『白い巨塔』(2019年)

先週土曜日、歯の治療&メンテナンス。
いつものように美形で剽軽なドS歯科衛生士女史に歯石を取ってもらう。
歯茎の状態が少々悪いとのことで使用歯ブラシの変更を提案される。
極細毛の柔らかいブラシに変更。
とりあえず次の治療まで使ってみることに。
歯ブラシは割と使い捨てと割り切ってひと月ぐらいで交換するようにしているが、極細毛の柔らかいブラシだともっとモチが悪いと考えられる。
オイラの場合ならちょうど二週間で極細毛の柔らかいブラシを使い切る感じでブラッシングするつもりである。
先生に奥歯の治療。
次回で治してくれるとのこと。
まあその辺りは全く心配していない。
新製品のカメラ情報が全くないねえと二人で雑談。


本日日曜日、銭湯に岩盤浴、ストレッチ、ジェットバス。
あ、体重計り忘れた。
いち日に取るキクイモパウダーの量を多めにし始めた所為かなんとなく色々調子が良い。
印象なので実際はどうかわからぬが。


先週は特に特記事項なく。
ただ色々面倒くさい状況に閉口しつつある日常。
通常のサラリーマンならどってことないことなんだろうけど、まあ環境的に甘やかされてきたから多少の面倒ごとでも辛くなるもんだねえ(笑)。


地元では観たい映画も特になく。


『白い巨塔』(2019年)
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vaioで1話から4話途中まで録画視聴。
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驚いたこどだが唐沢寿明版が2003年だったと(笑)。
16年前とは(笑)。
印象的には6〜7年前ぐらいなんだよな。
オイラは小学生の頃午後のTV再放送で田宮二郎版を観たんだけど、ガキながら面白い話だなあと思って観てたっけ。
なんつーかガキのオイラの印象もさることながら、何度も主演を変えてリメイクされているのは原作の持つ魅力と力強さに他ならない。
唐沢版といえば
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西田尚美、エエなあ(笑)。
本作岡田准一版だと亀山君子の役はかなり小さくなっている印象。
まあ時節や演出などで物語の膨らませ方が違うからねえ。
1963年に原作小説の連載が始まったわけだが、当然オイラは生まれてない(笑)。
なので岡田准一版にあるようなタブレットや腹腔鏡手術なんてものはなかったので現代に合わせて脚色がなされている。
医学的な部分は原作小説のそれは現代に合わないものも多いのだろう。
しかし、その原作の中にある人間人間模様というものは今に至っても普遍性を獲得していると思う。
患者のために患者を治そうという理想を持つ医者。
強大な権力の地位から落ちてその後継者にそれまでの自分の傲慢さを感じた医者。
医学部教授の肩書きのみに奔走する医者。
主人公である財前五郎という男にオイラを含めた観る側は一定のシンパシーを感じていると思われる。
この財前五郎って自他共に認める所謂"上級国民"の為の医者、"上級国民"に仕え自分の為に患者を治す医者だ。
つまりね、オイラを含めてこの作品を観ている人間の多くは、実際にはこの才気走った外科医に患者として扱ってもらえない筈なのだ。
金も地位もないようなオイラのような人間は財前にとって治すに値しない。
自分の為に治す価値のない人間っちゅうことやね(笑)。
この悪漢な主人公が自分の野望に押しつぶされていくことで我々のような人間の溜飲をさげさせる、つまり、最終的には悪は滅びる、勧善懲悪のしめくくりに感情移入するのかもしれない。
ただ、財前が地位を登っていく過程においては所謂"上級国民"以外の患者になんて面倒なことにかかわってるんじゃねーよ(笑)という気持ちもオイラにはあった。
ピカレスクというものに対するロマンなのだな。
美しいものを持っている人間はどんなに傲慢になってもいい、そんな気持ちがオイラにはあるんだと思う。
ただし、その美しい傲慢さはいずれ消滅してもらいたいとも思っている。
それが本作の魅力なのかなあ。
ところでこの『白い巨塔』(2019年)って画面の作りがリッチなんだよね。
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1話冒頭から神奈川県横浜市にある大さん橋をガツガツと歩く人の群れの描写。
コンクリートやアスファルトでなく、木の床というのがオイラには新鮮だった。
これってさ
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『ハチミツとクローバー』でも出てきたこれだよな(笑)。
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分かりづらいけど1話冒頭。
人物の背後からの画を撮りながら鏡で表情と捉えるという凝った構図。
それぞれの鏡にそれぞれの人物が写っている。
これってさ、役者の立ち位置からライティング、鏡の角度などものすごくめんどくさいことやってるんだよね。
海外の映画、例えばベルナルド・ベルトリッチの『ドリーマー』なんかは鏡を効果的に使ってたけど、映画だからできる手間だと思うんだが、このTVの製作者は財前並みに野心家がいるらしい(笑)。
オイラ、鏡を使った画が好きなんでね。
これだけでなく、ちょっとあざとい部分もあったけど、かなり積極的に鏡による反射の画を使っていると思う。
実像と虚像の並列化を効果的に視覚化している。
すごいなと思う。
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ロケーションはかっちょいいんだけど、屋内は所謂TVな感じのライティングなのは、まあ、しょうがないか(笑)。
最終話をとりあえずこれから観るつもりである。
やっぱ面白いね『白い巨塔』は。
これをつまらなくしかできないのは罪だろうね(笑)。


