『Cameraholics Vol.9 カメラホリック』『67歳の新人 ハン角斉短編集』

先週金曜日、会社帰りにマッサージへ。
思いのほか肩と肩甲骨が固いとのこと。
たしかに押されると効いていたな。


●AI
この手の流行りに乗るつもりは全くなかったのだが、会社でも多少情報を集めるようにとのお達しがあったり、お達しがあっても会社は金も出さないのに本気でやるわけがない。
なので多少なりともな個人的な興味でこの土日で色々やってみた。
会社から言われたAIとは方向性が違うが、オイラが興味をもったのは画像生成AIというやつだ。
AI関連でオイラが興味を持てるのはそれぐらいしかないからな。
やらないよりマシであろう。
まあ二日間だからたいしたことではないが。
まず"Midjourney"
これはその"Midjourney"を使う前にチャットサービスの"Discord(ディスコード)"をダウンロードしてなんとかせねばならない。
説明が全部英語で面倒くさいことこのうえなし。
とりあえずこの土日で分かったことは現在無料で画像生成できるサービスはないとのこと。
Basic Planが10ドル/月。
Standard Planが30ドル/月。
Pro Planが60ドル/月。
正直本気で使うなら出せない金額ではないと思うのだが、まったくどんな使い勝手でどんな画像が出てくるかのテストもできずに金を出す気になれず。
この手のものって一番安いプランで試して気に入らなかったら解約しようとすると解約の仕方がやたら面倒だったりするということもあるので入会するにも躊躇するところだ。
結局土日潰して成果なし。
それともう一つは"Adobe Firefly"
これはAdobeのプラグインですでにオイラは Adobe Creative Cloudを持っているのでダウンロードすれば使えるものなので使ってみた。
現状、オイラの使い方にはまったく合わない事が判明。
この"Adobe Firefly"はAdobeが了解した画像のみを参照して生成するAIという触れ込みで、出来上がった画像は著作権に引っかかりにくいという触れ込みである。
なので他の画像生成AIのように無節操にネットに転がっている画像を参照したりはしないので生成される画像がいまひとつバリエーションに乏しく感じる。
さらにモデルの画像の足の部分を選択して足のみ生成しようとしたら、英語で書かれているのでわからんがおそらく"セクシャルな画像はダメよ"みたいなアラートがでて画像は生成されず。
別にヌードの画像ではないのだが足というのがフェチと判断されたのか?
更にプロンプトが打ち込めるのでそこに"leg"とか"heel"とか"toe"とか"foot"とかいれたらその時点で画像生成してくれない。
どうも縛りがきつ過ぎるようだ。
オイラがこの画像生成AIを使おうとした理由は、撮影画像のちょっとした修正が簡単にできるのではないか?ということだ。
大体が撮影時のオイラのミスを短時間で手間なくリカバリーできないものか?という使い方なのだ。
例えば撮影してる時はいつものように頭に血が上ってて気が付かないのだが、モデルの女性に素足でポーズをとってもらうところを味気ないサンダルを履かせたまま撮影し切ってしまったという失態。
まあアレですよ、時間と手間をかければそういう修正はオイラでもできるんですよ。
ただね、これはオイラの撮影時の失敗で本来あってはならないことなわけで、なのでPhotoshopでの作業のモチベーションが上がらないのですよ。
Photoshopでのレタッチはクオリティの底上げであって、失敗をリカバーするという後ろ向きなことはただただ面倒でしかないのでやる気がない。
そこのところをサクッとAIでできないか?というもの。
AIとて万能ではなく人間に似た画を生成してはくれるが、AIは人間の骨格を理解しているわけではないので指がとんでもないところで曲がってたり、指が5本以上あったりするのを人間の描画として出してくるからどちらにしても手直しは必要なんだけどね。
それでも0から作るよりは楽だろう、ということなのだ。
もっと言えば撮影時にもっと気を配れよオイラ、ってなことなんだけどね。


今週末は待ちに待った『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』。


『Cameraholics Vol.9 カメラホリック』
『Cameraholics Vol.9 カメラホリック』『67歳の新人 ハン角斉短編集』_c0022635_18495911.jpg
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モノクロの特集。
個人的にはモノクロは大好きなのだが、もらってくれる人は色がついていた方がうれしいのではないか?と思いあまりモノクロでフィニッシュはしない。
モノクロはカラーに比べて情報量が目減りするんだが、その少ない情報量で形をだし色を感じさせるのが醍醐味なのだ。


『67歳の新人 ハン角斉短編集』
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AmazonでKindle版購入。
会社の同僚から情報をもらって購入。
決して好みの画ではないのだが、物語と画のマッチングがいい。
作者のハン角斉(これ東北方面の方言の「はんかくさい」が元のペンネームだよな)は上手く画を描こうという気が感じられず(笑)それでも自分の物語を表現するのに最適な絵柄を創出している。
物語的には引き出しはそんなにないにもかかわらずその引き出しが恐ろしく深くて暗い感じ。
67歳の漫画家は山盛りいるが67歳の新人漫画家というのは寡聞にして知らない。
本人も真剣に漫画家になれると思っていなかったからのハン角斉なるペンネームのような気がする。
個人的には67歳という年齢で漫画家デビューというのは大いに希望を感じられるものではあるが、これは67歳だからすごいわけではない。
才能と努力の賜物であろう。
オイラガ67歳になったからって何かをなせるとも思えないしな。
だがしかし、励みにはなったと思う。
単行本の中の作者の文章でこの作者に嫁がいるというのが発覚(笑)。
それでオイラがどんだけがっかりしたか(笑)。
なんだリア充じゃねーか(笑)。


今週末はヘアカット。

# by 16mm | 2023-06-19 04:16 | | Trackback | Comments(2)

『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.1 罪と罰 Case.2 First Guardian Case.3 恩讐の彼方に』』

先週土曜日、歯のメンテナンス。
いつものように美形で剽軽なドS歯科衛生士女史に歯石を取ってもらう。
歯石はあまりついていないと言いつつガリガリとこそぎ落としてくれている。
健康診断で血圧が高いと弱気になっているものの、オイラより大分低い値なのでイラっとする(笑)。
オイラと同じで血糖値や血圧に不安を抱えつつも甘いものは止められないという業をもつ女史(笑)。
それでもオイラはかなり甘味を控えるようにはなったかな。
先生とカメラの話。
ライカQ3はカッコイイよねという話題。
写真を撮るモチベーションを新しいカメラを買うことで復活させようという考えのオイラと先生。
が、二人とも新しいカメラを買ってもモチベーションは一時しのぎであるということも知っているので最終的には一歩が踏み出せない。
オイラとてカメラを購入して借金持ちになるのは考えものだしね。


