西原理恵子の新作。
最後まで読んだら、テリー・ギリアムの『未来世紀ブラジル』を思いだした。
ちょっと前に西原は手塚治虫の名を冠した賞を受賞したが、やはり取るべくしてとったと言える。
質・量ともに凡人には越せないラインを血まみれになりながら越えている。
質もさることながら、量は頁数を意味する事ではない(手塚治虫だって全部一人で描いたわけではないんだから)。作品にバリエーションがあり、それが多岐に渡ってると解釈するべきだ。
卑近かもしれないが、芥川賞を取った歴代の小説などより、西原の漫画の方にこそ文学があるのではないか。......文学の定義がイマイチ分からんが(笑)
この漫画、一見希望に満ちたようなラストであるが、血が薫るのである。
女の人のメンタリティーは男のオレには分からないのでごくごく控えめに感想を言えば、発狂する事によってしかハッピーエンドにならないファンタジーなんだだと思ってる。