今週末はヘアカット。
今週はうんざりするような面倒くさいことが多くありそうである(笑)。

by 16mm | 2019-06-02 19:48 | 映画・Blu-ray・DVDの感想など。 | Trackback | Comments(6)
Commented by chata at 2019-06-02 22:25 x
『白い巨塔』最終話のみ視聴しました。格闘術を封印した岡田の演技もなかなか(・∀・)
大さん橋こないだ行きましたが、木の床がギシギシして楽しかったです?w
Commented by 16mm at 2019-06-02 22:34
■re:chataさん
なんと、最終話が録画失敗の憂き目に(笑)。
なのでHPに行って無料配信を今観終わったところです。
松山ケンイチもエリカ様も一徳も良かったですねえ。
ただ惜しむらくは岡田が後半衰弱した人に見えない(笑)。
いつ寺尾聰にカリで向かっていくか気が気でなかったっす。
できれば『エンドゲーム』のロバート・ダウ兄jr並みにガリガリになってほしかった(笑)。
でもやっぱ岡田はすげえや。
岡田で来年『燃えよ剣』で土方歳三やるらしいんだけど、監督が『関ヶ原』の原田 眞人でげんなりですが(笑)。
Commented by パカ助 at 2019-06-03 00:14 x
16mmさんの記事を拝読し今更ながら白い巨塔を視聴しています(笑)
とりあえず第一話から観てますが・・・・・
私は田宮二郎のは映画・テレビドラマはもう回数を思い出せないくらい視聴し
唐沢のは2回ほど観ましたが・・・・・・
まぁ~役者に丁度いい下品さがまったくない。
どいつもこいつも綺麗な顔しくさってからに・・・・
そしてインテリ顔も皆無ですね やっぱり顔が綺麗なだけ。
インテリ顔の役者が垣間見せる下劣な表情がなければ
このドラマ成立しないと思うんですよね
Commented by 16mm at 2019-06-03 05:59
■re:パカ助さん
オイラは結構岡田准一をかっているので贔屓目に見ちゃうんですが、後半に行くに従って割と顔つきが邪悪になっていったかなという感じではありました。
とはいえ、うろ覚えの田宮二郎の財前は別格だなという風にも思ってます。
一言で言えば今思い出しても田宮二郎の財前って"大人"の殺気というか雰囲気があったと思います。
演技力の差、ばかりではなく、日本人の顔つきの変遷として考えております。
Commented by パカ助 at 2019-06-03 10:52 x
徐々に視聴を進めてますが・・・・・
里美役のボクは医師免許を持ってるのでしょうか?
どう見てもインターンにしか見えない
寺尾もルビーの指輪を歌い出しそうで・・・・
インテリでもなければ性悪でもない、凄む演技は必要なく
パパにいつまでも届かない
財前又一一派は・・・・・ これはもう金子信雄を超える役者を期待する方が間違いなんだと思います
鵜飼役も・・・・・・