『ザイム真理教』
 『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.1 罪と罰 Case.2 First Guardian Case.3 恩讐の彼方に』』_c0022635_00120202.jpg
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Twitterのお勧めにあったので購入。
まだ読み始めだが非常に分かりやすく読みやすい。
今更この手の経済学に興味が出てくるのなら大学時代にもっとまじめに学問に向き合えばよかったと若干後悔しているが、こういうのって歳を経ないと興味が出てこないということもあるよな、と思う。


『ある裁判の戦記』
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著者が竹田恒泰と裁判をしていてその費用をクラウドファンディングで集めていたのは知っていたが、今更だがそれに協力しなかったのをはげしく後悔している。
この本を買ったのはせめて著作を購入してその後悔をある程度払拭したいという気持ちもあるが、それよりもやはりこの裁判の顛末に興味があったからという方が正しい。
本書山崎と竹田の裁判の顛末の話ではあるんだが、これまで裁判に関わったりましてや被告になったことのないオイラなどからすると色々興味深い内容であった。
例えば裁判で負けた方が勝った方の裁判費用、主に弁護士費用などだと思うが、負担するという事になっているのだが、それが全額ではなく二万数千円だとのこと。
全額ではないんだ、という驚きと、本書でも書かれていたが裁判に負けた場合のダメージを考えて訴訟を見送らなくてはならないケースを出てくることを考えるとあまりの高額化は考えものだともいえる。
弁護士の費用の例として弁護士に依頼すると着手金が44万円。
仮に竹田が提訴を見送っても相手側の要求額の減額分16%を弁護士に支払う。
つまりこの裁判で竹田が山崎に起こした要求額が500万円なので減額分は80万円となり竹田が提訴を見送っても山崎は120万円を超える出費を求められることになる。
弁護士の仕事やその専門性を考えれば妥当な金額かもしれないが、オイラに翻って見れば山崎同様にその金額に眩暈を覚えて頭を抱えるだろう。
自分は間違っていないという自信があったとしても裁判は何が起こるかわからない。
自分に正当性があったとしても負けることがある。
負けた上に経済的なダメージというのは本当に痛い。
ここに竹田が山崎に言っていた
「貴殿は私の訴訟に耐えられるかな?」
という言葉の真意がある。
つまり竹田は訴訟を起こすことで山崎に経済的なダメージを与える恐怖を感じさせ言葉を封殺し謝罪させることが目的なのだ。
はっきり言って竹田にとっては裁判の勝ち負けすら問題ではないのだ。
だから山崎が後述する内田樹と相談して裁判費用をクラウドファンディングで集めたことに対してく竹田は山崎を口汚く罵ったのだ。
竹田の目論見が崩れたからだ。
経済的ダメージを感じさせて山崎に謝罪をさせるということが出来ずに裁判になることを恐れていたのは言うまでもなく竹田の方だったのだ。
これが本書でも言われている「スラップ訴訟」というものなのだ。
そもそも事の発端はある地方の教育委員会が竹田に中高生向けの講演を企画したという事について山崎が竹田を
「人権侵害の常習犯の差別主義者」
と、論評したことを名誉棄損だと竹田が提訴したことである。
どこぞの教育委員会はどういう了見で竹田を講演者として招聘したのだろうか?
おそらくTwitterのような情報源をまったく参考にせず竹田恒泰が明治天皇の玄孫という肩書に目を奪われたか?
由緒正しき人と思ったんだろうね。
正確には由緒正しいがレイシストというのが竹田恒泰という人物なのだがね。
オイラのような人間ですら竹田恒泰のような人間に中高生に対して講演させる教育関係者がいるとは夢にも思わなかった。
非常に公共性の高い講演でなおかつまだ成人すらしていない中高生にレイシストのど真ん中を行く竹田に講演させるなど正気を疑うレベル。
なので山崎の竹田に対する「人権侵害の常習犯の差別主義者」というのはまっとうな意見でしかないと思っていた。
レイシストに対してレイシストと批判して何が悪い?
しかし、竹田自身は自分をレイシストだと微塵も思っていなかったのではないか?
というよりは韓国を差別することは差別に値しないとでも思っていたのであろう。
韓国人だって個人レベルで自分と合う合わない人はいるだろう。
それはいい。
しかしそれを一般化して十把一絡げで民族全体を差別的に扱うのは大問題だ。
竹田がやっているのはそういうことだ。


『「ある裁判の戦記」を読む かもがわブックレット』

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この山崎 雅弘と竹田恒泰との裁判での内田樹の関りは、山崎の「人権侵害の常習犯の差別主義者」という竹田に対する言葉を内田がそれをTwitterでリツイートしたら竹田から自分を名誉棄損したツイートをリツイートした人に対しても訴訟をするという「訴訟の脅し」がきたことで山崎と内田が共闘した形となった。
文中で山崎 雅弘も言っているがこの問題、そもそも裁判沙汰にするようなことではなく、お互い文筆家同士、お互いの言葉で論争をすればいいだけの話だ。
山崎や竹田の名前なら紙面を提供してくれる出版社はありそうだし、なければTwitter上で論争してくれればいいだけだ。
この竹田の鼻持ちならないところは自分の正当性というものを明治天皇の玄孫という権威で担保しようとしているところだ。
裁判の訴状に竹田には
"原告は、作家で明治天皇の玄孫にあたり"
という一文があったという。
竹田恒泰が明治天皇の玄孫であるというのは単なる事実でしかなく、では裁判になったら訴状には必ず当人の出自が書かれなくてはならないのか?
そんなことあるはずがない。
竹田は明治天皇の玄孫という虎の威をわざわざ表明することで裁判が有利になると信じたからにほかならない。
裁判官が竹田に恐れをなすとでも考えたのだろう。
なんたって明治天皇の玄孫だからね。
だから竹田という男は法治国家での法やその裁判制度が肩書で左右される程度のものと高を括って軽く見ていたんではあるまいか。
通常考えるなら裁判は何が起こるかわからない。
それこそ山崎に正当性があったとしても負ける可能性は0ではないのだ。
それを謙虚に考えていれば己が権威と考えて崇拝しているであろう天皇の名前を出したうえで裁判に負けたら、それこそ天皇制自体に泥を塗りかねないと考えなかったか。
考えなかったんだろうね。
それほど竹田は自分の明治天皇の玄孫という立場を強い権威だと、もっと言えば裁判程度で負けるような権威ではないと信じていたんだろうな。
そういう竹田の態度はこの裁判を担当した裁判官にもわかるものだろう。
判決は山崎の竹田に対する「差別主義者を差別主義者と言っても名誉棄損にはならない」ということだ。
山崎の言葉は合理的な論評であると裁判所が認めたということなのだ。
もっと言えば裁判所は被告の山崎よりも原告であった竹田を差別主義者として認定し裁いたと言っていい。
様々な裁判で不信感があることもあったがこの裁判においては裁判官に正当性とか正義という差別を憎む心情を感じて胸熱になったよ。
竹田の行った悪辣かつ稚拙なスラップ訴訟はまさに財政・組織・人材などで優位に立つ側が、表現の自由で保障されている意見表明行為(集会、デモ、記事)に対して名誉棄損などを主張して多額の賠償金を請求するというそのまんまなものだ。
内田樹は
「本当の目的は言論活動を委縮させるいわばどう喝。さらに、潜在的な発言もためらわせる。訴訟の勝敗にこだわっていない点も悪質だ」
裁判所はこの不正義の事柄に意見表明をして鉄槌を下したと思っている。


