『夢と狂気の王国』

世の中サッカーですな。
サッカーにまったく関心なく、日本代表が勝とうが負けようが知ったこっちゃないというオイラの態度は非国民とさえ言われかねまい(笑)。
いや、それどことか、オイラはサッカーを憎んでさえいる(笑)。
先週木曜日、なでしこジャパンの試合があって、それがこともあろうにTV放映の時間が一時間以上もズレやがった(笑)。
その結果......『BORDER』を録画し損なって観れなかったやないけえw。
憎い。なでしこ憎し。サッカー憎し。サッカーのサポーターも憎い(笑)。
ただこのドラマ、夜中に再放送をやってるようなのでその放送を忘れずに録る事にしよう。
やれやれである(笑)。


先週土曜日、歯のメンテナンス。
いつものように美形で剽軽な歯科衛生士女史に歯石をとってもらう。
治療後、先生と雑談。


本日日曜日、岩盤浴、赤外線サウナ、ストレッチ。
このところストレッチをやるのが面倒くさく感じる。
一応首回りはやったけど(笑)。


僕らはみんな生きている』
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今から22年前のマンガを通読した。
当時週刊スピリッツを買って読んでいたが、当時この漫画はピンとこず、かなり斜めに読んでいた気がする。
バブルの弾けかけぐらいの時期ではあったがメディアミックスwなんていうプログラムで漫画と映画が同時に制作されていたものだ。
当時、映画も観ていて印象としては漫画よりも面白く感じていた様に思うが、その肝心の映画がどんなものだったかまったく覚えていない(笑)。
で、ふと、漫画版のクライマックスの展開を唐突に思い出してもう一度通読してみたくなった。
歳の所為だろうか?すごく楽しんで読めた。
22年前の多少ナリとも自分の仕事や生き方に夢や希望を持っていた浅はかなバカだったオイラに、本作の持つ暗さが分かる筈もなかったよね。
当時のオイラはなんの根拠もなく、本作で描かれているような事態に陥るなんて事はないだろう、なんて楽観的だったかもしれない。
さて、本作のラストカットの意味と重さ。
あと20年経ったら完璧に理解できてるだろうか。


『のりりん(9) [Kindle版]』
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レース編とも言うべき物語が続いている。
掲載雑誌を一週おきに読んでいるよりも面白く感じられた。
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今回は上の台詞にやられたかなあ。
あ、これも物語の流れで読まないと分かり難いだろうけど(笑)。


『Art Models 8: Practical Poses for the Working Artist (Art Models series) [Kindle版]』
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この手の画像は別に普通に画像検索しても手に入れられるんだけど。
あまりデッサンの練習にならないという事は分かっているが、現状とにかく鉛筆を動かす事が先決であると思い、これを見ながら落書き中である(笑)。


『おにぎり通信~ダメママ日記~ 1』
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AmazonでKindle版購入。
結構楽しみにしていたのだが、いまいち。
同じようなテーマの漫画が結構乱立している所為か、そのカテゴリー自体のレベルやハードルがあがっていると思われる。
有名漫画家の日常を描けば面白いってわけではないってことやね。


先々週購入した『映画撮影監督が選ぶオールタイム外国映画ベストテン』を読んで、それぞれ撮影監督が好きな映画と影響を受けた撮影監督をあげてる。
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やはりというか、やっぱり一番はヴィットリオ・ストラーロみたいやね。
ロジャー・ディーキンスも信奉者が多いみたい。
オイラならヤヌス・カミンスキーやダリウス・コンジが好きかなあ。


『NANASE』
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全4巻。
原作が筒井康隆の名作中名作なわけだけど、それを山崎さやかコミカライズした。
やっぱり面白い。
山崎の初期作品とも言える。
初期なので若干まだ線の硬さがあるものの、むしろその硬さが作品にマッチしている感じ。


