていると知った時にグッとくる気持ちはある。
しかしだが、実はこの映画の内容が頭に全く入ってこなかった(笑)。
困ったものである。


来週末は心療内科。

# by 16mm | 2023-07-29 13:16 | Trackback | Comments(0)