『のボルダ 3巻』

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ボルダリングには多少興味があるものの近くにジムがあるわけではないので自分でやる機会はない。
単に鬼頭莫宏の漫画を見捨てられずにいるので購入しているにすぎない。
いずれまた『なるたる』や『ぼくらの』のような漫画を描いてくれるんじゃないかという期待。
本作のような趣味的な蘊蓄満載の漫画がきらいなのではなく、『のりりん』のような感じになってもらいたくないという願いではある。


『安彦良和 マイ・バック・ページズ 『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』編』

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この本はすでに書籍として持っていて
 『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.1 罪と罰 Case.2 First Guardian Case.3 恩讐の彼方に』』_c0022635_17113791.jpeg
直筆サイン本を購入していたのだ。
しかしこんなお宝を通常の読書でヨレヨレにするのは忍び難く、電書が出ると知っていたので内容は電書で読むと決めて封印していた。
結局電書が出るまで三か月待つことになったわけだが、出てよかった。
やっと内容が楽しめると思った。
前作の『安彦良和 マイ・バック・ページズ』同様、気合の入ったコアな安彦良和ファンのオイラとしては安彦の人となりや仕事への姿勢などの情報はうれしい限りである。
更に本作は 『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』の製作スタッフから見た安彦の情報もあるし、翻って安彦がスタッフをどう見ているか、対人対スタッフに対する考え方なども知ることができた。
本当にこれらの本は安彦良和ファンの為の至れり尽くせりの情報に溢れている。
共著になっている構成やインタビューを担当したであろう石井 誠 の痒いところに手が届くいていていいんだが、あのなんていうの、劇中でコアブースターに載ったスレッガーが操縦するジムがコミカルに大破するところはやりすぎで作中のシリアスなトーンに合わない、という突っ込みは入れてほしかったけど、そう思ってるのはオイラだけなのだろうか?(笑)。
安彦って読み手の考えとは別に自信満々で作中のトーンに合わないことをたまにするからなあ(笑)。
コミックの『天の血脈』のラストみたいな(笑)。
まあとにかく読み応えのある本であったのは間違いないところであった。


『詩歌川百景(3)』

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AmazonでKindle版購入。
『BANANA FISH』や『YASHA-夜叉-』で吉田秋生のファンとなったオイラとしてはこれまでのように地方都市での生活の物語がなんとなく物足りないと思っていたんだが、実際はそんなことはなかった。
特に本巻を読むと会話の応酬がスピーディでスリリングなアクションのように感じられた。
本当に上手い描き手なら会話だけでもまったく退屈しないものだと思った。
舞台となっているこの田舎街でも"ポリコレ"という言葉がでてきて、自己啓発セミナーに引っかかる人がいたり、と、偏見ではあるがこの街にそういうものがが相応しくないなと感じつつも、否が応にもそれらを意識して警戒しなくては生きづらくなってきているのがヒシヒシと感じられる。
作中に出てくるデブでコンプレックスの塊のような光司というキャラクター。
実際ひどいヤツだとは思うんだが光司が作中にあるような考えにいたる気持ちはオイラにもわかる。
多分作者の吉田も光司の悪意は肯定しなくても理解はしてるんだろうなと感じる。
吉田は『BANANA FISH』でも、特にクライマックスでもアッシュを殺した男に対しても肯定せずとも理解のある描き方をしていたと思っている。
人間の信条ってのは一筋縄ではいかないという事を吉田の漫画を読んで感じるところである。


『GENIC|【完全保存版】知ることは次の扉を開くこと ~撮影と表現のQ&A~ vol.67』

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書店で書籍購入。
表紙の副題である"~撮影と表現のQ&A~"が興味深くて久々に書籍購入。
本書は電書がでてないからだ。
写真家やカメラマンだけでなく撮影を趣味にしているタレントなども加わって"~撮影と表現のQ&A~"が構成されている。
技術論的なものではなく割と撮影やカメラに対する心情的な想いが多いんだけど、最近撮影のモチベーションが下がっているオイラにはこうした他のカメラマンの言葉が必要だと感じたのだ。
これまでオイラはあまり他のカメラマンの心情など興味がなかったんだが、そういう言葉が必要な時もあるんだなと感じた。


『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.1 罪と罰』
『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.2 First Guardian』
『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.3 恩讐の彼方に』
 『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.1 罪と罰 Case.2 First Guardian Case.3 恩讐の彼方に』』_c0022635_05574007.jpg
Amazonプライムビデオでレンタル視聴。
この『Sinners of the System』の三作は『PSYCHO-PASS サイコパス 第1期』なみに面白く満足できた。
なんかこの三作がダメ押しとなって霜月美佳の禊が済まされたような気がするんだが、だったらなんで『PSYCHO-PASS サイコパス 第2期』であんな展開になったのか?
同じ霜月美佳とは思えないんだよなオイラとしては。
まあはねっ返りで思慮の足りなさは相変わらずではあるんだが、それでも『PSYCHO-PASS サイコパス 第2期』の霜月はやりすぎだったと思っている。
これはおそらく制作側の問題だとおもうんだけどね。
さて次は問題の『PSYCHO-PASS サイコパス 3』シリーズである(笑)。
『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE』と時系列をわざとテレコにしたためによくわからんんことになっていたアレである(笑)。
テレコにするなら『PSYCHO-PASS サイコパス 3』公開後すぐに『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE』をやるべきだったよな。
細かいところ忘れちゃってるからこうしてこの『 PSYCHO-PASS サイコパス』シリーズを最初から観直しているんだから。
まあそれでなくても色々忘れていたので再見は意味があったと言える。

# by 16mm | 2023-06-13 19:56 | 映画・Blu-ray・DVDの感想など。 | Trackback | Comments(6)

『グレイト トレイラーズ 2』『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』『怪物』

■セコ
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このバカ総理大臣、バカ息子がやった首相官邸での忘年会とやらを「報道で知った」とか言ってなかったか?
為政者のくせに嘘もまともにつけないのか?
バカ息子の所業を父親であるバカ総理大臣も預かり知っていたというやってることも間抜けなうえに嘘をつきとおす周到さもない。
国民、相当舐められてるよな。
それともバレるような嘘をつくことで多少なりとも罪悪感を解消しようとする高等テクニックか(笑)。
まったくもってこいつら自腹を切らないであらゆるものを私物化して恥じないんだよな。
まあ自腹を意地でも切らないから金が溜まって金持ちなんだろうけどね。
オイラはこれまで人生の先輩方に色々奢られてきた。
それに対して返礼をしようとするたびに「それはお前の後輩や年下の者に金を出してやれ」と言われ続けていた。
今まで先輩に奢られた分を十分後輩に奢ったかといわれればそんなことはない。
しかし、少なくとも金を出す段になって躊躇するようなことはしなかったと自負している。