『夢と狂気の王国』
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AmazonでBlu-ray購入。
劇場公開時の鑑賞からの再見。
宮崎駿とジブリのドキュメンタリーはこれまで色々観てきたが、そのほぼ全てが男性演出家によるものではなかったろうか(ちゃんと調べてないので間違いかもしれんが)。
そういう意味では女性の演出家がハヤオとジブリをドキュメントしたことに意義があったなと、本作を観て感じた。
ドキュメンタリーというものは限りなくノンフィクションに近い形で演出する形態のものだとオイラは理解している。
演出というのはなにも演技をつけるだけではない。
膨大に撮った素材を取捨選択すること、編集段階での演出もあるのだ。
どんなシーンを活かして、どんなシーンを削るのか。
演出家は観る側を一定方向に観方を誘導する。
今までの宮崎駿とジブリのドキュメンタリーで言えば、必ず入っていたのがハヤオの激怒シーン。
これはドキュメンタリーを撮ってる人間にとっては無茶苦茶オイシイ素材だよね。
温厚な紳士に見えるミヤザキさんがスタッフに怒鳴り散らす。
芸術家とはかくあるものだというね。
ある時はステテコ姿で怒鳴るハヤオというのもあったっけ(笑)。
それはそれで観れば面白かったけど、オイラも歳の所為かそんなプンプン丸のハヤオを観るのは一度でいいなあ(笑)。
本作は砂田麻美という女性監督が主にカメラをまわし、インタビューをしているようなのだが、まあ性差別と言われるのを覚悟していえば、女性の利点を最大限に活かした作品になっていると思う。
一応褒め言葉のつもりですが(笑)。
砂田監督独自のものなのか、それとも女性ならではのものなのかは分からぬが、このドキュメンタリー、ハヤオの激怒シーンがイッコもないんだよね(笑)。
約一年にわたり現場に張り付いたわけだから確実に激怒しているハヤオの素材もある筈なんだけど、それを絶対意図的に落としてるんだよね。
それでいて宮崎駿は怒ってないかと言うとそうではなく、押し殺した怒りというものをちゃんと分からせる様にも作っている。
この一点に関してだけでも他の幾つもあるジブリのドキュメンタリーとの違いが明白になっている。
本作を観た人はだいたいハヤオを好きになるんじゃないかね(笑)。
荒井由実の「ひこうき雲」のCDをかけながら鼻歌を歌うパヤオw。
パヤオ、ラブリーw。
パヤオ・ラブ、だとか。
パヤオ、カワイイ、とか(笑)。
タイトルに"夢と狂気"と謳っているいるので、絶対にハヤオの激怒の嵐が観れると踏んでたら肩すかしをくう。
オイラがそうだったから。
"狂気"=激怒というのは言ってみれば俗で単純すぎる図式だったね。
オイラはそういう見方をしてたから不明を恥じているが。
"狂気"という部分で言えばやっぱラジオ体操だね。
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この冒頭に出てくるラジオ体操のシーン。
宮崎駿をはじめジブリの作画スタッフがほぼ全員一斉にラジオ体操してる。
それと交互に別室で鈴木敏夫が売り上げに関する生臭いカネの話を展開。
ラジオ体操、カネ、ラジオ体操、カネ、ラジオ体操......
とクロスカッティングでそれが交互に描写される。
夢を作るという場でありながら、カネという俗な現実からジブリとてのがれられないわけだが、この両者がまったく別次元に見えてしまうのよ。
このラジオ体操がなんとなく異様に思えてしまうんだよね、オイラとしては(笑)。
オイラだったら皆と一緒にラジオ体操なんて誰がやるかいと思っちゃうタイプなんだけど、ある種クリエイティブの先端にあるジブリのスタッフのこの画一化されたラジオ体操の風景がものすごく異様に見えた。
個性的な集団である筈の人達が画一化されたように動くその様にちょっぴし背筋が凍る。
実はこのイズムがジブリなんだよね。
本作で庵野秀明が宮崎駿について
「すべてのスタッフはミヤさんの下駄だ」
というところがある。
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宮崎駿の信頼の厚い動画チェックの舘野仁美も↑のような事を言っている。
つまり、ジブリのスタッフは宮崎駿の為だけに人生を捧げ、作品の僕ではなく、宮崎駿の僕になれるものだけがいるところだと言っているようなものだ。
人望があり、才能にも恵まれたナチュラリストな好々爺というオフィシャルな宮崎駿のイメージではなく、独裁的で頑固な偏屈オヤジという部分が映画を制作する宮崎駿なのだ。
多かれ少なかれ映画監督というのはそういう者かもしれんけど。
自分の周りで考えれば、会社で一人のリーダーが絶大な力技とカリスマ性で他の社員を引っ張っていくってことはないもんね。
オイラなんかまっ先に叛旗を翻す方だしさ(笑)。
一人の人物に向かってまとまるってのは現実的にあり得ないと思う。
その画一性とかの象徴をラジオ体操にみてしまったのだと思う。
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これも象徴的なシーンだけど、なにをやってるかというと宮崎駿がヤクルトおばさんからヤクルトを買ってるところなんだよね。
ヤクルトおばさん、ジブリの内に入ってきてるがな(笑)。
オイラの会社でいえば会社の入り口と作業部屋に入るところと計三カ所をカードキーを使わないと入室できない様になっている。
所謂セキュリティの関係の話なんだけど。
なわけで、昔は社内を闊歩していた保険のおねえさんなんかも出入りできなくなってる。
今ちょっと大きな会社だとみんなそうだ。
それが良いとはオイラも思わんけど、ジブリは宮崎駿が「いい」といえば誰でもノーチェックで入って来れる環境なのかね?
くだらない会社の一般論に従わずにできるというのは非情に良い事だと思う反面、やはり宮崎駿以降は徐々にそうはいかなくなってくるかなと思う。
宮崎駿も今後ジブリは立ち行かなくなると明言している。
まあそれはともかく、劇場で観た時には長く感じた本作であるが、Blu-rayでみたらまったくそんな感じはおこらず。
ジブリと宮崎駿に興味がある人は観て損はない。

by 16mm | 2014-05-25 23:04 | 映画・Blu-ray・DVDの感想など。 | Trackback | Comments(2)
Commented by chata at 2014-06-01 23:53 x
山本直樹の作品て妙にエロいですよね。
汁の描き方がうまいのかなw
パヤオの原動力はヤクルトだったのかーw
Commented by 16mm at 2014-06-02 06:01
◼re:chataさん

>山本直樹
信じられんだろうが、20代の時はそのエロの露骨さがイマイチ苦手だったですよ(笑)。
今はそんなことないけどw。
汁と毛の書き方と貧乳さ加減が割と今ではツボでございますw。

>パヤオ
『ナウシカ』の頃、ラジオでファンから「先生」と呼ばれて即座に「先生というのは止めて下さい」と言い返したパヤオでしたが、ヤクルトのおねえさんから「先生」と呼ばれても普通に受け答えしてましたなw。
自分が「センセー」になったと思ってるというよりも、一般人の自分に対する呼び方にさほど神経質に頓着しなくなったというところですかね(笑)。
それでも伝聞で聞くところによると、ビートたけしが『股の下のポニョ』と言った時には激怒したとか(笑)。


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