私の個人的所見ですが顔つきに関しては
映画の衰退が原因だと思います
所謂”大部屋役者”が居なくなり、どう見ても3人は殺してますよね?
と凄みのある顔の役者や いやただのキチガイだろう?と思える顔の役者を囲う事のできないなんでもかんでもプロダクションに所属しないといけない現代では
鬼の様な形相のできる切られ役から目が出て上に行ける味のある役者を望む方が間違っているのでしょう
2枚目スター様を更に輝かせる為だけの役者をドッサリ抱えることのない今時の役者ばかり集めても
やはり完成度は低いのではないかと・・・・・・

しかし、ただの可愛いだけのお嬢ちゃんだったエリカ様が
だんだんと女になってきてるなぁ こいつ綺麗だなぁと思って見ています(笑)

一昨日アホツレと 白い巨塔は原作にファンがついてるから
何十年経っても人気が出るんですって と言うアホツレ発言に
違う違う 何十年経っても患者は医者に諂って
医者は名誉と銭に群がる体質で良心のある医者なんてのは皆無に等しいままだから
観てる方は納得するんだ と諭してやりましたが
役者論はさておきそのあたりは16mmさんの仰せのままかと。
Commented by 16mm at 2019-06-03 11:51
■re:パカ助さん
現行の役者の話は擦りあわないでしょうから割愛(笑)。

『仁義なき戦い』に出ていた東映の大部屋ってモノホンの暴力団か元暴力団が結構いたらしく、それがかの映画のギラギラしたリアリティになっていたらしいっす。
出来なかった黒澤明の『トラ・トラ・トラ』は東映京都撮影所だったわけですが、暴力団が大嫌いな黒澤明は(笑)スタジオに暴力団がいるのが我慢ならなかったらしいっす(笑)。
本物の持つ生の迫力とかライブ感とか言う言葉がありますけど、オイラはそういうのをあまり良しとしないんですよね。
暴力団の映画だからなんとなく大部屋のスジモンを画面に入れて成功したってのはごくごくイレギュラーなこと。
おそらく彼ら、セリフも入ってない状態で撮影に挑み、演技なんてのもできなかっただろうと思うわけです。
それでも監督の深作欣二の演出的なコントロールの下にあったとは思いますけど、そうそう成功するわけではない。
殺人鬼の役は実際の殺人犯に。
ヤク中の役はヤク中に演じさせればリアルになる、なんてのは愚の骨頂。
オイラは役者に演技をさせるのは演出家、監督の役目だと思ってます。
役者の演技よりも演出家の手腕が問われるものだと。
例えば『七人の侍』のワンカット数秒だけの出演をした仲代達矢ですけど。
食い詰めた浪人みたいな戦後の時代を背負ったような特攻帰りのような雰囲気がでていて、当初時代の雰囲気があっての役者の演技だなあと感心したんですが、実はこれ黒澤明の演出らしく、それらしい歩きになるまで一週間ぐらい仲代に延々とやらせたらしいのですよ。
時代の持つ雰囲気だとか、その演者の持つ雰囲気などではなく、粘り強い演出家による作為だったわけです。
今の役者であっても仕事終わりに呑みに行こうなどと不埒なことを考えて早く仕事を上げようという気持ちがなければ、今の役者だって相当にいい演技がでると思います。
演出も役者も製作者もスポンサーも、早くあげれば制作費の圧縮もできて皆ハッピー。
今更観る側だって役者の微妙な演技を楽しむすべなんてもってないし、どうでもいいと思っている。

なので、映画やドラマの出来を役者の所為だけにするのはかわいそうだとも思います。


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