■反対と卑怯なオイラ
『グレイト トレイラーズ 2』『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』『怪物』_c0022635_08395876.jpg
オイラはマイナカードに反対です。
ウチのバーさんは役所に言いくるめられてマイナカード作りやがったが(笑)。
オイラは絶対に登録しません。
そして私は悪辣なインボイス制度にも反対です。
しかし会社はインボイスを推し進めるという恥知らずの決定をした。
さらに言えば大阪万博も止めれ、と思う。
インボイスも大阪万博もオイラが務めている会社では協力するようなので、オイラが反対と言ったところで全く説得力がない。
恥ずかしながらオイラも長いものに巻かれている。
むしろオイラの立ち位置卑怯だよな。


マッサージに行ったが施術がイマイチすぎた(笑)。
まあたまにはそういうこともあるよな。


『グレイト トレイラーズ 2』
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AmazonでKindle版購入。
待望の新刊。
相変わらず画がとにかく魅力的。
言ってはなんだが絵柄的には大友克洋の流れを汲んでいると言っていいだろう。
が、多くの大友フォロワー作家と本作の宮川輝の違いは顔の表情の多彩さだ。
大友タッチの画はどちらかというと物語のトーンとして雰囲気がドライな印象となり、所謂漫画的な大仰な表情にしない傾向がある。
ただ大友克洋の描くキャラクターは決して無表情ではないのだが、それでも例えば本宮ひろ志描くような表情よりは抑えたものになっている。
オイラを含めて大友フォロワーはその大げさでない表情に魅力を感じていた。
が。
宮川輝はその顔の表情の作り方を進めた印象がある。
大友タッチの画で表情が非常に多彩だと思うのだ。
大仰な表情を描いているというのではない。
描かれている登場人物の骨格や筋肉の傾向を踏まえたうえで非常に生き生きとした表情を作っていると思う。
大友タッチの絵柄でありながら表情の情報量が非常に多い。
またそれを描ける画力が宮川の魅力でもある。
そもそもこの作者はアクションの描写を面倒くささを厭わずに丹念に描くところが魅力なのだ。
考えてみれば表情の動きだってアクションだしね。
とにかく画の官能性にあふれた作品である。


『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』
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Amazonプライムビデオでレンタル視聴
やはり脚本に虚淵玄がいると物語に厚みが出るなあ。
こう考えると"第2期"に虚淵玄が関わっていたら霜月美佳の扱いももうちょっと変わった感じになったかなあ。
"第1期"と他との違いは虚淵玄と本広克行が関わっているとオイラ好みになっているような(笑)。
本作も虚淵玄と本広克行が関わってる所為かスリリングで知的で興味深い物語が展開されていた。
更に常守朱のアクションシーンでの所謂"乳揺らし"がなかなかそそった(笑)。
本シリーズでの主役である常守朱と狡噛慎也だが、通常なんとなくこの二人が恋仲になるような間柄になるはずなんだと多少期待するが・・・やっぱりそうはならないだろうな。
この手の通俗的な色恋に行かないのが本作のハードなところだしね。
常守と狡噛はお互いがお互いを理解しあい分かり合っているように思えるので恋仲になるという一つのゴールを設定してもいいように思うが、お互いがお互いをわかっているからこそその違いが明確であり根本的な部分で二人は相いれない考えで行動しているように思える。


『怪物』
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思い切りネタバレあります。
先週土曜日109シネマズ菖蒲。
予告編などを観て、まあホラーだとは思わなかったが、学校を舞台にした"いじめ"などの社会問題を踏まえたサスペンス映画だろうと思っていた。
が。
まったく違っていた。
本作大まかに三つのパートに分かれている。
最初が小学生の息子が学校でいじめられていると抗議する母親の話。
二番目がそのいじめに加担していたと糾弾された教師側から見た話。
そして三番目が二人の児童の、言うなればラブストーリー。
・・・
なに言ってるかわからないでしょう(笑)。
最初と二番目の話は大人の碌でもなさを描いているといってもいい。
が、最後の三番目はラストのクライマックスは見事にラブストーリーの帰結を描いていて、はっきり言って感動したし、それを素直に感動として受け止めていいものか?というジレンマもあった。
ある種これはアニメ版の『火垂るの墓』のようにも思えた。
生々しさは極力抑えられてはいたが官能的なエロティシズムが描かれもしていた。
本作のラストシーン、とてつもなく美しいエバーグリーンの場所に行き着いた。
このラスト、観ていた人は当たり前のように皆気が付いているように感じるし、またはオイラの曲解なのかもしれないと感じたりもする。
何が言いたいかというと、本作のラストに出てきた児童二人は死んでるよね、ということだ。
そうでないと物語が上手く着地したことにならないと感じた。
そうでないと嵐のなかで二人の児童を探していた母親と教師の顛末を完全に無視して終わらせる筈がない。
嵐の中遭難したであろう二人の児童の顛末を母親と教師の側から描くことはせずに児童二人の側だけで終わらせたのはその二人が現実とは違う場所に行きついたからと考えるべきだ。
最初の大人たちの話も興味が持続して面白かったが、それでもそれらの話は最後の児童二人の物語の為の伏線とかフラグのようなものだ。
ただこのラブストーリーの成就が"死"であるという事を容易に肯定していいものかどうかは悩みどころではある。
肯定したくなるのは本作の、特に三つ目のパートの景観や美術や撮影がとにかく緑にあふれて美しいのだ。
山の中にくりぬかれたトンネルの丸く切り抜かれた向こうに大きく茂った木々と打ち捨てられた電車の車両の描写の美しい事。
その中で児童二人は二人だけの世界を築いているその様の楽し気で美しい光景。
スマホなどの現代的な娯楽機器を使わずに楽しいことを二人で見つけ出しているところがすごい。
本作、セリフで直接的な説明を排している部分があるのでかなりの集中力を要すると思われる。
例えばオイラなど小学校の女校長が刑務所に入っている亭主に面会して話す言葉をちゃんと理解できずになってしまってもったいないことになっている。
これはいずれ出るBlu-rayで再見して理解したいと思う。
観終わって本作の脚本がかなり巧妙だったと感じた。
当然のごとくこの脚本を映画にまとめ上げた是枝裕和の力量は言うまでもない。
これまでの是枝裕和の映画で一番オイラとしては気に入った。
本作、現代の学校というシステムの問題や親子関係のあり方なども生々しく描いているのでそういう興味で観ても面白いものであった。
が、オイラはやっぱりラブストーリーとして納得して面白く感じられたといっていい。
Blu-rayでの再見が楽しみである。


今週末は歯のメンテナンス。

# by 16mm | 2023-06-05 04:17 | 映画・Blu-ray・DVDの感想など。 | Trackback | Comments(2)

『PSYCHO-PASS サイコパス 第2期』『ケイコ 目を澄ませて』『65/シックスティ・ファイブ』

■総理秘書官 岸田翔太郎
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総理であり父親でもある岸田文雄も自分の息子がここまでバカとは思わ・・・いや、ちがうな、父親である岸田文雄とて息子と同じ立場であったなら同じようにバカをしたろうな(笑)。
なんかもうこの赤じゅうたんの上にいる奴らって所謂"輩"といってもいいんじゃねえの。
一種の反社会性というかさ。
育ちと家柄はいい"輩"。
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↑こんなことを嬉々として平気でやるんだから文民統制、シビリアンコントロールの意味も分かってねーんだろうな。
岸田文雄って少なくとも安倍晋三よりはましではないかと思っていたが、とんでもない話で安倍以上の逸材だったわけだ。
しかもさ岸田の息子のバカ様の公邸忘年会やら階段寝そべりの画像ってさ、岸田総理の息子 翔太郎本人ではないにしろその場にいた誰かのリークだろ。
こんなのが世間に出まわったら翔太郎の立場が悪くなるということを考えないような友人か、或いは、自分もそんなサークルに入っていたことを反省する意味でリークしたのか(笑)。
どちらにしてもこのバカ息子は友人にも恵まれていないらしい。
とはいえ、このバカを権力の座に就けてる根源は我々国民だということを肝に銘じるべきだ。


●あの頃
『PSYCHO-PASS サイコパス 第2期』『ケイコ 目を澄ませて』『65/シックスティ・ファイブ』_c0022635_08245283.jpg
北野武が新作映画『首』を携えてカンヌ映画祭に。
映画は非常に楽しみだ。
が、まあたけしが自分の再婚の嫁を初披露というのにはいささか衝撃を受けた。
しかも嫁と手つなぎ、だ。
こういう事をする人だったのか?
自分の嫁にストレートに愛情表現するような事ができないシャイな人だと思っていたんだが、老境で心情が変化したか?
半分冗談だったのだろうが、オールナイトニッポンのたけしの放送で自分の母親のボーイフレンドについて苦言を言っていたことがあった。
あの頃たけしは、老いらくの恋、というものを明確に否定していたと思ったんだが。
老いるというのはこうも心境に変化がでるものなのかね。
左側にいた男が映画祭のスタッフにどかされる(笑)という。
このどかされた男ってkadokawaの夏野剛社長。
『首』はkadokawaが出資したらしいので当然のようにフォトセッションに入り込もうとして阻まれたという。
まあフォトセッションがキャストオンリーのものだったからかもしれないが、たかだか出版社の社長のくせに映画の内実を担ったとでも思いあがったか甚だみっともない態度だ。
以前で言えばたけしの隣には森昌行がいたが、はたから見てもたけしと森のコンビというのはかなり良好だったと思ったんだが。
例えば森がカンヌなどのフォトセッションでたけしの隣に映っていられたのは、それこそ長年一緒に仕事をしてきたという厚みのある信頼感があったからだと思う。
それは見ているファンであるオイラもそう思えたし他ならぬたけし自身も森に信頼をおいていたと思えたのだ。
たけしの横ってのは事程左様にぽっと出の人間がいていいわけではないほど重い位置だとオイラは思っている。
特に夏野、お前みたいなヤツが無遠慮にいていいわけじゃねーんだよ。
それが森がたけしの会社の社員の待遇と所属の芸人に格差をつけたカドで分裂。
この分裂というのもいまだによくわからない。
たけしが自分の弟子の芸人の待遇の悪さに憤って森社長と袂を分かつ事態になったと聞いているが、ではなぜたけしは新たに立ち上げた会社に自分の弟子たち全員を呼ばなかったのか?
自分の弟子に自立を促した、というのは聞こえのいい話ではあるが、何十年もたけしと一緒にいて一本立ちできない弟子たちがたけしと離れたらどんな有様になるのか?
たけし軍団というたけしの弟子のあつまりから"たけし"が取れたら完全に無力な集まりでしかない。
それは他ならぬたけしが一番よくわかっている筈だ。
なのでオイラはこのオフィス北野の分裂はたけしが軍団をお払い箱にするための方便だったと思っている。
いくら親分であるたけしの為に前科持ちになったとはいえ、それでも十分にたけしは弟子たちに様々な助力を惜しんでこなかったと思う。
たけしの弟子たちに対する役割は十分に果たしとはいえるだろう。
しかしね、オイラの信条としてはたけしは絶対に弟子を最後まで、出来の悪い、たけしに寄生しているだけの集まりだとしても、面倒をみるものだと思っていたのだ。
オイラはたけしのそういう性分というのを信じて尊敬していた。
普通の人が出来ないことを達成する人として尊敬をしていた
そして最終的にたけしはプロデューサーに恵まれないとは言いつつもそれでも行き着いた先がkadokawaの夏野剛だもんなあ。
言いたくはないがたけしも流石に老いたなと感じた。



先週土曜日歯のメンテナンス。
いつものように美形で剽軽なドS歯科衛生士女史に歯石を取ってもらう。
歯全体のパノラマ写真を撮ってもらった。
結果上の歯が歯槽膿漏が進行しているとのこと。
パノラマのレントゲン写真を見ても骨がスカスカなのが分かる。
結構ショックだがどうしようもない。
女史も言っていたが上の歯の骨は下に比べて薄いとのことなのでこれ以上進行しなように対策をしていきましょうとのこと。
左の上の奥歯の施術で結構血まみれ(笑)。
歯茎に疲れが出ているとのこと。
先生と雑談。
オイラはあまりお世話にはなってなかったが先生の父上の歯科医院の先代の院長が亡くなったと聞いた。
オイラは数度しか治療でお世話にはならなかったが、非常にユーモアのあるウィットにとんだおしゃべりで患者をリラックスさせていて、この父親にしてこの息子ありだなと感じさせる人だった。
衷心よりご冥福をお祈りいたします。


たいへん尾籠な話で申し訳ない、この手の話が苦手な人はこの下の数行の色付きの文章は飛ばしてください。
相変わらずの便秘。
コーラックで何とか一週間分を出すが、それがものの見事な一本クソ(笑)。
昔、"一本クソの女"とかいうタイトルのAVがあったっけ。
スカトロは全く趣味ではないのだがタイトルに惹かれて観て後悔した(笑)。
しかもそのオイラの一本クソ、硬いのなんの。
水洗トイレの水圧でも流れていかない。
すこし水に浸して柔らかくすれば流れると思いきやそれでも半分千切れて流れただけで後の半分は残ってる。
仕方なくトイレットペーパーを指にぐるぐる巻きにして指でうんこをちょん切った(笑)。
そしてそのブツは流れた筈だったが途中で詰まったらしく朝方トイレが使用不能に(笑)。
弟が所謂"トイレのすっぽん"をどこからか調達してきて、トイレを原状復帰させた。
兄貴のウンコの後始末をさせて申し訳ない気分だった。
今後もこうだと先が思いやられる。


『リエゾン(13) ーこどものこころ診療所ー』
『PSYCHO-PASS サイコパス 第2期』『ケイコ 目を澄ませて』『65/シックスティ・ファイブ』_c0022635_00452616.jpg
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『PSYCHO-PASS サイコパス 第2期』『ケイコ 目を澄ませて』『65/シックスティ・ファイブ』_c0022635_20282000.png
「患者が最優先だと理解してくれるはずですから」
医療といえども職場の上下関係があるなかで、それでも患者に対して最優先だと言えるのはよっぽどの博愛な人か出世を諦めているかしかないと思う。
しかし、患者のオイラはこの言葉を頼もしいと思うが、それを患者の側が押し付けるのは間違いだと思う。
患者はこういう医師に会えたら素直に感謝する、それぐらいしかできないよな。
本巻も非常にシビアな人間関係が描かれ、それが割と自分にも起こりうると感じざるを得ない。


『アンメット(11) ーある脳外科医の日記ー』
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「医者として・・・患者に我慢させるのは心苦しいので」
なんて頼もしい言葉なんだろう。
これを口に出して言われたことはないが、自分の付き合いのある医者の先生方は何も言わずに頼もしいところを態度で示してくれる。
そういう医者に巡り会えてオイラは幸運で幸せなんだと思う。
本巻では記憶障害を患っているヒロインが主役の三瓶の窮地を救う活躍をしたところが胸熱。
医者としてハンデを負いながら三瓶が寝てる間も努力して技術の練度を上げているところがね。


『乾と巽―ザバイカル戦記―(9)』
『PSYCHO-PASS サイコパス 第2期』『ケイコ 目を澄ませて』『65/シックスティ・ファイブ』_c0022635_00444499.jpg
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乾以上に巽が大人になりきれない青臭さ。
巽はこのまま青臭いまま世界を見ていくのかもしれない。
一方で乾が青臭いままでいられないのは軍人だからということなんだろうね。
常にリアリズムを突きつけられる日常だから。
この二人の対比が面白いのと、なかなか歴史上名前が出てこないような人(オイラが名前を知らなかっただけだとも言えるが)が出てきて興味が尽きずにいる。
続巻が楽しみである。


『PSYCHO-PASS サイコパス 第2期』
『PSYCHO-PASS サイコパス 第2期』『ケイコ 目を澄ませて』『65/シックスティ・ファイブ』_c0022635_10141410.jpg
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再見であるが、結構忘れていたので先週の"第1期"同様新鮮に観れた。
よくわからないのだが、文芸関係のスタッフが違う所為か印象が違って見えた。
有体に言えばこの"第2期"は"第1期"に比べて"粗暴"な印象。
"暴力的"という意味で言えば"第1期"とて相当なものだが、"第2期"は"暴力的"というよりも"粗暴"なのだ。
これは言葉がすぎるかもしれないが"第1期"の方が知的な印象が強い。
"第1期"は暴力を描きつつも人間と法律、そして民主主義に対する希望というものを肯定的な言葉で語っていた。
その繊細なバランスが"第2期"には乏しく感じた。
それとみんな大好き
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霜月美佳。
初見で観た時、霜月が罰せられないというのは物語として手落ちではないかと思ったが、これ、この作品の世界観の中なら"シビュラシステム"に忠実な市民として主人公の常守朱よりも良好な構成員として成立しているよなと思い直した。
霜月の行ったことは"シビュラシステム"に裁かれるものではないという世界観だということで納得した次第。
それでも脚本が"第1期"は虚淵玄だったというのが割と決定的な差になっているような気がする。
アニメーション制作がProduction I.Gからタツノコプロに変わったということで画的な部分も微妙さがあったように思う
"第2期"が悪いとは言わない。
特に"第2期"のクライマックスの展開やセリフなどは重みがあってよかったとは思う。
が、やはりこの世界の大枠は虚淵玄が作ったものだとしたら彼を外すのは得策ではないだろう。
この物語りの世界観で発せられる登場人物の言葉や人物設定は虚淵玄によって形作られるべきだ。
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ネットでも話題になっているようだったが、上の画像の監視官って『銀魂』の新八じゃねーのという話。
まあスタッフのお遊びなので目くじらたてるようなことはないとは思うんだが、なんかこの手のお遊びがどうも本作ではノイズになるんだよな。
もっと言えばなんでこんなことするんだ?
なんかこういう事も含めて作品的な"粗暴"さを感じるんだよね。

一応『銀魂』で銀さん(杉田智和)が1:57あたりで
「サイコパス」
なんてアドリブ入れてるのは『PSYCHO-PASS サイコパス 第2期』のおふざけを見越してのことだろう。
まあ『銀魂』でやる分にはいいんだけどね。


『ケイコ 目を澄ませて』
『PSYCHO-PASS サイコパス 第2期』『ケイコ 目を澄ませて』『65/シックスティ・ファイブ』_c0022635_11250698.png
Amazonプライムビデオでレンタル視聴
ずっと楽しみにしていて劇場で観るつもりだったが叶わなかった作品。
非常に面白かった。
冒頭の身体の一部を切り取った構図でボクシングの練習風景を繋いでいく。
これが良かった。
オイラが思う映像的な官能性というのがどういうものか、本作を観てはっきりした。
具体的に言えば人物の顔を映さないか意識させずに動きのある描写をしているところにフェティシズムの官能性を感じたんだ。
どおってことない感想であろうが、これまでオイラが映像の官能性というものを感じつつも言葉にまとめきれなかったが本作を観て確信したといっていい。
『新聞記者』の公安が黙々とPCに向かってネットへの書き込みをしていたのもそう。
大勢の公安がいながら顔や表情を意識させず描写しない。
生きている人間がモノのように、フェティッシュに扱われるところにオイラが思う官能性があると感じた。
ボクシングの練習でコンビネーションを繰り返すリズムというのにも映像的なフェティシズムを感じたかな。
繰り返しとか同じリズムというのは人工的なことではあるしね。
そしてそれと対になるようにフェチとは違う人間的な葛藤、ボクシングを止める止めない、ボクシングジムが無くなる、母親との葛藤などの人間ドラマが際立つのだと思う。
その一方で三浦友和の暖かな演技があるからこそ同じ映画のなかでのフェティシズムが立ち上がってくるのだと思う。
本作は有名どころの俳優といえば三浦友和ぐらいで他の役者たちは微妙に面が割れていない。
なので見慣れた貌ではない生々しさとリアルさがあり本作には非常にマッチしていた。
主演の岸井ゆきのの面構えの立派な事。
本作は聾唖者が主人公ではあるが聾唖というものをかわいそうな存在として描いていないのが好感が持てた。
所謂健常者に便利な社会で聾唖の人が生きていく大変さというのは描写しているが一方的な同情の物語にはなっていない。
耳が聞こえない場合目覚まし時計はどうするんだ?
タイマーで扇風機がかかるようになっている、とか。
そういう日常の描写も魅力的に見えた。
全体的に好感が持てる良い映画であった。


『65/シックスティ・ファイブ』
『PSYCHO-PASS サイコパス 第2期』『ケイコ 目を澄ませて』『65/シックスティ・ファイブ』_c0022635_12502690.png
ネタバレあります。
先週土曜日109シネマズ菖蒲
エンターテインメントとしては面白い。
作劇をコンパクトにするために登場人物がほぼ二人であるとか、その二人の間でも言語の問題で意思の疎通が図りづらいという縛りを加えていたりと物語的な工夫はされていた。
これ、タイムスリップして恐竜のいる時代に行っちゃった話かと思いきや、6500年前、地球とは別の地球に似た惑星に地球人と似たような人間がいて、彼らが宇宙探査にでた先で行き着いたのが恐竜のいる時代の地球だったという話。
冷凍睡眠するぐらいだから自分たちの母星から遠く光の速さでも何年もかかるであろう距離でありながら、遭難して救助を求めたら折り返しの返信がおそらく数日で来ちゃったのは光の速さよりも速い物理法則のある世界だからなのか?
まあSci-fiだからそのあたりは眼をつぶるべきなのか?
地球とは違うルールがを提示したときにその説明をするべきなのかというのは微妙だよな。
実際本作観ている時にはその手の物理法則はあまり気にならなかった。
後で物語を反芻した時に「むむっ」と思うだけなので観ている間だけでも観客を騙せれば良いともいえる。
ただしこういう映画は後で反芻した時に設定や物語の底が割れるので再見したいとは思わないんだよね。
まあ観ている最中からクソだと思わざるを得なかった『大怪獣のあとしまつ』よりは一億倍マシ。
ビジュアルはSci-fi映画としては可も無く不可もないレベル。
所謂暇つぶしにはなるがそれ以上ではないと思います。

# by 16mm | 2023-05-29 00:45 | 映画・Blu-ray・DVDの感想など。 | Trackback | Comments(6)

『PSYCHO-PASS サイコパス 第1期』『最後まで行く』

先週土曜日、心療内科。
今回減薬するつもりだったが最近発作が起こったので減薬なしで。
身体の痒みが皮膚の表面ではなく皮膚の内側にあり、痒いても掻いてもその部位に到達せずに掻痒に耐えなければならないという。
それが絶望的に苦しいんだよね。
・・・
これ言ってもわかってもらえないと思うけどパニックディスオーダーってそういう些細な事が絶望的に大きなことと脳が判断しちゃう病気なのだよ。
一応頓服薬も処方してもらって乗り切ることにした。


昇降デスクの配線に手間取っている。
机の高さが変わって配線が引っ張られるマージンをどう取るか。
なかなかの悩みどころだ。
WindowsのVAIOをどう設置するかも決めかねている。
昇降させたら配線で引っ張られて机の上のものがバサバサ落ちていくなんてのは避けたい。
特にUSBハブがやっかいなんだよね。


相変わらず便秘。
一週間の帳尻を週末のコーラックの服用で合わせている。
一応これでなんとかなってるが、コーラックやりすぎで効かなくなったらどうしようというのが恐怖ではある。
牛乳を1リットル毎日飲んでバナナ食べてもダメ。
腹筋が弱くなってる所為かなあ。



『「国の借金は問題ない」って本当ですか?〜森永先生!経済ど素人の私に、MMTの基本を教えてください。』
『PSYCHO-PASS サイコパス 第1期』『最後まで行く』_c0022635_19370961.jpg
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井上純一の本から始まってちょっと経済学について学び直そうという気になって、井上のtweetにあった本書を購入。
一問一答形式というか対談形式で非常に読みやすい。
井上の本に書かれた内容がそのままの感じ。
恥ずかしい話だがオイラは所謂"国債"というものがなかなかイメージできなくて躓いている。
日本政府の借金ということは分かるんだが、自分にもっていないものはイメージできない。
で、この国債を"買う"という表現を国が"借金"をして金を引き出していると考えたらなんとなく合点がいった気がした。
国債は借金の証文みたいなものだろうからそれを持っていれば貸した金は多少の利子がついて返ってくる。
国の借金という通りいっぺんの回答ではどうも理解しにくい。


『うつ病になってマンガが描けなくなりました 入院編』
『PSYCHO-PASS サイコパス 第1期』『最後まで行く』_c0022635_19523988.jpg
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相原コージの画は妙な生々しさがあって(例えば口の中で咀嚼されるチョコレートの描写とか)ちょっと苦手な部分もあるが、それを我慢しても読む価値のある作品だと思う。
今回ちょっと感動したのは閉鎖病棟に入院させられた相原コージが看護師の配慮でガラス扉越しに妻子と面会した時に、それでも閉じ込められたという絶望から
『PSYCHO-PASS サイコパス 第1期』『最後まで行く』_c0022635_19543514.png
こんな感じになった、と。
妻子を見て無言でゾンビのようになってしまった相原に看護師が
『PSYCHO-PASS サイコパス 第1期』『最後まで行く』_c0022635_03595289.png
"「出してくれぇー!って言えばよかったのに"
と相原に呟いたのが非常に印象的だった。
なんつーか、社会から切り離された人間に対して人間的な弱さを肯定してくれる態度のように感じた。
実際に「出してくれぇー!」と言わないにしても、そう弱音を吐いていいと言われたらどんなに楽だろうか。
非常に良い看護師さんだなと感じた。


『白竜HADOU 33』
『PSYCHO-PASS サイコパス 第1期』『最後まで行く』_c0022635_04015390.jpg
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日本のどこかで碌でもないことが起こっていたという事を教えてくれたんだと思う。
もうちょっと時事に詳しければあの事だったのか、と合点がいったろうが・・・。
これだけ示唆にとんだ内容であるにもかかわらずそれを十全に楽しめないオイラが情けなし。
ただ話の作りが良いので経済サスペンスとして面白く読めた。


『百木田家の古書暮らし 3』
『PSYCHO-PASS サイコパス 第1期』『最後まで行く』_c0022635_04014889.jpg
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相変わらず魅力的な画。
この次女のツグミがなかなかオイラ好みなんだよ。
数年前にいた会社の同僚に印象が似てるっちゅうか(笑)。
『PSYCHO-PASS サイコパス 第1期』『最後まで行く』_c0022635_04184832.png
女性の作家特有なのか分らぬが人間関係の物語が姉妹の数だけあり、さらに姉妹以外の登場人物の物語まで広げ、それが微妙に姉妹の物語に繋がってきそうだとか、とにかく物語の構造に飽きがこないので興味が持続する。
地味なようでいてまったく退屈しない。
物語作りの上手さとともに古書というものの扱いが興味をそそる。
オイラ自身は古書というものに興味がないんだが、それでも紙の本というものの魅力が描かれている。
ただオイラは紙の本が日焼けしたりして経年劣化するのが耐えられない性分なので自分で古書を蒐集したいという風にはならんのだ。
古い本は傍から眺める方が好きかな。
所有したいのはきれいな紙の状態の本だな。
古書好きは紙の日焼けや劣化も刻まれた歴史として愛おしむんだろうけど、オイラにその感覚はないんだよね(笑)。


『PSYCHO-PASS サイコパス 第1期』
『PSYCHO-PASS サイコパス 第1期』『最後まで行く』_c0022635_10345434.jpg
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先週本作について能書きを書いたが、実は先週のオイラの疑問点って第1期の作品内ですでに提示された問題でありその回答も合わせて作品内にあったのを先週全話再見して気が付いた(笑)。
かなり内容忘れてたよオイラ。
『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE』で出てきた雑賀譲二って第1期に出てきていたのは覚えていたんだが、どんな感じで常守と関わっていたいたのかをすっかり忘れていた。
つまりオイラごときの疑問や考えなどはすでに作品内で出ていたという事だ。
改めて本作観てとにかく用意周到で世界観の構築が完璧にしか見えなかった。
理屈の構築だけでなく感情的な機微の盛り上げもすばらしい。
クライマックスで狡噛慎也と槙島聖護が初めて対峙した時のセリフが
「お前が槙島聖護だ」
「お前が狡噛慎也だ」
と、通常セリフとして初対面なら「~か」と疑問形で分かっていても問うところを「~だ」と強く断定するところに二人の魂の結びつきのようなものを強く感じる印象的なセリフだ。
これは狡噛慎也の関智一と槙島聖護の櫻井孝宏のCVの力の強さもあるんだよね。
関と櫻井って声に重みもあるし知的な印象がある。
櫻井孝宏、最近色々アレだが(笑)、声はいいんだよなあ。
人間的には好感が持てないが声質には無茶苦茶好感がもてる櫻井孝宏だ。


『最後まで行く』
『PSYCHO-PASS サイコパス 第1期』『最後まで行く』_c0022635_09271644.jpg
ネタバレなし、だと思ふ(笑)。
先週土曜日109シネマズ菖蒲。
岡田准一が大阪のひらかたパークの兄さん、ひらパー兄さんをやっている関係で映画が公開されるたびに便乗ポスターが作られているようで、今回本作でも作られていた(笑)。
『PSYCHO-PASS サイコパス 第1期』『最後まで行く』_c0022635_09364687.jpg
相変わらずのクオリティだ、ひらパーよ(笑)。
岡田に近づかれて困り顔の綾野剛の顔がなんとも、ね。
岡田、顔キメまくり(笑)。
岡田の所属事務所が大変なことになっているがいつのまにかあの事務所も所属タレントのネット画像掲載がオッケーになっているんだな。
まあ映画の主役でありながらHPに画像を載せないというのはいくらなんでも、とは思うが・・・
それでもその画像の権利に関する徹底ぶりはタレントで儲けるための方法論としてはあったんだろうな、とちょっとは感心する。
ところで映画は岡田のキャラクターの所為か、シリアスの中に滑稽さというか人間の、男のどうしようもなさを黒く笑うような感じが上手くでていた。
例えば自分の母親の棺桶の中に自分が車で跳ねた男の遺体を一緒に入れて火葬しようと右往左往する様とか。
前述したひらパーの印象か岡田の演技が非常にシリアスにあっても間抜けなユーモアをも感じさせる要素があると思う。
これは多分演技力とは別の役者のイメージ的な付加であろうと思う。
最初の段階で観念してたらここまで悪くはなかったろうが事態が悪い方に進行していく。
ちょっとした綻びをごまかすたびに事態は悪化していくというね。
印象としてはスタンリー・キューブリックの『現金に体を張れ』のような要素があったと思う。
岡田准一が演じる工藤刑事が自分が跳ねた男の遺体を母親が安置されている霊安室に空調ダクトを伝って運び込む時も、たとえ映画であってもそんなうまい具合に行くわけがないという事を先回りして演出している。
ちゃんとダクトの中を移動する工藤刑事の音を警備員が気が付くとか。
気が付いたうえでその窮地をどうやって逃げ延びるかというのをちゃんと考えているのがいい。
ドジを踏んでもひたすらカッコいい木村拓哉との違いはこんなところだろうか。
岡田はカッコ悪いのをカッコ悪く演じることができるんだよね。
工藤を追い詰める綾野剛演じる監察官の矢崎も最初の印象は冷徹で切れ者で逆玉の輿で出世が約束されているような男だったが、これも最終的にはひどく取り乱して自分を追い詰める結果になった。
実際は工藤が跳ねて殺したと思っていた男は監察官の矢崎に撃たれて死んでいたかもしれないが、その遺体を工藤が持ち去って何とか隠ぺいしようとして大事になる。
本当に人間は頭の良し悪しにかかわらずつまらない保身から身を滅ぼしていく。
"つまらない保身"の段階でごまかさなければ後戻りはできた筈、というのもそう思えるのはそれを見ている第三者だけで当事者はやはりそうは思えないところまで頭に血が上っている。
出てる役者はかなり手練れで安定感がある。
駿河太郎に杉本哲太は言うに及ばず、広末涼子のポジションって主演というより一歩引いたぐらいのところで良い味出してると思う。
広末涼子に主演が張れないということではないんだが、ちょっと肩の力がぬけるようなポジションで観る側に安心感を与えるというか、ね。
言うまでもなく柄本明のやくざの親分の不気味さ(誉め言葉)は見応えあり。
というわけで映画は面白かったんだがもう一つ引っ掛かりの印象があればとは思った。
ヴィジュアルが決して悪いというわけではなく、むしろかなり頑張って画作りをしているんだが、もうひとつ引っ掛かりが欲しかったというのが正直なところ。
監督の藤井道人は『新聞記者』で公安が黙々とネットの書き込みをしている不気味な描写を作ったが、あんな感じの引っ掛かりである。
オイラなどあの公安の画でごはん三杯は行けると思う(笑)。
後は柄本明のやくざの親分が独り勝ちだったというのが、気分的に晴れないんだよね(笑)。
暴力団が最後に良い目かよ、というのが実際にはそうであっても心情的にはもやもやする。
まあこれはオイラの好みの問題となるが。


今週末は歯のメンテナンス。
# by 16mm | 2023-05-22 04:04 | 映画・Blu-ray・DVDの感想など。 | Trackback | Comments(2)